壮大なスケールで英雄たちの生き様を描く三国志小説。作家によって物語の解釈や登場人物の描かれ方が異なり、読みごたえがあるのが魅力です。しかし、種類が多いため、どれを選ぶべきか悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、三国志小説のおすすめをご紹介します。選び方のポイントもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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三国志小説の魅力

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三国志小説の魅力は、魏・呉・蜀それぞれの国に登場する多彩な名将たちです。個性豊かな人物のなかから、自分のお気に入りの武将を見つけて物語を深掘りする楽しみがあります。登場人物の背景や心理に没入できるのがポイントです。

また、史料から構成された、大河ドラマのような壮大な展開も味わえます。出来事の因果関係が緻密に描写されているため、物語に厚みとリアリティが生まれます。歴史ロマンを感じながら、重厚な人間ドラマを楽しみたい方にもおすすめです。

三国志小説のおすすめ

三国志1

講談社 著者:吉川英治

三国志1

日本の三国志小説の王道ともいえる歴史大作。1940年に初版が刊行され、80年以上にわたって愛され続けているベストセラー作品です。

後漢末期、政治の腐敗により〈黄巾の乱〉が各地で発生し、民衆が苦しむ時代。楼桑村の青年・劉備は志を同じくする関羽、張飛と桃園で義兄弟の契りを結び、世を救うことを誓います。やがて魏・呉・蜀の三国が天下の覇権を巡って争う、約100年間の壮大な興亡史が幕を開けるのです……。

三国志小説の入門書として評価が高く、歴史小説の醍醐味を味わいたい方におすすめです。

三国志 第一巻

文藝春秋 著者:宮城谷昌光

三国志 第一巻

正史三国志をベースに描かれた歴史小説。曹操の祖父の時代から始まり、後漢王朝の衰退と混迷を丹念に描いた1作です。2008年に文庫化され、全12巻という構成でじっくりと歴史を紐解く内容になっています。

建武元年から始まる後漢王朝では、幼帝が続き、宮中は皇太后の外戚と宦官の勢力争いに明け暮れていました。正義の声は圧殺され、異民族の侵入や天候不順が続く時代背景のなかで、6代目の帝に皇子が生まれたとき、守り役にひとりの幼い宦官がつきます。

曹騰という名のその人物こそ、後に8代目順帝の右腕となり、曹操の祖父となる人物です。独自の視点で中国史を描いており、権力争いや諫言といった政局の論争がドラマティックに表現されています。正史三国志に興味がある方におすすめです。

三国志演義 1

講談社 著者:井波律子

後漢末期の乱世から三国鼎立までを描く中国古典長編小説。全4巻で刊行され、中国文学者である井波律子により現代的に翻訳されています。歴史的事実と文学的創作が巧みに織り交ぜられた作品です。

後漢王朝の衰退により、天下は乱れ群雄が割拠する時代。桃園の誓いで義兄弟となった劉備・関羽・張飛を中心に、黄巾の乱から始まる激動の歴史を描写。董卓の専横、諸侯連合軍との戦い、曹操の台頭など、複雑な政治情勢と人間関係が展開されます。

展開が早くダイナミックな原典の特徴を活かしつつ、現代読者にもわかりやすい翻訳が魅力。中国古典文学に興味のある方におすすめです。

曹操 卑劣なる聖人 第一巻

曹操社 著者:王暁磊

曹操 卑劣なる聖人 第一巻

後漢末の乱世に皇帝を擁して天下に号令した曹操の多面性を描いた歴史小説。海外で300万部を突破している作品です。

桓帝の崩御から物語が始まり、曹操の家族や一族の複雑な事情が明かされます。洛陽への帰還、袁紹との運命的な出会いなど、曹操の若き日々が丁寧に描かれているのが特徴です。

策謀に長けた政治家、軍人、詩人としての曹操を多角的に描写し、従来の三国志作品を超える深みを持つ内容として評価されています。後漢王朝の政治的混乱と権力闘争を背景に、曹操という人物を深く掘り下げたおすすめの作品です。

新装版 三国志 一の巻 天狼の星

角川春樹事務所 著者:北方謙三

新装版 三国志 一の巻 天狼の星

漢王朝末期の激動時代を描く、北方謙三の代表的歴史小説。全13巻の第1巻として、壮大なスケールで描かれている作品です。

黄巾の乱により漢王朝の権威が失墜し、群雄が各地で勢力を拡大していた時代。曹操をはじめ、劉備や孫堅といった英雄たちが登場し、動乱の中で自らの信念を貫こうとします。

一般的な三国志とは異なる、北方謙三独自の解釈による人物描写が印象的です。従来の三国志物語とは一線を画した、男性的でリアルな戦乱描写が特徴的です。

三国志名臣列伝 蜀篇

文藝春秋 著者:宮城谷昌光

三国志名臣列伝 蜀篇

「三国志」の蜀を支えた名臣たちの物語を描く歴史小説。関羽・張飛・諸葛亮・趙雲といった三国志のキャラクターを主人公とした短編集です。彼らの人間的な魅力や葛藤に深く迫ります。

関羽と張飛は、政府の汚濁に激しく怒る劉備の姿を初めて目にします。劉備の無垢な本性に感動した関羽。けがれる世で彼がどこまでその純粋さを貫けるか、見届けたくなるのでした。

英雄たちの高潔さと人間らしい一面が巧みに描かれています。三国志の新たな魅力を発見したい方におすすめです。

興亡三国志 全5巻セット

集英社 著者:三好徹

興亡三国志 全5巻セット

乱世の英雄・曹操を中心に群雄たちが繰り広げる壮大な歴史ロマン作品。黄巾の乱から三国鼎立まで、中国史上屈指の激動の時代を丁寧に描いた長編小説です。

後漢末、宦官たちが皇帝を意のままに操り、天下は乱れていました。疲弊した民衆は黄巾賊となって蜂起し、大軍を率いた董卓が首都洛陽に入ると暴政の嵐が吹きます。そんななか若き曹操は「乱世がくるぞ」と身震いしながら思うのでした。

歴史的事実を基に登場人物の心理描写や戦略の詳細まで踏み込んでいるのが見どころ。三国志の歴史を深く知りたい方におすすめです。