綾辻行人が、作中各地に存在する「館」を舞台に本格ミステリーを描く「館シリーズ」。1987年に刊行された『十角館の殺人』から続く、人気シリーズとして知られています。
今回は、「館シリーズ」のおすすめ作品をご紹介。最新作まで網羅しているので、ぜひチェックしてみてください。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
綾辻行人の館シリーズとは?読む順番についても解説

「館シリーズ」は、綾辻行人が発表しているミステリー小説シリーズです。建築家である中村青司が建てた、風変わりな数々の「館」を舞台に、巻き起こる無惨な事件の謎と真相を描く本シリーズ。シリーズ累計発行部数は750万部を突破しています。
第1作である『十角館の殺人』から始まり、現在まで9作品が発表されました。2024年には『十角館の殺人』がHuluにてオリジナルドラマ化。その後、シリーズ映像化第2弾の企画が、2025年製作で進行しています。現在、「館シリーズ」最新作であり完結作でもある、10作目『双子館の殺人』を綾辻行人が執筆中です。
シリーズを通して探偵役が共通しているなど繋がりがあるため、読む順番は発表された順がおすすめ。ぜひ、第1作から読んで「館シリーズ」の世界に浸ってみてください。
綾辻行人の館シリーズおすすめ
十角館の殺人 新装改訂版
講談社 著者:綾辻行人
「館シリーズ」の始まりの1作として知られる、綾辻行人のデビュー作です。1987年に刊行された作品で、2007年に新装改訂版が発売されました。漫画化もされた人気作です。
半年前に炎上した屋敷で死亡した、建築家・中村青司が建てた奇妙な十角館が存在する角島。そんな孤島を、大学のミステリ研究会に所属する7人が訪れます。やがて、7人を襲う連続殺人事件。メンバーが1人、また1人と殺されていき……。
ミステリー史上最大級とも謳われる、衝撃の結末で驚きを与える1作。作中に登場する、”ある1行”の衝撃で広く知られる人気作です。ミステリー初心者でも楽しめると高く評価されています。どんでん返しが好きな方におすすめです。
水車館の殺人 新装改訂版
講談社 著者:綾辻行人
王道のミステリーとして高く評価されている、「館シリーズ」の第2作。王道のミステリー要素が多く盛り込まれた名作です。
舞台は、仮面の当主と孤独の美少女が住まう謎の館・水車館です。密室から消失した男の謎や、幻想画家である藤沼一成の遺作「幻影群像」をめぐる秘密。1年前の嵐の夜に巻き起こった惨劇が、今年も繰り返されてしまうのか……。
印象深いラストシーンが本作品の見どころ。正統派ミステリーが好きな方に、おすすめの「館シリーズ」作品です。
迷路館の殺人 新装改訂版
講談社 著者:綾辻行人
地下に存在する迷路がある館を舞台にしたミステリー小説。周到な企みと遊び心で、ミステリーファンを驚喜させたと謳われる「館シリーズ」の第3作です。
4人の作家が招かれたのは、地下に存在する奇妙な館・迷路館。作家たちは莫大な賞金をかけ、館を舞台にした推理小説の競作を開始しました。しかし、競作の開始は、恐ろしい連続殺人事件の開幕の合図でもあり……。
作中作が登場するのが特徴の1作で、エピローグで衝撃の事実が明かされるのが見どころ。叙述トリックが巧みな作品を、探している方におすすめです。
人形館の殺人 新装改訂版
講談社 著者:綾辻行人
「館」シリーズで一際異彩を放つミステリー小説。著者自身が異色作と語り、お気に入りの1作とも評しているシリーズ第4作です。
顔のないマネキンが邸内の各所に置かれている人形館は、父が飛龍想一に遺した京都の屋敷です。脅迫してくる何者かの影に怯えた想一は、旧友である島田潔に助けを求めますが……。
ミステリーとサイコホラーが融合した独特な作品で、読後感も深く残るのが魅力。主人公の内面描写や不気味な舞台設定もおすすめのポイントです。
時計館の殺人 新装改訂版 上
講談社 著者:綾辻行人
鎌倉の館を舞台にした、「館シリーズ」の代表作とも謳われる1作です。1992年には、第45回日本推理作家協会賞を受賞しています。1991年に刊行されたシリーズ第5作です。
鎌倉の外れに存在する館・時計館。十角館での惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の取材班の1人として、時計館を訪れました。館に棲むと言われる少女の亡霊と接触した夜、突如姿を消す美貌の霊能者。閉ざされた館の中で、凄惨な殺人事件が起こり……。
張り巡らされた伏線と壮大なトリックがポイント。ストーリーの面白さも重視したい方におすすめの「館シリーズ」作品です。
黒猫館の殺人 新装改訂版
講談社 著者:綾辻行人
シリーズ屈指の謎が仕掛けられたミステリー小説です。シリーズ最大級の大仕掛けと謳われる本作品。「館シリーズ」の第6作で、2014年に新装改訂版が刊行されています。
火事で重傷を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬から舞い込んだ依頼。依頼を受けた推理作家の鹿谷門実と江南孝明は、謎を解くため東京から札幌、阿寒に向かいます。深い森のなかに建つ館・黒猫館には、世界を揺るがすほどの事実が待ち受けており……。
序盤から中盤にかけて読者に小さな違和感を積み重ねさせながら、ラストで驚愕の真相が明かされるのがポイント。予想できない壮大な物語を楽しみたい方に、おすすめの「館シリーズ」作品です。
暗黒館の殺人 一
講談社 著者:綾辻行人
綾辻行人の「館シリーズ」第7作です。2004年に上下巻で刊行され、2007年には文庫化もされました。舞台は、湖上の小さな島に建つ漆黒の館です。
蒼白い霧の峠を越えると、湖上に建つ暗黒館に辿り着きます。館の当主の息子である玄児に招かれた中也は、暗黒館で不思議ないくつもの出来事に遭遇することになりました。
美しい異形の双子に、奇怪な宴。浦登家の面々に囲まれダリアの宴に参加した中也ですが、激しい嵐で外界と断絶された場所で、突然連続殺人が発生し……。
ホラージャンルでも活躍する綾辻行人の魅力が、存分に発揮されていると高い評価を得ています。人気シリーズの大作が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
びっくり館の殺人
講談社 著者:綾辻行人
ホラー要素が強い1作としても知られる、「館シリーズ」の第8作です。児童向けである、講談社ミステリーランドレーベルで発表されたことでも話題に。2006年に初めて刊行され、2010年に文庫化されました。
お屋敷町の洋館・びっくり館は怪しい噂が囁かれる場所。館に住む少年と友達になった三知也たちは、少年の祖父がおこなう異様な腹話術劇におののきます。そして、巻き起こるクリスマスの夜の惨劇には、衝撃の真相が待ち受けていて……。
子供向けに発表された作品でありながら、大人でもしっかり楽しめると評判。人の怖さで戦慄できるミステリー小説に、興味がある方におすすめです。
奇面館の殺人 上
講談社 著者:綾辻行人
良質なミステリーとして高く評価される、「館シリーズ」の第9作です。2012年に単行本が発売され、2015年に上下巻構成で文庫版が発売されました。
吹雪で孤立した館・奇面館に招かれた6人の客は、主人である影山逸史によってそれぞれの仮面を被らせられます。異様な状況下で立ち入った主人の部屋で見つかったのは、頭部と両手の指を切り落とされた死体。6人の仮面に鍵がかけられているなか、名探偵・鹿谷門実の推理が幕を開けます。
裏をかくような予想外のトリックに、思わずのめり込んでしまったと高く評価される作品です。まさかの展開を楽しめる「館シリーズ」作品を探している方は、ぜひチェックしてみてください。
どんでん返しや叙述トリックが魅力の、綾辻行人の「館シリーズ」。刊行順に読むのがおすすめですが、もちろん気になる作品がある場合は好きなモノから読んでも十分に楽しめます。ぜひ、作品に手を伸ばして、「館シリーズ」を楽しんでみてください。