読み終えると明るい気分になれる「森沢明夫作品」。キャラクター作りにこだわりがあり、主役から脇役まで細かく設定を考えているのが特徴です。作品内には登場人物を通して多様な名言が語られており、心に刺さる方も少なくありません。
そこで今回は、森沢明夫作品のおすすめをご紹介。はじめは、設定やテーマが気になる作品を手に取ってみてください。映画化されている作品にも注目です。
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森沢明夫作品の魅力
森沢明夫作品は、読後に明るい気分になれるのが魅力。著者自身も、読み終わったあとに人生を前向きに捉えられるような終わり方を意識していると語っています。
また、登場するキャラクターの設定を綿密に作り込んでいるのも特徴。主役だけでなく、脇役のディテールを掘り下げることで、深みのある作品が生み出されています。
作品中の随所に、登場人物を通して語られる名言がちりばめられている点にも注目。心あたたまる小説を読みたい方におすすめの作家です。
森沢明夫のおすすめ小説
虹の岬の喫茶店
幻冬舎 著者:森沢明夫
心あたたまる物語を紡いだ森沢明夫の感動小説。2014年には『ふしぎな岬の物語』として俳優の吉永小百合や阿部寛らが出演し、実写映画化もされています。
岬の先端で、何かを待ちながらひとりで喫茶店を営んでいるおばあさん。喫茶店には日々、心に傷を抱えた人々が訪れます。訪問者の人生は、喫茶店での出会いによって少しずつ変わり始めて…。
喫茶店の店主・悦子が語る言葉が心に残る方も少なくない作品。彼女のやさしい言葉が、登場人物だけでなく読者の心もほぐしていきます。元気の出る作品を読みたい方におすすめの1冊です。
癒し屋キリコの約束
幻冬舎 著者:森沢明夫
読みながら心がきれいになっていくと謳われる、森沢明夫の小説。2015年にはドラマ化もされている作品です。
純喫茶・昭和堂のオーナー・有村霧子は、雇われ店長・カッキーに仕事を任せ、自分はロッキンチェアで漫画を読みながらお酒を飲んでいる日々でした。そんな昭和堂には、町の人から悩みを聞いて解決する「癒し屋」というもうひとつの顔がありました。ある日、お店に霧子の殺人予告が届いて…。
森沢明夫作品らしい、心を軽くする名言が随所にちりばめられているのがポイント。「癒し屋」を通して、登場人物と一緒に癒されたい方におすすめです。
エミリの小さな包丁
KADOKAWA 著者:森沢明夫
日々を一所懸命に生きることの大切さを訴える、森沢明夫の小説。人のぬくもりを通して、心の傷を癒していく物語です。
なにもかもを失った25歳のエミリ。切羽詰まった状態で、10年以上も連絡を取っていない母方の祖父を頼ります。しかし、大切な人に裏切られて心を閉ざすエミリは、他人に甘えられませんでした。いっぽうの祖父は、黙々と包丁を研ぎ食事を準備します。
やがて、食や人付き合いなど、エミリの考え方に少しずつ変化が表われ始めて…。祖父の姿を見てエミリが何を感じ取ったのかに注目しながら読みたい作品。絶望の淵にある人間が、人との触れ合いのなかで再生していく物語を読みたい方におすすめです。
おいしくて泣くとき
角川春樹事務所 著者:森沢明夫
人生に起きた奇跡を描く森沢明夫の小説。「大衆食堂かざま」では、貧乏な子供たちに無償で食事を提供していました。
オーナーの息子で中学3年生・心也は、食堂へやってくる幼馴染の夕花が気になっていました。学級新聞の編集委員を通して2人の関係が進展し始めたとき、とある事件に巻き込まれ、遠い場所へと2人で逃亡することになってしまい…。
思春期を迎えた子供たちの葛藤や、子供に対する大人たちの愛情がどのような奇跡へと繋がっていくのかが見どころ。家庭内暴力や貧困といった社会問題に触れつつも、希望のある文章で読み進めやすいのも魅力の作品です。
キッチン風見鶏
角川春樹事務所 著者:森沢明夫
港町で三代続く老舗洋食屋「キッチン風見鶏」を舞台にした、おいしさとやさしさが溢れる小説。不安や寂しさが付いて回る人生だからこそ、正直に生きることの大切さを実感できる物語です。
お客さんに合わせた料理を提供する「キッチン風見鶏」のオーナーシェフ・鳥居絵里は、家族のことを心配しながらお店をやりくりしていました。漫画家を志すウェイター・坂田翔平は、幽霊が見える体質に悩んでいて…。
著者らしいぬくもりのあるストーリーや登場人物に、読み手の心もあたたまる作品。生き方を見つめなおしたい方におすすめの1冊です。
津軽百年食堂
小学館 著者:森沢明夫
青森を舞台に、人の営みが織りなす奇跡と感動を描いた小説。2011年にお笑い芸人のオリエンタルラジオを主演に迎えて、実写映画化されている点にも注目です。
陽一と七海は、故郷である弘前から上京し都会で孤独を感じていました。2人は運命に導かれるかのように出会い、両想いになるいっぽうで、弘前への想いを強くしていくのでした。時は遡り、明治時代の津軽で賢治とトヨの紡いだ想いが未来へと繋がっていき…。
本作品は、同著者の『青森ドロップキッカーズ』『ライアの祈り』とあわせて青森三部作と呼ばれています。シリーズで楽しみたい方にもおすすめの作品です。
夏美のホタル
KADOKAWA 著者:森沢明夫
田舎で過ごしたひと夏を描いた、瑞々しい文章が印象に残る森沢明夫の小説。2016年に、有村架純主演で実写映画もされている作品です。
写真家を夢見る大学生・慎吾は卒業が近づくある日、彼女と行った山の中の集落で、古いよろず屋を発見します。そこに住んでいた親子から手厚い歓迎を受けた慎吾は、夏休みの間よろず屋で過ごすことを決めて…。
心やさしい登場人物ばかりで、物語は終始穏やかに進んでいくのが特徴。偶然の出会いが、かけがえのない想い出へ変わっていく作品を読みたい方におすすめです。
大事なことほど小声でささやく
幻冬舎 著者:森沢明夫
笑いあり涙ありの人情小説。2022年に実写映画化されている作品です。オカマのゴンママは2メートルを越える長身で筋骨隆々の身体の持ち主でした。
昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間が集うスナックのママ。ゲストの悩みに応じてその場で仕立てるカクテルは、あたたかい言葉を添えて提供されます。ある日、ゴンママは自身の孤独に不安を抱いて…。
作品中のいたるところに登場する心に残る言葉に注目したい作品。いつもは他人を励ましているゴンママが、どのようにして立ち直っていくのかも見どころです。心を動かされる小説を読みたい方はチェックしてみてください。
本が紡いだ五つの奇跡
講談社 著者:森沢明夫
本に関わる5人の奇跡を描いた小説。本編は5章から成っており、章ごとに編集者・小説家・デザイナー・書店員・読者の話になっているのが特徴です。
物語の核となっているのは、なかなか仕事で結果を残せない女性編集者が、最後だと思って挑戦した新作小説。1冊の本に関わった人たちの連作小説という構成をとっています。
本がどのように生まれて、読まれていくのかを体験できるのもポイントです。著者らしい情緒溢れる作風にも注目。本が好きなすべての方におすすめの1冊です。
きらきら眼鏡
双葉社 著者:森沢明夫
最後の1ページまで切ないと謳われる、森沢明夫の小説です。2018年には実写映画化もされている作品。人生の分岐点に立った青年が、自分自身の人生や真剣な恋愛と向き合う物語です。
愛猫を亡くしたばかりの立花明海は、古本屋で「大滝あかね」と記された名刺が挟まった本を購入します。自分が気に入った箇所にチェックをつけていた彼女のことが気になり始めた明海は、勇気を出してあかねに連絡をとりますが…。
あかねに隠された秘密に切なさを感じる作品。事実を知った明海が、どのような決断を下すのかにも注目しながら読んでみてください。
森沢明夫作品は、ぬくもりのある登場人物や心にしみる名言が特徴。細かく設定されたキャラクターたちが活躍することで、深みのあるストーリーを楽しめます。読み終えると明るい気持ちになれる作品ばかりなので、元気を出したいときにもおすすめです。また、映像化されている作品にも注目してみてください。