ホラーやミステリーを得意とする作家「小野不由美」。「十二国記シリーズ」「ゴーストハントシリーズ」などのシリーズ作品から、『残穢』のように実写化されたホラー作品など、魅力的な作品を多数執筆しています。

そこで今回は、小野不由美のおすすめ小説をご紹介。著者の魅力を楽しめる作品を中心にピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。

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ホラー描写が魅力の作家「小野不由美」とは?

小野不由美は大分県中津市生まれの作家です。大学時代は、他大学である京都大学の推理小説研究会に所属。1993年に『東亰異聞』が「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作選ばれたほか、2013年には『残穢』が山本周五郎賞を受賞しました。

また、代表作には「十二国記シリーズ」「ゴーストハントシリーズ」や『屍鬼』『黒祠の島』などがあります。ホラーやミステリーのジャンルで高い評価を得ている作家です。

小野不由美作品の魅力

小野不由美は恐ろしい物語を描くことにこだわってきたとされています。また、ホラーにミステリーの要素を加えた作風に挑戦しているのもポイントです。

「十二国記シリーズ」「ゴーストハントシリーズ」「営繕かるかや怪異譚シリーズ」など、魅力的なキャラクターが登場する連作が多いのも魅力のひとつ。特に、「十二国記シリーズ」は1991年から続く壮大なファンタジー作品で、多くのファンを獲得している小野不由美の代表作です。

小野不由美のおすすめ小説

鬼談百景

KADOKAWA 著者:小野不由美

鬼談百景

読み進めるほどに恐怖が増していく小野不由美の作品。怪談文芸を極めた作品とうたわれています。著者の代表作のひとつ『残穢』とストーリーがリンクしている点にも注目しながら読んでみてください。

『未来へ』では、学校に建つ男女の生徒を模した銅像の指先が切り落とされます。その指先が指示していた場所には、なにがあるのでしょうか。『増える怪談』は、真夜中になると旧校舎の階段が増えるという噂を聞き、子供たちが真実を確かめようとしますが…。

マンションの部屋で聞こえる奇妙な音や廃病院で目撃された白い人影の話などが楽しめる作品集。正統派の怪談作品を楽しみたい方におすすめです。

ゴーストハント1 旧校舎怪談

KADOKAWA 著者:小野不由美

ゴーストハント1 旧校舎怪談

個性的な霊能者たちが活躍する、ミステリー&ホラー作品。小野不由美を代表するゴーストハントシリーズ作品の第1作目です。

主人公・麻衣の通う高校の旧校舎には、祟りや幽霊の姿が見えるなど奇妙な噂がありました。地縛霊や戦災にあった霊の祟りなどが疑われるなか、麻衣はちょっとしたきっかけで、校長から旧校舎の調査依頼を受けた心霊現象の調査研究所・渋谷サイキックリサーチをアシストすることに。しかし、研究所の所長は高慢な態度をとる17歳の美少年で…。

本シリーズの主人公・渋谷一也と谷山麻衣の出会いが描かれている点がポイント。魅力的なキャラクターが活躍するシリーズ作品を読みたい方にぴったりです。

営繕かるかや怪異譚

KADOKAWA 著者:小野不由美

営繕かるかや怪異譚

恐怖と感動が同居する小野不由美の作品を6編収録しています。『蟲師』などで知られる漫画家・漆原友紀が、本作品のカバーのイラストを手がけているのもポイントです。

営繕屋・尾端が、死者の声を聞き住居に関わる怪異を「修繕する」というのが物語の骨子。『奥庭』では、洋子が叔母から受け継いだ家の奥座敷にある襖が何度閉めても開いているという現象に見舞われて…。

武家屋敷の屋根裏に何者かの気配を感じる『屋根裏に』や、怪しくたたずんでいる黒い和服の女に関する話『鈴の音』などを収録しています。作家としての地位を確立した小野不由美が、故郷をイメージして書き上げた懐かしさを感じる雰囲気にも注目してみてください。

くらのかみ

講談社 著者:小野不由美

くらのかみ

小野不由美が描く、ホラーが融合した新感覚の犯人当てミステリー。座敷童と子供たちが少年探偵団を結成し、事件を解決に導くユニークな物語です。

「四人ゲーム」という、暗闇の中で部屋の四隅に立った4人が順番に肩を叩きながら部屋を回るゲームを始める子供たち。4人では成立しないはずのゲームですが、気づくとそこには5人目の姿がありました。しかも、メンバーは全員はじめからいたと思えるほど違和感のない者たちばかりで…。

後継ぎの資格を持つ人間の食事に毒が盛られる事件など、さまざまな怪異が続く古い屋敷に子供たちが挑みます。座敷童の正体と屋敷で起こる事件、2つの謎の真実を探りながら楽しめるのが魅力の作品です。

黒祠の島

新潮社 著者:小野不由美

黒祠の島

高い評価を得ている、小野不由美の長編ミステリー。近代国家が存在をなかったことにしようとした「邪教」が伝わる島・夜叉島が舞台の物語です。

失踪した作家・葛木志保を探す式部剛は、夜叉島に辿り着きます。余所者を邪険に扱う住民は何も語ることはなく、捜索は難航。おぞましいことが起こったと思われる廃屋、神域で磔にされる女性など、島には不穏な気配が漂っていました。式部が辿り着いた島の真実とは…。

閉鎖的な島や忌まわしい因習にまつわるミステリー作品が好きな方は読んでみてください。

残穢

新潮社 著者:小野不由美

残穢

小野不由美が贈る、恐れおののかずにはいられないドキュメンタリー・ホラーです。2016年には実写映画化されました。また、第26回山本周五郎賞を受賞している作品です。

どこにでもあるマンションの部屋で覚える違和感。畳を擦る音や背後の気配など、怪異現象が連続して起こります。謎を調べていくうちに、とある因縁が浮上。はたして、襲い掛かる恐怖はどこまでが真実なのでしょうか。

ドキュメンタリー風に描かれることで、現実との境界線があいまいになり、恐怖がより大きく感じられる作風が特徴。読み終えてからも恐怖が持続する、良質なホラー作品を堪能したい方におすすめです。

東亰異聞

新潮社 著者:小野不由美

東亰異聞

官能的な雰囲気が漂う小野不由美の伝奇ミステリー。人間の持つ心の闇を生々しく描き出している作品です。

帝都・東亰が誕生して29年、夜は人が自由に活動できる時代ではなくなっています。人を突き落とす火炎魔人、夜道で辻斬りを行う闇御前、さらには人魂売りや首遣いといった魑魅魍魎が悪さを働いていました。新聞記者・平河は、事件を追っていくうちに鷹司公爵家のお家騒動に辿り着き…。

本作は、小野不由美らしい雰囲気のある世界観を楽しめます。明治時代を舞台にしたホラー&ミステリー作品を楽しみたい方にぴったりです。

魔性の子 十二国記

新潮社 著者:小野不由美

魔性の子 十二国記

小野不由美の人気シリーズ「十二国記」のプロローグにあたる作品です。違和感を抱いて生きる少年の周りで続くおぞましい事件を描いています。

母校で教育実習に励む広瀬は、高里という生徒を気にかけていました。周囲に馴染めない彼の姿は、まるで昔の自分のようだったからです。彼をいじめた者が次々と事故に遭うため、恐れられるようになった高里。以前「神隠し」を体験したことが、事件と関係していると考えられますが..。

広瀬が高里を助けようとするさなか、さらなる惨劇が降りかかります。恐ろしい事件の果てで明かされる真実が気になる方はぜひチェックしてみてください。

月の影 影の海 上 十二国記

新潮社 著者:小野不由美

月の影 影の海 上 十二国記

小野不由美を代表するシリーズ作品の本編第1作。「十二国記」の物語世界が動き出す、記念すべき作品です。

女子高生・陽子は、突如現れたケイキと名乗る男に連れられて、海を潜り抜けた先にある地図にない異界へと降り立ちます。ケイキとはぐれ途方に暮れる陽子は、裏切りや異形の獣との出会いに悪戦苦闘。なぜこのようなことに巻き込まれたのか分からないまま、苦難を乗り越えて元いた世界へ戻ろうとする少女の戦いが始まります。

1991年から執筆が続く、ふたつの世界を舞台に繰り広げられる壮大なファンタジー作品。綿密に考え抜かれた設定が楽しめる小説を読みたい方におすすめです。

屍鬼

新潮社 著者:小野不由美

屍鬼

小野不由美が描く、規格外のホラー作品です。全5冊にわたる大作で、テレビアニメ化もされています。

山に囲まれた場所に位置する外場村は、人口わずか1300人で古い因習が残っている村でした。ある夏、3体の腐乱死体が発見されたことをきっかけに悲劇が起こります。闇夜のうちに引っ越して来た謎の家族と事件の関係とは。殺人や未知の疫病が疑われるなか、小さな村に起きた悲劇はどのような結末を迎えるのでしょうか。

小野不由美の長編作品を読みたい方におすすめです。前半は登場人物やその人間関係を中心に描かれており、後半から少しずつ物語が動き出すので、挫折せずに読んでみてください。