コンパクトなデスクにもスッキリと設置できるのが「一体型PC」。省スペースなデスクトップパソコンを探している方にピッタリです。ただし、さまざまなモデルが販売されているため、どれを選択すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、一体型PCを選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。おすすめのモデルもご紹介するので、購入を検討している方は参考にしてみてください。
一体型PCとは?

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一体型PCとは、本体とディスプレイを1つの筐体に統合したデスクトップパソコンのこと。「オール・イン・ワン(All in one)」パソコンなどとも呼ばれています。全体が1つのユニットで構成されていることもあり、とにかくシンプルにセットアップして使用できるのが特徴です。
デザイン性に優れたモデルが数多く販売されています。部屋のインテリアに馴染みやすく、さまざまな場所に違和感なく設置することが可能。書斎や子供部屋といったプライベートエリアはもちろん、リビングやキッチンなど家族の共有スペースに置いて使用したい方にもおすすめのパソコンです。
一体型PCのメリット

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一体型PCを購入するメリットは複数あります。まず省スペースで設置できる点。ディスプレイと本体が一体になっているため、一般的なデスクトップパソコンのように別々に設置場所を確保する必要がありません。デスクの上や下のスペースが広々と使えます。
配線作業が最小限で済む点もおすすめです。本体とディスプレイを繋ぐ手間がなく、電源ケーブルをコンセントに挿すだけで使用することが可能。HDMIやDisplayPortなどといった接続ケーブルの種類を気にせず、初心者の方でも簡単に使いはじめられます。
また、見た目の統一感に優れているのもポイントです。ディスプレイと本体を別々に購入する場合は、両方のデザインやカラーがバラバラになりがち。用途に合ったスペックのモデルを選びつつ、デスク周りをおしゃれにまとめたい方におすすめです。
一体型PCのデメリット

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一体型PCは、一般的なデスクトップパソコンと比べて、拡張性に乏しいのがデメリット。PCI Expressスロットなどを備えていないため、購入してから高性能なグラボを装着したりTVチューナーボードを追加したりといったカスタマイズはできません。購入前に必要なスペックを搭載しているか、確認しておきましょう。将来的なことも考慮し、余裕を持った性能の製品を選ぶのがおすすめです。
また、モニターだけの変更ができないのもデメリットのひとつ。フルHDから4Kにアップグレードしたい場合は、一体型PC自体を買い換えなければいけないので注意が必要です。ディスプレイの解像度やサイズも、しっかりとチェックしたうえで購入してみてください。
一体型PCの選び方
スペックで選ぶ
CPU

CPUはパソコンの頭脳に相当するパーツです。一体型PC全体のパフォーマンスを左右するため、用途に合ったスペックを選ぶことが重要。多くのパソコンメーカーがインテル、もしくはAMDのプロセッサを採用しています。
インテルならCore iシリーズ、AMDの場合はRyzenシリーズが人気です。Core i3・5・7、Ryzen 3・5・7と、後に続く数字が大きいほど性能が高くなるのがポイント。ネットサーフィンや動画の視聴といった一般的な使い方なら、Core i3やRyzen 3で十分使用できます。
ただし、ビジネスで使用したりゲームを快適に楽しんだりしたい方は、Core i5やRyzen 5以上のプロセッサがおすすめです。逆に、軽作業中心なのでできるだけ安く購入したい方には、Pentiumプロセッサなどの選択肢もあります。
グラボ(GPU)

ディスプレイへの描画処理を担当するパーツがグラボ(GPU)です。GPUは「Graphics Processing Unit」の略で、普通のパソコンの場合はCPU内臓のグラフィック機能を利用しています。
独立したGPUを備えているとCPUの負荷が軽減されるのも相まって、複雑な3Dグラフィックをスムーズに表示することが可能。FPSやレーシングなど高速系のゲームを快適にプレイしたい方や、クリエイティブな作業を頻繁におこなう方などにおすすめのパーツです。
ただし、独立したGPUを搭載している一体型PCは多くありません。購入を検討している方は、留意しておきましょう。
SSDやHDD

一体型PCが搭載しているストレージにはSSDとHDDの2種類があります。SSDは容量あたりのコストが高いものの、アクセス速度が高速で快適に使いやすいのがメリット。一方のHDDはSSDと比較して速度では劣りますが、大容量で安価で購入できるのが魅力です。
多くの一体型PCはSSDとHDDのハイブリッドストレージを採用することで、価格と保存容量のバランスをとっています。頻繁にアクセスするデータは高速なSSDへ保存し、完成した作品や過去にダウンロードしたゲームなどをHDDに格納すれば効率的に利用することが可能です。
解像度で選ぶ

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一体型PCは購入後のディスプレイ交換ができないため、液晶の解像度は慎重に選びましょう。ウェブサイトの閲覧やOfficeソフトを利用するなど一般的なビジネス用途の場合、1920×1080ピクセルのフルHD解像度があれば問題なく使用することが可能です。
高画質の動画や映画を視聴する機会が多いなら、3840×2160ピクセル表示が可能な4Kディスプレイ搭載モデルがおすすめ。そのほか、より多くの情報が表示できるといったメリットもあるため、複数のウインドウを開いて仕事を効率的に進めたい方や、クリエイティブな作業をする方などにもピッタリです。
モニターとして使うならHDMI端子をチェック

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一体型PCのなかには、HDMI入力端子を搭載したモデルも販売されています。内蔵ディスプレイを外付けモニターとして使いたい方におすすめ。AVプレーヤーを接続すれば、映画やミュージックビデオなどの映像コンテンツが手軽に視聴できます。
ほとんどの製品がスピーカーを内蔵しているため、外部スピーカーを準備する煩わしさもありません。PS4やSwitchなどの家庭用ゲーム機が繋げられるのもポイント。パソコン作業のちょっとした合間にプレイが楽しめるので、ゲーム好きの方にもおすすめです。
オフィス付きかチェック

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一体型PCを仕事で使用する場合は、Officeソフトの有無も要チェックです。Officeとはマイクロソフトが販売する統合型のアプリで、文書作成用のワードをはじめ表計算のエクセルやプレゼン資料が作れるパワーポイントなどを搭載しているのが特徴。ビジネスシーンには必須のアプリと言えます。
Officeソフトが付属していると、別途購入する面倒がなく到着後すぐに使いはじめられるので便利です。そのほか、レポートの作成や実験データの分析といった用途でも活躍するため、学生の方もチェックしてみてください。
一体型PCのおすすめメーカー
ヒューレット・パッカード(HP)

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「ヒューレット・パッカード」は創業者のビル・ヒューレットとデイブ・パッカードによって1939年に設立されたメーカーです。個人や法人向けにパソコンやプリンター製品を販売しています。
一体型PCはほかのノートパソコンやデスクトップPCと同じく、HP・Pavilion・ENVYブランドで展開しているのが特徴。価格が安く初心者におすすめのHPや、コスパに優れたPavilionなどがラインナップされています。
日本電気(NEC)

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東京に本社を構える日本を代表するパソコンメーカーが「日本電気」。パソコンをはじめネットワークやセキュリティー関連など、幅広い分野の事業を手がけている会社です。一体型PCはLAVIEブランドで販売しており、23インチと27インチの2シリーズをラインナップしています。
27インチはCore i7もしくはRyzen 7と16GBメモリを組み合わせた、性能を重視する方向けのシリーズ。一方、23インチはCore i3やRyzen 3プロセッサが選べるなど、幅広いユーザーニーズに対応しています。
富士通(FUJITSU)

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「富士通」は1935年に設立された東京に本社のある電気メーカーです。個人向けにパソコン・スマホ・家電などを、法人向けにはパソコンやスマホに加えサーバー・ストレージ・ネットワーク製品などを販売しています。
一体型PCは「FMV ESPRIMO」ブランドで、23.8インチと27インチのFHシリーズを展開。23.8インチはコンパクトでスタイリッシュ、27インチは大容量スピーカーを搭載するなど音響機能にこだわっているのが特徴です。
一体型PCのおすすめ
ヒューレット・パッカード(HP) 一体型PC All-in-One 22-df0101jp
CPUにインテルのPentium Silverプロセッサを採用した、比較的安価の製品です。気軽に購入できる一体型PCを探している方におすすめ。21.5インチディスプレイを内蔵したボディはコンパクトなので、小型のデスクにもスッキリと設置できます。
タッチパネルを採用しているのが特徴。スマホのような感覚で操作ができるため、パソコンに不慣れな方でも使いやすい仕様です。また、ハイブリッドストレージを採用しているのもポイント。SSDは128GBと控えめながら1TBのHDDを備えているので、容量不足に悩む心配はほとんどありません。
さまざまな部屋のインテリアに馴染みやすい、シンプルでスタイリッシュな一体型PCです。
日本電気(NEC) 一体型PC LAVIE A27 PC-A2797CAB
フルHD表示が可能な、27インチのディスプレイを搭載したモデルです。広視野角のIPSパネルを採用しているため、斜めからでも鮮明な映像が楽しめます。Core i7プロセッサと16GBの大容量メモリを実装しており、処理性能は良好。ハイスペックな一体型PCを求める方におすすめです。
HDMI入力端子を備えているので、ゲーム機やAVプレーヤー用の外付けモニターとしても活躍します。また、デジタルTVチューナーを内蔵しているのも特徴。約256GBのSSDに加えて約4TBのHDDを搭載しているため、録画した多くの番組を保存することが可能です。
日本電気(NEC) 一体型PC LAVIE A23 PC-A2335CAW
ホームユースにおすすめの一体型PCです。インテルのCore i3と8GBメモリを実装。動画の視聴やウェブサイトの閲覧など、普段使いに適したモデルです。512GBの大容量SSDを内蔵しているため、一般的な使い方であれば容量不足で悩む心配はほとんどありません。
本製品は自立式のキーボードが付属しており、未使用時にデスクの上が広く使えるのも便利です。DVDマルチドライブを搭載しているので、多様なコンテンツが楽しめます。Officeソフトが付いているのもポイント。プレゼン資料や報告書の作成など、リモートワークでも活躍します。
富士通(FUJITSU) 一体型PC FMV ESPRIMO WF-X/G1 FMVWG1FXUD

27インチの4Kディスプレイを搭載したモデルです。Pioneerとのコラボにより開発された、2.1chスピーカーを内蔵しているのが特徴。ハイレゾに対応しているため、原音のクオリティーを損なわず臨場感のあるサウンドが楽しめます。AV性能を重視する方におすすめの一体型PCです。
地上・BS・110度CSチューナーを搭載しているのも特徴。ダブル録画に対応しているので、旅行や出張中に好きな番組をしっかりと記録できます。4TBのHDDを内蔵しており、長時間録画に対応できるのも嬉しいポイントです。
富士通(FUJITSU) 一体型PC FMV ESPRIMO WF1/F3
省スペースタイプの一体型PCを探している方におすすめのモデル。奥行が174mmしかないので、小さな机にもスッキリと設置できます。また、未使用時のキーボードを本体下に収納できるなど、書き物や読書をする際に邪魔にならないのも便利なポイントです。
Core i3プロセッサと8GBのメモリを搭載。ウェブサイトの閲覧をはじめ、動画の視聴や資料の作成といった用途にピッタリです。HDMI入力端子を備えているため、家庭用ゲーム機のモニターとしても重宝します。
エイスース(ASUS) 一体型PC Zen AiO 24 A5401W-I710700ECO

インテルのCore i7と16GBの大容量メモリを実装したハイスペックモデルです。処理性能の高い一体型PCを求める方におすすめ。マルチタスクを多用するビジネス用途にしっかりと対応できます。Officeソフトが付属しており、購入後すぐに使いはじめられるのも便利です。
本製品は、92万画素のWebカメラを搭載。ステレオスピーカーとマイクを内蔵しているため、本体だけでWeb会議に参加できます。HDMI入出力端子をはじめ、USB Type-A・Type-C・有線LANポートを備えるなど、インターフェースが充実しているのも魅力です。
エイスース(ASUS) 一体型PC Aio M3400WU-R35300EC

CPUにAMDのRyzen 3プロセッサを採用した、手頃な価格の一体型PC。コスパに優れた製品が欲しい方におすすめのモデルです。8GBのメモリを実装しており軽作業であれば快適に操作できます。ストレージにSSDを採用しているため、OSやアプリの起動は高速です。
スタイリッシュなスタンドを搭載しているのも特徴。シンプルでおしゃれなデザインは、多様な部屋のインテリアによくマッチします。角度調節機能を備えているなど使い勝手も良好です。
エムエスアイ(MSI) 一体型PC Modern AM242P 11M-1441JP

約92万画素のWebカメラを搭載した、リモートワークにおすすめの一体型PCです。マイクとスピーカーを内蔵しているため、別途周辺機器を揃える面倒なくWeb会議に参加できます。
専用アプリ「MSI Center」をインストールしているのがポイントです。タイピング音などの余分な雑音が軽減できるので、スムーズにコミュニケーションがとれます。また、プライバシーシャッターを備えており、自宅で安心して利用できるのも嬉しいポイントです。
HDMI入力端子を搭載しているため、ノートパソコンを接続すれば大きな画面で作業がおこなえます。
デル(Dell) 一体型PC Inspiron 24 5000シリーズ

NVIDIAのGPU「GeForce MX330」を搭載したグラボ付きのモデルです。グラフィック性能に優れた、一体型PCを探している方におすすめ。第11世代のCore i7プロセッサと16GBの大容量メモリを備えており、負荷のかかる処理を高速で実行できます。
フルHD解像度の23.8インチディスプレイを搭載。タッチパネルを採用しているため、指先で直感的な操作がおこなえます。256GBのSSDに加え1TBのHDDを備えており、大容量ファイルの保存に対応しやすいのも便利なポイント。動画の編集など、クリエイティブな作業を頻繁におこなう方にピッタリのモデルです。
アップル(Apple) iMac 24インチ MJV83J/A
M1チップを搭載したAppleの一体型PCです。8コアのCPUと7コアのGPUを内蔵しており、処理性能は非常に良好。クリエイティブな用途におすすめのモデルです。4480×2520ピクセル表示が可能な24インチのRetinaディスプレイを搭載しているため、細部を確認しながら作業が進められます。
ストレージは256GBのSSDを採用。容量の大きなファイルを多く保存したい方は、外付けストレージを準備しておくのもおすすめです。Thunderbolt 3対応のUSB Type-Cポートを備えているので、対応する外付けストレージを接続すれば高速なデータ転送がおこなえます。
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一体型PCを購入する際には、パーツのスペックをはじめストレージの種類やモニターの解像度など、事前にチェックすべき項目が複数存在します。確認を怠ると、快適に使用できない可能性があるので注意が必要。本記事も参考に、目的や用途に合ったモデルを選んでみてください。