現役医師兼ミステリー小説家の「知念実希人」。医療ミステリーの旗手ともいわれ、ミステリーを主に執筆するほか、ファンタジーやヒューマンドラマなどさまざまなヒット作を執筆しています。

今回は、知念実希人のおすすめ小説をランキング形式でご紹介。人気の高いミステリーやシリーズものなど、高いリーダビリティーを誇る作品をピックアップしました。特にミステリーが好きな方は、参考にしてみてください。

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現役医師の小説家「知念実希人」とは?

知念実希人は1978年沖縄県南城市生まれで、現役医師として勤務しながら小説も執筆する作家。子供のころから小説家になる夢を持っていたものの、祖父や父から続く医師への道を志します。東京慈恵会医科大学卒業後、2004年に医師国家試験に合格し、医師として勤務を始めました。

4年勤務し、日本内科学会認定医となってから小説の執筆に着手します。そして、2011年『レゾン・デートル』で島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。2012年には同作品を『誰がための刃と』改題し、作家デビューを果たします。

その後は、2015年『仮面病棟』がベストセラーになりました。2018年『崩れる脳を抱きしめて』では本屋大賞にノミネートされたほか、広島本大賞・沖縄書店大賞を受賞。また、2019年には『ひとつむぎの手』、2020年には『ムゲンのi』と、知念実希人作品が3年連続で本屋大賞にノミネートされ、話題になりました。

現在も、週5日は執筆活動に充て、週1日は医師として、東京都西東京市にある父の個人医院で勤務を続けています。

知念実希人作品の特徴や魅力

知念実希人作品は、医師の経験を活かした、医療系ミステリーが多いのが特徴です。現役医師にしか書けない医療知識を用いたトリックや、リアルな医療現場の描写などで高評価を獲得。ほかにも、ファンタジー・恋愛・ヒューマンドラマなどジャンルの枠を超えて執筆しています。

同氏の作品には、物語に人間味とドラマ性があるのがポイント。主人公が困難に向き合っていく姿は、多くの読者の共感を呼びました。知念実希人は、「読者にどう魅力的に見せるか」を重点に置いてミステリーを執筆しており、先が気になるようなストーリー展開も魅力のひとつです。

同氏は約3ヵ月に1度と執筆スピードが速く、ベストセラー小説を次々と発表しているのもポイント。多くの読者に支持を受けており、注目度の高いおすすめの小説家です。

知念実希人のおすすめ小説ランキング

第1位 仮面病棟

実業之日本社 著者:知念実希人


仮面病棟

密室と化した病院が舞台の、本格ミステリー×医療サスペンス小説。2020年には映画化もされたほか、マンガ化・児童文庫化もされています。「病棟シリーズ」第1作品目で、シリーズ累計100万部を超えるベストセラーとなりました。

療養型病院である田所病院に、ある日、ピエロの仮面をかぶった強盗犯が籠城。犯人は、当直バイトを務める外科医・速水秀悟に対して、自らが撃った女の治療を要求します。彼は女を治療し、脱出を試みるうちに病院に隠された秘密を知り、“彼女だけは救いたい”と心に誓うのです…。

クローズドサークルもので、緊迫感のある心理戦を堪能できます。衝撃的な結末も見どころ。ハラハラドキドキを味わいたい方におすすめの知念実希人作品です。

第2位 硝子の塔の殺人

実業之日本社 著者:知念実希人


硝子の塔の殺人

知念実希人の新たな代表作とされる、初の本格ミステリー長編小説。2022年には本屋大賞で8位を獲得しました。累計12万部を突破している話題作です。

物語の舞台は、雪深い森の奥にある、美しく巨大な尖塔。ミステリーを愛する大富豪の招待で、刑事・霊能力者・小説家・料理人など、クセのあるゲストたちが館にやってきました。

そして、この館で主人が毒殺され、ダイニングでは火事が起き、血濡れの遺体があるなど次々と惨劇が起きます。さらに、血文字では13年前の事件のことが記されており…。事件の謎を、名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬が追います。

多数の伏線が散りばめられていたり、驚愕のラストが待ち受けていたりと濃密なミステリーが味わえる傑作です。「読者への挑戦状」もあり、大ボリュームながら一気読みしやすいのも魅力。有栖川有栖や法月綸太郎など、さまざまなミステリー作家も絶賛した、おすすめの作品です。

第3位 ひとつむぎの手

新潮社 著者:知念実希人


ひとつむぎの手

2019年に本屋大賞にノミネートされ、話題になった医療ミステリー小説。病院を舞台に、医師の葛藤や複雑な人間模様が描かれた、スリリングなヒューマンドラマです。

主人公は、純正会医科大学付属病院の心臓外科医・平良祐介。激務による人手不足のなか、彼は医局の最高権力者・赤石教授に、3人の研修医の指導を指示されました。

最低2人の研修医の医局入りを果たせば、心臓の手術数が多く経験を積める、富士第一総合病院への出向が叶います。しかし、失敗すれば心臓外科のない、沖縄の小さな病院に出向になるという条件付きでした。

知念実希人が描くリアルな医療現場で、命を縫い、患者の人生を紡ぐ熱いドラマが繰り広げられます。平良の情熱や、研修医たちの心情や成長も見どころ。意外な結末が待ち受ける、おすすめの医療エンタメ作品です。

第4位 天久鷹央の推理カルテ

新潮社 著者:知念実希人

天久鷹央の推理カルテ

総合病院を舞台に、天才女医・天久鷹央が活躍する、新感覚のメディカルミステリー小説。知念実希人のシリーズもののなかでも、人気の高い「天久鷹央シリーズ」第1作品目です。シリーズは吉川英治文庫賞にノミネートされ、累計発行部数は170万部を突破。2016年にはマンガ化もされました。

物語の舞台は、東京都東久留米市にある天医会総合病院。そこに設立された特別部門・統括診断部の部長が天久です。河童に会ったと語る少年や、人魂を見たと怯える看護師など、各科で「診断困難」と診断された患者が集められます。

しかし、そんな摩訶不思議な「事件」には、思いもよらぬ「病」が隠されていたのです…。頭脳明晰な天久が、事件を解き明かしていきます。

登場人物も魅力的で文体が軽やかなため、読み進めやすい作品。張り巡らされた伏線やどんでん返しなど、しっかりとミステリーも堪能できます。「天久シリーズ」を読む順番は、本作品から順番に読むほかに、『スフィアの死天使』から時系列順に読んでいくのもおすすめです。

第5位 優しい死神の飼い方

光文社 著者:知念実希人

優しい死神の飼い方

犬の姿を借りた死神・レオの奮闘や人間との交流を描いた、ハートフルミステリー小説。「死神シリーズ」第1作品です。シリーズ第2作品目『黒猫の小夜曲』と、第3作品目『死神と天使の円舞曲』も人気が高く、シリーズ累計55万部を突破。マンガ化もされています。

ゴールデンレトリバーの姿を借りて、地上のホスピス・丘の上病院に左遷、もとい派遣されたレオ。死に直面する人間を未練から救うため、戦時中の悲恋や洋館で起きた殺人事件など、患者たちの過去を説き明かしていきます。しかし、彼の行動は現在のホスピスに、思わぬ危機を引き起こしていたのです…。

純真で正義感が強く、天然なレオのキャラクターが魅力。ハラハラドキドキしたり、ほろりと泣けたりと飽きずに読み進められます。知念実希人の心あたたまる、ファンタジックなミステリーに触れたい方におすすめです。

第6位 祈りのカルテ

KADOKAWA 著者:知念実希人

祈りのカルテ

大学病院の研修医・諏訪野良太がさまざまな科をめぐり、いくつもの謎に遭遇する連作医療ミステリー小説。本のレビューサイト「読書メーター」の読みたい本ランキングでは1位を獲得し、累計10万部を突破しています。

純正会医科大学附属病院で初期臨床研修中の良太は、内科・外科・小児科などさまざまな科を回っていました。ある夜、病院に睡眠薬を大量に服用した山野瑠香が緊急搬送されてきます。

その腕には、彼女の別れた夫の名前が火傷で刻まれていました。離婚してから、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているという瑠香。良太は彼女の態度や、毎月5日に退院できるように入院するなどの行動に、違和感を覚えます。

個性に満ちた5人の患者たちの謎を、人の心を聴ける良太が解き明かしていくストーリーです。1話1話が短くまとまっており、すき間時間に読み進めやすいのも魅力。面白く泣ける物語で、知念実希人クオリティーが感じられるおすすめの小説です。

第7位 崩れる脳を抱きしめて

実業之日本社 著者:知念実希人

崩れる脳を抱きしめて

知念実希人初の本屋大賞ノミネート作品で、感動の恋愛ミステリー小説です。広島本大賞や沖縄書店大賞など、さまざまな賞を受賞。全国の書店員から大好評を受けた人気作品です。

主人公は、広島から神奈川にある「葉山の岬病院」に実習に来た研修医・碓氷蒼馬。彼は、“ユカリ”と名乗る脳腫瘍患者・弓狩環と出会いました。外の世界に怯える彼女と、過去に苛まれている碓氷は次第に心を通わせていきます。

しかし、実習を終えて広島に帰った彼に、ユカリの死の知らせが届きました。彼女は本当に亡くなったのでしょうか。ユカリの足跡を追い、碓氷は横浜をさまよいます。

圧巻のラスト20ページが驚愕し、感動すると謳われているのがポイント。“僕にしか描けない恋愛小説です”と知念実希人自身が発言しており、新しい恋愛ミステリーに触れたい方におすすめです。

第8位 ムゲンのi 上

双葉社 著者:知念実希人

ムゲンのi 上

知念実希人の最高傑作ともいわれており、予測不可能な医療×ミステリー×ファンタジー小説。上下巻構成の大作です。2020年には本屋大賞にノミネートされ、「読書メーター」の読みたい本ランキングでは1位を獲得しています。

主人公は、神経精神研究所附属病院に勤務する、神経内科医・識名愛衣。彼女は、眠り続けるという謎の病気「イレス」の患者を同時に3人も担当していました。治療法に悩む愛衣は、霊媒師のユタである祖母に相談します。

すると、祖母は“患者の夢幻の世界で魂の救済「マブイグミ」をすれば目覚める”と言いました。そして、愛衣は助言通り夢幻の世界に飛び込み、魂の分身であるうさぎ猫のククルとともに、3人の「マブイグミ」をすることになります。

愛衣の成長物語や家族小説の要素もあり、さまざまなジャンルが融合したエンターテインメント性が高い傑作です。最終的にたどり着く、驚嘆すべき真実も見どころ。多くの読者の感情を揺さぶった、おすすめの小説です。

第9位 神酒クリニックで乾杯を

KADOKAWA 著者:知念実希人

神酒クリニックで乾杯を

クセのある個性派の医師たちが繰り広げる、メディカル・エンタメミステリー小説。2019年にはドラマ化され、知念実希人初の映像化作品となりました。続編の『淡雪の記憶 神酒クリニックで乾杯を』も人気を博しています。

医療事故で働く場所を失った外科医・九十九勝己は、知り合いのすすめで個人病院「神酒クリニック」で働くことに。そこでは、院長・神酒章一郎をはじめとして、腕は立つものの曲者の医師たちが、世間に知られずVIPの治療を行っていました。

九十九は彼らに振り回されながら、職場になじもうとします。しかし、神酒クリニックには彼の知らない裏の顔があったのです…。

さまざまな謎があり、次々と明かされる真実に目が離せません。キャラクターの濃い登場人物たちによる、痛快な活躍劇も見どころ。エンターテインメント性が高く、読みやすいミステリーを求める方におすすめです。

第10位 傷痕のメッセージ

KADOKAWA 著者:知念実希人

傷痕のメッセージ

医療×警察ミステリーの新地平といわれる知念実希人作品です。医師コンビが現在と過去で絡み合う謎を解き明かしていく物語。「読書メーター」の読みたい本ランキングで1位を獲得するなど、反響を呼びました。

主人公は、純正会医科大学付属病院の病理部医師・刀祢紫織と水城千早の医師コンビ。ある日、千早の父が亡くなり、彼女は父の遺言に従い遺体を解剖します。すると、胃の内壁に暗号が見つかりました。

28年前に、連続殺人事件の犯人を追うため、父が警察を辞めたことを知った千早。彼女は、紫織と協力して、胃に刻まれた暗号を読み解こうとします。時を同じくして、28年前の事件と似た殺人事件が起こるのです…。

2人が情報を共有しつつも、それぞれのやり方で真相に迫っていくスリリングさがあります。「天久シリーズ」でもおなじみの桜井刑事が出てくるなど、ほかの知念実希人作品とのつながりを感じられるのもポイント。息をのむような展開や、瞠目のラストも見どころのおすすめ作品です。