世界中で名が知られている劇作家「シェイクスピア」。いまなお舞台で上演され続けており、なかには実写映画化された作品も少なくありません。演劇に対する理解を深めるためにも触れたい作家のひとり。悲劇から喜劇まで、幅広い作品を残しています。

そこで今回は、シェイクスピアのおすすめ作品をご紹介。シェイクスピアの魅力についても解説します。ぜひ参考にしてみてください。

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世界的劇作家「シェイクスピア」とは?

シェイクスピアは、世界的によく知られる劇作家のひとりです。1564年にイギリス・ストラットフォードで生まれ、1616年に52歳で逝去。『ハムレット』や『ロミオとジュリエット』など、内容まではよく知らなくともタイトルは広く知られている作品も少なくありません。

1594~1596年ころには『ロミオとジュリエット』『ヴェニスの商人』を制作。1601年ころから『ハムレット』『オセロー』『リア王』『マクベス』の四大悲劇を書き上げています。

生涯を通して、およそ37編の史劇・悲劇・喜劇を創作。47歳で引退し、故郷へ帰って余生を過ごしました。

シェイクスピア作品の魅力

シェイクスピアの作品は現代でも各国で積極的に上演されたり、映画化されたりしている戯曲作品ばかりです。魅力的なキャラクターと名セリフが印象に残るのがポイント。シェイクスピアの作品に親しむことで、演劇への理解も深まります。

物語は悲劇的なモノから喜劇的なモノまで幅広く、気分に応じて選べるのも特徴です。生死・愛憎・出会いと別れなど、人間の普遍的なテーマが取り上げられている点にも注目。執筆から数百年経つ現代においても世界中を魅了しています。

シェイクスピア作品のおすすめ

リア王

新潮社 著者:ウィリアム・シェイクスピア

リア王

現代にも通ずる親子の関係を描くシェイクスピアの悲劇です。「四大悲劇」と呼ばれる著者の代表作のひとつ。老王・リアが引退するにあたり、3人の娘に領土を分配する決意を固めたことが悲劇のきっかけになる物語です。

3人のなかで最も親孝行な娘に特別な恩恵を与えることを決めたリア王。2人の姉は父を喜ばせる言葉を語りますが、末娘・コーディーリアは真摯に父親と向き合おうとします。怒ったリア王はコーディーリアを勘当し、残りの2人に権力・財産のすべてを譲ることにしますが…。

2人の娘のご機嫌取りを真に受けた老王・リアに悲劇が降りかかるのがポイント。特に、娘の遺体を抱いたリア王が絶叫するシーンに注目してみてください。

マクベス

新潮社 著者:ウィリアム・シェイクスピア

マクベス

権力という甘い蜜にのまれた男を描くシェイクスピアの作品。四大悲劇のなかでも、特にすぐれた作品として評価されることもあります。心のうちでは王位に就くことを望んでいたスコットランドの武将・マクベスが主人公です。

荒野で出会った3人の魔女の怪しい予言と、夫人の力強い言葉に唆されて王位を目指すマクベス。王・ダンカンを自分の城で暗殺し王位を奪うことに成功します。しかし、今度は王位を失うことを恐れ、さまざまな罪を犯していくのでした。

いかにも真実のようで真実ではない言葉に耳を傾け、悲劇へと導かれるマクベスに注目。シェイクスピアの描く濃密な悲劇を読みたい方におすすめです。

ハムレット

新潮社 著者:ウィリアム・シェイクスピア

ハムレット

永遠の古典と謳われるシェイクスピアの作品。四大悲劇のひとつであり、さまざまな名セリフを残しています。

城に現れた父王の亡霊から、叔父の企みによって父親が殺害されたと知らされたデンマークの王子・ハムレット。道徳的で内向的なハムレットは、悩み苦しみながらも叔父への復讐を成し遂げようとします。

復讐劇を軸に、同時に展開されるハムレットとオフィーリアとの悲恋も見どころ。さらに、狂気を装った復讐の計画が思わぬ方向へ進んでしまう点にも注目してみてください。復讐による悲劇を読みたい方におすすめです。

オセロー

新潮社 著者:ウィリアム・シェイクスピア

オセロー

妻を愛しすぎた男の悲劇を描いたシェイクスピアの作品です。シェイクスピア作品のなかでも後期に描かれた、四大悲劇のひとつ。ムーア人の勇敢な将軍・オセローが主人公です。

サイプラス島の政治を任され、現地へ向かったオセロー。副官に選ばれなかったことを不満に思った旗手・イアーゴーは、計画を練って副官を失脚させます。さらに、オセローの妻・デズデモーナに関する嘘の情報をオセローへ伝えるのでした。

嫉妬に狂ったオセローは妻を殺害しますが、すべてはイアーゴーの仕業だと気づき、自殺してしまいます。愛の深さゆえに悲劇を招くシェイクスピア作品が気になる方におすすめです。

お気に召すまま

新潮社 著者:ウィリアム・シェイクスピア

お気に召すまま

恋人たちが織りなすさまざまな恋を描いたシェイクスピアの作品。素朴で叙情豊かな雰囲気と巧みな演劇手法が組み合わさった浪漫喜劇です。

弟に領地を奪われた公爵は、美しいアーデンの森に移住。公爵の娘・ロザリンドは、叔父の娘・シーリアと仲がよいため邸内に残っていましたが、やがて追放されてしまいます。男装したロザリンドとシーリア、公爵の功臣の遺子・オーランドーも、アーデンの森へやってきて…。

シェイクスピア作品の世界観を読みやすく楽しめる作品。著者の喜劇作品にチャレンジしたい方にもおすすめです。

ヴェニスの商人

新潮社 著者:ウィリアム・シェイクスピア

ヴェニスの商人

爽快な気分にさせられる逆転劇が魅力のシェイクスピア作品。機転の利いたやり取りを楽しめる喜劇である点にも注目です。

ヴェニスの若き商人・アントーニオーは、恋に悩む友人のために自分の胸の肉を担保にして悪徳高利貸し・シャイロックからお金を借ります。しかし、嵐によってアントーニオーの商売は失敗し、財産の全てを失ってしまうのでした。借金返済のため、担保にしていた胸の肉を切らなければならなくなりますが…。

窮地に陥ったアントーニオーが、どのようにして難を逃れるのかが見どころ。友情をはじめとした物事の本質を学べる作品を読みたい方にもおすすめです。

ロミオとジュリエット

新潮社 著者:ウィリアム・シェイクスピア

ロミオとジュリエット

シェイクスピアが描いた、世界的な恋愛悲劇の代表作です。現代においても翻訳され続けている作品。1996年には、レオナルド・ディカプリオ主演で実写映画化されているのもポイントです。

モンタギュー家のひとり息子・ロミオは、忍び込んだキャピュレット家の舞踏会でジュリエットと出会い、恋に落ちます。家が仇敵同士の関係である2人は、月光の下で永遠の愛を誓い合いますが…。

悲しい破局を迎えるクライマックスがあまりにも有名な物語。さまざまな劇団によって舞台化されているので、原作を読んでから舞台作品にチャレンジするのもおすすめです。

ジュリアス・シーザー

新潮社 著者:ウィリアム・シェイクスピア

ジュリアス・シーザー

ローマ史に基づいて描かれたシェイクスピアの作品。紀元前44年が舞台で、シーザー暗殺とその後をめぐる物語です。

自身の政治の理想に忠実であるために、ローマ君主・シーザーを刺したブルータス。アントニーはブルータスを糾弾する演説を行い、ローマは困惑に包まれます。

高潔な魂を持つブルータスが悩み苦しみながらシーザー暗殺を決意する過程に注目。シーザーの部下であるアントニーの演説によって翻る民衆の声にも考えさせられます。シェイクスピアの政治劇を読みたい方におすすめの作品です。

リチャード三世

新潮社 著者:ウィリアム・シェイクスピア

リチャード三世

劇詩人シェイクスピアが描く史劇。薔薇戦争を通して、善悪を超越する近代的悪人像を示した作品です。

身体に障害を負った野心家のグロスター公・リチャード。兄・エドワード四世王が病に倒れると、持ち前の能力で陰謀をくわだて、王位を継承します。

リチャードを中心に、薔薇戦争へ突き進んでゆくヨーク家の内紛を通して、人間の恐ろしさが露わになるのがポイント。ピカレスクロマンとして知られるシェイクスピア作品を読みたい方におすすめです。

シェイクスピア全集 8 テンペスト

筑摩書房 著者:ウィリアム・シェイクスピア

シェイクスピア全集 8 テンペスト

詩的音楽性と想象力に満ちたシェイクスピア作品。弟の計略によって地位を奪われ、娘・ミランダとともに島流しにされたミラノ大公・プロスペローが国を取り戻す物語です。

プロスペローは孤島での生活で秘術を習得し、嵐を起こします。彼を陥れた弟とナポリ王、王子が乗る船は嵐によって難破し、孤島へ漂着。ミランダとナポリ王子は恋に落ち、プロスペローは妖精を操って国を取り戻すのでした。

罪の償いや家族との再会、和解などがテーマとなっており、著者の「ロマンス劇」と称されることもある作品。救いのあるシェイクスピア作品を読みたい方におすすめです。