直木賞をはじめ、国内の文学賞を多数受賞している小説家「林真理子」。恋愛小説の達人とも呼ばれ、恋愛小説を中心に社会小説や時代小説など数多くの作品を生み出しています。

そこで今回は、林真理子のおすすめ小説をご紹介。初心者でも読みやすい作品や、映画化・ドラマ化された作品もピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。

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林真理子とは?

林真理子は、1954年に山梨県で生まれた小説家です。日本大学藝術学部文芸学科を卒業後、PR雑誌の編集スタッフやコピーライターなどの勤務経験を経て、1982年に『ルンルンを買っておうちに帰ろう』でデビューしました。

デビュー後は、1986年に『最終便に間に合えば』『京都まで』で直木賞を受賞。1995年には『白蓮れんれん』で柴田錬三郎賞、1998年には『みんなの秘密』で吉川英治文学賞、2013年には『アスクレピオスの愛人』で島清恋愛文学賞など、多くの文学賞を受賞しています。

小説家としてだけでなく、直木賞や吉川英治文学賞などの選考委員、元号に関する有識者懇談会のメンバー、東京オリンピックスローガン審議委員を歴任。多方面で活躍している人気作家です。2018年には紫綬褒章を受章しています。

林真理子作品の魅力

林真理子作品は、細やかでリアルな心理描写が魅力。人間の弱さや醜い部分を包み隠さず描き、巧みな文章で読者の心を惹きつけています。特に、恋愛・仕事・結婚などの悩みを女性目線で描いた恋愛小説が人気です。

恋愛小説だけでなく、幅広いジャンルの小説を数多く執筆しているのもポイント。社会問題をテーマにした作品や時代小説、伝記小説など多数の著書があります。ドラマ化や映画化された作品も多く、NHK大河ドラマの原作となった『西郷どん!』は話題となりました。

また、『週刊文春』や『an・an』でエッセイを長期間連載している、人気エッセイストとしての側面もある林真理子。鋭い時代感覚を持ち、自らの意見を率直に語る彼女の言葉には、生きるヒントがちりばめられています。

林真理子のおすすめ小説

anego

小学館 著者:林真理子

anego

恋愛運に恵まれない独身OLのリアルな姿を描いた、林真理子の恋愛小説です。2005年にはドラマ化もされています。

主人公は丸の内の大手商社で働く、32歳のOL・野田奈央子。同僚や上司、後輩からも信頼される「アネゴタイプ」の女性ですが、恋愛だけはいつもうまくいきません。

合コン・セフレ・不倫・お持ち帰りなど、数々の恋愛を楽しめる作品。30代独身女性のリアルな悩みや恋愛模様を覗き見たい方におすすめです。ドラマでは描かれなかった恐怖のラストにも注目してみてください。

新装版 最終便に間に合えば

文藝春秋 著者:林真理子

最終便に間に合えば

直木賞を受賞した、林真理子の短編集です。直木賞受賞2作品の『最終便に間に合えば』『京都まで』を含む、全5作品を収録しています。

表題作『最終便に間に合えば』は、造花デザイナー・美登里が主人公。出張先の北海道で、別れた男と7年ぶりに再会するところから物語が始まります。空港へ向かうタクシーの中で繰り広げられる、お互いを探り合うようなズルいやり取りが見どころです。

『京都まで』では、仕事に打ち込むキャリアウーマンに訪れた、年下の彼との甘美な恋が描かれています。登場人物のリアルな心理描写に引き込まれる読者が多い作品集です。

不機嫌な果実

文藝春秋 著者:林真理子

不機嫌な果実

男女の不倫を醒めた視点で描いた、林真理子の代表作。“夫以外の男とのセックスは、どうしてこんなに楽しいのだろうか。”という、センセーショナルなキャッチコピーが印象的な恋愛小説です。1997年と2016年にドラマ化、1997年には映画化もされています。

32歳のヒロイン・水越麻也子には結婚6年目になる夫がいました。夫との生活に不満を抱いていた麻也子は、昔の恋人・野村と不倫を始めます。ところが、年下の情熱的な音楽評論家・通彦との出会いをきっかけに、麻也子の運命は大きく変わっていくのでした。

不倫にハマっていく主人公の感情や人間関係を通して、女性の生き方や考え方を丁寧に描いた作品。ブームを巻き起こした「不倫恋愛小説の最高峰」と謳われる名作を読んでみたい方におすすめです。

下流の宴

文藝春秋 著者:林真理子

下流の宴

格差社会を描いた林真理子の傑作長編小説です。2009年に毎日新聞で連載された作品。2011年にはNHKでドラマ化もされています。

主人公は、中流家庭であることにこだわりを持つ主婦・由美子。ある日、高校を中退した息子がフリーターの娘・珠緒との結婚を宣言します。珠緒と結婚することで「下流」に落ちる恐怖を感じた由美子は猛反対しますが…。

さまざまな価値観がぶつかり合う格差社会をリアルに描いた作品。世代間のギャップやすれ違いに注目しながら読むのがおすすめです。

みんなの秘密

講談社 著者:林真理子

みんなの秘密

第32回吉川英治文学賞を受賞した、林真理子の連作小説です。『爪を塗る女』『悔いる男』など、全12作品を収録しています。主人公がリレー式に入れ替わっていく作品です。

『爪を塗る女』は、34歳の人妻・倉田涼子がヒロイン。不倫という甘美な時間を手に入れた涼子は、キスだけの淡い恋を楽しんでいましたが…。

人間が隠し持っている秘密を、なまめかしく描いた作品を収録しています。林真理子ならではの緻密な心理描写が魅力です。

コスメティック

小学館 著者:林真理子

コスメティック

化粧品業界で働くキャリア女性の現実を描いた、林真理子のベストセラー小説。あまりにリアルな内容であったため、“暴露小説では?”と話題になった作品です。

主人公は化粧品会社に勤めるアラサーOL・北村沙美。PR担当として仕事に打ち込む沙美でしたが、嫉妬・裏切り・不倫など悩みはつきません。

現実に打ちひしがれながらも、「女の闘い」に挑んでいく姿を描いた作品。キャリア女性を取り巻く、リアルな業界の様子を垣間見たい方におすすめです。

小説8050

新潮社 著者:林真理子

小説8050

林真理子が「引きこもり」のリアルを描いた、家族再生の物語。『週刊新潮』での連載時から反響を呼び、書籍発売前に重版が決定していた人気作品です。

東京の歯科医・大澤正樹には、妻・節子と娘・由依のほかに、7年間自室に引きこもっている息子・翔太がいました。有名中学に入学し、順風満帆に見えた翔太が部屋から出られなくなった原因とは…。翔太が発した“復讐だ!”という言葉で、物語は一気に動き始めます。

引きこもり状態にある50代の子供を80代の親が支える「8050問題」や、学校でのいじめ問題に深く切り込んでいるのが見どころ。登場人物の生々しい心理描写に引き込まれる、おすすめの林真理子作品です。

西郷どん! 上製版 前編

KADOKAWA 著者:林真理子

西郷どん! 上製版 前編

新しい西郷隆盛像を描いた、林真理子の長編小説です。前編・後編からなる全2巻の構成。2018年に放送されたNHK大河ドラマ『西郷どん!』の原作としても人気がある作品です。

下級武士の息子として生まれた西郷吉之助は、いつの日か藩主である島津斉彬に仕える日が来ることを夢見ていました。夢が叶い、斉彬のお側仕えとなった吉之助。主君と心をひとつにし、異国の脅威を防ぐために奔走しますが…。

前編で描かれているのは西郷隆盛の青春時代です。波瀾万丈な運命に翻弄されつつ、人間くさく生きる主人公の姿に引き込まれ、すぐに後編を読みたくなる方も多い作品。読みやすい時代小説を探している方におすすめです。

ミルキー

講談社 著者:林真理子

ミルキー

背徳の恋愛を描いた、林真理子の短編集です。表題作『ミルキー』をはじめとする、大人向けのほろ苦い恋愛小説を12作品収録しています。

表題作は、産休明けで職場に復帰した諸橋陽子が主人公。広告代理店に勤める奥村裕一と陽子は、妊娠前に数回関係をもっていました。出産前より美しくなった陽子に魅力を感じた裕一は、再び関係をせまりますが…。

人間が持つ嫌な部分をリアルに描いた作品。恋と色欲にハマっていく女性たちの、美しさと狡猾さに注目しながら読んでみてください。

白蓮れんれん

集英社 著者:林真理子

白蓮れんれん

第8回柴田錬三郎賞を受賞した、林真理子の伝記小説。「大正三大美人」と称された歌人・柳原白蓮をモデルに、大正時代の女性たちを生き生きと描いた作品です。

筑紫の炭鉱王に嫁いだ柳原白蓮は、年下のジャーナリスト・宮崎龍介と恋に落ちます。大正天皇の従姉弟にあたる華族出身の白蓮と平民の龍介。身分の差を乗り越え、愛を貫き通します。

時代に抗いながら懸命に生きる白蓮の姿を、門外不出の資料を元に描き出した作品。林真理子作品の魅力でもある、細やかな心理描写に注目しながら読むのがおすすめです。

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