「新本格ムーブメント」を巻き起こしたミステリー小説家「綾辻行人」。ミステリーやホラーの名作を次々と生み出しています。数あるシリーズや作品のなかから、何から手を付けたらよいか悩む方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、綾辻行人作品のおすすめをランキング形式でご紹介。人気の「館シリーズ」をはじめとして、『Another』や『殺人鬼』など、最高傑作を厳選したので、ぜひ参考にしてみてください。

「館シリーズ」で有名なミステリー小説家・綾辻行人とは?

綾辻行人氏は1960年京都府生まれのホラー・ミステリー小説家です。京都大学教育学部を卒業後、同大学院在学中の1987年『十角館の殺人』でデビュー。同作品はトリックや探偵の論理的な謎解きなどに重きを置いた「新本格ムーヴメント」の端緒となり、現代ミステリーの流れを大きく変えました。

そして、1992年に『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞を受賞。一連の「館シリーズ」は現代本格ミステリーをけん引する人気シリーズとなりました。その後も、『どんどん橋、落ちた』『殺人鬼』『Another』など数々のベストセラー作品を発表し続け、2018年に日本ミステリー文学大賞を受賞しています。

また、綾辻行人氏は同じ小説家・小野不由美氏が妻であることでも有名。ほかにも、文豪たちが異能バトルを繰り広げるマンガ『文豪ストレイドッグス外伝』に、綾辻行人氏の名前を冠したキャラクターが登場したことも話題になりました。

綾辻行人作品の特徴やシリーズの読む順番を解説

綾辻行人氏は読者の先入観を利用し、ミスリードへ導く「叙述トリック」を得意としています。同氏の作品は、張り巡らされた伏線や、どんでん返しの結末などで多くの読者を驚かせてきました。

また、多くのホラー作品も発表しており、ミステリーにホラー・ゴシックといった世界観を持ち込んでいるのもポイント。霊的な不気味さだけでなく、人間の恐ろしさの描写も秀逸です。

綾辻行人作品にはシリーズものが多く、「館シリーズ」が代表的。単体でも楽しめますが、デビュー作の『十角館の殺人』から始まり、『水車館の殺人』『迷路館の殺人』『人形館の殺人』『時計館の殺人』『黒猫館の殺人』『暗黒館の殺人』『びっくり館の殺人』『奇面館の殺人』の順番で読むのがおすすめです。

ほかにも、人気の学園ホラー&ミステリー「Anotherシリーズ」や、異色の長編推理「囁きシリーズ」、奇想怪談連作の「深泥丘シリーズ」など、さまざまなシリーズがあります。

綾辻行人のおすすめ小説ランキング

第1位 十角館の殺人 新装改訂版

講談社 著者:綾辻行人

綾辻行人氏のデビュー作であり、代表作のひとつです。伝説の建築家が各地で建てた風変わりな館を舞台に、惨劇が起こるミステリー「館シリーズ」の第1作品目。謎やサスペンス、意外な結末を楽しめる現代本格ミステリーの金字塔です。マンガ化もされ、累計発行部数は100万部を突破しています。

物語の舞台は、孤島・角島に建つ十角形の奇妙な館。大学ミステリ研の7人が館を訪れました。館を建てた建築家・中村青司は半年前に炎上した青屋敷で焼死したといいます。やがて、学生たちを連続殺人が襲い、衝撃的な結末が待ち受けているのです…。

特に終盤近くの「あの1行」が衝撃的で、ミステリー史上最大級ともいわれる、驚愕の結末が見どころ。綾辻行人作品に初めて触れる方や、本格ミステリー、クローズドサークルものが好きな方におすすめです。

第2位 Another 上

KADOKAWA 著者:綾辻行人

中学校を舞台にした、長編学園ミステリー&ホラー小説。14.15歳の少年少女を描いた、哀切な青春小説の要素もあります。綾辻行人氏の代表作のひとつで、アニメ化・マンガ化・実写映画化もされ、ベストセラーとなりました。

物語の舞台は、地方都市・夜見山。1998年春、東京から夜見山北中学校に転校してきた主人公・榊原恒一は何かに怯えて、何かを隠しているようなクラスの雰囲気に違和感を覚えます。

そして、不思議な存在感のある同級生の美少女・見崎鳴に惹かれ、接触しようとしますが、“いないものの相手をするのはよせ”と警告されるなど謎は深まるばかり。そんななか、クラス委員長・桜木が凄惨な死を遂げます。一体、この「世界」では何が起きているのでしょうか。

災厄ともいえる、なす術のない怪異が恐ろしいホラーサスペンス性に、衝撃的な展開の本格ミステリーが融合しており、綾辻行人氏の筆力の高さを感じられる1冊。中高生ごろの年代の方から大人までおすすめの傑作です。

第3位 殺人鬼 覚醒篇

KADOKAWA 著者:綾辻行人

最恐・最驚といわれるスプラッタ・ホラー&ミステリー小説。グルーヴ感あふれる文体で描かれた、綾辻行人氏伝説の傑作です。

1990年代の夏、双葉山に集った「TCメンバーズ」の一行。しかし、突如出現した「それ」の手によって1人、また1人と惨殺されていきます。いつ果てるとも知れない地獄の饗宴ですが、その奥底に驚愕の仕掛けが仕込まれているのです…。

グロテスクななかに、綾辻行人氏が仕掛けた空前絶後ともいわれる罠が待ち受けているのがポイント。猟奇殺人を題材にした作品に興味がある方や、綾辻行人氏の秀逸なトリックに触れたい方におすすめです。

第4位 迷路館の殺人 新装改訂版

講談社 著者:綾辻行人

綾辻行人氏初期の「新本格ミステリー」を象徴する傑作です。「館シリーズ」の第3作品目で、作中作という設定の物語。密室と化した地下迷宮で繰り広げられる「見立て殺人」のミステリー小説です。

奇妙で奇天烈な地下の館「迷路館」に招かれた4人の作家たち。彼らは莫大な「賞金」をかけて、館を舞台にした推理小説の競作を始めます。しかし、それは恐るべき連続殺人劇の開幕だったのです…。

綾辻行人氏自身が楽しみながら書いた1冊で、周到なたくらみや遊び心でミステリーファンを騙し、驚愕させています。張り巡らされた伏線やどんでん返しで本格ミステリーを楽しめる、おすすめの綾辻行人作品です。

第5位 霧越邸殺人事件 完全改訂版 上

KADOKAWA 著者:綾辻行人

綾辻行人氏の記念碑的名作で、本格ミステリーと怪奇幻想が融合したミステリー小説。構想に10年をかけたといわれる力作です。

物語は1986年晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州山中に建つ謎の館「霧越邸」に訪れます。彼らを迎える怪しく冷たい住人達。そして、邸内では数々の不可思議な現象が起こります。さらに、閉ざされた吹雪の山荘で美しき連続殺人の幕が上がるのです…。

静かに進む物語に不気味な恐ろしさを感じられる1冊。登場人物の描写がしっかりしている点や、王道の本格ミステリーで読み応えがあります。綾辻行人氏初期の代表作に触れたい方におすすめです。

第6位 深泥丘奇談

KADOKAWA 著者:綾辻行人

綾辻行人氏の新境地といわれる奇想怪談小説集で、3部作のうちの最初の物語です。「新本格推理小説」を執筆する作家の私が、京都を彷彿とさせる街で体験する、奇妙な出来事を描いています。

深泥丘病院の屋上で見た幻鳥や、歯科治療をめぐる生理的恐怖、私の自宅周辺に出没する謎の生き物など、謎めいた世界が私の日常を浸蝕し、見慣れた風景を一変させていくのです…。

“現実の自分の状況にでたらめを混ぜる書き方”と発言し、綾辻行人氏のクロニクル的な側面もある1冊。妖しい魅力のある、おすすめの綾辻行人作品です。

第7位 フリークス

KADOKAWA 著者:綾辻行人

不道徳で端麗な謎を描いたホラー・ミステリー小説。本格ミステリーと恐怖、異形への真摯な愛が生み出した3つの物語です。

精神科病棟が舞台で、患者の日記を中心に物語が展開されます。狂気の科学者J・Mは5人の子供に人体改造を施し、“怪物”と呼んで責め苛んでいました。そして、ある日彼は惨殺体となって発見されましたが…。

不気味でゾクゾクする要素や、謎解き要素もしっかりと入っており、綾辻行人作品の世界観を味わえます。驚愕のオチも見どころのおすすめ小説です。

第8位 水車館の殺人 新装改訂版

講談社 著者:綾辻行人

「館シリーズ」の第2作品目で、“『十角館』に勝るとも劣らず衝撃的”と評された綾辻行人作品。また、同氏が“横溝正史的な雰囲気で正統派の本格探偵小説”というイメージで描いています。

物語の舞台は、仮面の当主・藤沼紀一と、幽閉同然の孤独な美少女が住まう「水車館」。館では1年前の嵐の夜に奇怪な殺人が起こっていました。そして、1年後うさんくさい客たちが水車館に集まった時点から、再び惨劇の扉が開くのです…。1年前の殺人とはどう関係しているのでしょうか。

本作品では本格ミステリーの復権を高らかに謳っており、驚異の仕掛けがあるのがポイント。クラシカルな雰囲気と秀逸なトリックを楽しめる、おすすめの綾辻行人作品です。

第9位 暗黒館の殺人 一

講談社 著者:綾辻行人

綾辻行人氏畢生の巨編ともいわれるミステリー小説。全4巻の「館シリーズ」第7作品目です。綾辻行人氏自身が“シリーズのなかで最も思い入れが深い”と発言しています。

蒼白い霧の峠を越え、湖上の小島に建つ漆黒の館「暗黒館」。そこには、忌まわしき陰に包まれた、浦登家の人々が住んでいました。当主の息子・玄児から館に招かれた大学生・中也はさまざまな謎めいた出来事に遭遇します。

綾辻行人氏の「好きなもの」を詰め込み、ゴシック的な構造美を追求しているのがポイント。徐々に出てくる怪しい雰囲気に、何かが起こりそうな予感があり、期待しながら読み進められます。シリーズ最大・最深・最驚の「館」ともいわれており、本シリーズに初めて触れる方にもおすすめです。

第10位 どんどん橋、落ちた 新装改訂版

講談社 著者:綾辻行人

本格ミステリーシーンを騒然とさせたといわれる、綾辻行人氏の傑作ミステリー小説。読者への挑戦でもある、超難問の「犯人当て」5話の中短編が収録されています。

本作品の主人公はミステリー作家・綾辻行人。彼のもとに持ち込まれる「問題」はひと筋縄ではいかないものばかりでした。崩落した「どんどん橋」の向こうで、燃える「ぼうぼう森」のなかで、明るく平和だったはずのあの一家で、などさまざまな状況で勃発する難事件。犯人は誰なのでしょうか。

掟破りともいわれる、一風変わったミステリー。“騙されるはずがない”と思っているほど犯人当てが困難になるといわれています。謎解きが好きな方や、綾辻行人氏の秀逸なトリックに挑みたい方におすすめの小説です。

第11位 Another 2001

KADOKAWA 著者:綾辻行人

単行本としては綾辻行人氏の最新作。大ヒット学園ミステリー&ホラー小説『Another』の続編で、前作の3年後、2001年の夜見山中学校3年3組を襲う「災厄」の物語です。

2001年春から夜見山北中学校3年3組の一員となる生徒たちの中に、3年前の夏、見崎鳴と出会った少年・想の姿がありました。「死者」がクラスにまぎれこむ「現象」に備え、今年は特別な「対策」を講じる想たち。しかし、ある出来事をきっかけに歯車が狂い始め、惨劇の幕が開いてしまうのです…。

「夜見山現象」史上最凶ともいわれる「災厄」に、想や鳴がどう立ち向かっていくかが見どころ。予想外かつ早い展開で、800ページ超えながら一気読みしやすい魅力があります。学園ミステリー&ホラーが好きな方や、『Another』に触れたことがある方は必読の綾辻行人作品です。

第12位 人間じゃない 綾辻行人未収録作品集

講談社 著者:綾辻行人

綾辻行人氏のデビュー30周年に刊行された小説。綾辻行人氏のさまざまな作品とリンクする、単行本未収録の短編・中編5編が収録されています。

表題作の舞台は、持ち主が悲惨な死を遂げ、廃墟同然になった別荘「星月荘」。ここを訪れた4人の若者を襲った、凄惨な殺人事件の真相とは何なのでしょうか。ほかにも、『人形館の殺人』の後日譚や、『どんどん橋、落ちた』の番外編などが収録されています。

ミステリーやホラー、不思議な話など、さまざまなテイストの中短編を楽しめるのがポイント。綾辻行人ファンはもちろん、さまざまなテイストの物語を読みたい方におすすめです。

第13位 緋色の囁き 新装改訂版

講談社 著者:綾辻行人

名門女学園で起こった恐怖を描いた綾辻行人作品。鮮血と狂気に彩られた、異色の長編推理「囁きシリーズ」の第1作品目で、マンガ化もされています。

名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で少女が“魔女”という謎の言葉を残して亡くなります。それが、美しくも残酷な連続殺人劇の幕開けとなるのです。そして、創立者の血を引く転校生・冴子は、心の奥底から湧き起こる「囁き」に、自分が殺人者ではないかと恐怖におののきます。

綾辻行人氏最初期の渾身作ともいわれ、幻想的なホラーの要素もある狂気のミステリー。美しく妖しい雰囲気で、ゾクゾク感を味わえるおすすめの小説です。

第14位 眼球綺譚

KADOKAWA 著者:綾辻行人

綾辻行人氏初の怪奇幻想短編小説で、妖しく美しい珠玉のホラー作品が7編収録されています。マンガ化され、朗読劇にもなりました。

表題作では、大学の後輩から郵便が届きます。“読んでください。夜中に、一人で”と書かれた手紙とともに、そのなかには、ある地方都市で起きた奇妙な事件を題材にした小説の原稿が入っていたのです…。

狂気と幻想の世界に誘い込まれる、ゾッとする物語が詰まっています。綾辻行人氏による、ミステリーテイストのホラー作品に触れたい方におすすめです。

第15位 最後の記憶

KADOKAWA 著者:綾辻行人

本格ホラーの恐怖と、本格ミステリーの驚き、両者が融合したとされる綾辻行人氏の長編小説。死の直前に心に浮かぶ、恐ろしい「最後の記憶」を描いています。

主人公・森吾の母・千鶴は若年性の痴呆症を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつありました。彼女に残されたのは、バッタの飛ぶ音や突然の白い閃光、血しぶきと悲鳴、惨殺された大勢の子供など「凄まじい恐怖」の記憶のみ。死に瀕した千鶴を苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのでしょうか。

不気味かつ不思議な、ファンタジックな雰囲気を感じられるのもポイント。ホラーとミステリーの融合という、綾辻行人作品の世界観を堪能できるおすすめの1冊です。

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