ショートショートの神様「星新一」。SF作品を中心に数々のロングセラー作品を発表し、国内外で人気を獲得している小説家です。世代を超えて愛され続ける名作が多いため、何を選んだらよいか悩む方が多いのではないでしょうか。

今回は、星新一のおすすめ作品を独自にランキング化しました。普段読書をしない方からSF小説が好きな方まで、ぜひ参考にしてみてください。

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ショートショートの神様 星新一とは?

星新一(本名:星親一)は1926年東京都に生まれ、東京大学農学部を卒業したSF小説界の第一人者。1957年に日本初のSF同人誌『宇宙塵』で発表したショートショート『セキストラ』が、江戸川乱歩集『宝石』に転載され、商業誌デビューしました。

1958年に執筆した『ボッコちゃん』で自信を得て、400字詰め原稿用紙で10数枚程度の形式「ショートショート」という小説分野を開拓。「ショートショートの神様」と呼ばれるようになりました。

1968年には『妄想銀行』および過去の業績に対して、日本推理作家協会賞を受賞。1997年に71歳でなくなりましたが、1998年にそれまでの功績をたたえ、日本SF大賞特別賞が贈られています。2013年には、理系的発想や想像力を問う文学賞「星新一賞」が創設されました。

また、国内外の小学校・中学校・高校の教科書に星新一作品が掲載されるなど、世代を超えて親しまれており、人気の衰えることがない名作家のひとりです。2022年には実写ドラマで『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』が放送され、話題を呼びました。

星新一作品の特徴や魅力

星新一は日本SF小説界の旗手として知られている小説家。生涯で1001編以上を発表しており、SFショートショート作品が多いのが特徴です。

ほかにも、『おーい でてこーい』『きまぐれロボット』などをはじめとして、『声の網』といった連作短編、『ブランコのむこうで』などの長編のほか、父・星一や祖父・小金井良精の伝記なども発表しています。

星新一作品は奇抜なアイデアや秀逸な構成力、意外な結末があるのがポイント。非常に短いショートショートのなかに張り巡らされた伏線を、鮮やかに回収するオチが秀逸なのが魅力です。

ほかにも、当用漢字のみのやさしい文章や、時事風俗・固有名詞・性・殺人などを描かず、作品に透明感があります。小中学生から大人まで、幅広い読者層に愛されており、普段あまり本を読まない方にもおすすめの小説家です。

星新一のおすすめ作品ランキング

第1位 ボッコちゃん

新潮社 著者:星新一


ボッコちゃん

星新一自身がショートショートの傑作50編を厳選した、星新一の入門書ともいわれる名作。舞台化やドラマ化もされた作品も数多く収録おり、累計260万部を突破しているロングセラー小説です。

表題作では、バーで働く人気の美人店員「ボッコちゃん」の抱える大きな秘密や、彼女に恋した男の悲喜劇が描かれています。ほかにも、『おーい でてこーい』『殺し屋ですのよ』『不眠症』『生活維持省』など、非常に楽しくスリルにあふれた物語が収録されています。

本作品は、スマートでユーモアのある物語や、ユニークな着想、シャープな風刺などさまざまな魅力があるのがポイント。子供から大人までおすすめの星新一の最高傑作です。

第2位 きまぐれロボット

KADOKAWA 著者:星新一

きまぐれロボット

『ボッコちゃん』と並ぶ、星新一の代表作で、36編のショートショートが収録された最高傑作。累計発行部数は200万部を突破しています。博士の不思議な発明や発見が、さまざまな騒動を巻き起こす物語です。

お金持ちのエヌ氏は、大金を払って博士からロボットを購入。お腹が空けば料理を作ったり、後片付けや部屋の掃除をしたり、話し相手になったりと何でもできるロボットでした。そのロボットを連れて、エヌ氏は離れ島の別荘に出かけます。しかし、ロボットは次第におかしな行動を取るようになっていくのです…。

本作品では、人間の欲望がおもしろおかしく描かれているのがポイント。小学生ごろからでも読めるおすすめの星新一作品です。

第3位 ようこそ地球さん

新潮社 著者:星新一


ようこそ地球さん

人類の未来に待ち伏せる悲喜劇を描いた星新一作品です。”現代メカニズムの清涼剤”ともいわれる、大人のためのショートショートの寓話を42編収録。収録作品のひとつ『霧の星で』は2014年にテレビ化もされています。

文明の亀裂をこじ開けて覗いてみると、人口冬眠が流行して地上は静まり返り、自殺は信仰に昇華し、宇宙にある植民地では大暴動が起こっていたのです…。

皮肉に笑い、ときに人間の弱さに目を潤ませ、奇想天外かつ卓抜なアイデアを取り交ぜて描かれています。死生観にも触れられており、短いながら考えさせられる内容の物語も収録。大人におすすめの星新一作品です。

第4位 未来いそっぷ

新潮社 著者:星新一

未来いそっぷ

『アリとキリギリス』『北風と太陽』『ウサギとカメ』などの有名な寓話を、星新一がアレンジした作品。愉しい笑いや痛烈な風刺が効いた、33編のショートショートです。累計発行部数は175万部を突破しました。

たとえば、本来真面目に生きることを教訓として語っている童話『アリとキリギリス』は、星新一の手にかかると、働きすぎの現代人に警鐘を鳴らすような内容となっています。

時代が変われば物語も変わると、ユーモアや社会風刺が込められているのがポイント。星新一の魅力を存分に味わえるおすすめの作品です。

第5位 悪魔のいる天国

新潮社 著者:星新一

悪魔のいる天国

ふとした気まぐれや思い付きで、人間を残酷な運命へ突き落とす「悪魔」の存在を描いた星新一作品。36編のショートショート集です。

人間の代わりに言葉を交わすロボットインコの物語『肩の上の秘書』や、未来社会で想像力にあふれた人間に待ち受ける恐怖を描いた『ピーターパンの島』などを収録。日常社会やSFの世界、夢の世界で繰り広げられるファンタジーの物語です。

卓越したアイデアや、透明感のある文体を駆使して描いているのがポイント。ブラックユーモアのきいた星新一作品に興味がある方におすすめです。

第6位 妄想銀行

新潮社 著者:星新一

妄想銀行

32編のショートショートが収録された、星新一の日本推理作家協会賞受賞作品。現代社会の皮肉をつづった物語や、奇想天外なユーモアあふれる物語などが収録されています。

表題作では悩んでいる人の妄想を取り除き、必要な人に売るエフ博士の「妄想銀行」が大繁盛。しかし、彼に思いを寄せる女から吸い取った妄想を、エフ博士自身が愛する女性に利用しようとしたのが誤りだったのです…。

風刺性が高いだけでなく、人生の悲哀やあたたかさが感じられる物語も収録されています。中学生ごろの年代の方から、大人までおすすめの星新一作品です。

第7位 午後の恐竜

新潮社 著者:星新一

午後の恐竜

近未来の物語や社会風刺など、11編のショートショートが収録された星新一作品。収録作品のひとつ『華やかな三つの願い』はテレビ化もされました。

表題作では、現代社会に巨大な恐竜が次々と出現します。蜃気楼なのでしょうか、集団幻覚なのでしょうか、それとも立体テレビの放映なのでしょうか。地球の運命がシニカルに描かれています。

思いがけない秀逸なオチに戦慄する方も多いショートショート。ほかにも、偏執と狂気の世界をユーモラスに描いた『狂的体質』などが収録されています。大人向けの小説が多く収録された、おすすめの星新一作品です。

第8位 マイ国家

新潮社 著者:星新一

マイ国家

一見平和な文明社会にひそむ恐怖や幻想を、現実的で冴えた皮肉やユーモアで描いた星新一作品。31編のショートショート集で、累計103万部を突破しています。

表題作は、マイホームを”マイ国家”として独立宣言した男の物語。そして、その家に訪れてきた銀行の外勤係は、不法侵入・スパイ容疑でたちまち逮捕されてしまうのです…。

卓越したアイデアやプロットで、世間の常識を奇抜な発想でくつがえしたとされる1冊。星新一特有のあっと思えるオチも秀逸な、おすすめの作品です。

第9位 おのぞみの結末

新潮社 著者:星新一

おのぞみの結末

星新一のアイデアを凝縮したショートショート11編。超現代でも退屈な日々に飽き足りず、次々と新しい冒険を求める人間の滑稽で愛すべき姿を描き出しています。

表題作は、まじめさだけが取り柄の若い銀行員が、ある日、上司に多額の現金輸送を命じられるというあらすじです。家事万能のロボットを手に入れたら、世界平和を目指す秘密組織が実権を握ったらなどの物語が収録されています。

新鮮な発想、奇想天外なストーリー展開、意外な結末と星新一ワールドを楽しめる1冊。小学校高学年ごろから大人までおすすめの星新一作品です。

第10位 ノックの音が

新潮社 著者:星新一

ノックの音が

すべての話が”ノックの音がした”から始まる、15編のショートショート作品。星新一の意外性あふれるアイデアや、しゃれたセンスで描かれています。1985年時点ですでに100万部を超えていたベストセラーです。

最初の物語では、二日酔いの男の部屋に、ノックの音とともに見知らぬ美女が現れます。親しげにふるまう彼女の正体とは何なのでしょうか…。

各話「ノックの音」から始まり、一室内で物語が完結します。一体、誰のもとへどんな人が訪れてきたのでしょうか。目的は何で、部屋ではどんなことが起こるのでしょうか。

サスペンス・スリラー・コメディとさまざまなテイストの物語が詰まったショートショート。中学生ごろから大人までおすすめの星新一作品です。

第11位 ブランコのむこうで

新潮社 著者:星新一

ブランコのむこうで

星新一が、少年の愉快で不思議な冒険を描いた長編ファンタジー小説。『だれも知らない国で』を改題した作品です。

ある日、主人公の「ぼく」は学校の帰り道、「もうひとりのぼく」に出会います。彼は、鏡から抜け出してきたかのように、ぼくにそっくりな顔をしていました。

そして、ぼくは目に見えない糸で引っ張られるように、その男の子のあとをつけていきます。彼は長いこと歩いたあげく、知らない家に入って行きました。続いてぼくも中に入ろうとすると…。

ぼくが冒険を通じて、人の優しさや悲しみ、命、愛などさまざまなことを学び、成長していきます。星新一らしい仕掛けが詰まっているのも見どころ。優しい気持ちになれるような魅力がある、おすすめの1冊です。

第12位 声の網

KADOKAWA 著者:星新一

声の網

未来世界への警告を告げる傑作とされる、星新一の連作短編小説。単なる通話道具ではなくなった電話が織りなす、ショッキングな結末を描いた15編の物語です。

物語のある時代、電話である番号を回せば自分の商売に関連する情報が送られてきたり、診察器と組み合わせると居ながらにして病院の診察も受けられたりします。

そんなある日、メロン・マンション1階にある民芸品店の電話が鳴り、“そちらの店に強盗がはいる”と告げて切れました。そして、その通りに店は強盗に襲われ、それを機に12階までの住人に次々と異様なできごとが起こり始めるのです…。物語で明かされる電話の秘密とは何なのでしょうか。

パソコンもない1970年に発表された作品ながら、卓越した想像力に魅了される方が多い作品。星新一の秀逸な短編小説に触れたい方におすすめです。

第13位 妖精配給会社

新潮社 著者:星新一

妖精配給会社

夢と笑いの宝石箱といわれる、星新一のショートショート作品。風刺が効いた、戦慄のサスペンス性あふれる表題作を含め、35編が収録されています。

ほかの星から流れ着いた「妖精」は従順で遠慮深く、慰めることや褒めることが上手で、ペットとしては最適でした。半官半民の配給会社もできて、たちまち普及します。しかし、会社が使命を終えて社史編集の仕事を残すのみとなったとき、過去の記録を調べていた老社員の頭にひとつの疑惑がよぎるのです…。

ブラックユーモアや意外なオチが楽しめるショートショート。中学生ごろの年代の方から大人までおすすめの星新一作品です。

第14位 エヌ氏の遊園地

新潮社 著者:星新一

エヌ氏の遊園地

星新一のアイデアやユーモアに満ちた、ショートショート31編。日常と非日常の不思議な世界感が味わえる作品集です。

エヌ氏の研究室を強盗が襲い金の儲かる薬を盗む話や、女性アレルギーの名探偵のもとに大きな箱が届く話など、奇抜なアイデアやユーモアが効いた物語が詰まっています。

ファンタジックな物語に新境地を切り拓いたとされる傑作。読書感想文にも適しているとされており、小学生ごろからでも楽しめるおすすめの星新一作品です。

第15位 地球から来た男

KADOKAWA 著者:星新一

地球から来た男

ドラマ化もされた表題作を含む、星新一のショートショート集。『夜の迷路』『改善』『もてなし』など、あわせて17編が収録されています。

表題作の主人公は、小さな調査会社勤務の「おれ」。ある日、競争相手の会社で開発中の新製品がどんなモノかを調べてほしいという、いわゆる産業スパイの依頼が来ました。

おれは会社の研究所にもぐりこめたものの、たちまち守衛につかまり、その会社の独断で処罰されることになってしまいます。その処罰とは、未完成のまま放置されていたテレポーテーション装置を使い、地球外へ追放するというものだったのです…。

少しダークな物語やゾッとする物語、不思議な物語など、バラエティーに富んでいます。シニカルな物語が多めに収録されており、考えさせられる星新一作品を読みたい方におすすめです。

第16位 星新一ショートショートセレクション ねらわれた星

理論社 著者:星新一

星新一ショートショートセレクション ねらわれた星

星新一作品のなかから、ヤングアダルト向けのものを選んだ「星新一ショートショートセレクション」の第1作品目。19編のショートショートが収録されています。

表題作は、異星人が皮を溶かすという恐ろしいウイルスを地球にばらまくというあらすじ。名作『おーい でてこーい』や『ボッコちゃん』も収録されています。

クスっと笑える話からゾッとする話まで、さまざまなテイストの物語を楽しめるのがポイント。小学校高学年や中高生、星新一初心者にもおすすめの星新一作品です。

第17位 きまぐれ星のメモ

KADOKAWA 著者:星新一

きまぐれ星のメモ

デビューから10年間のできごとをつづった星新一のエッセイ。星新一のライフステージで、書籍を次々と刊行したり、結婚して長女と次女が生まれたりといったできごとがあったころです。

締め切りが迫ると、ひとつの発想を得るために約8時間書斎に閉じこもるといった創作過程のことや、子供のころの思い出などを収録。簡潔な文章ながらひねりの効いた内容でつづられています。

星新一が普段何を考えて、どのようにアイデアを膨らませているかを覗ける作品。星新一への理解を深めたい方や、人となりが知りたい方におすすめです。

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