企業・金融など経済小説を中心に、数々のベストセラー作品を執筆する小説家・池井戸潤。ドラマや映画などで映像化された人気作品が多く、どの作品から読んだらよいか悩む方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、池井戸潤のおすすめ小説をランキング形式でご紹介。直木賞をはじめとして名高い文学賞受賞作や、ドラマ化・映画化された人気作品もピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてください。
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- 目次
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- 直木賞作家の池井戸潤とは?
- 池井戸潤作品の作風や魅力
- 池井戸潤のおすすめ小説ランキング
- 池井戸潤の小説の売れ筋ランキングをチェック
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※セール内容は予告なく変更になる場合がございます。最新情報につきましては、Amazonページにてご確認ください。直木賞作家の池井戸潤とは?

池井戸潤は1963年岐阜県出身の小説家。慶応義塾大学文学部および法学部を卒業後、作家になりたいと思いつつも1988年銀行に入行しました。1995年に銀行を退職した後は、会社経営やコンサルタントなどと執筆活動を並行していました。
そして、1998年『果つる底なき』で夢だったという江戸川乱歩賞を受賞し、小説家デビュー。2010年『鉄の骨』では吉川英治文学新人賞、2011年には『下町ロケット』で直木賞を受賞しています。
2013年には『オレとたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』のドラマ化作品『半沢直樹』が高視聴率を記録し、書店を賑わせました。2020年には野間出版文化賞を受賞しています。
ほかにも、『空飛ぶタイヤ』『民王』『七つの会議』など、映画化・ドラマ化もされているベストセラー作品を次々と発表。現在も、コンサルティング会社の社外取締役や、ビジネス書執筆などと並行して小説家活動を行っています。
池井戸潤作品の作風や魅力

池井戸潤は銀行勤務やコンサルの経歴を活かして、一般企業や金融などを描いた経済小説のほか、ジャンルを超えてエンターテインメント小説を執筆。働く人々が葛藤したり、プライドを持って夢に挑戦したりといった、社会人に身近な題材を扱うことが多く、読者の共感を呼んでいます。
また、主人公が敵に追い詰められて絶体絶命の状況に陥るところから、再生し逆転する勧善懲悪ものが多く、爽快な読後感が味わえるのも魅力。読者が思わず主人公を応援し、敵に嫌悪したくなるような、感情移入を優先させています。
映画化やドラマ化などで知名度が高く、読みやすい作品も多いため、初めて金融・経済小説に触れる方や熱い仕事小説が好きな方におすすめの小説家です。
池井戸潤のおすすめ小説ランキング
第1位 下町ロケット
文藝春秋 著者:池井戸潤
直木賞受賞作で、池井戸潤の代表作のひとつです。男たちの矜持がぶつかり合う、感動のエンターテインメント小説。ドラマ化もされており、シリーズ累計350万部を突破しました。
主人公は研究者の道をあきらめ、家業の大田区にある町工場・佃製作所を継いだ佃航平。製品開発で業績を伸ばしていました。しかし、ある日商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられます。
圧倒的に形成不利のなか、取引先を失い資金繰りに困る佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工は、佃製作所が持つ特許技術に食指を伸ばしてきます。特許を売れば窮地を脱せますが、その技術には佃の夢が詰まっていたのです……。
佃製作所の熱いメンバーたちや、不屈の挑戦や意地に胸を打たれる読者が多い1冊。仕事小説や、池井戸潤の代表作に触れたい方におすすめです。
第2位 半沢直樹 1 オレたちバブル入行組
文藝春秋 著者:池井戸潤
銀行を舞台に、バブル期に入行した男たちの意地や挑戦を描いた、痛快エンターテインメント小説です。池井戸潤の代表作のひとつで、「半沢直樹シリーズ」の第1作品目。堺雅人主演でドラマ化され、人気を博しました。シリーズ累計発行部数は615万部を突破した大ベストセラーシリーズです。
大阪西支店融資課長を務めるバンカー・半沢直樹。あるとき、浅野支店長の命令で5億円の融資を行った会社が、あえなく倒産してしまいます。融資ミスの責任をすべて半沢に押し付け、浅野支店長は醜い保身に走りました。
沸きあがる怒りを抑えつつ、半沢は巨額な債権を回収する方法を探っていきます。「やられたら、倍返し」というセリフで有名な、痛快な逆転劇が始まるのです……。
経済小説のなかでも読みやすく、読後の爽快感を味わえる1冊。池井戸潤の金融小説や、人気ドラマの原作に触れたい方におすすめです。
第3位 空飛ぶタイヤ
実業之日本社 著者:池井戸潤
池井戸潤のベストセラー作品で、エンターテインメントとして書かれた企業小説。ひとつの命をめぐり、巨大自動車会社と弱小運送会社がぶつかり合う物語です。ドラマ化・映画化され、累計発行部数は180万部を突破。直木賞にもノミネートされました。
ある日、走行中のトレーラーが脱輪し、外れたタイヤが歩道にいた若い母子を直撃する事故が起きます。トレーラー製造元・ホープ自動車は、トレーラーを所有する赤松運送の整備不良と主張。しかし、社長・赤松は納得できません。
彼は独自に真相に迫ろうとしますが、大企業の壁が彼を阻みます。会社経営は傾き、家族からも孤立。赤松は窮地に立たされ、絶望のどん底に落ちたかに見えましたが、そこに週刊誌記者が驚愕の情報をもたらすのです……。
粘り強く奮闘する赤松と家族たちの熱い闘いや、降りかかるピンチにドキドキハラハラしながら一気読みできます。圧倒的感動を呼ぶといわれる、おすすめの池井戸潤作品です。
第4位 民王
KADOKAWA 著者:池井戸潤
池井戸潤が政治の世界に踏み込んだ作品。直面した国家の危機に総理とバカ息子が挑む、痛快かつ「笑撃」のエンタメ政治小説です。2015年には遠藤憲一主演でドラマ化、2024年には『民王R』として復活し、話題を呼びました。
ある日、首相・武藤泰山と、息子・翔の中身が入れ替わってしまいます。原因不明のまま、翔は泰山の変わり身として国会に出ることになりました。しかし、遊んでばかりだった翔は、国会の討論や質疑応答など、到底理解できません。
幼稚な発言を繰り返し、文書に書かれた漢字を読めずに誤読するという状況に陥り、世間からは厳しい批判が起こりました。そして、泰山のまわりでは、閣僚の酔っぱらい発言、スキャンダル、献金問題が相次ぎます。国を背負う大人たちに、一体何が起こったのでしょうか。
社会問題をはじめとした政治のことをリアルに描きながら、分かりやすくおもしろく読める小説。初めて政治小説を読む方にもおすすめの池井戸潤作品です。
第5位 七つの会議
集英社 著者:池井戸潤
池井戸潤が働くことの正義を問う企業小説で、クライムノベルの最高傑作ともされる作品。映画化もされ、ミリオンセラーを突破した大ベストセラーです。
中堅メーカー・東京建電と、取引先を舞台に繰り広げられる物語。トップセールスマンのエリート課長・坂戸を、年上の部下で万年係長・八角が社内委員会にパワハラで訴えます。しかし、パワハラ委員会での裁定で、役員会が下したのは不可解な人事でした。
そして、急転する事態の収拾を命ぜられたのは、万年2番手に甘んじてきた原島。彼が親会社や取引先を巻き込んだ、大がかりな会社の秘密に迫っていきます。
企業の矛盾点や、働く人々の葛藤、絆など身近な視点で読める1冊。ミステリー要素がある経済小説に触れたい方におすすめの池井戸潤作品です。
第6位 鉄の骨
講談社 著者:池井戸潤
吉川英治文学新人賞を受賞した池井戸潤作品。建設業界の内幕を描き、謎の日本的システム「談合」を問う社会派エンターテインメント小説です。日本と韓国でそれぞれドラマ化されました。
中堅建設会社・一松組に勤める若きゼネコンマン・富島平太は、「談合課」と揶揄される、大口公共事業を受注する部署に異動します。
会社の危機を救うため、公共事業の入札をめぐり、技術力を武器に真正面から入札に挑もうとする平太たち。しかし、彼らの前には「談合」の壁が立ちはだかります。
平太が正義を取るか、会社員としての使命を取るかの狭間で葛藤する姿を通じて、会社や組織、守るべき信念、正義について問いかけた1冊です。ラストのミステリー要素がある仕掛けも見どころ。エンターテインメントとして読者を楽しませつつ、社会問題に鋭く切り込んだ、おすすめの池井戸潤作品です。
第7位 アキラとあきら 上
集英社 著者:池井戸潤
よきライバルで、友人でもある2人のあきらが、運命に抗いさまざまな試練を乗り越えていく青春・経済小説。池井戸潤珠玉の名作のひとつです。ドラマ化され、2022年には映画化もされています。
生まれも育ちも違う、零細工場の息子・山崎瑛と、大手海運会社、東海郵船の御曹司・階堂彬。2人とも宿命を背負い、自分の運命に抗いながら生きてきました。やがて2人が出会い、それぞれの人生が交差したときに、人生を賭した戦いが始まるのです……。
2人が真っ直ぐ運命に抗う姿に胸を熱くする読者が多い点や、さまざまな伏線があり一気読みしやすい点などの魅力があります。読みごたえのある池井戸潤作品に触れたい方におすすめです。
第8位 陸王
集英社 著者:池井戸潤
池井戸潤が足袋作り100年の老舗・こはぜ屋の再生を描いた小説。2017年にはドラマ化もされた話題作です。
埼玉県行田市にあるこはぜ屋は、従業員20名の零細企業で業績はジリ貧。4代目社長・宮沢紘一は銀行から融資を受けるために苦心する日々を送っていました。ある日、彼は会社存続のための新規事業を思い立ちます。
それは、これまで培ってきた足袋製造のノウハウを活かし、ランニングシューズ「陸王」を開発すること。宮沢は社内プロジェクトチームを立ち上げますが、素材探し、開発力不足、資金難、大手シューズメーカーの妨害など数々の難問が立ちはだかります。こはぜ屋は難局を乗り切れるのでしょうか。
伝統と情熱、仲間との強い絆を感じられる作品。勧善懲悪もので、爽快な読後感を味わえます。池井戸潤の熱い企業小説に興味のある方におすすめの1冊です。
第9位 シャイロックの子供たち
文藝春秋 著者:池井戸潤
銀行支店内の人間模様を描いた、傑作ミステリー短編小説。池井戸潤が小説の書き方を決定づけた、記念碑的1冊といわれています。2022年にドラマ化、2023年には映画化され人気を博した作品です。
東京第一銀行永原支店で現金紛失事件が起こります。女子行員に疑いがかかりますが、その後別の行員が失踪してしまうというあらすじです。
主人公が叩きあげの副支店長、社内恋愛中のOL、冴えない係長と変わっていき、事件の裏に透ける行員たちの葛藤を群像劇の形式で描いています。
読み進めていくうちに、ある犯罪が浮かび上がる趣向を凝らした作品。銀行を通して、普通に働き普通に暮らす幸福や困難を描いており、働く人々の共感を呼んでいます。ミステリー小説が好きな方や働いている方におすすめの池井戸潤作品です。
第10位 不祥事
実業之日本社 著者:池井戸潤
池井戸潤作品のなかでも、痛快度No.1といわれるオフィスミステリー小説。「花咲舞が黙ってないシリーズ」の第1作品目で、ドラマ化されました。
東京第一銀行の調査役に就いた相馬健。事務処理に問題を抱える支店でひとり「臨店指導」をする彼のもとに、部下として花咲舞がやってきます。彼女は、上司を上司とも思わないスーパー問題女性行員でした。
舞はさまざまなトラブルを解決し、凝り固まった「銀行」という組織を、相馬とともに内側から叩き直していきます。
舞の間違っていることには”間違っている”とはっきり言う性格や、コンビによる勧善懲悪にスカッとする読者が多い小説。短編でテンポよく書かれており読みやすい、おすすめの池井戸潤作品です。
第11位 俺たちの箱根駅伝 上
文藝春秋 著者:池井戸潤
「週刊文春」掲載時から話題を呼んだ、池井戸潤が描く箱根駅伝の青春群像劇。箱根駅伝に挑む学生たちと、「不可能」と言われた箱根駅伝中継を支えるテレビ局スタッフ、2つの視点から描かれる感動作です。
古豪・明誠学院大学陸上部の主将・青葉隼斗は、2年連続で本戦出場を逃し、卒業を控えていました。予選会が箱根への最後のチャンス。故障を乗り越えながらも、渾身の力で走り続ける隼斗に「箱根の魔物」が襲い掛かります。明誠学院大学は、箱根路を走れるのでしょうか。
一方、箱根駅伝の中継を担うのは大日テレビのスポーツ局でした。番組プロデューサー・徳重は、編成局長から振られた難題に頭を抱えており……。
感涙する読者も多く、生きる勇気をもらえるような作品。駅伝の厳しさやチームの絆がリアルに描かれており、青春小説が好きな方や駅伝ファンにおすすめの作品です。
第12位 ノーサイド・ゲーム
ダイヤモンド社 著者:池井戸潤
社会人ラグビー部の再建を描いた池井戸潤のスポーツ・経済小説。トキワ自動車のエリート社員だった君嶋隼人が、社内ラグビー部・アストロズを経済的に立て直していく物語です。ドラマ化もされました。
君嶋隼人は、トキワ自動車の大型買収案件に異を唱えたことから、トキワ自動車の経営戦略室から横浜工場の総務部長に左遷させられます。
そして、かつては強豪だったものの業績不振に喘ぎ、鳴かず飛ばずの社内ラグビー部・アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することになりました。ラグビーの知識も経験もない素人の君嶋が、巨額の赤字を垂れ流しているアストロズの再建に挑みます。
登場人物たちの熱い闘いや、君嶋が組織を改革しようと奮闘する姿に、胸を熱くする読者が多い1冊。熱狂的なスポーツ小説が好きな方におすすめの池井戸潤作品です。
第13位 ルーズヴェルト・ゲーム
講談社 著者:池井戸潤
企業と野球部を中心に、奇跡の大逆転(ルーズヴェルト・ゲーム)を描いた池井戸潤作品。2014年にはドラマ化もされた人気作品です。
中堅メーカー・青島製作所は、大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振に喘いでいました。リストラが敢行され、歴史ある野球部も存続の危機を迎えます。
かつて名門だったチームも、今やエース不在で崩壊寸前。青島製作所は難局をどう乗り切っていくのでしょうか。社長・選手・監督・技術者がそれぞれ、人生やプライドをかけてルーズヴェルト・ゲームに挑みます。
さまざまな登場人物が困難に立ち向かっていく姿に感動できる1冊。逆転劇で読後の爽快感も味わえる、おすすめの池井戸潤作品です。
第14位 果つる底なき
講談社 著者:池井戸潤
小説としては池井戸潤のデビュー作で、江戸川乱歩賞を受賞した金融ミステリー小説。緊張感あふれるサスペンスストーリーです。
“これは貸しだからな”という言葉と不正の疑惑を残して、債権回収担当の銀行員・坂本がアレルギー性ショックで亡くなりました。主人公・伊木は坂本と、坂本の妻でかつての恋人・曜子のため、そして何かを失いかけている自分自身のために、銀行の闇に立ち向かっていきます。
重厚で読みごたえがあり、ハラハラする展開やどんでん返しで引き込まれる作品。池井戸潤の秀逸なデビュー作に触れたい方や、サスペンス小説が好きな方におすすめです。
第15位 ロスジェネの逆襲 半沢直樹3
文藝春秋 著者:池井戸潤
池井戸潤による「半沢直樹シリーズ」第3作品目で、社会現象を巻き起こしたドラマの続編『半沢直樹2』の原作となった企業小説。子会社へ出向する半沢が、ロスジェネ世代の部下たちと、理不尽な敵たちに「倍返し」を食らわせる物語です。
半沢直樹は東京中央銀行の花形部署から、子会社の東京セントラル証券へ出向となります。そこに有名IT企業・電脳雑伎集団の買収案件アドバイザー契約の話が舞い込みました。しかし、親会社の東京中央銀行証券営業部が、その巨額案件を横取りされてしまいます。
責任を問われ、地位が危ぶまれることとなった半沢は、部下の森山らとチームを組み、世代間対立や組織の腐敗に立ち向かうことになりました。IT企業社長が突然話を白紙に戻すなど、波乱の展開が待ち受けるなか、半沢流の信念を貫いた逆襲が始まるのです……。
緻密な企業買収描写と、主人公の揺るぎない信念が読者から高く評価されている作品。新しい舞台設定とロスジェネ世代の若手社員の心境描写が魅力の、おすすめ作品です。
第16位 銀翼のイカロス 半沢直樹4
文藝春秋 著者:池井戸潤
「今度の相手は巨大権力」と評される、池井戸潤による「半沢直樹シリーズ」第4作品目。『ロスジェネの逆襲』とともにドラマ『半沢直樹2』の原作として知られており、併せて読むのもおすすめです。
出向先から東京中央銀行本店に復帰した半沢直樹に、頭取から破綻寸前の巨大航空会社・帝国航空の再建命令が下ります。野心に満ちた国土交通大臣・白井亜希子が立ち上げた帝国航空再生タスクフォースは、500億円もの債権放棄を銀行に要求しました。
さすがの半沢も大臣相手に容易に突破口を見出せないなか、銀行上層部との対立も激化。半沢は四面楚歌の状況に追い込まれますが……。
シリーズ屈指の「千倍返し」へと発展する展開や、JAL再建をモデルにしたリアルな社会問題の描写、政治権力を相手にした痛快な復讐劇が高く評価されている作品。シリーズ最大級のスケールで描かれる権力闘争を楽しみたい方におすすめです。
第17位 仇敵
実業之日本社 著者:池井戸潤
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池井戸潤渾身の銀行ミステリー小説。銀行を舞台にした連作で、メガバンクの内幕や地方銀行の実情のほか、主人公・恋窪商太郎と仇敵による宿命の対決を描いています。
恋窪はかつて大手銀行で次長職を務めていたエリート行員でしたが、幹部の裏工作を追求したことにより、いわれなき罪を着せられて辞職。地方銀行の東都南銀行で庶務行員となりますが、行内の事件を解決に導く充実した日々を送っていました。
しかし、元ライバルからの電話が、恋窪の運命を再び揺るがしていきます。不正を知ったライバルは謎の死を迎え、恋窪は「仇敵」への復讐を誓うのです……。
権力に屈せず、正義のために銀行の闇に立ち向かう恋窪のキャラクターが魅力。池井戸潤の金融ミステリー小説に興味がある方におすすめです。
第18位 株価暴落
文藝春秋 著者:池井戸潤
破綻か救済か、銀行の威信を賭けた戦いを描いた、傑作金融エンターテインメント小説。経済小説ながら、ミステリー要素もあります。2014年にはドラマ化されました。
巨大スーパー・一風堂を連続爆破事件が襲います。企業テロを示唆する犯行声明により、一風堂の株価は暴落。緊急追加支援申請をめぐり、申請を受けるか見殺しにするか、白水銀行審査部の調査役・坂東洋史は、企画部・二戸哲也と対立します。
連続爆破事件の容疑者や、それを取り巻く人々の人間ドラマも描かれているのがポイント。事件が二転三転したり、タイトルの意味がラストに分かる仕掛けもあったりと、楽しめる点が複数あります。痛快で胸のすくおすすめの池井戸潤作品です。
第19位 半沢直樹 アルルカンと道化師
講談社 著者:池井戸潤
「半沢直樹シリーズ」第5作品目で、シリーズの原点とされる小説。半沢直樹が絵画に秘められた謎を解く、池井戸潤真骨頂の金融ミステリー小説です。
本作品は第1作品目『オレたちバブル入行組』の前日譚。東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹のもとにある案件が持ち込まれます。それは、大手IT企業・ジャッカルが業績低迷中の美術系出版社・仙波工藝社を買収したいというものでした。
大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢。やがて、背後にある秘密に気づき、有名な絵に隠された謎を解いていきます。そして、半沢は驚愕の真実にたどり着くのです……。
巨大な敵と戦ってやり込める「半沢直樹シリーズ」おなじみの勧善懲悪で、スカッとした読後感を味わえます。また、謎解き要素が強いのも本作品の魅力。半沢直樹の原点を知りたい方におすすめの池井戸潤作品です。
第20位 かばん屋の相続
文藝春秋 著者:池井戸潤
池井戸潤が相続トラブルの実話をアレンジしたとされる、経済小説の短編集です。表題作を含めて6編を収録。銀行を舞台に、行員たちの困難や悲哀を描いています。2025年12月にはWOWOWで映像化予定です。
表題作の主人公は、池上信用金庫勤務の小倉太郎。取引先の〈松田かばん〉社長が急逝してしまいます。残されたのは2人の兄弟でした。
社長は生前、会社を手伝っていた次男に「相続を放棄しろ」といい、遺言には会社の株すべてを大手銀行勤務の長男に譲ると書かれていたのです。一体、社長の狙いは何だったのでしょうか。そして、次男の運命はどうなるのでしょうか。
痛快な物語だけでなく、胸を締め付けられるような切なさがある物語や、報われない物語などさまざまなテイストの物語を楽しめます。さらっと読める池井戸潤の短編を読みたい方におすすめです。
第21位 ようこそ、わが家へ
小学館 著者:池井戸潤
池井戸潤が「身近に潜む恐怖」を描いたミステリー小説です。謎のストーカーからの嫌がらせと対決する家族の物語。2015年にはドラマ化もされ、累計68万部を超えるベストセラーとなりました。
真面目が取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込みする男を注意します。すると、花壇が踏み荒らされたり、郵便ポストに瀕死の猫が投げ込まれたり、部屋から盗聴器が見つかったりと、倉田家への執拗な嫌がらせが始まったのです。穏やかな日々を取り戻すため、倉田家はストーカーとの対決を決めます。
一方で、出向先のナカノ電子部品でも、倉田が営業部長に不正疑惑を抱いたことから、窮地に追い込まれていくのです……。
ホームサスペンスに加え、企業ドラマの要素もあります。ハラハラする展開で一気読みしやすいのが魅力。池井戸潤のサスペンス・ミステリー小説に触れたい方におすすめです。
第22位 架空通貨
講談社 著者:池井戸潤
江戸川乱歩賞受賞第1作の『M1』が改題された金融小説。池井戸潤作品史上最大級の戦慄ともいわれる、金をめぐる人間ドラマです。
女子高生・麻紀の父親が経営する会社が破綻。かつて商社マンだった社会科教師・辛島は、真相を確かめるため麻紀とともに動き出します。そして、2人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇の金によって、人や企業、銀行が支配された街だったのです……。
金融犯罪のリアルかつ恐ろしさが感じられ、鬼気迫るスリリングな展開が見どころ。池井戸潤初期の金融ミステリー小説に興味がある方におすすめです。
第23位 ハヤブサ消防団
集英社 著者:池井戸潤
池井戸潤初の「田園ミステリー」小説。発売と同時に各書店の売り上げランキングで1位を獲得した2022年のベストセラーで、2023年に早速ドラマ化もされ、話題を呼びました。
ミステリー作家の三馬太郎は、東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷「ハヤブサ地区」に移住します。地元民からの誘いで居酒屋を訪れた太郎は消防団に勧誘され、迷った末に入団を決意。やがて、のどかな集落でひそかに進行していた事件のことを知るのです……。
ミステリー作家と連続放火犯の戦いを描いた作品。ひとつの出来事が予想もしないところで別の出来事と重なり合い、徐々に全貌が見えていく展開にワクワクしながら読み進められます。池井戸潤作品としては一風変わった趣の1冊を読みたい方におすすめです。
第24位 BT’63
ハーパーコリンズ・ジャパン 著者:池井戸潤
単行本としては池井戸潤の新刊で、2003年に刊行された書籍がハードカバー・エディションで復刊したダークミステリー小説。池井戸潤が父と息子の絆をテーマに描いた、タイムスリップ要素を含む異色の長編作品です。
主人公の大間木琢磨は、仕事も家庭も失い、精神的なバランスを崩しています。ある日、亡き父・史郎の遺品である制服と謎の鍵に触れると、40年前、東京オリンピック前夜の1963年へタイムスリップしていました。
若き日の父の視点で、当時の運送会社での出来事を体験することになった琢磨。たびたび出現する幻視に導かれるように、若い日の父の足跡をたどり始めます。すると、1963年の東洋運送でトラック運転手たちが次々と惨殺される事件が発生を知り……。果たして、寡黙なサラリーマンが封印していた過去とは何なのでしょうか。
昭和の時代背景と現代を行き来する独特な構成が魅力。長編ながら行きつく間もないようなストーリーに引き込まれ、最後の盛り上がりに注目の作品です。父と息子の人生を重ね合わせた、感動的な物語を読みたい方におすすめです。
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銀行を舞台にした経済小説や政治小説、ミステリー小説などを手がける池井戸潤。業界の闇や不正を暴く勧善懲悪でスカッとしたり、熱い人間ドラマに胸を打たれたりとさまざまな魅力があります。ドラマ化・映画化で人気を博した作品も数多いため、池井戸潤による原作小説から読み始めるのもおすすめです。