肯定感が強い作品や、心あたたまる作品などを数多く執筆している「西加奈子」。直木賞を受賞したり、映画化されたりと、たびたび話題を集めている小説家です。興味はあるものの、どの作品から手をつけてよいか悩む方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、西加奈子のおすすめ小説をSAKIDORI独自にランキング。西加奈子作品の魅力についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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直木賞作家 西加奈子とは?

西加奈子は1977年イランの首都テヘランに生まれ、エジプトの首都カイロと大阪で育った小説家・絵本作家。2004年『あおい』でデビューし、翌年2005年に発表した『さくら』がロングセラー作品となりました。幅広い年代の読者から人気がある小説家のひとりです。

2007年には『通天閣』で織田作之助賞、2013年『ふくわらい』が直木賞にノミネートされ、河合隼雄物語賞を受賞。そして、2015年『サラバ!』で直木賞と本屋大賞2位を受賞しました。また、『きいろいゾウ』や『漁港の肉子ちゃん』など、映画化された人気作も数多く執筆しています。

ほかにも、西加奈子は幼少期からクレヨンでの絵画にも親しんでおり、小説のテーマを絵画で表現しているほか、絵本も執筆。絵画は自身の小説の表紙絵や挿絵として採用され、物語を理解する鍵となることもあります。

西加奈子作品の作風や魅力

西加奈子は自分の物語に真っ直ぐ向き合っており、何を書きたいかを大切にしているのがポイント。肯定感で包み込むような、心あたたまるハッピーエンドの作品が多いのが特徴です。笑いあり涙ありで、勇気をもらえるような小説を数多く執筆しています。

西加奈子作品は、物語に読者を引き込む文章力や、魅力的な登場人物が魅力です。書く物語によって文章が多彩に変化し、読者を楽しませます。文章も読みやすく、読書初心者にもおすすめの小説家です。

また、西加奈子は芸能人のファンを多く持つことでも知られている作家。お笑い芸人で芥川賞作家・又吉直樹をはじめとして、お笑い芸人・若林正恭や、映画『きいろいゾウ』で主演した俳優・向井理や宮﨑あおいなど、数々の著名人が、西加奈子の小説を絶賛しています。

西加奈子のおすすめ小説ランキング

第1位 サラバ! 上

小学館 著者:西加奈子

サラバ! 上

西加奈子の作家生活10周年記念作品で、直木賞受賞作です。同氏のすべてを注ぎ込んだとされる長編小説。本屋大賞2位も受賞しており、累計100万部を突破した人気作です。

1977年5月圷歩は、父の単身赴任先であるイランのテヘランで生まれました。その後、イラン革命で父母と、問題児で変わり者の姉ともに、帰国を余儀なくされた歩。しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、父の新たな赴任先がエジプトに決まります。

エジプトの日本人学校に通うことになった歩には、後に人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けているのです……。

西加奈子自身が”おもしろい””自分が書いたはずなのにどんどん読みたくなる感覚”と発言しているのもポイント。西加奈子の最高傑作に触れたい方におすすめの小説です。

第2位 さくら

小学館 著者:西加奈子

さくら

2005年に刊行された、西加奈子のロングセラー小説。ひとつの家族を通して、夫婦、兄弟妹、母娘、初恋、生きることの意味などを、ユーモアを交えつつ優しく描いています。2020年に映画化され、累計60万部を突破しました。

両親に三兄弟、そして、愛犬・サクラがいる長谷川家。どこにでもいそうな家族に、大きな出来事が起こります。兄・一が20歳4ヵ月で亡くなったことをきっかけに、家族の運命は大きく変わっていくのです……。

どんなときでも家族に寄り添うサクラや、家族が逆境に立ち向かっていくさまに胸を打たれる読者が多い1冊。家族愛や優しさを感じられる、おすすめの西加奈子作品です。

第3位 きいろいゾウ

小学館 著者:西加奈子

きいろいゾウ

西加奈子のロングセラー作品で、互いに秘密を抱えた夫婦愛の行方を描いたラブストーリーです。2013年には映画化もされました。

夫・無辜歩と妻・妻利愛子は、互いを”ムコさん””ツマさん”と呼び合う若夫婦。2人は都会からやってきて、田舎暮らしを始めます。夏から始まった2人の物語は、その年の冬までゆっくり進んでいき、「ある出来事」をきっかけに、ムコがツマを残して東京に向かうのです……。

平和で不思議な夫婦の日常に、不穏な空気が漂い始める展開で、物語に引き込まれる読者も多い1冊。心あたたまる夫婦のラブストーリーを読みたい方におすすめの西加奈子作品です。

第4位 くもをさがす

河出書房新社 著者:西加奈子

くもをさがす

西加奈子初のノンフィクション小説。『あさイチ』や『王様のブランチ』など各テレビ番組で紹介され、読者の共感や絶賛を呼び、29万部を超えるベストセラーとなりました。書店員が選ぶノンフィクション大賞オールタイムベスト2023に選出されています。

2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者。乳がん発覚から治療を終えるまでの約8ヵ月間を克明に描いた作品です。

治療への恐怖や絶望、家族や友人たちへの思い、時折訪れる幸福や歓喜など、闘病中に感じたリアルな感情が描かれています。祈りと決意に満ちた、西加奈子渾身の話題作に触れたい方におすすめです。

第5位 漁港の肉子ちゃん

幻冬舎 著者:西加奈子

漁港の肉子ちゃん

港町の船に住む母娘と人々を描いた、ハートフルコメディー小説です。累計発行部数は35万部を超える、西加奈子のベストセラー作品。2021年に企画・プロデュースを明石家さんまが務め、映画化されたことも話題となりました。

男にだまされた母・肉子ちゃんと、クールで賢い娘・キクりんは一緒に、北の港町に流れ着きます。漁港の焼肉屋で働く、太っていて不細工でとても明るい肉子ちゃん。最近、キクりんはそんな母を恥ずかしく思っていました。

訳あり母娘の何でもない日常を描き、精一杯生きる愛おしい姿に笑えて、泣けて、勇気をもらえる傑作。西加奈子が圧倒的な肯定をつづっており、柔らかさや強靭さを感じられるおすすめの小説です。

第6位 夜が明ける

新潮社 著者:西加奈子

夜が明ける

西加奈子がつづった再生と救済の感動小説。現代日本に存在する貧困・虐待・過重労働などといった問題を、葛藤を抱えながらも全力で執筆した西加奈子渾身の長編です。

15歳のとき、「俺」は高校で身長191cmのアキと出会います。普通の家庭で育った「俺」と、母親にネグレクトされていた吃音のアキ。共有できることは何一つないものの、互いにかけがえのない存在になっていきました。

大学卒業後、「俺」はテレビ制作会社に就職、アキは劇団に所属。しかし、焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちており、少しずつ2人の心と身体は壊れていってしまうのです……。

思春期から33歳までの「俺」とアキの友情や成長を通して、人間の哀しさ、弱さ、生きていく奇跡などを描いています。哀しさや苦しさがあるものの、読後は希望を見出せる1冊。社会問題を真っ向から描いたおすすめの西加奈子作品です。

第7位 i

ポプラ社 著者:西加奈子

i

アイデンティティがテーマの小説。西加奈子が”絶対、世界にアイはある”という渾身の叫びを込めた作品です。バラエティ番組『アメトーーク!』の「読書芸人」企画でも取り上げられ、話題となりました。累計29万部を突破した人気作品です。

シリアで生まれた少女・アイは、アメリカ人父と日本人母のもとへ、養子としてやってきました。優しい両親のもとで、恵まれた生活を送るアイ。内戦・テロ・地震・貧困など、世界に悲しいニュースがあふれるなか、自分が「選ばれた」ということに罪悪感を覚えます。

やがてアイは、親友と出会ったり、愛する人と家族になったりと、ひとりの女性として、新たな新境地へたどり着くのです。

世界で起きているさまざまな出来事やLGBT、格差など、問題意識が込められており、メッセージ性の強い1冊。心揺さぶられる、西加奈子の人気作品に触れたい方におすすめです。

第8位 おまじない

筑摩書房 著者:西加奈子

おまじない

悩みを抱えた8人の女性たちが、「魔法のことば」に救われていく珠玉の短編小説。西加奈子作品史上、“最も刺さる”と評されています。

ある事件で心に傷を負った少女や、先行きが見えなくなったファッションモデル、予期せぬ妊娠に困惑する妊婦など、さまざまな立場や境遇の女性たちが主人公。彼女たちを救った「魔法のことば」は、意外な人物の何気ない一言だったのです……。

登場人物の心情がみずみずしく、鮮やかに描かれた小説。悩み傷つきながらも生きていく人々に、寄り添うようなあたたかさがあるおすすめの西加奈子作品です。

第9位 円卓

文藝春秋 著者:西加奈子

円卓

西加奈子が「言葉」をテーマに描いた小説。小学3年生の琴子が、世間の価値観に立ち止まり、考え悩み成長していく姿を描いた感動作です。2014年には『円卓 ~こっこ、ひと夏のイマジン~』として映画化もされました。

「こっこ」こと琴子は、口が悪くて偏屈で硬派。好きな言葉は「孤独」です。3つ子の姉をはじめとする7人の大家族に愛されて暮らしていますが、こっこの日常は不満・問題・驚き・発見に満ちています。

直接的で繊細な子供の世界の問題。こっこは新たな命や、夏休みに起きたある出来事を経て、成長していきます。こっこ目線で見る、おもしろく不思議な世界を読者も体験できるのがポイント。ユーモラスかつあたたかさにあふれた、おすすめの西加奈子作品です。

第10位 ふくわらい

朝日新聞出版 著者:西加奈子

ふくわらい

主人公が「世界に恋するまで」を、西加奈子が描いたエンターテインメント小説です。河合隼雄物語賞を受賞し、直木賞にもノミネートされた作品。紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめする新刊ベスト30の「キノベス!」では1位を受賞しました。

書籍編集者・鳴木戸定は、幼いころ紀行作家の父に連れられて行った旅先で、誰もが目を覆うような特異な体験をします。そのときから、彼女は自分と世界を隔てる壁を、強く意識するようになりました。

愛情や友情を知らず、感情を表さず、不器用に生きている定。そんな彼女は、猪木に憧れるロートルレスラーや盲目の男性と触れ合うなかで、自分の愛すべき世界に気づいていきます。

エキセントリックな登場人物たちに引き込まれる読者も多い1冊。コメディーやシリアス、グロテスクな場面や風刺など、さまざまなシーンがあります。西加奈子の力強く、不思議な物語に触れたい方におすすめの小説です。

第11位 きりこについて

KADOKAWA 著者:西加奈子

きりこについて

猫を愛するすべての人に贈るといわれている、希望の小説。西加奈子作品のなかでも人気が高く、読者の熱烈な支持を受けて文庫化されました。

きりこは「ぶす」な女の子。小学校の体育館裏で拾った、黒猫・ラムセス2世は賢く、大きくなるにつれて人の言葉を覚えていきました。そして、きりこは小学5年生のとき、好きな男の子に「ぶす」といわれショックを受けます。

悩み引きこもる日々でしたが、やがて彼女はラムセス2世に励まされ、外に出る決心をするのです……。きりこが見つけた、世の中で一番大切なものとは何なのかがポイントです。

自分を愛することの美しさや、自分らしく生きるということを教えてくれる作品。猫が好きな方や、勇気づけられる西加奈子作品に触れたい方におすすめです。

第12位 うつくしい人

幻冬舎 著者:西加奈子

うつくしい人

非日常的な離島で出会った3人を動かす、”圧倒的な日常の奇跡”の物語。周りの目を気にしてばかりだった主人公が、変化していく姿を描いた西加奈子作品です。

蒔田百合は他人のいらだちに怯え、びくびくと生きていました。細心の注意を払いながら日々を重ねていましたが、単純なミスがきっかけで会社を辞めてしまいます。そして、発作的に旅立った先で訪れたリゾートホテルのバーで出会ったのは、デリカシーのないバーテンダー・坂崎と、暇を持て余しているドイツ人・マティアスでした。

美しい瀬戸内海にある離島で、そこにしかないホテルで3人の距離は近づいていきます。ある夜、3人はホテルの図書館で写真を探すことになりました。片っ端から本をめくるうちに、百合は縮んだ心がゆっくりとほどけていくのを感じていたのです……。

百合が自分と向き合い、明るくなっていく姿に心があたたまります。泣けて笑えて、西加奈子作品らしさを感じられる、おすすめの1冊です。

第13位 あおい

小学館 著者:西加奈子

あおい

表題作のほか、2編の短編を収録した西加奈子のデビュー作。”つたないけれどいちばん透明な作品です”と本人が発言している、みずみずしい感性で描かれた小説です。

27歳でスナック勤務の「あたし」は、おなかに下手な地図を彫っている3歳年下のダメな学生・カザマくんと同棲して4ヵ月。ある日、ゆったりとした生活を送っていた「あたし」は妊娠していることに気づきます。

そして、気がつくと長野のペンションでの短期バイトを決め、そのバイト先からも逃げ出し、深夜山中で大の字になって寝転がってしまいます。そのとき、「あたし」の視界にあるものが飛び込んでくるのです……。

愛着がわく個性的な登場人物や、デビュー作ながら優れた独特の表現など魅力の詰まった1冊。西加奈子の清冽なデビュー作に触れたい方におすすめの小説です。

第14位 白いしるし

新潮社 著者:西加奈子

白いしるし

西加奈子が失恋をテーマに描いた「超全身」恋愛小説。女性たちが彼を真っ直ぐ全身全霊で愛することや、痛みなどが描かれています。

32歳独身でアルバイトをしながら絵を描く夏目は、誰かにのめり込んで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていました。しかし、友人の誘いで絵を見に行き、間島の絵を一目見た瞬間から、心が波立ち持っていかれてしまいます。

恋に夢中になっている夏目に対して、間島は決して彼女だけのものにはなりません。そして、募る思いに痛みは増していき、夏目は笑えなくなってしまいます。恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのでしょうか。

恋愛などの言語化が難しい感情も、丁寧に描かれているのがポイントです。登場人物が感じる心の痛みに心を揺さぶられる読者や、共感する読者も多い作品。西加奈子による極上の恋愛小説に触れたい方におすすめです。

第15位 舞台

講談社 著者:西加奈子

舞台

青年が命がけで「自分」を獲得していく格闘を描いた小説。”自分がきちんと自分になるための物語”と西加奈子が発言している、魂が込められたドラマです。

太宰治『人間失格』を愛する自意識過剰の29歳・葉太は、ある目的のために初めての一人旅、初めての海外でニューヨークを訪れます。しかし、滞在初日に盗難に遭い、無一文になってしまいました。

虚栄心とプライドによって助けを求められない彼は、マンハッタンをさまよう羽目になります。決死の街歩きの果てに、葉太は衝撃的な光景を目にするのです……。

葉太の愛着がわきやすく、共感しやすいキャラクターが魅力。泣けて笑える、圧倒的なおもしろさで多くの読者を引き込むおすすめの西加奈子作品です。

第16位 通天閣

筑摩書房 著者:西加奈子

通天閣

西加奈子の想いから書いた「ある人生の物語」で、織田作之助賞受賞作です。大阪・ミナミを舞台に、人情の機微が丁寧に描かれています。

本作品の主人公は、夢を失いつつも町工場で働く中年男性と、恋人に見捨てられそうになりつつもスナックで働く若い女性。八方ふさがりに見える2人は、さらに追い込まれていきます。ところが、冬のある夜通天閣で起こった大騒動が、2人を運命を変えることになるのです……。

「このしょーもない世の中」や、「救いようのない人生」に、ささやかながらあたたかい灯をともすような、絶望と再生の物語。西加奈子独特の語り口で、スタートからラストまで引き込まれるように読める魅力があります。ラストで感動に包まれるおすすめの小説です。

第17位 まにまに

KADOKAWA 著者:西加奈子

まにまに

西加奈子が32歳のころからの変遷をたどれるエッセイ集です。本作品においての「まにまに」とは「適当に、合間に」といったニュアンスがある「なりゆきまかせ」のこと。西加奈子がなすがまま正直に自分の感情と向き合う日常や、旅などがつづられています。

嬉しくても哀しくても感動しても頭に来ても泣けるという西加奈子の喜怒哀楽や、愛する音楽、本への想いなどが描かれているのがポイントです。

“彼にさえ可愛くみられたらいい”と、デート前に化粧直しをしていた32歳のことや、”体の声を聞けるようになってきた”という40代入り口までさまざまな出来事がつづられています。クスっと笑えて、おもしろく読めるエッセイ。西加奈子の人となりを知りたい方におすすめです。

第18位 窓の魚

新潮社 著者:西加奈子

窓の魚

“恋愛小説の新たな臨界点”と謳われている西加奈子作品。男女4人が温泉宿で一夜を過ごす物語で、得体の知れない「恋」という感情を、奥深く冷静に描いています。

秋のある日、2組の恋人たちが温泉宿に訪れます。静かなナツと優しいアキオ、かわいいハルナと無関心なトウヤマ。秘密の心を抱えている4人はそれぞれ、深刻な欠落を隠し合っていました。決して交わることはないものの、お互いを求め合う4人でしたが、翌朝、宿には1体の死体が残されるのです……。

色やにおい、肌触りなど丁寧な描写によって、張り詰めるようなサスペンス性を感じられる1冊。西加奈子としては異色の作品に触れたい方におすすめです。

第19位 わたしに会いたい

集英社 著者:西加奈子

わたしに会いたい

西加奈子が5年ぶりに発表した新刊短編小説。コロナ禍以前の2019年から、著者の乳がんが発覚し、治療を行った2022年にかけて発表された7編と書き下ろし1編を収録しています。

表題作は、父親が異なる3人の姉を持つ未唯(ミィ)の物語です。彼女が唯一心を許せるのは、いとこの基(モト)のみ。一人っ子のモトの部屋にはたくさんおもちゃや本があり、いつも彼の部屋で遊んでいました。

ある日、幼稚園で歩き方がおかしいと言われ病院に行くと、骨が変形しており歩き方は生涯治らない、と告げられたミィ。その日もモトの部屋に行くと、彼は玄関にミィがいたと言います。彼はミィのドッペルゲンガーに会ったのです。それから毎日彼女は「わたし」について考えて……。

“この本を読んだあと、あなたは、きっと、自分の体を愛おしいと思う。”と謳われているのがポイントです。「わたし」の体や生きづらさを真正面から見つめており、力強いメッセージ性のある作品集。『くもをさがす』とあわせて読むのがおすすめです。

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