ミステリーからコメディーまで、さまざまなジャンルを執筆する小説家「辻村深月」。直木賞をはじめとして数々の文学賞を受賞しているほか、映画化・マンガ化作品も多く、知名度の高い小説家です。

今回は、そんな辻村深月によるおすすめの人気作品を、ランキング形式でご紹介。初心者が辻村深月作品を読み進めるのにおすすめの順番なども解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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人気の女性直木賞作家「辻村深月」とは?

辻村深月はミステリーやサスペンスを得意とする作家。1980年に山梨県で生まれ、高校時代から執筆をはじめた『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を獲得し、作家デビューを果たしました。

デビュー後は『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞を受賞。2018年には『かがみの孤城』で本屋大賞を獲得し、話題になりました。

人気キャラクターの「ドラえもん」好きとしても知られており、『映画ドラえもん のび太の月面探査記』では脚本を担当。ほかにも、映画化やドラマ化された作品が多数ある人気の作家です。

辻村深月作品の魅力

辻村深月作品の魅力は緻密で深い心理描写です。人の心を多角的にとらえ、奥底に潜む闇まで容赦なく描き出していているのが特徴。ハードなテーマの作品も、温もりと希望を感じさせる筆致で綴られており、心地よい読後感を楽しめます。

また、ストーリーの筋立てが巧みで、没入感を楽しみながら読めるのも辻村深月作品の醍醐味。作品によって作風が異なることから、ハートウォーミングな感動作は「白辻村」、人間のダークな部分を描いた作品は「黒辻村」と呼ばれ親しまれています。

青春・ミステリー・恋愛などさまざまなジャンルを手がけているため、自分好みの作品を見つけやすいのもメリットです。

辻村深月の小説を読む順番

辻村深月の小説には、登場人物や世界観など作品同士のつながりを楽しめるモノが多数あります。より深く理解しながら楽しむには、読む順番を知ることが大切です。

まずは『スロウハイツの神様』からスタート。次に『島はぼくらと』『家族シアター』『凍りのくじら』『子どもたちは夜と遊ぶ』『ぼくのメジャースプーン』『名前探しの放課後』『冷たい校舎の時は止まる』『ロードムービー』『光待つ場所へ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』の順で読み進めてみてください。

また、辻村作品には『かがみの孤城』や『ハケンアニメ!』など順番を気にせずに楽しめる作品も多数あります。映画化された作品や最新作など、気になるタイトルから読んでみるのもおすすめです。

辻村深月のおすすめ小説ランキング

第1位 かがみの孤城

ポプラ社 著者:辻村深月

かがみの孤城

生きづらさを感じる方に送る、辻村深月の最高傑作であり代表作です。2017年に刊行され、2018年には本屋大賞を受賞しています。累計発行部数が170万部を突破しているベストセラー小説で、2022年には劇場アニメ化も果たしました。

学校に通わず家に閉じこもっていたこころの部屋で、ある日鏡が光り始めます。光り輝く鏡の中に入ると、そこには城のような建物がありました。その城にはこころと同じような境遇の7人が集められており、こころたちは選ばれたと告げられ……。

不登校の少年少女を中心にした本作品。同じ境遇の子供たちはもちろん、何かを抱える大人の背中も押す小説です。伏線回収も鮮やかなので、メッセージ性があるミステリーを楽しみたい方にもおすすめの1作です。

第2位 冷たい校舎の時は止まる 上

講談社 著者:辻村深月

冷たい校舎の時は止まる 上

8人の高校生が真相に迫る、2004年に刊行された辻村深月のデビュー作です。第31回メフィスト賞を受賞した小説で、「月刊少年マガジン」にてコミカライズもされました。

ある雪の日、8人の高校生が登校した学校に閉じ込められてしまいます。ドアは開かず校舎には自分たち以外誰もいない状況で、彼らは2ヶ月前の学園祭で自殺してしまった、同級生のことを思い出します。しかし、なぜか名前や顔は思い出せませんでした。

8人の高校生は、なぜ同級生の顔や名前を忘れてしまったのでしょうか。8人が抱える心の闇を丁寧に描いており、デビュー作でありながら完成度が高いミステリー小説です。辻村深月の原点に触れたい方におすすめの作品です。

第3位 ツナグ

新潮社 著者:辻村深月

ツナグ

生者と死者を繋ぐ、感動の長編小説です。2010年に刊行され、第32回吉川英治文学新人賞を受賞しました。2012年には松坂桃李主演で、映画化もされています。2019年には続編である『ツナグ 想い人の心得』も刊行されました。

一生で一度だけ、死者と再会させてくれるという「使者(ツナグ)」。彼のもとには、さまざまな想いを抱えた人物が訪れます。そんな依頼人たちと死者の再会は、一体何をもたらすのでしょうか。

登場人物の心情が細かく描写されており、心あたたまる感動が味わえる本作品。同時に切なさも感じます。映像化された辻村深月作品に触れたい方にもおすすめの1作です。

第4位 傲慢と善良

朝日新聞出版 著者:辻村深月

傲慢と善良

朝日新聞出版10周年記と辻村深月の作家生活15周年記念として描かれた作品です。2019年に刊行され、累計発行部数は51万部を突破しています。

突然姿を消した婚約者・坂庭真実。婚約者を探す西澤架は彼女の過去と向き合うことになります。

恋愛や生きる痛みについて考えさせられる作品。現代を生きる人々に刺さる、恋愛ミステリーです。自らも人生を振り返りたくなる、生き方を描いた作品が読みたい方におすすめです。

第5位 ロードムービー

講談社 著者:辻村深月

ロードムービー

辻村深月が初めて発表した短編集です。2010年に刊行され、デビュー作である『冷たい校舎の時は止まる』とリンクしているのが特徴。表題作『ロードムービー』を含む、5作品を収録しています。

運動神経がよく人気者のトシと、気弱なワタル。組が替わり親しくなり、孤立し始めた2人は、小学5年生のある日家出を決意します。

『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフともいえる小説なので、読んだ後に楽しむのがおすすめです。青春小説ながら仕掛けもしっかりとあるので、ミステリーとしても評価が高い作品。思春期特有の友情物語を楽しみたい方は、ぜひ手に取ってみてください。

第6位 サクラ咲く

光文社 著者:辻村深月

サクラ咲く

青春をみずみずしく描く、3つの作品を収録した短編集です。表題作である『サクラ咲く』は映画化もされました。

中学生の塚原マチは、頼み事を断れず意見を主張できない性格を直したいと考えていました。そんななか、図書室で本をめくった彼女は、1枚の紙を発見します。その紙には”サクラチル”の文字が書かれていました。その紙を本に挟んだ顔もわからない相手と、マチは交流を持つようになり……。

直球に甘酸っぱい青春を描いているのがポイント。思春期の男女の心理描写を丁寧にしており、読後は心があたたまります。辻村深月の青春小説が読みたい方におすすめです。

第7位 朝が来る

文藝春秋 著者:辻村深月

朝が来る

親子と出産をテーマにした、ヒューマンミステリー小説です。2015年に刊行され、第13回本屋大賞では第5位に輝きました。2016年にテレビドラマ化され、2020年には映画も公開されています。

長い不妊治療の末、子供を授かれなかった栗原夫妻は、養子縁組制度の利用を決意します。子供に朝斗と名付けた2人は幸せな日々を過ごしていました。しかし、ある日の日中、栗原家を「片倉ひかり」と名乗る若い女性が訪ねてきます。「片倉ひかり」は、朝斗を産んだ女性の名前でした。

自分の子を産めなかった女性と、子を手放さなくてはならなかった女性の2人の母親を中心に物語が進む本作品。さまざまなテーマを含んだ作品を読みたい方におすすめの1作です。

第8位 この夏の星を見る

KADOKAWA 著者:辻村深月

この夏の星を見る

天文活動を通じて交流する中高生の姿を描いた辻村深月の小説です。2021〜2022年にかけて新聞紙上で連載されていた小説を書籍化。緊急事態宣言や休校、活動自粛など、学校生活に多大な影響を受けた子供たちの青春をリアルに描いた作品です。

物語の舞台は2020年。天文部で活動する茨城県の高校2年生・亜紗は、楽しみにしていた天文台での合宿が中止になってしまい、今後の活動について悩んでいました。渋谷区の中学1年生・真宙、長崎県の五島列島に住む円華も、複雑な思いを抱えながら毎日を過ごしていて……。

天文活動に出会った生徒たちが、オンライン会議を使いながら全国に輪を広げていくなかで見つけた、彼らなりの青春の日々を描いています。葛藤や不安を抱えながらも、人のあたたかさや優しさに触れて成長していく姿も見どころ。切なくも爽やかな青春小説を読んでみたい方におすすめです。

第9位 ぼくのメジャースプーン

講談社 著者:辻村深月

ぼくのメジャースプーン

辻村深月が”自信作”として位置づける長編小説。2007年の日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門にもノミネートされた作品です。

ある日、主人公のぼくが通う小学校で、飼育されていたうさぎが何者かに惨殺される事件が起きました。ぼくの幼馴染・ふみちゃんは事件のショックで心を閉ざしてしまい……。ぼくは自分にできる方法で、犯人に復讐する決意を固めます。

人間が抱える罪と罰をテーマに描いた作品。不思議な能力を有する主人公がふみちゃんのためにしたこととは一体なんだったのでしょうか。辻村深月のミステリー小説が好きな方はチェックしてみてください。

第10位 凍りのくじら

講談社 著者:辻村深月

凍りのくじら

“辻村ワールド、最高傑作登場”と称された長編小説です。『ドラえもん』を愛する作者の思いがつまった不思議な物語。第27回吉川英治文学新人賞の候補にあがった作品としても知られています。

マンガ家の藤子・F・不二雄をこよなく愛する父親が失踪して早5年。周囲と距離を置いていた主人公の高校生・理帆子は、図書館である青年と出会ったのをきっかけに、少しずつ自分の内面を見せはじめます。

思春期特有の繊細でアンバランスな感情をリアルに描いた作品です。各章のタイトルがドラえもんに登場するひみつ道具の名前になっているのもポイント。辻村深月の魅力を堪能できるおすすめの小説です。

第11位 琥珀の夏

文藝春秋 著者:辻村深月

琥珀の夏

カルトと批判を浴びたある集団を舞台に繰り広げられるミステリーです。『かがみの孤城』や『青空と逃げる』など、子供を描いた辻村作品が好きな方にぴったり。子供だけでなく、子供を取り巻く社会や大人の役割についても考えさせられるおすすめの小説です。

弁護士の法子は、ある施設の敷地跡で子供の白骨遺体が見つかったというニュースを知ります。そこは小学生だった法子が夏合宿に参加した”ミライの学校”があった場所で……。法子は”埋められていたのは、ミカちゃんではないか”と嫌な予感に心を揺さぶられます。

幼い子供同士の友情と罪をめぐる物語。かつて子供だった大人の胸にも刺さるシーンや言葉が多数あります。登場人物の揺れ動く心理を感じながら読んでみてください。

第12位 ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

講談社 著者:辻村深月

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

辻村深月が1年以上かけて執筆した長編小説です。第31回吉川英治文学新人賞と、第142回直木賞の候補作。講談社の創業100周年記念企画「書き下ろし100冊」の際に執筆された作品です。

都会で結婚生活を送るフリーライターのみずほと、地元企業に勤める契約社員のチエミ。かつて幼馴染として親しくしていた2人の人生が、1つの事件をきっかけに再び交わることになって……。みずほが思い出したチエミとの約束とは一体なんだったのでしょうか。

女子の格差をテーマに、2組の母娘が抱える葛藤や悲劇を描いた作品。30歳前後の女性が抱える葛藤や息苦しさが生々しく伝わってきます。女性にはもちろん、男性にもおすすめの小説です。

第13位 ツナグ 想い人の心得

新潮社 著者:辻村深月

ツナグ 想い人の心得

シリーズ累計120万部を突破したベストセラー小説『ツナグ』の続編作品です。前作から7年後、社会人になった歩美と依頼人たちを描いています。心を揺さぶるような感動作品を読んでみたい方におすすめです。

死者との面会を一度だけ叶える「使者(ツナグ)」。祖母の跡を継いだ歩美は、会社員として働きながら使者の仕事も続けていました。今日も歩美のもとには、若手俳優や元教師、娘を亡くした母親など、さまざまな思いを抱えた依頼人がやってきて……。

迷いながらも前へ進んでいく主人公の成長を感じられる作品。悩んだ末に下した決断は、読者の心に静かな感動を呼び起こします。前作とあわせて読むのがおすすめの作品です。

第14位 スロウハイツの神様 上

講談社 著者:辻村深月

スロウハイツの神様 上

小説家や脚本家などを目指すクリエイターの卵たちが共同生活を送るシェアハウス「スロウハイツ」を舞台にした青春群像劇。繊細な心理描写を得意とする辻村深月の魅力を堪能できる1作です。

作家のチヨダ・コーキが、自らの小説で人が死んだのをきっかけに文筆活動をやめて10年。脚本家・赤羽環に誘われたコーキは、環が所有するスロウハイツで共同生活を始めます。6名の住人はお互いに刺激しあいながら活動していましたが……。

本作品は上下2巻で構成された長編小説。辻村深月が手がけたほかの作品とのつながりや仕掛けを楽しめるのが魅力です。若者の葛藤や不安を描いた青春小説を読みたい方はチェックしてみてください。

第15位 島はぼくらと

講談社 著者:辻村深月

島はぼくらと

瀬戸内海の冴島を舞台に描かれた青春小説です。2014年の本屋大賞では第3位を獲得しています。マンガ家の五十嵐大介による美しいカバーイラストも魅力です。

冴島に住む17歳の高校生・朱里、衣花、源樹、新。フェリーで本土にある学校に通っている4人は、高校を卒業するとそれぞれ島を出ることになっていました。ある日、見知らぬ青年に声をかけられた4人は……。

4人が共に過ごす最後の夏を、みずみずしく描いた青春小説。ミステリーの要素も感じられる怒涛の展開に、驚く読者も多い作品です。中高生にはもちろん、大人にもおすすめ。青春時代を思い出すきっかけになる1冊です。

第16位 名前探しの放課後 上

講談社 著者:辻村深月

名前探しの放課後 上

初期の辻村深月作品の集大成ともいえる長編小説。上下2巻で構成されており、SF要素も楽しめる青春物語としておすすめです。

主人公・依田いつかはふとした違和感から自分がタイムリープしていることに気づきます。混乱し動揺するいつかの脳裏に浮かんだのは、ある1つの記憶。それは、同級生の誰かが自殺するということでした。いつかはクラスメートの坂崎あすなに相談しますが……。

彼らは「誰か」を見つけ、救うことができるのでしょうか。高校生たちの悩みや葛藤を描きながらも、爽やかな青春を感じさせる軽やかな筆致が魅力です。

第17位 子どもたちは夜と遊ぶ 上

講談社 著者:辻村深月

子どもたちは夜と遊ぶ 上

辻村深月の第2作目となる小説です。辻村が高校生の頃に書き始めた作品としても知られています。初期に書かれた作品を読んでみたい方におすすめです。

ある日、大学受験を控えた高校3年生の行方がわからなくなり世間は大騒ぎに。D大学工学部の大学院生・木村浅葱は、事件の真相を知る唯一の人物でしたが……。論文コンクールで注目を集めた謎の学生「i」。浅葱は「i」に会うため、危険なゲームをはじめます。

上下2巻構成の長編小説。次々と起こる事件のリアルな描写が見どころです。ダークな辻村ワールドを堪能したい方はチェックしてみてください。

第18位 鍵のない夢を見る

文藝春秋 著者:辻村深月

鍵のない夢を見る

町中で起こる小さな事件をテーマに描いた短編集です。第147回直木三十五賞を獲得した作品。人間のダークな部分を描く「黒辻村」を代表する作品で、ミステリーのなかでも「イヤミス」が好きな方におすすめの1冊です。

『仁志野町の泥棒』では盗癖のある主婦の内情、『石蕗南地区の放火』では婚期を逃した女と消防団の男の葛藤をじっくりと描いています。そのほか、推理作家協会賞短編部門候補作の『芹葉大学の夢と殺人』や『美弥谷団地の逃亡者』を含む全5編を収録しています。

一見平凡な人々が転落していく様子を、リアルな描写で描いているのが魅力。背筋がゾクッとするような恐怖を味わってみたい方はチェックしてみてください。

第19位 はじめての

水鈴社 著者:島本理生/辻村深月/宮部みゆき/森絵都

はじめての

辻村深月ら直木賞作家4人と音楽ユニット・YOASOBIのコラボレーションによって生まれた小説集です。”はじめて◯◯したときに読む物語”をテーマに、4編の小説と音楽の融合を楽しめるのがポイント。辻村深月は『ユーレイ はじめて家出したときに読む物語』を執筆しています。

主人公は中学生の家出少女・私。片道分の切符を買って電車に乗り込み、何かに誘われるように海辺の駅で降りた私は、広場の一角に花束が手向けられているのを見つけます。”ねえ、ひとり?”と声をかけられ振り向くと、そこには白いワンピースを着た女の子が立っていて……。

“人生が変わってしまうような一生モノの出会い”の物語を、YOASOBIの楽曲『海のまにまに』と共に楽しめるのが魅力。不思議な少女と出会った主人公の心の動きを繊細に描き出しています。心に刺さる言葉がいくつも出てくるおすすめの小説です。

第20位 小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記

小学館 著者:辻村深月

小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記

辻村深月が脚本を担当したアニメ映画『映画ドラえもん のび太の月面探査記』を、自らノベライズした長編冒険小説。ドラえもんの大ファンだと公言する辻村が、脚本とは異なる切り口で物語を紡いだ傑作です。

ある日、月面探査機が謎の白い影をとらえたニュースが流れると、のび太は”月のウサギだ!”と大騒ぎ。しかし、みんなには相手にされず笑われてしまいます。のび太はドラえもんのひみつ道具を使って、月の裏側に「ウサギ王国」を作ることにしますが……。

コミックスやアニメで親しまれてきたドラえもんの世界観を小説という形で楽しめます。ドラえもんが好きな子供にはもちろん、大人にもおすすめの1冊です。

第21位 青空と逃げる

中央公論社 著者:辻村深月

青空と逃げる

“『かがみの孤城』に次ぐ、新たな救いの物語”と称される長編小説です。人を信じるというのはどういうことなのかを考えさせられる作品。辻村深月ならではの細部まで丁寧に描きこまれたストーリーが魅力です。

ある深夜、早苗は夫が事故に遭ったと知らせを受けます。早苗と息子・力が慌てて病院に駆けつけると、車にある人物が同乗していたことを知らされて……。早苗と力は周囲の悪意や追求から逃げるように東京を出て、日本各地を転々とします。

逃避行を続けた親子が行き着いた答えに胸を熱くする読者が多数。不安や悩みにそっと寄り添うような、心あたたまる小説を探している方はチェックしてみてください。随所に描かれる逃亡先の美しい自然や人々とのあたたかい交流も見どころです。

第22位 光待つ場所へ

講談社 著者:辻村深月

光待つ場所へ

全5編で構成されたスピンオフ短編集です。過去の作品に登場した人物たちのその後を垣間見れるのが魅力。『スロウハイツの神様』から『ロードムービー』までの辻村作品を読んでいる方におすすめです。

大学2年の清水あやめは、自らの才能や感性に並々ならぬ自信を持っていました。しかし、ある青年の作品と出会った瞬間、圧倒的な敗北感を味わい、打ちのめされてしまう物語を描いた『しあわせのこみち』。そのほか、『冷たい光の通学路-1』『チハラトーコの物語』『樹氷の街』『アスファルト』『冷たい光の通学路-2』を収録。

辻村深月が”人が階段を一段のぼる瞬間、扉を開ける瞬間について書いた”と語る、おすすめの短編集です。

第23位 噛みあわない会話と、ある過去について

講談社 著者:辻村深月

噛みあわない会話と、ある過去について

記憶のズレが生み出す恐怖を描いた傑作短編集です。人の心裏に潜む醜い部分を鮮明に描き出した黒辻村作品のひとつ。自分から見えている世界がすべてではないことを思い知らされる作品です。

『ナベちゃんのヨメ』は、大学時代のコーラス部で仲良くしていた男友達・ナベちゃんを中心とした物語。卒業して7年後、ナベちゃんに紹介された婚約者はどこか様子がおかしくて……。そのほか、『パッとしない子』『ママ・はは』『早穂とゆかり』の4編を収録しています。

さまざまな形で描かれる無自覚の悪意と事の顛末に居心地の悪さを感じる読者が多い作品。思わず自分自身の過去や普段の言動を振り返りたくなります。辻村深月ならではの恐ろしさを堪能できるホラー小説です。

第24位 嘘つきジェンガ

文藝春秋 著者:辻村深月

嘘つきジェンガ

「詐欺」をテーマに騙す側・騙される側の心理を生々しく描いた小説集。1つの嘘が嘘を呼び、次第にバランスを崩していく様子を巧みに描いたおすすめの小説です。

進学のため地方から上京してきた大学生・加賀耀太は、コロナ禍の影響で想像していたのとは違う生活を送っていました。授業もなくバイトも見つからないなかで、幼馴染から割りのよいバイトがあると誘われた耀太でしたが……。

『2020年のロマンス詐欺』のほか、中学受験の世界を舞台にした『五年目の受験詐欺』、騙す側の視点で描かれた『あの人のサロン詐欺』の全3作品を収録。嘘を重ねた先に待つ驚きの結末に、ゾッとする読者が多い小説です。

第25位 闇祓

KADOKAWA 著者:辻村深月

闇祓

辻村深月が描く本格長編ホラーミステリーです。日常に潜む「闇ハラ」の恐怖をじっくり味わえる作品。映画化・コミック化も決定しており、今後の展開に注目が集まっているおすすめの小説です。

ある日、高校2年生・澪のクラスに転校生の白石要がやってきました。澪が声をかけると、要は”今日、家に行っていい?”と唐突に言い出し……。要の言動に違和感と身の危険を感じた澪は、信頼している先輩・神原一太に助けを求めます。

学校・家庭・団地・会社など身近な場所を舞台に、いつ誰にふりかかってもおかしくない恐怖をリアルに描いている作品。「十二国記シリーズ」で人気の山田章博が描き下ろしたカバーイラストも魅力です。じわじわと押し寄せる怖さを味わってみたい方はチェックしてみてください。

第26位 あなたの言葉を

毎日新聞出版 著者:辻村深月

あなたの言葉を

毎日小学生新聞での連載を書籍化したエッセイ集です。子供たちが日頃感じている疑問や悩みに寄り添った、あたたかい言葉があふれている作品。小中高生にはもちろん、大人にもおすすめの1冊です。

子供たちにとって身近なテーマを取り上げ、わかりやすい言葉で綴られているのが特徴。第1章では自分の心との向き合い方、第2章では創作活動について、第3章では読書に関する子供たちの声にこたえています。

最終章では、子供たちを優しく包み、背中を押すような言葉が語られているのが見どころ。辻村深月の魅力を実感できる人気作品です。

第27位 ハケンアニメ!

マガジンハウス 著者:辻村深月

ハケンアニメ!

アニメ業界を舞台に繰り広げられる辻村深月のお仕事小説です。女性ファッション誌『an an』での連載を書籍化した作品で、第12回本屋大賞で3位を獲得し、2022年には実写映画化され話題になりました。

主人公はアニメ業界で働く3人の女性たち。プロデューサー・有科香屋子は新タイトルのために”伝説の天才アニメ監督”と呼ばれる王子千晴を口説き落としますが……。今クール、最もファンの心を掴んだのは一体どのアニメ作品なのでしょうか。

ライバル会社の監督・斎藤瞳と、どちらの会社とも仕事をしているアニメーター・並澤和奈を含む3人の視点から、アニメ業界の覇権をめぐる熱い戦いを描いた作品です。仕事へのプライドや情熱に感動を覚える読者が多数。スカッとするようなお仕事小説が好きな方におすすめです。

第28位 家族シアター

講談社 著者:辻村深月

家族シアター

7組の家族が直面する”ささやかな大事件”をテーマにした短編集です。近い関係だからこそぶつかりあってしまう家族の日常を、辻村深月ならではの筆致で描いた作品。家族が大好きな方はもちろん、家族関係で悩んでいる方にもおすすめの1冊です。

息子の学校で「親父会」という父親中心の集まりに参加することになった大学准教授の私。熱血漢の担任教師に憧れる息子とともに、穏やかな日々を送っているように思われたものの……。担任教師が抱えていた重大な秘密とは一体なんだったのでしょうか。

『タイムカプセルの八年』のほか、『サイリウム』『私のディアマンテ』など、全7編を収録。家族をテーマにした小説を読みたい方はチェックしてみてください。

第29位 東京會舘とわたし 上 旧館

文藝春秋 著者:辻村深月

東京會舘とわたし 上 旧館

辻村深月のデビュー15周年を記念して執筆された大河小説です。実在の建物を題材にした上下2巻構成の歴史小説。上巻では東京會舘の旧館、下巻では新館を舞台に物語が展開していきます。辻村深月の新境地ともいえるおすすめの作品です。

大正11年に丸の内で創業した東京會舘。結婚式・パーティー・記者会見など、国際的な社交場として賑わっていましたが……。時代の流れに翻弄されながらも、訪れる人々を見守り続けた建物の記憶をたどる物語です。

東京會舘の歴史と、関わる人々が織りなすドラマをいきいきとした筆致で紡いだ作品。昭和の日本を感じてみたい方はチェックしてみてください。

第30位 盲目的な恋と友情

新潮社 著者:辻村深月

盲目的な恋と友情

恋愛と友情の裏に潜む妄執と愛憎を描いた長編小説です。人の心の醜さや愚かさを描いた黒辻村作品のひとつ。人気イラストレーターのヒグチユウコが手がけた美しい装画にも注目してみてください。

類まれなる美貌を持つ一瀬蘭花は、学生オーケストラの指揮者・茂実星近と出会い、恋に落ちます。茂実との恋愛で人生が一変する蘭花でしたが、友人である留利絵から見た2人の恋愛は別の様相を呈していて……。

蘭花と茂実の恋愛を別視点から描くことで見えてくる真実と、最後に明かされる真相に驚きを隠せない読者が続出。嫉妬・自意識・独占欲など、ドロドロとした感情が描かれたおすすめの作品です。

第31位 オーダーメイド殺人クラブ

集英社 著者:辻村深月

オーダーメイド殺人クラブ

思春期の子供たちが抱える葛藤や悩みなどをシリアスに描いた青春ミステリー小説です。雑誌『小説すばる』での連載を書籍化した作品。重厚で深みのある青春小説を読んでみたい方におすすめです。

中学2年生の少女・小林アンは、いわゆる「リア充」。クラス内のヒエラルキー上位に位置するグループに属していましたが、ある出来事をきっかけに居心地の悪さを感じはじめます。退廃的な美に対する強い憧れを持つアンは、同級生の昆虫系男子・徳川にある依頼をしますが……。

親や友人との関係に息苦しさを感じる、思春期ならではのアンバランスで繊細な心理を生々しく描写しています。同世代の子供たちにはもちろん、かつて同じ思いを抱えたことのある大人にも手にとってもらいたい名作です。

第32位 本日は大安なり

KADOKAWA 著者:辻村深月

本日は大安なり

ある結婚式場の1日を舞台にしたエンターテインメント小説です。雑誌『野性時代』で連載された小説を書籍化した作品で、2012年にはテレビドラマ化されて話題になりました。

主人公・山井多香子は、一流結婚式場で働くウェディング・プランナー。大安吉日のある日、結婚式場にやってきたのは訳アリのカップルたちでした。密かな計画を企てる美人双子の新婦、クレーマー、重大な秘密を隠されたままの新郎。一体どんな1日になるのでしょうか。

非日常の空間で繰り広げられるさまざまな人間ドラマが魅力です。先の展開が気になってページをめくる手が止められないとの声も多い作品。ハラハラドキドキの展開を楽しみつつ、最後はほろりと涙してしまうおすすめの1作です。

第33位 V.T.R.

講談社 著者:辻村深月

V.T.R.

辻村深月の『スロウハイツの神様』に登場する、チヨダ・コーキのデビュー作として執筆された長編小説です。カバーイラストは、イラストレーターの倉花千夏が担当し、作品に華を添えています。

ある日、主人公・ティーのもとに1本の電話がかかってきました。電話の相手は別れた恋人・アール。アールはティーに何を伝えたかったのでしょうか。

誰かを愛するというのはどういうことなのかを考えさせられる作品。『スロウハイツの神様』の後に読むとおもしろさや感動が倍増します。疾走感を楽しめるエンターテインメント小説としておすすめです。

第34位 ふちなしのかがみ

KADOKAWA 著者:辻村深月

ふちなしのかがみ

学校にまつわる怪談や怪奇現象を題材にした短編ホラー小説集です。日常のすぐそばにある不思議な世界への入口を印象的な筆致で描いた作品。ミステリーやファンタジーの要素も楽しめるおすすめの小説です。

香奈子は思いを寄せる冬也との恋の行方を知るべく、禁断の占いに手を出してしまいます。ろうそくを並べた鏡の向こうに映ったモノとは一体なんだったのでしょうか。

『ふちなしのかがみ』のほか、『踊り場の花子』『ブランコをこぐ足』『おとうさん、したいがあるよ』『八月の天変地異』の全5編を収録。「学校の七不思議」や「コックリさん」などの身近な怪談をモチーフにしているため、感情移入しやすいのが魅力です。

第35位 水底フェスタ

文藝春秋 著者:辻村深月

水底フェスタ

田舎で生まれ育った少年の恋と、地方社会が抱える闇を描いた小説です。別冊文藝春秋での連載を書籍化した作品。辻村深月ならではの容赦ない筆致で読者に強い印象を与えるおすすめの1冊です。

主人公は睦ッ代村に住む高校生・広海。田舎特有の息苦しさを感じつつも、親や友達とうまくやっていた広海でしたが……。村で開催されたロックフェスの夜、地元出身のモデル・由貴美と出会ったのをきっかけに変わっていきます。

由貴美から”村への復讐に協力してほしい”と頼まれた広海。物語の終盤、由貴美の本当の目的を知ったときに驚きと切なさで声を失う読者が多い作品です。

第36位 太陽の坐る場所

文藝春秋 著者:辻村深月

太陽の坐る場所

青春時代の葛藤や挫折を生々しく描いた辻村深月の長編小説です。『別冊文藝春秋』で連載されていた小説を書籍化した作品で、2014年に実写映画化され話題になりました。

主人公は高校の元同級生である男女6人。卒業から10年経ち、そのうちの1人であるキョウコは人気女優になっていました。5人は同窓会に顔を出さないキョウコを呼び出そうと画策しますが、コンタクトをとろうとした者が次々と連絡を絶っていって……。

誰もが身に覚えのある思春期の闇をじっくりと描いた作品。謎に迫っていくにつれて、彼らが抱えていた悪意・痛み・嫉妬が生々しく蘇ります。辻村深月らしい容赦ない心理描写を楽しめるおすすめの小説です。

第37位 クローバーナイト

光文社 著者:辻村深月

クローバーナイト

ファッション&ライフスタイル誌『VERY』で連載されていた小説を書籍化した作品です。育児と家族をテーマに描いた長編小説。現代の家族や育児を取り巻く、さまざまな難題に焦点をあてながら紡がれていくストーリーが魅力です。

主人公は小さな会計事務所で働く、35歳の鶴峯裕。ブランドを立ち上げ多忙を極める妻・志保、5歳の長女・莉枝未、2歳の長男・琉大の4人で暮らしています。保育園の送迎や子供たちの世話を率先してやってた裕でしたが……。

ママ友の不倫疑惑、厳しい保活、お受験など次から次へと押し寄せる問題に頭を悩ませつつ、奮闘する姿を描いています。特に子育て世代の方から深い共感を得ている作品。リアルな家族物語を読んでみたい方におすすめです。

第38位 きのうの影踏み

KADOKAWA 著者:辻村深月

きのうの影踏み

怪談専門誌『Mei(冥)』に連載された作品に加えて、書き下ろしを収録した短編集です。ショートショートや短編など、作品の長さによって異なるスタイルの小説を楽しめるのが魅力。人間の心の奥に潜む闇や業を、生々しく鮮やかに描いています。

作家のもとに次々届く謎のファンレター。手紙をきっかけに怪しい出来事が次々と起きる『手紙の主』をはじめ、子供の頃に流行っていたおまじないをテーマにした『十円参り』、死に別れた母娘の縁を描いた『七つのカップ』など全13編を収録しています。

大切な人との絆をテーマに、背筋がゾクッとするような筆致で綴られたエンターテインメント小説。恐怖が静かに広がっていく独特の読後感を楽しんでみてください。辻村深月ならではの巧みな心理描写を楽しめるおすすめのホラー小説です。

第39位 レジェンドアニメ!

マガジンハウス 著者:辻村深月

レジェンドアニメ!

アニメ業界で働く人々の姿を描いた人気作『ハケンアニメ!』のスピンオフ小説集です。実写映画の公開を記念して執筆された作品。登場人物たちの過去や未来のエピソードを楽しめるおすすめの1冊です。

アニメに欠かせない音響監督の仕事と、新人時代の王子千晴を垣間見れる『音と声の冒険』。長寿アニメを作る現場を舞台にした『ハケンじゃないアニメ』のほか、『九年前のクリスマス』『夜の底の太陽』など全6作品を収録しています。

アニメ制作に携わる人々の情熱や矜持を感じられる作品。お仕事小説が好きな方はチェックしてみてください。

第40位 時ひらく

文藝春秋 著者:辻村深月/伊坂幸太郎/阿川佐和子/恩田陸/柚木麻子/東野圭吾

時ひらく

日本を代表する老舗デパート「三越」の創業350周年を記念して刊行された作品です。辻村深月のほか、伊坂幸太郎・阿川佐和子・東野圭吾など人気作家6名によるアンソロジー。三越を舞台にさまざまな物語が繰り広げられます。

今にも泣き出しそうな子供が抱える思いを描いた、辻村深月の『思い出エレベーター』。伊坂幸太郎の『Have a nice day!』、阿川佐和子の『雨あがりに』、恩田陸の『アニバーサリー』、柚木麻子の『七階から愛をこめて』、東野圭吾の『重命る』の6作品を収録しています。

デパートにまつわるエピソードに懐かしさを覚える読者が多数。三越の包装紙「華ひらく」をモチーフにした美しいカバーデザインも魅力です。

第41位 宮辻薬東宮

講談社 著者:辻村深月/宮部みゆき/薬丸岳/東山彰良/宮内悠介

宮辻薬東宮

辻村深月を含む5名の人気ミステリー作家が手がけたミステリーアンソロジー。作品のタイトルは、宮部みゆき・辻村深月・薬丸岳・東山彰良・宮内悠介の名前にちなんでつけられています。宮部みゆきの書き下ろし短編から始まるリレー形式の作品集です。

女友達のスミちゃんと母親の奇妙な関係を描いた辻村深月の『ママ・はは』は、徐々に世界が歪んでいく感覚を味わえる作品。ホラーやSFの要素を楽しめるのが魅力です。

そのほか、宮部みゆきの『人・で・なし』、薬丸岳の『わたし・わたし』、東山彰良の『スマホが・ほ・し・い』、宮内悠介の『夢・を・殺す』を収録。作家の強みをいかしたおすすめのアンソロジーです。ミステリーが好きな方はチェックしてみてください。

第42位 図書室で暮らしたい

講談社 著者:辻村深月

図書室で暮らしたい

辻村深月が好きなモノについて語ったエッセイ集です。著者の人となりを知りたい方にぴったりの1冊です。

小説・マンガ・アニメ・音楽・映画作品や美味しい食べ物など、辻村が好きなモノに対する思いを熱く語ったエッセイと、短編『おじいちゃんと、おひさまのかおり』を収録。辻村自身による作品解説も楽しめます。

肩の力を抜いて楽しめるエッセイ集。辻村深月ファンはもちろん、これから作品を読んでみたいと思っている方にもおすすめです。

第43位 ネオカル日和

講談社 著者:辻村深月

ネオカル日和

辻村深月によるエッセイとルポをまとめた1冊です。さまざまな雑誌に掲載されたコラムに加え、ショートショートと短編小説を合計4作品収録しています。ボリュームたっぷりのエッセイ&ルポ集としておすすめです。

日本のネオカルチャーの現場に赴いて体験をまとめたルポのほか、小学生の頃に読んでいた本や、買い食いをしていた駄菓子屋の思い出など、辻村深月を形作るさまざまな事柄について語られています。

また、辻村がこよなく愛するドラえもんについてのエッセイも多数収録。人気作家として知られる辻村深月の内側に触れてみたい方はチェックしてみてください。

第44位 すきって いわなきゃ だめ?

岩崎書店 著者:辻村深月

すきって いわなきゃ だめ?

「好き」をテーマにした辻村深月の絵本。作者が子供の頃に抱えていた違和感と向き合い、言語化した意欲作です。絵は『センネン画報』や『もものききかじり』などで知られる今日マチ子が担当。優しくあたたかいタッチのイラストが魅力です。

最近、学校では好きな人に”すき”と言うのが流行中。みっちゃんに”すきなひといないの?”と聞かれ、”わかんない”と答えたけれど……。

ミステリー作家らしいラストに驚きを隠せない読者が多数。”どんな恋でも大事にしていい”という辻村深月の思いが詰まった、大人にもおすすめの絵本です。

第45位 Another side of 辻村深月

KADOKAWA 著者:辻村深月

Another side of 辻村深月

辻村深月の裏側を垣間見れるガイドブックです。全39作品の解説インタビューに加え、宮部みゆきや伊坂幸太郎との特別対談、浅倉秋成や一穂ミチら人気作家によるエッセイなどを収録しています。

また、長編小説『この夏の星を見る』のスピンオフ短編小説や、単行本に収録されていない『影踏みの記憶』を読めるのも嬉しいポイント。東畑開人・千街晶之・朝宮運河による論考では、辻村作品をさらに深く楽しむ糸口が見つかります。

浅野いにおやカメントツらによる『ドラえもん のび太の月面探査記』の描き下ろしイラストも収録。辻村深月や辻村作品をもっと深く知りたい方におすすめの1冊です。

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