ミステリーからコメディーまで、さまざまなジャンルを執筆する小説家「辻村深月」。直木賞をはじめとして数々の文学賞を受賞しているほか、映画化・マンガ化作品も多く、知名度の高い小説家です。

今回は、そんな辻村深月氏によるおすすめの人気作品を、ランキング形式でご紹介。初心者が辻村深月作品を読み進めるのにおすすめの順番なども解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

人気の女性直木賞作家「辻村深月」とは?

辻村深月氏は1980年山梨県出身で、エンタメ小説界の旗手といわれる小説家です。千葉大学教育学部を卒業したのち、2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞し、デビューしました。

その後、2011年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞。ほかにも、『かがみの孤城』で本屋大賞1位やブクログ大賞を受賞し、大ベストセラーとなりました。ほかにも、さまざまな作品が賞やランキング上位を受賞しています。

映画化・ドラマ化など映像化された小説も数多く、「映像化人気原作者ランキング」でも上位にランクイン。大人はもちろん、中学生や高校生ごろの若い世代にも人気がある作家のひとりです。

また、辻村深月氏はドラえもん好きを公言しており、『凍りのくじら』には物語の随所にドラえもんに関する話題が登場しています。さらに、2019年には『映画ドラえもん のび太の月面探査機』の脚本を担当。同作品のノベライズ本も執筆し、話題になりました。

辻村深月作品の魅力

辻村深月氏はミステリーを中心に、青春・コメディー・恋愛・ホラーなど幅広いジャンルの小説を執筆しています。特に、学生を主人公とした青春ミステリーや、孤独感のただよう作品が多いのが特徴です。

辻村深月作品は繊細な心理描写に定評があり、ラストは希望や光を見出せる作品が多いのが魅力。登場人物を通じて人生の痛みから目をそらさず描き切り、その先の光のある方まで読者を連れていきます。

また、ファンの間では雰囲気やテーマごとに、孤独感や黒い感情などを描いた「黒辻村」作品と、あたたかく寄り添い、光が射すような読後感がある「白辻村」作品に分けられているのもポイントです。

辻村深月の小説を読む順番

辻村深月作品のなかには、“この順番で読めばより楽しめる!”と、読む順番が推奨されている小説があるのも特徴。世界観や登場人物がリンクしている作品が多いため、理解したうえで読み進めていくことでより一層楽しめます。

おすすめの順番は、1番目から『スロウハイツの神様』『島はぼくらと』『家族シアター』『凍りのクジラ』『子どもたちは夜と遊ぶ』『ぼくのメジャースプーン』『名前探しの放課後』『冷たい校舎の時は止まる』『ロードムービー』『光待つ場所へ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』です。

また、『スロウハイツの神様』のスピンオフ作品『V.T.R.』など、番外編がある書籍もあります。それぞれ単体で読み進めても、十分楽しむことは可能。辻村深月作品の世界観への理解を深めたい方は、おすすめ順に読み進めてみてください。

辻村深月のおすすめ小説ランキング

第1位 かがみの孤城

ポプラ社 著者:辻村深月

辻村深月氏の最高傑作とされており、一気読みと二度読み必至ともいわれる人気作品です。本屋大賞のほか、王様のブランチブック大賞やダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEARなど、8冠を獲得。マンガ化もされ、累計発行部数は125万部を突破しました。2022年には劇場アニメ化も決定しています。

本作品はファンタジー仕立てで描かれたミステリー小説です。主人公は、同級生の発言がきっかけで、不登校になった中学1年生の少女・こころ。ある日、閉じこもっていた彼女の部屋の鏡が輝きだします。鏡をくぐり抜けた先には城のような建物があり、こころと似た境遇の7人の子供が集められていたのです…。

すべてが明らかになるとき、驚きとともに感動する読者が多いのがポイント。生きにくさを感じている方に贈ると謳われており、中高生ごろの年代の方や、辻村深月氏の名作ミステリーに触れたい方におすすめです。

第2位 ツナグ

新潮社 著者:辻村深月

辻村深月氏の吉川英治文学新人賞受賞作で、連作長編ミステリー小説です。死者と生者の邂逅がもたらす奇跡が描かれた傑作。2012年には映画化され、シリーズ累計100万部を突破し、ベストセラーとなりました。

使者(ツナグ)とは、一生に一度だけ死者との再会を叶えてくれる者のこと。事故死したアイドルが心の支えだったOL、母にガン告知をできなかった息子、失踪した婚約者を待ち続ける会社員など、さまざまな人物がツナグの仲介のもとに死者と再会します。

それぞれ想いを抱えた生者と死者、一夜限りの再会は何をもたらすのでしょうか。さまざまな後悔や苦悩を背負った人々が真正面から描かれた1冊。心にしみ入る、辻村深月氏の感動作に触れたい方におすすめです。

第3位 鍵のない夢を見る

文藝春秋 著者:辻村深月

直木賞を受賞した辻村深月氏の代表作のひとつで、秀逸なイヤミス作品ともいわれる短編集。テレビや新聞では取り上げられないような「地方の事件」を扱っています。2013年にはドラマ化もされました。

普通の町に生きている、ありふれた人々に魔が差す瞬間や、奈落に落ちていく様子を描いた5編の作品。誰しもが持つ、ささやかな望みを持った主人公たちの心を捉えています。また、転落へ導く欲望の動きを丁寧に描いており、共感しやすい内容です。

登場人物たちが光を求めてもがく姿を、時に突き放し、時に寄り添うように描いているのがポイント。辻村深月氏の新境地ともされる傑作に触れたい方におすすめです。

第4位 冷たい校舎の時は止まる 上

講談社 著者:辻村深月

メフィスト賞を受賞した辻村深月氏のデビュー作で、自身が名刺代わりと発言している青春ミステリー小説。マンガ化もされています。

雪の降る日に、いつも通り登校した学校に8人の高校生が閉じ込められてしまいます。開かない扉や教師もいない無人の教室、5時53分で止まった時計など、校舎内はまるで時が止まったようでした。

そして、8人は2か月前の学園祭の最中に亡くなった同級生のことを思い出します。しかし、誰もその生徒の名前と顔が分かりません。一体、何が起こっているのでしょうか。

上下巻あわせて1000ページを超える超大作で、ホラー要素も感じられる1冊。登場人物ひとりひとりの心情もしっかり描かれています。辻村深月氏の秀逸なデビュー作に触れたい方におすすめです。

第5位 凍りのくじら

講談社 著者:辻村深月

辻村深月氏の最高傑作といわれる1冊。吉川英治文学新人賞候補にもなった作品で、高校2年生の主人公・理帆子の「少し不思議」なミステリーです。家族や大切な人とのつながりが、鋭い感性で描かれています。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、こよなく愛する父が失踪して5年。理帆子は夏の図書館で“写真を撮らせてほしい”と言う青年と出会い、戸惑いながらもほかとは違う内面を見せていきます。しかし、彼女の昔の恋人の存在によって、事態は思わぬ方向へ進んでいくのです…。

各章のタイトルが『ドラえもん』に出てくるひみつ道具の名前だったり、作中にも出てきたりと、辻村深月氏が抱くドラえもんへの愛が伝わってくるのがポイント。心あたたまる、感動のおすすめ小説です。

第6位 朝が来る

文藝春秋 著者:辻村深月

女性の葛藤や人生を描いた感動長編小説です。辻村深月氏自身が、“一人でも多くの人に読んでほしいと、こんなにも思った本は初めてです。”と発言している作品。本屋大賞第5位に入賞、2020年には映画化もされました。

本作品は特別養子縁組がテーマです。長く辛い不妊治療の末に、栗原清和・佐都子夫妻が選んだのは特別養子縁組。迎えられた子供は朝斗と名付けられ、5年後、家族3人で穏やかかつ幸せな日々を送っていました。

しかし、ある日朝斗が幼稚園に行っている日中、夫妻のもとに“朝斗を返してほしい”という電話がかかってきたのです…。

子供を産めない夫婦と、子供を手放した朝斗の生みの親・片倉ひかり、それぞれの葛藤や人生が丁寧に描かれた1冊。リアリティがあり、胸に迫るおすすめの辻村深月作品です。

第7位 スロウハイツの神様 上

講談社 著者:辻村深月

新たな青春群像の傑作ともいわれる辻村深月作品。上下巻で構成されています。マンガ化・舞台化もされた人気作品です。

人気作家のチヨダ・コーキの猟奇的なファンが小説を模倣し、大量殺人を犯した事件から10年。アパート「スロウハイツ」では、オーナーで脚本家の赤羽環と、コーキや友人たち6人が共同生活を送っていました。

夢を語ったり物語を作ったりと好きなことに没頭し、幸せな日々を送っていた6人。しかし、謎の少女・加々美莉々亜が現れ、「スロウハイツ」の日々は思わぬ方向へ変わり始めるのです…。

上巻ではスロウハイツの住人たちの心情が丁寧に掘り下げられており、共同生活の様子なども描かれています。最後の展開で続きが気になるのがポイント。個性豊かなキャラクターたちが魅力で、おすすめの辻村深月作品です。

第8位 傲慢と善良

朝日新聞出版 著者:辻村深月

辻村深月氏の作家生活15周年記念作品です。圧倒的な「恋愛」小説であり、ミステリー小説でもある1冊。タイトルはジェイン・オースティンの『高慢と偏見』からインスピレーションを受けています。圧倒的な筆力で地方と都会の婚活事情や、人間・自立について描かれた作品です。

物語は西澤架のもとに、婚約者・坂庭真実から“ストーカーに追われている”と電話がかかってくるところから始まります。そして、その後真実は忽然と姿を消してしまいました。居場所を探すため、架は彼女の「過去」と向き合うことになるのです。

生きていく痛みや苦しみ、その先にあるはずの幸せとは一体何なのでしょうか。誰もが覚えのある「傲慢さ」や「善良さ」についても考えさせられます。婚活世代から結婚している方にもおすすめの辻村深月作品です。

第9位 島はぼくらと

講談社 著者:辻村深月

辻村深月氏が胸を張って送り出した青春小説で、新たな代表作ともされる作品です。本屋大賞の第3位に入賞しました。

物語の舞台は、瀬戸内海の小さな島・冴島。フェリーで本土の高校に通う、島唯一の同級生で17歳の4人朱里・衣花・源樹・新が、ともに過ごせる最後の季節を描いています。

「幻の脚本」の謎や未婚の母の涙、島にIターンした青年の後悔、淡い恋と友情など、故郷を巣立つ前に大切なことを知っていくのです。

心があたたまり、爽やかな読後感を味わえるのが魅力。中学生・高校生ごろの年代の方や、感動する青春小説を読みたい方におすすめの1冊です。

第10位 小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記

小学館 原作:藤子・F・不二雄 著者:辻村深月

2019年公開の『映画 ドラえもん のび太の月面探査記』で、脚本を担当した辻村深月氏自身が書きおろした作品です。「月」がテーマで、SFファンタジー要素もある長編冒険小説。ドラえもんの大ファンである辻村深月氏が、“ドラえもんたちと月の世界へ行けたら”という思いで執筆したとされています。

月面探査機がとらえた白い影が大ニュースになり、のび太が“月のウサギだ!”と主張。しかし、クラスメートに笑われてしまいました。そこで、のび太はドラえもんのひみつ道具を使い、月の裏側にウサギ王国を作ることになります。そんなある日、のび太のクラスに謎の転校生がやってきたのです…。

冒険ものならではのワクワク感を楽しめるほか、友達との絆も描かれており、感動する読者も多い1冊。ドラえもんが好きな方や、SF冒険小説が好きな方におすすめの辻村深月作品です。

第11位 子どもたちは夜と遊ぶ 上

講談社 著者:辻村深月

悲哀に満ちた辻村深月作品。優しく触れようとしても壊してしまう、大人になれない子供たちが、暗い恋の闇路に入り込んでしまう恋愛ミステリー小説です。

同じ大学に通う仲間同士の、浅葱と狐塚、月子と恭司。4人を取り巻く一方通行で片想いの歯車は、思わぬ連続殺人事件と絡まり、悲しく残酷な方向へ狂い始めていくのです…。

心の光や闇といった心理描写が丁寧に描かれています。目を背けたくなるような描写があるものの、続きが気になり、ページをめくる手が止まらない1冊。ダークな辻村深月作品を読みたい方におすすめです。

第12位 ハケンアニメ!

マガジンハウス 著者:辻村深月

毎クールの覇権を争う、アニメ業界の仕事人たちを描いた辻村深月作品。本屋大賞にノミネートされました。作中に出てくる架空のアニメ作品『サウンドバック 奏の石』と『運命戦線 リデルライト』のアニメ化が発表され、話題になった作品。また、2022年には実写映画化も決定しています。

1クールごとに組む相手を変え、新タイトルに挑むアニメ制作の現場。プロデューサー・有科香屋子は、伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説き、アニメを制作。しかし、同じクールには新進気鋭の監督・斎藤瞳と、敏腕プロデューサー・行城理による作品もオンエアされるのです。

果たして「ハケン」を取るのはどちらの作品なのでしょうか。声優やアニメーターまでも巻き込み、事件を引き起こしていきます。仕事に誇りを持ち、熱心に打ち込む登場人物たちの姿に、前向きな気持ちになる読者も多い、おすすめの辻村深月作品です。

第13位 V.T.R.

講談社 著者:辻村深月

『スロウハイツの神様』のスピンオフ小説で、『スロウハイツの神様』に出てくる小説家、チヨダ・コーキのデビュー作という設定の辻村深月作品。「誰かを思う」ことがテーマで、1冊の独立した作品としても楽しめます。

本作品は、国によって殺人を認められたダークエリート、マーダーの2人の男女が主な登場人物。銃を愛する腑抜けのティーと、彼の元恋人で、極上の美人で仕事もできるアールを軸に描かれた、激しく切ない物語です。

辻村深月氏がチヨダ・コーキというキャラクターの力を借りることによって、自由な世界を描き、楽しく遊べたと発言している1冊。ファンタジーが好きな方におすすめの辻村深月作品です。

第14位 ぼくのメジャースプーン

講談社 著者:辻村深月

辻村深月氏が書き終わるまでに逃げないと決めて執筆し、自信作と発言するミステリー小説。日本推理作家協会賞の候補にノミネートされました。

主人公は不思議な力を持つ、小学4年生の「ぼく」。今から3ヵ月前、ぼくの学校で飼っていたうさぎが殺されました。ぼくの幼なじみ・ふみちゃんは、大好きなうさぎの無惨な死体を目撃し、ショックのあまり心を閉ざし、登校拒否を続けています。

ふみちゃんを助けるために、ぼくは自分と同じ力を持つ「先生」のもとに通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始めるのです…。ぼくが最後に選ぶ答えや、正義の行方はどうなるのでしょうか。

復讐や、罪と罰について考えさせられる1冊。ぼくとふみちゃんの関係性に胸を打たれる読者も多く、重いテーマながら心あたたまるおすすめの辻村深月作品です。

第15位 名前探しの放課後 上

講談社 著者:辻村深月

新しい学園ミステリーの金字塔といわれる辻村深月氏の傑作。主人公・依田いつかが3ヵ月前に戻されてしまう、タイムスリップ小説です。吉川英治文学新人賞の候補にノミネートされました。

物語は、いつかが撤去されたはずの看板があることに、違和感を抱いたところから始まります。“俺、もしかして過去に戻された?”と動揺しながらも、いつかは同級生が同時期に自殺したことを思い出しました。

しかし、誰が自殺したかを思い出せないいつかは、クラスメートの坂崎あすなに相談。そして、2人は「誰か」を探し始めます。

本作品は、どこに伏線があるのかを探しながら、楽しく読み進められるのがポイント。青春の切なさを思い出せるおすすめの辻村深月作品です。

第16位 オーダーメイド殺人クラブ

集英社 著者:辻村深月

辻村深月氏が少年少女の痛切な心理を描いた青春小説。直木賞および、山本周五郎賞候補にノミネートされ、マンガ化もされています。

主人公はクラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学2年生・小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠しながら、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいました。

家や教室にいらだちや絶望を感じる彼女は、冴えない「昆虫系」で自分と共通する美意識を感じる美術部の同級生男子・徳川に、“自分を殺してほしい”と依頼します。2人が「作る」事件の結末とは何なのでしょうか。

中学生特有の心情や言動、閉塞感などがリアルに描かれており、息苦しさや胸に突き刺さる感覚を味わえます。衝撃的で複雑な内容ながら、よい読後感を味わえるおすすめの辻村深月作品です。

第17位 ロードムービー

講談社 著者:辻村深月

『冷たい校舎の時は止まる』から生まれた、辻村深月氏初の短編集。感動のかけらが詰まっており、優しさにあふれています。『冷たい校舎の時は止まる』に出てくる登場人物や、関係する人物のその後が描かれた物語です。

表題作の主人公は、運動神経が抜群で人気者のトシと、友達が少なく気弱なワタル。組替えで親しくなった小学5年生の2人は、クラスから孤立し始めたことが原因で、家出の計画を立てます。

小中学生の子供特有の生きにくさや、心の闇などが丁寧に描かれた1冊。『冷たい校舎の時は止まる』を読んだことがある方は、特に懐かしさを感じられるおすすめの辻村深月作品です。

第18位 光待つ場所へ

講談社 著者:辻村深月

辻村深月氏が扉の開く瞬間を描いた、心震える傑作青春小説。『ロードムービー』『凍りのくじら』『名前探しの放課後』『ぼくのメジャースプーン』の登場人物が出てくるのが特徴です。

収録作品のひとつ『しあわせのこみち』の主人公は、T大学文学部2年生・清水あやめ。大学で出た課題で絵を提出し、抜きん出ているのは自分の作品だと確信していました。しかし、男子学生・田辺が作った美しい3分間のフィルムに、生まれて初めて圧倒的な敗北感を味わうというあらすじです。

輝く才能の影になってしまい、悔しく、恥ずかしく、息苦しい思いをしながらも光を追い求める物語が収録されています。中高生ごろの年代の方や、辻村深月氏の青春小説に触れたい方におすすめです。

第19位 ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

講談社 著者:辻村深月

辻村深月氏の新たな代表作といわれる作品。おすすめ文庫王国のエンターテインメント部門で1位を受賞しました。東京と地方の格差や、母娘の関係など、女性特有の息苦しさが描かれています。

主な登場人物は都会でフリーライターとして活躍しつつ、幸せな結婚生活も手に入れたみずほと、地元企業の契約社員で、両親と暮らす未婚のチエミ。かつて幼なじみだった30歳の2人の人生は、もう交わることはないと思っていました。

しかし、チエミが母親を殺し、失踪したことで状況が変わります。みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼いころの約束。そして、彼女の居所を突き止めようとみずほが奔走します。

チエミの逃げる理由が明らかになるとき、すべての娘が救われるといわれる1冊。自分がどう生きていくかも考えさせられる、おすすめの辻村深月作品です。

第20位 きのうの影踏み

KADOKAWA 著者:辻村深月

13編の怪異な物語が描かれた傑作短編集です。辻村深月氏が“身近な誰かの血の通った物語”ということを大切に執筆した1冊。全くのフィクションではなく、現実と地続きの物語です。

本作品には、ホラー作家が語る謎の手紙の話や、出産で里帰りをした際に町で聞いた怪しい占い師の話などを収録。後戻りができない恐ろしさがありながら、読者の隣にもそっとそこにある優しい世界を描いています。

ゾッとする怖さがあるので、怖い話が好きな方や、サクッと読める辻村深月作品を求める方におすすめです。

第21位 サクラ咲く

光文社 著者:辻村深月

表題作を含め、3編の青春物語をみずみずしく描いた辻村深月作品。2016年にドラマ化もされた人気の傑作集です。

表題作の主人公は、本好きで気弱な中学1年生の塚原マチ。ある日、図書館で本をめくっていると、「サクラチル」と書かれた1枚の便せんが落ちました。そして、便せんを通して顔の見えない相手との交流が始まり、2人の距離を近づいていきます。

声にならない叫びや、輝きに満ちた喜びなど、中学生や高校生ならではの青春が描かれているのがポイント。爽やかで明るい気分になれるおすすめの辻村深月作品です。

第22位 東京會舘とわたし 上 旧館

文藝春秋 著者:辻村深月

辻村深月氏がデビュー15周年にして初めて挑戦した青春大河ミステリー小説。2度の震災、そして戦争を生き抜いた東京會舘が舞台で、実話を基にした連作短編集です。

大正11年、東京會舘は社交の殿堂として丸の内で創業し、結婚式・パーティー・記者会見などさまざまな人々が訪れ、物語を紡いできました。震災や空襲のほか、GHQの接収など、激動の荒波を乗り越えた建物に関わる人々の物語です。

本作品は、章ごとに出てくる登場人物が少しずつ重なりあっていき、過去の出来事がつながる驚きがあるのがポイント。心あたたまる大河小説を読みたい方におすすめの辻村深月作品です。

第23位 青空と逃げる

中央公論新社 著者:辻村深月

『かがみの孤城』に次ぐ、新たな救いの物語といわれる辻村深月作品。家族小説に、ミステリーの要素がある小説です。

物語は深夜に夫が交通事故に遭い、電話を受けて病院に妻・早苗と息子・力が駆けつけるところからスタート。そこで夫が誰の運転する車に乗っていたかを知らされます。夫は何も語らずに、知らぬ間に退院し失踪してしまうのです。

そして、残された早苗と力は悪意と追及により追い詰められ、東京を飛び出して高知・兵庫・大分・仙台などの地を転々とします。壊れてしまった家族は、一体どこにたどり着くのでしょうか。

人々のあたたかさを感じられ、辛いときは人を頼ることや家族の絆など、さまざまなことを考えさせられる1冊。前向きになれる小説を求める方におすすめの辻村深月作品です。

第24位 噛みあわない会話と、ある過去について

講談社 著者:辻村深月

辻村深月氏の「鳥肌」必至ともいわれる短編集。「過去」に向き合う人々を描いた4編の物語が収録されています。登場人物の気付かないふりをした感情や、許せない相手など、ずっと心に抱えていた過去を描いた衝撃作です。

収録作品のひとつ『ナベちゃんのヨメ』では、大学のコーラス部で仲のよかった男友達・ナベちゃんが結婚するといいます。しかし、部活仲間が集まった席で紹介された彼の婚約者は、どこかズレていて…。

そして、『パッとしない子』では、小学校教諭・美穂のもとに、国民的アイドルになった教え子がやってきます。美穂は特別な思い出を胸に、再会を喜びますが…。

美しい「思い出」の裏側に触れたときに、世界は豹変することを描いています。共感度100%とも評される切れ味の鋭い物語。心に突き刺さる、圧巻の辻村美月作品を読みたい方におすすめです。

第25位 闇祓

KADOKAWA 著者:辻村深月

辻村深月氏が初めて執筆した、本格ホラーミステリー小説です。身の回りに潜んでいる、名前を持たない悪意が迫ってくる恐怖を描いています。

クラスに無口な転校生・要がやってくるところから物語はスタート。クラスになじめない彼に対して、親切に接するのは委員長・澪でした。しかし、要は彼女に突然“今日、家に行っていい?”と聞いたり、家の周りに出没したりと、不審な態度で迫ります。彼に恐怖を覚えた澪は、憧れの先輩・神原に助けを求めますが…。

感じたことのない恐怖があるものの、最終章で鮮やかに反転するのもポイント。一気読みしやすい、おすすめのエンターテインメントホラー小説です。

第26位 盲目的な恋と友情

新潮社 著者:辻村深月

男女や、女友達の愛憎を描き切ったとされる辻村美月作品。異性や同性に溺れることの甘さや苦しさを描いた長編ミステリー小説です。

タカラジェンヌの母を持つ一瀬蘭花は、美貌を持っていたものの無自覚で、恋も知りませんでした。そして、大学のオーケストラに迎えられた指揮者・茂実星近が、彼女の人生を一変させます。

茂実との恋愛に溺れる蘭花。しかし、やがて彼の裏切りを知り、5年間の激しい恋は衝撃的な終焉を迎えます。一方で、蘭花の友達・留利絵の目からその歳月を見つめたときに、また別の真実が浮かび上がるのです…。

恋から拒絶される屈辱感や、醜さゆえ美しさゆえの劣等感をあぶり出しており、鬼気迫り一気読みしやすい1冊。友情や愛について考えさせられ、イヤミスとしても楽しめる、おすすめの辻村深月作品です。

第27位 琥珀の夏

文藝春秋 著者:辻村深月

辻村美月氏の新たな代表作といわれる長編小説。子供の白骨死体が発見されたニュースを機に、30年前の記憶の扉が開かれ、幼い日の友情や罪を描いた物語です。

かつてカルトと批判された「ミライの学校」の敷地から、子供の白骨死体が発見されます。弁護士・法子はその死体が自分の知っている少女のものではないかと胸騒ぎを覚えました。

法子は小学4~6年生まで毎年、「ミライの学校」で夏休みの1週間を過ごしていたのです。そこで、学校ではうまくやれない法子が、合宿では“ずっと友達”と言ってくれる少女と出会ったのでした。もしあの子が死んでいたとしたら…。

圧巻の最終章に涙がこみ上げるともいわれる傑作。親子の関係や友情について考えさせられます。心情の描き方も秀逸で、辻村美月ワールドを堪能できるおすすめの小説です。

第28位 家族シアター

講談社 著者:辻村深月

家族をテーマにした、全7編の心あたたまる辻村深月作品。「家族」に起こるささやかな大事件の物語で、家族の大切さを見つめなおせる短編集です。

真面目な子と言われる姉に対して、こんな風になりたくないと思うものの、気にせずにはいられない妹の物語や、息子が小学6年生になり、父親中心の保護者会「親父会」に入った大学准教授の父親の物語などが収録されています。

近くにいるから傷つけあうものの、遠くにいても分かりあえる存在。また、大好きなものの大嫌いなど、ややこしくも愛おしい家族たちが描かれています。サクッと読める辻村深月作品を求める方におすすめです。

第29位 図書室で暮らしたい

講談社 著者:辻村深月

辻村深月氏の人となりや日々の出来事のほか、著書についてもつづられたエッセイ作品。また、辻村深月氏が作家になる前から、そして作家になった後に夢中で追いかけてきた、小説・マンガ・アニメ・音楽・映画などについてもつづられています。

心がほっこりしたり、クスリと笑えたりとさまざまな要素を楽しめるのがポイント。辻村ワールドへの理解を深めたい方におすすめです。

第30位 レジェンドアニメ!

マガジンハウス 著者:辻村深月

辻村深月氏の新刊で、人気の熱血エンターテインメント小説『ハケンアニメ!』のスピンオフ作品。書き下ろしを含む全6編を収録しています。

夢や希望、情熱とプライド、愛と経緯などを持ち、アニメ制作に携わる仕事人たち。『ハケンアニメ!』に隠されていた、心震えるさらなる物語が描かれています。前作を読んだ方はもちろん、熱い仕事小説を読みたい方におすすめの辻村美月作品です。

辻村深月の小説の売れ筋ランキングをチェック

辻村深月の小説のランキングをチェックしたい方はこちら。