暗闇で行動する際に便利な装置が「暗視鏡」。ライトのように光を照射する必要がなく相手に気づかれずに動けるため、サバイバルゲームや夜行性動物の生態観察などで活用されています。一般的には馴染みの薄いアイテムなので、どのモデルを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、暗視鏡のおすすめモデルをご紹介します。選ぶ際のポイントについても解説するので、興味のある方はチェックしてみてください。
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暗視鏡の選び方
暗視装置の世代をチェック
第0世代暗視鏡
もっとも古くから使われているタイプが第0世代の暗視鏡です。赤外線の反射を利用しているモデルが多いのが特徴。自然界に存在する微小な光を取り込み、増幅して可視化する基本的な仕組みを採用しています。
使用する際は、赤外線の照射範囲外は全く見えない点に注意。さらに、第0世代の製品は年々減少傾向にあるので、最近では比較的新しい第1世代以降のモデルから選ぶのが主流です。
第1世代暗視鏡
第1世代は現在市販されている暗視鏡として一般的なタイプです。わずかな光を増幅する光倍増システムを搭載しているのが特徴。月や星といった自然界にある微小な光の環境下でも、対象物を確認することが可能です。
また、第1世代のモデルはサイズが比較的コンパクトで携帯しやすいのも魅力のひとつ。初めて暗視鏡を購入する方におすすめのタイプです。
第2世代暗視鏡
現在入手可能な暗視鏡のなかで高性能なタイプが第2世代。基本的な仕組みは第1世代と同様ながら、微弱な光を増幅する倍率を大幅に向上させているのが特徴です。
また、第1世代よりも視認可能距離が長いため、遠くの対象物を観察するのに適しています。比較的価格は高くなりますが、暗視性能を重視する方におすすめのタイプです。
赤外線照射装置タイプもチェック
たとえ高感度の光倍増システムを搭載しても、増幅する光が全くない環境下では機能しません。そのため、完全な暗闇のなかで使用する場合は、赤外線照射装置付きの暗視鏡がおすすめ。イルミネーターとも呼ばれており、赤外線を照射することで不足する光量を補います。
赤外線照射装置は、近年発売された多くの暗視鏡に採用。しかし、古いモデルのなかには搭載されていない製品もあるので、必要な方は事前によく確認してから購入しましょう。
レンズの数をチェック
単眼暗視鏡
対物レンズを1枚搭載しており、片目で覗くタイプが単眼暗視鏡です。双眼タイプよりもコンパクトかつ軽量なのが特徴。携帯性を重視する方におすすめです。
キャンプをはじめ、夜釣りやサバイバルゲームといった幅広いシーンで手軽に持ち運べます。ただし、片目だと対象物との距離感がつかみにくいので、購入を検討している方はあらかじめ留意しておきましょう。
双眼暗視鏡
一見、双眼鏡のような見た目をしているのが双眼暗視鏡です。レンズを2枚備えており、両方の目で見られるのが特徴。単眼タイプより広い範囲を見渡せるほか、距離感や立体感をつかみやすいので、夜行性動物の生態観察や夜間の監視などに適しています。
ただし、価格は単眼モデルより高い傾向があるため、あらかじめ留意しておきましょう。視認性を重視する方に向いているタイプです。
種類をチェック
デジタル暗視鏡
デジタル暗視鏡は光倍増システムを使用せず、CMOSセンサー技術を採用しているのが特徴。小型のディスプレイに映像を表示します。夜間の状況を観察しつつ、静止画や動画を記録したい方におすすめです。
また、記録した映像をSDカードに保存したり、USBケーブル経由でパソコンに転送したりと、さまざまな使い方ができるので非常に便利。さらに、パソコンやテレビに挿して表示させれば、大画面で映像を確認できるのも嬉しいポイントです。
暗視ゴーグル
暗視ゴーグルは、ヘッドギアに取り付けられるタイプです。両手を自由に使えるのが特徴。夜間や照明のない屋内で、サバイバルゲームを思いっきり楽しみたい方におすすめです。頭の動きと連動するため、見たい方向の状況を素早く確認できます。
ヘッドギアとセットになっている製品もあれば、マウントを含め別売りになっている製品もあるので、目的にあったモデルを選んでみてください。
サーマル暗視スコープ
サーマル暗視スコープは、光でなく物体が発する熱エネルギーを検知するタイプです。検知した熱を可視化する仕組みを採用しています。夜行性動物の観察や監視といった用途におすすめです。
また、サーマル暗視スコープは、動物が残した足跡も熱が残っていればたどれます。さらに、煙や霧を透過して見られるのも特徴。煙や霧に覆われた事故現場や災害救助のシーンでも活躍します。
対物レンズ径をチェック
対物レンズの直径は、暗視鏡の視認性を左右する重要なポイントです。直径の大きな対物レンズほど多くの光が取り込めるため、より明るく鮮明に可視化できるのが特徴。見やすさを重視する方は、大口径の対物レンズ搭載モデルがおすすめです。
ただし、レンズ径の大きな製品ほど、本体のサイズは大型化し重くなりやすいので注意が必要。サイズや重量とのバランスも考慮して選んでみてください。
レンズの倍率をチェック
レンズの倍率もしっかりと確認しましょう。暗視鏡の多くが倍率2倍以上のレンズを搭載しています。離れた対象物を確認するなら、高倍率の製品がおすすめ。とくに、夜行性動物を観察する場合は、気づかれないように距離をとる必要があります。
また、デジタル暗視鏡のなかには、光学ズームにくわえデジタルズーム機能を備えている製品もあるので要チェックです。より対象物を大きくハッキリと確認できます。
視野の広さをチェック
視野の広い暗視鏡は見やすく快適に使用できます。視野の広さをチェックするポイントは、「実視界」と「見掛け視界」の2点。実視界とは、そのまま視認ができる視界のことです。もう一方の見掛け視界とは、暗視鏡を覗いたときの視野がどのくらいの角度かを表します。
レンズの倍率が高くなるほど実視野は狭くなる傾向にありますが、見掛け視界が大きければ倍率を上げても実視界が広くなるので、広範囲を見渡すことが可能です。サバイバルゲームや生態観察など、動く対象物を捕捉する際に重宝します。
暗視鏡のおすすめ
ブッシュネル(Bushnell) 暗視スコープ ナイトビジョン ビノキュラーEVE
重さが510gと、軽量性に優れた双眼暗視鏡です。持ち運びの際に便利なケースとストラップが付属しています。第1世代ながら赤外線照射装置を内蔵しているため、完全な暗闇のなかでも暗視可能です。
「両眼独立フォーカス」を採用しているのもポイント。目標物をより捉えやすく設計されています。さらに、望遠倍率が2.5倍なので、多少離れた場所ならハッキリと確認可能です。
三脚の取り付けネジ穴を備えているのも特徴。夜行性動物の生態をじっくりと観察したいときなど、長時間使用するシーンで重宝します。
ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina) YUKON 単眼鏡型暗視スコープ NVMT Spartan 2×24
コンパクトなボディを採用した第1世代の単眼暗視鏡です。片手で容易に持ち歩ける携帯性のよさが特徴。一般的な観察用途やホームセキュリティにおすすめのモデルです。
強力な赤外線照射装置を搭載しているのも特徴。月明かりのない暗闇でも暗視が可能です。使用条件によって異なるものの、最大約120mまでの距離を視認できます。
専用のヘッドマウントが別途発売されているため、ハンズフリーでの使用も可能。価格が比較的リーズナブルなので、ぜひ購入を検討してみてください。
ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina) 暗視鏡 スーパーナイトコンパクト 100NDX
手のひらサイズのコンパクトな単眼暗視鏡です。重さが約130gと、非常に軽量なのが特徴。持ち運びに便利な製品を探している方におすすめのモデルです。倍率2.5倍のレンズを採用しているため、多少離れた対象物ならしっかりと確認できます。
赤外線照射装置を搭載しているのも特徴。約100m先まで赤外線を照射できるため、完全な暗闇でも遠くまで視認可能です。
さらに、赤外線照射モードを切り替えられるのもポイント。周囲の明るさに応じてローモード・ミドルモード・ハイモードの3段階に調節できます。連続使用時間はハイモードで約1時間、赤外線照射をオフにした状態なら約3時間です。
ブッシュネル(Bushnell) 暗視スコープ デジタルナイトビジョン エクイノクスビノキュラーZ240R
アメリカの老舗光学機器メーカー「ブッシュネル」が発売した、デジタルタイプの暗視鏡です。第2世代相当の解像度を有するモデル。静止画と動画も撮影でき、最大32GBのmicroSDカードに対応します。
40mmの対物レンズを搭載しているのも特徴。また、赤外線照射装置を備えているため、完全な暗闇でも使用可能です。さらに、眼幅調整リングを備えているので、見やすい幅に調節できます。
IPX4等級の防水性能を備えているのも魅力。多少雨で濡れても故障する心配が少ないため、キャンプや野生動物の観察など屋外での使用にピッタリです。
ブッシュネル(Bushnell) 暗視鏡 デジタルナイトビジョン エクイノクス Z6R
日中はカラー映像が見られる、デジタルタイプの単眼暗視鏡です。直径50mmの大口径レンズを採用しているのが特徴。6倍の望遠倍率にくわえ、最大3倍までのデジタルズーム機能を搭載しています。遠くの対象物を見る機会が多い方におすすめのモデルです。
第2世代相当の解像度を備えているのも魅力。静止画と動画を撮影でき、microSDカードに保存できます。暗視スコープながら、デジタルカメラとして使用可能です。
さらに、USBケーブルと映像出力ケーブルが付属。パソコンやモニターに接続すれば、記録した映像データを大画面でチェックしたいときに重宝します。
L-SHINE 暗視スコープ デジタルナイトビジョン LS650
第2世代のデジタル単眼暗視鏡です。望遠倍率を6倍にした、直径50mmの大口径対物レンズを備えているのが特徴。光量の少ない環境下でも、遠くまでハッキリとした映像を実現しています。赤外線照射装置を搭載しているため、完全な暗闇のなかでの暗視も可能です。
5倍のデジタルズーム機能を搭載しているのも魅力。また、三脚を取り付けられる構造が採用されており、対象物の観察時に手ブレを防げます。
電源は単3アルカリ乾電池4本を使用。さらに、電源の切り忘れを防ぐオートオフ機能を備えており、使い勝手に優れています。
SOLOMARK 暗視スコープ デジタルナイトビジョン
赤外線に敏感な「CMOSセンサー」を搭載したデジタルタイプの暗視鏡です。赤外線照射装置を搭載しており、最大約400m先まで赤外線を照射できます。周囲の明るさ状況に応じて、赤外線レベルを3段階に切り替え可能です。
7倍の光学ズームにくわえ、2倍のデジタルズームを備えているのも特徴。離れた対象物を観察する機会が多い方におすすめのモデルです。また、4インチの大型ディスプレイを搭載するなど、優れた視認性を実現しています。
4〜32GBのmicroSDカードに対応し、撮影した画像や映像を保存可能。さらに、USBケーブルとAVケーブルが付属しているため、パソコンにデータ移行したり、大画面のモニターに映像を映し出したりする際に役立ちます。
Hollee 暗視スコープ デジタルナイトビジョン
使い勝手のよいデジタルタイプの双眼暗視鏡です。暗視鏡を初めて購入する初心者の方にもピッタリ。10倍の光学ズーム機能にくわえ、4倍のデジタルズーム機能を搭載しているので、遠くの対象物をしっかりと確認できます。
赤外線照射装置を備えているのもポイント。完全な暗闇のなかでも、最大300m先のターゲットを暗視可能です。赤外線レベルを7段階に調節できるため、対象物までの距離や周囲の明るさに応じて切り替えれば電力消費を抑えられます。
電源には単3乾電池を6本使用。赤外線照射装置がオンの状態で約6時間、オフにすれば約17時間も駆動します。さらに、IP56等級の防塵・防水性能を採用しているので、多少雨に濡れても故障の心配が少ないモデルです。
ZIMOCE デジタ夜間の生態観測やバードウォッチングにル赤外線 暗視鏡
光学3倍の望遠レンズを備えたデジタルタイプの双眼暗視鏡です。Wi-Fi機能を搭載しているのが特徴。スマホと連携することで、撮影した写真と動画をスムーズに確認できます。夜間の生態観測やバードウォッチングにおすすめです。
また、IP56等級の防塵・防水性能を備えているので、多少の雨に濡れても故障の心配が少ないのも魅力。さらに、手頃な価格ながら、赤外線照射装置を搭載しています。最大300m先まで赤外線を照射できるため、暗闇のなかでも遠くのターゲットを捕捉できるのもポイントです。
リアドベント 暗視鏡
録画機能を搭載したデジタルタイプの暗視鏡です。解像度1920×1080のフルハイビジョン画質に対応しているのが特徴。暗視映像を高画質で記録したい方におすすめのモデルです。
最大照射距離500mの赤外線照射装置を搭載しているのも魅力。完全な暗闇のなかでも、より遠くの対象物を暗視可能です。遠く離れた野生動物の生態観察などに適しています。
64GBのSDカードが付属しているため、別途購入しなくてもすぐに使用可能。また、ワンタッチで撮影できるなど、使い勝手にも優れているのでチェックしてみてください。
フリアー(Flir) サーマル暗視スコープ フリアースカウトTK
アメリカのフリアー社から発売されたサーマルタイプの暗視鏡です。物体が発する熱を検知して映像化するモジュールを内蔵しています。濃霧や木の葉などを透過して見られるのも特徴。夜行性動物の観察や夜間警備などにおすすめのモデルです。
また、独自の「画像処理アルゴリズムDDE機能」を採用しており、コントラストの高い鮮明な映像を実現しています。さらに、ブラックハイライトやホワイトハイライトなど、多様な表示モードに対応。用途やシーンに応じて、ボタン操作で簡単に切り替え可能です。
コンパクトなボディサイズにくわえ、重さも170gと非常に軽量なため、容易に持ち歩き可能。IP67等級の高い防塵・防水機能を備えているのもポイントです。埃っぽい場所や雨天といった悪環境下でも安心して使用できます。
IRAY 熱画像スコープ Finderシリーズ FH25R
重さ320gの小型かつ軽量なサーマルタイプの暗視鏡。持ち運びが容易なだけでなく、片手で持ったまま操作ができるなど、使い勝手も良好です。
「1280×960 HDマイクロディスプレイ」を搭載しているのも魅力。高解像度・高精細な映像を映し出すことが可能です。また、フレームレートが50Hzと高いため、動く対象物の映像を滑らかに表示できます。16GBのストレージを内蔵しており、ビデオ録画なら24時間分、写真撮影なら約20000枚分を保存可能です。
「レーザーレンジファインダーモジュール」を内蔵しているのもポイント。最大600m離れたターゲットまでの距離を±1mの精度で計測できます。連続レンジングモードも備えているので、移動し続ける対象物との距離を常に確認しながら追跡可能です。さらに、IP66等級の防塵・防水性能を備えているため、屋外での使用に適しています。
IRAY 熱画像スコープ Miniシリーズ ML19
非常に軽量なサーマルタイプの暗視鏡です。複数のマウントポイントを備えているのが特徴。頭に装着したりヘルメットに取り付けたりと、目的に合わせてさまざまな装着方法が選べます。暗視ゴーグルとしても使えるモデルが欲しい方におすすめです。
また、2倍の拡大画像をディスプレイ上部に表示できる「ピクチャーインピクチャー機能」を搭載。広い範囲の状況を把握しながら、対象物を確認したいときに便利です。さらに、「スタジアメトリック・レンジファインダー」を備えているので、対象物までの大まかな距離もつかめます。
傾斜計とデジタルコンパスを内蔵しているのもポイント。奥深い山林など、目印のない広いフィールドで活動する機会が多い方に便利です。携帯性と機能性の両方に優れているため、サバイバルゲームを楽しみたい方も購入を検討してみてください。
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暗視鏡を選ぶ際には、単眼・双眼や世代の違いをはじめ、レンズの直径や倍率など重要なポイントがいくつもあります。よくチェックせずに購入すると、期待していた暗視機能が得られなかったり、視認性が悪かったりする場合があるので注意が必要。本記事を参考に、目的に合った使いやすいモデルを選んでみてください。