カリラはスコットランド西海岸のアイラ島に位置する、ウイスキーの蒸留所です。銘柄の「カリラ」はゲール語でアイラ海峡という意味があり、奥まった入り江に建つガラス張りの建物が目印です。
美しい自然の中で生み出される珠玉の味わいのウイスキーは、多くのファンに支持されています。カリラの歴史や種類など詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてお気に入りの1本を見つけてください。
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カリラは長い間ブレンデッド用の原酒を生産してきたため、シングルモルトウイスキーを発売したのは2002年以降。カリラのシングルモルトは、ピート香とスモーキーなアロマを強く感じられるのが特徴です。
ほどよい甘さと強めのスモーキーなう旨味のバランスが絶妙で、一度飲むとまた飲みたくなるクセのある味わい。決して飲みにくいわけではなく、フルーティーなアロマとフレーバーが心地よくほかのアイラの種類も試したくなる銘柄です。
カリラの歴史
カリラ蒸溜所はヘクター・ヘンダーソンによって1846年設立されました。何度か買収、閉鎖、再稼働を繰り返した後、1970年代に老朽化した蒸留所の改装工事を行います。ポットスチルが6基に増設され、アイラ島で最大規模を誇る蒸留所に生まれ変わりました。
1997年にギネス社とグランド・メトロポリタン社が合併してディアジオ社が誕生して傘下に入り、現在に至っています。2002年にカリラから12年、18年、カスク・ストレングスが販売されたことで世界中に知られるようになり、話題を呼んで一気にファンを増やしました。
カリラの製法
カリラで作られるウイスキーには、ポートエレンで収穫した麦芽を使用。蒸留所の近くにあるロッホ・ナム・バン湖から浸み出した湧水を使い、ピートの地層で濾過された湧水のため水自体にピート感を含んでいるのが特徴です。
冷却水に海水を利用しており、ウイスキーの蒸留所で海水を使っているのは世界中でもカリラのみといわれています。ほかの蒸留所とは異なるこだわりが、カリラにしか出せない味わいを生み出しています。
カリラの種類
カリラ 12年
カリラを初めて飲む方におすすめのボトル。ボトルを開けるとカリラ特有の強いピート香と共にヨードのような薬品香のアロマが上がってきます。燻製のようなスモーキーさがふんわりと香り、独特のフレーバーが口の中に広がるのが特徴。同時にやさしいフルーティーな甘みも感じ、全体のバランスがよく飲みやすい1本です。
最初はやわらかい口当たりがフィニッシュでスパイシーに変化。カリラらしい味わいを楽しめて、初心者からウイスキー愛好家まで幅広い方が満足できる1本に仕上がっています。
カリラ 15年
リフィルのアメリカンオーク樽と、ヨーロピアンオークバット樽で熟成させた原酒をかけ合わせて作られたボトル。青りんごの爽やかさとトフィーの香りのあと、苺やキャラメルのような甘いアロマがやさしく香ります。
フィニッシュでメンソールやミントのような爽やかさを感じるのが特徴。ストレートで飲むとシャープでパワフルな味わいが印象的で、水割りにするとなめらかな口当たりを楽しめます。
カリラ 18年
まろやかでフルーティーなカリラを味わいたい方におすすめのボトルです。カリラ特有のピート香が少なく、バタースコッチやドライフルーツなどの甘みが強め。全体的に甘さを前面に押した味わいで、キャンディやバニラのアロマと潮や海苔など磯の香りがやさしく広がるのが特徴です。
それぞれのフレーバーが複雑に重なり合うリッチでシルキーな口当たりが魅力。オークのスモーキーな余韻が長く続き、深い味わいを楽しめる1本です。
カリラ 25年
2010年に発売された14000本の限定品。カリラ独特のスモーキーさは健在ですが、ヨード香が少なく上品なピート感が特徴です。砂糖漬けの果実のようなフルーティーなアロマがやさしく香り、甘草や芝生といったアーシーな香りを楽しめるのが魅力。リッチかつクリーミーな口当たりで、コクと深い味わいのバランスが絶妙です。
しつこくない仕上がりで、加水すると甘さが増してスモーキーな余韻が長く続きます。希少価値が高く、ウイスキー好きの方にぜひ味わってほしいボトルです。
カリラ モッホ
カリラならではのピート香とスモーキーさは残しながら、ライトで軽い飲み口で初心者におすすめの1本。モッホはゲール語で夜明けという意味です。
レモンのような爽やかなアロマと、ほどよい酸味と果実のフルーティーな味わいを楽しめます。全体的に軽めな印象で、水割りやハイボールにするとさっぱりとした仕上がりに。豊かな香りを楽しみながら軽く飲める味わいで、コストパフォーマンスが高いのも魅力です。
カリラ ディスティラーズ エディション
モステカル・カスクによる二段熟成で作られたボトル。カリラらしいスモーキーさはそのままながら、スパイシーさが少なくカシスやドライプルーンといったベリー系のアロマが香ります。ひと口飲むとビターチョコやバニラなどコクのある味わいが広がり、クリーミーな口当たりで初心者にもおすすめの1本。
ストレートでじっくりとウイスキーそのものの味を確かめた後、オンザロックや水割りで飲んでみましょう。モルトの甘さとスモーキーのバランスのよさを楽しめ、長い余韻に浸れます。
カリラ 17年 アンピーティッド
ピート処理をしていない原酒をバーボン樽で17年熟成し、カスク・ストレングスでボトリングした限定品。オールスパイスやアニスなどの少しぴりっと感じるスパイシーさが特徴で、スモーキーさが少なく凝縮された旨味を際立たせた仕上がりです。
フルーティーでフローラルなアロマが香り、やわらかな口当たりでりんごのような爽やかな酸味を感じます。トフィーやブラウンシュガーのような甘さがほどよい余韻を残し、しっかりとした味わいを楽しめる1本です。
カリラのおすすめの飲み方
ストレート
ピーティーで磯のような香りと共に、スモーキーな味わいがカリラの特徴。ストレートで飲むことで、カリラ特有のよさを存分に楽しめます。熟年数によってもフレーバーやアロマが異なるので、まずはストレートでウイスキーそのものの味を確かめましょう。カリラの奥深さとシルキーなまろやかさを存分に堪能できます。
水割り
カリラは少量の水を加えるとフルーティーなアロマがより強く香り、ほどよい甘さを感じます。加水してもそのものの味わいを壊すことなく、やさしい口当たりになり食中酒としても楽しめるのが魅力。まずはストレートで飲んでから水割りを試し、味を比べてみましょう。オンザロックでゆっくりと氷を溶かして、味の変化を楽しむのもおすすめです。
ハイボール
ウイスキー初心者の方は、ソーダ割りにしてハイボールで飲むのがおすすめです。カリラ特有のピート香やヨードのような味わいは、ハイボールにすることでやわらぎ飲みやすくなります。ソーダで割ることでフルーティーさが増し、爽やかに飲めるので食中酒にもぴったりです。
長らく知る人ぞ知る銘柄だったカリラ。スコットランドの自然の恵みを受けた味わいは、ウイスキーをこれから飲んでみようという方にぜひ試してほしい1本です。伝統とこだわりの製法で作られる味わいは、ウイスキー初心者から愛好家まで満足する仕上がりになっています。