スコットランドの「アイラ島」にある蒸留所で製造されるアイラウイスキー。なかでも有名なのが、豊かで独特の味わいや香りが楽しめるシングルモルトの「ボウモア」です。
今回は、アイラウイスキーの特徴であるピートのスモーキーな香りや、ほのかな甘さの奥深い味わいが存分に堪能できる人気銘柄、ボウモアの魅力や種類について解説します。これからボウモアを楽しみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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アイラ島にある最古の蒸留所である「ボウモア蒸留所」で造られた、シングルモルトのスコッチウイスキーがボウモアです。ピートがしっかり効いていて、スモーキーながら海を思わせる潮の風味が感じられるのが特徴。さらに蜜のような甘味も伴います。
また、アイラウイスキーのファンからは「アイラの女王」とも称されるほどの人気を有しているのもポイント。ストレートやロック、ハイボールなどでその味わいと香りが満喫できます。本格的で上質なアイラウイスキーを楽しみたい方におすすめです。
ボウモアの製造場所
アイラ島の浜辺に位置するボウモア蒸留所が「ボウモア」の製造場所です。海抜0mという海に囲まれた環境で、貯蔵庫は潮風の影響をダイレクトに受けています。そのため、ボウモア蒸留所で造られた「ボウモア」は、海や自然が育んだシングルモルトの味わいや風味が感じられるのが魅力です。
また、1980年にイギリスの女王、エリザベス2世が訪問した蒸留所としても知られています。女王訪問の際には、歓迎用として特別仕様のウイスキー樽を造り、女王の眼前で蒸留したばかりのウイスキーが詰められました。
その樽は2020年に開けられ、女王戴冠50周年にウイスキーを王室に献上。蒸留所には、そのときの樽が現在でも倉庫に飾られています。
ボウモアの歴史
1779年、地元商人であった「デビット・シンプソン」がボウモア蒸留所を創業します。以来、買収や改称を経ながらも伝統の製法を守り続け、1994年には日本の酒類メーカーである「サントリーホールディングス」が資本の30%を買収しました。
オーナーとなったサントリーが、それまでの経営悪化の状態を改善。そして、現在でもスコットランド屈指の伝統と歴史がある蒸留所のウイスキーとして、多くの人気を集めています。
ボウモアの製法
発芽室の床に十分な水を含ませた大麦を広げ、モルトマンという職人により、木製のスコップで時折ひっくり返しながら発芽させて麦芽を造ります。これが「フロアモルティング」と呼ばれるスコッチウイスキーの伝統技法です。
製麦された麦芽は、程よく発芽した段階でピートを炊き「キルン」という乾燥塔にて熱風乾燥を行うことで、成長を止めます。そして、粉砕された麦芽をお湯に浸し、絞り出したモノが麦汁です。
麦汁を木桶の発酵槽に入れ、できたもろみを「ポットスティル」という銅製の蒸留窯で丁寧に2回蒸留することで原酒が完成。できた原酒は樽に詰められ、長い熟成の眠りにつきます。
ボウモア蒸留所の目玉ともいえるのは、熟成の際に樽を保存する貯蔵庫が海の近くに位置している点です。木でできた樽は、少なからず周囲の環境を受けるため、潮風に長年さらされることで、独特の潮っぽさがボウモアに現れるといわれています。
ボウモアの種類
ボウモア(BOWMORE) 12年
ボウモアのなかでも、代表的な存在として世界的な人気を集めるシングルモルト。ピート由来のスモーキーな香りや、やわらかくフルーティーな味わいが絶妙に調和した逸品です。
スモーキーさはしっかりと感じるものの、強すぎも弱すぎもせず、スッキリとした飲み心地が感じられます。そのため、アイラモルトが苦手という方でも比較的飲みやすい種類のウイスキーです。また、ボウモアの特徴である、潮の香りやほんのりとした蜜のような甘味も感じられ、長く続く余韻も楽しめます。
フードぺアリングには、ボウモアのスモーキーさや潮の香りを引き立たせてくれる、マグロの刺身などの魚介類がおすすめです。
ボウモア(BOWMORE) 15年 ダーケスト
12年間バーボン樽で熟成させ、さらに3年間オロロソシェリー樽で熟成させた種類のボウモアモルト。樽由来のウッディでほんのり甘く深い味わいが存分に楽しめます。スモーキーな風味とともに、ダークチョコレートやレーズンを感じさせる香りも魅力です。
あたたかみがありながら力強く、ほのかなシェリーを感じさせる余韻が堪能できるのもポイント。ボウモア12年との味わいの違いを、飲み比べて楽しむのもおすすめの飲み方です。
ボウモア(BOWMORE) 18年
シェリー樽熟成による、しなやかでスイートな味わいが心ゆくまで堪能できる銘柄です。ボウモア特有の潮の香りも楽しめ、スモーキーな風味も心地よく感じられます。
さらに、クリーミーな香りや、フルーティーな味わいのバランスもよく、フィニッシュまでじっくりと楽しめるのも特徴。ドライフルーツやビターチョコレートなどとのペアリングがおすすめです。
ボウモア(BOWMORE) 18年 ディープ&コンプレックス
オロロソシェリー樽とペドロヒメネス樽で熟成させた円熟したリッチな味わいが特徴の、免税店限定で販売されている銘柄。しっかりとシェリーのニュアンスが感じられ、焦げたスパイシーな風味が特徴です。
フルーティーな甘さやピートによるスモーキーな香りも感じられます。また、オイリーで上品な口当たりで、ミルクチョコレート・プルーン・ドライクランベリーなどの複雑な味わいも堪能できる逸品。余韻はスモーキーが後を引き、甘味を伴ったヨードの香りが楽しめます。
ボウモア(BOWMORE) 25年
ボウモアのなかでも最高酒齢の、円熟した奥深い味わいが存分に楽しめる25年熟成の銘柄。酒類の国際的なコンテスト「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」で、最高賞を獲得したウイスキーです。
ピートのスモーキーな香りを穏やかに感じられるほか、シェリー樽による甘い香味も堪能できます。また、濃厚で力強いコクがある味わいで、スイートで芳醇な後味が長く続く余韻が満喫できるのも特徴です。
ボウモア(BOWMORE) No.1
ボウモア蒸留所にある貯蔵庫でもっとも古い、第一貯蔵庫「No.1 Vaults」で熟成された種類のボウモア。海抜0mに位置する貯蔵庫で熟成されため、ボウモア特有の潮の香りが際立っています。
シトラスやハチミツを感じる味わいと、スモーキーの心地よさがじっくりと楽しめるのも特徴。そして、バニラのような甘さやライムのような爽快な味わいと風味でフィニッシュを迎えます。
ボウモア(BOWMORE) ヴォルト
「No.1 Vaults」に貯蔵された原酒をヴァッティングした貴重な種類のボウモア。ピートのスモーキーな香りが強く感じられ、貯蔵と熟成によって得られた潮の香りとのバランスが特徴の種類です。
ココアやブラッドオレンジのような味わいや、スパイシーさやしっかりとした甘味も長く残る余韻も楽しめます。ロックで飲めば、ドライでマイルドな味わい。ハイボールにすれば潮の香りやスモーキーな香りが引き立ち、存分にボウモアらしさが堪能できます。
ボウモア(BOWMORE) スモールバッチ
心地よいスモーキーフレーバーと、スパイシーで甘い味わいのバランスがとれたボウモア。「ファーストフィル」と「セカンドフィル」のバーボン樽で熟成された、少数生産の原酒で造られた貴重な種類です。
独特の潮の香りとバニラの甘い香りが感じられるのが特徴。さらに、シトラスやシナモンといった複雑で深い味わいが楽しめます。そして、やわらかな甘味とライムのような感覚の余韻が残るのも魅力です。
ボウモア(BOWMORE) レジェンド
ライトでフレッシュな味わいで、ボウモアのなかでも入門として楽しめる銘柄です。やわらかな口当たりで、後味にはしっかりとしたスモーキーな風味も感じられます。ピートは強すぎず弱すぎないので、アイラウイスキーの独特な香りが苦手な方でも飲みやすい種類のウイスキーです。
ナッツやバニラ、ハチミツなどの複雑な甘い香りや、トーストや柑橘系のドライフルーツのようにフルーティーな味わいも楽しめます。食後酒としてや、フルーツなどのスイーツとのペアリングがおすすめです。
ボウモアはピートによるアイラモルト特有の香りや、独特の潮の香りが存分に満喫できます。ストレート・ロック・ハイボールで味わいの変化を楽しむのもおすすめ。今回の記事を参考に、ボウモア蒸留所から生まれたさまざまな種類のウイスキーを飲み比べて、ぜひお気に入りの1本を見つけてみてください。