シングルモルトを代表する銘柄「グレンフィディック」。スコッチウイスキーの聖地と呼ばれるスコットランドのスペイサイドで生産され、創業から1世紀以上たった今でも、世界中のウイスキーファンを魅了し続けています。

そこで今回は、グレンフィディックの歴史や製法などを解説したうえで、人気のある6種類をピックアップ。スコッチウイスキーの奥深い世界を楽しみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

グレンフィディックとは?

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ゲール語で「鹿の谷」という意味のグレンフィディック。鹿のアイコンが目印の同銘柄は、爽やかな飲み口とリーズナブルな価格から、日本でも人気の高いシングルモルトウイスキーです。

「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」をブレンドさせた「ブレンデッドウイスキー」が主流だった1960年代に、世界に先駆けてシングルモルトとして発売したことでも有名。当時としては革新的な試みでしたが、軽やかな飲み口から多くの人々に受け入れられ、今ではシングルモルトの分野で世界トップクラスのシェアを誇っています。

グレンフィディックの歴史

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1887年、スコットランド北部に位置するスペイ川流域に、ウィリアム・グラント氏が自身の9人の子供たちとほぼ手造りでグレンフィディック蒸留所を造りあげました。

1920年代、禁酒法による取り締まりが厳しかった時代も、斬新なアイデアで生産量を増やし続けた同蒸留所。1950年代には蒸留器の修理を任せる銅器職人を常駐させたり、樽のメンテナンスを行うクーパレッジを配置したりと、ウイスキー造りに並々ならぬ情熱を注いできました。

1963年、他社に先駆けてグレンフィディックをシングルモルトとして発売し、その名を世界に知らしめるきっかけに。その後は順調に生産量を伸ばし、現在ではシングルモルトを代表するブランドに成長しました。創業から130年以上たった今でも、家族経営によって伝統的な製法と味が守られています。

グレンフィディックの製法

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グレンフィディックの製法は、厳選された大麦を粉砕したのち、敷地内にあるロビーデューの湧き水を使用して発酵、蒸留させる伝統的な手法です。蒸留からボトリングまでのすべての工程を徹底した管理の下で行っています。

同蒸留所の特徴は、製造過程ごとにプロフェッショナルな職人を常駐させていること。例えば、スチルマンと呼ばれる蒸留職人は、蒸留する際に重要な「ハイカットポイント」を手作業で定めており、変形しやすい銅製の蒸留器の管理は、銅器職人が常にメンテナンスを行っています。

また、品質管理の責任をもつマスターディスティラーが常駐して味の均一化を図っているのも大きな特徴。成熟期間中に生じてしまう味のばらつきを抑えるために原酒を混ぜ合わせ、モルトマスターが最終的な味わいを判断しています。

グレンフィディックの種類

グレンフィディック(GLENFIDDICH) 12年

アメリカンオーク樽とヨーロピアンシェリー樽で最低12年熟成させ、さらに後熟させたボトル。甘く、フルーティーな味わいで、洋梨やレモンを感じさせる爽やかな香りが特徴です。飲んだ後は、ほのかな甘みが残り、繊細で軽やかな味わいが口いっぱいに広がります。

同シリーズのなかでも、クセが少なく飲みやすいので、はじめてグレンフィディックを飲む方におすすめ。2014年には「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で金賞を獲得するなど、数々のアワードを受賞している実力派の1本です。

グレンフィディック(GLENFIDDICH) 15年 ソレラリザーブ

バーボン樽・ホワイトオーク新樽・シェリー樽の3種類の樽で熟成したウイスキーを、ソレラバットと呼ばれる大桶で約6ヶ月間後熟させたボトルです。

はちみつを感じさせる甘くフルーティーな香りと、滑らかでスパイシーな味わいが特徴。12年に比べるとコクがあり、円熟した味わいが感じられるので、より深みのあるリッチな味を楽しみたい方におすすめです。2015年に、スコッチウイスキーマスターズで金賞を獲得しています。

グレンフィディック(GLENFIDDICH) 18年 スモールバッチリザーブ

深く豊かな味わいが特徴のボトルです。アメリカンオーク樽、スパニッシュオロロソシェリー樽で最低18年以上熟成させた原酒をヴァッティングし、その後、スモールバッチと呼ばれる小さめの樽で最低3ヶ月以上後熟させています。

焼きりんごやシナモンを思わせる豊かな樽香を放ち、ドライフルーツのような味わいが魅力。あたたかみのある長い余韻も特徴なので、ゆっくりと時間をかけて飲みたいときにおすすめです。

グレンフィディック(GLENFIDDICH) 21年 グランレゼルヴァ

ヨーロピアンシェリー樽とアメリカンオーク樽で最低21年間以上熟成された原酒をヴァッティングし、その後4ヶ月間カリビアンラム樽にて後熟させたボトルです。

バニラやフローラルの香りに加えて、樽由来のエキゾチックなジンジャー、イチジクなどが感じられる複雑な味わいが特徴。飲んだ後は濃厚な熟成香が長く余韻に残ります。甘みやスパイシーさなど、飲むたびにさまざまな味わいが感じられるおすすめの1本です。

グレンフィディック(GLENFIDDICH) IPA エクスペリメント

同じスペイサイド地方にある、クラフトビールメーカー「スぺイサイドクラフトブリュワリー」とのコレボレーションボトル。原酒の熟成のために、インディアペールエール(IPA)を寝かせたビール樽を使うという、画期的な製法にチャレンジした銘柄です。

グレンフィディック本来の洋梨を感じさせるフルーティーな風味に、ペールエール由来のホップさや甘みが加わって、独特な味わいに仕上がっています。シングルモルト好きにはもちろん、ビールが好きな方にもおすすめです。

グレンフィディック(GLENFIDDICH) プロジェクトXX

世界的に有名な20名のモルトマスターが、熟成庫のなかから選りすぐりの原酒をヴァッティングさせて仕上げたボトル。高価で流通量も限られるため、プレゼントにもおすすめの1本です。

深くまろやかで、気品のある味わいが特徴。まろやかさと、スパイシーさが絶妙にブレンドされ、口のなかで次々と異なる味が楽しめます。贈り物として喜ばれるシングルモルトを探している方は、ぜひチェックしてみてください。

グレンフィディックのおすすめの飲み方

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シングルモルトのもつ本来の味をダイレクトに楽しみたい方は、ショットグラスに注いで「ストレート」で飲むのがおすすめ。テキーラのように一気に飲むのではなく、少しずつ口に含みながら複雑な味わいや香りを楽しみましょう。

お酒があまり強くない方や、ウイスキー初心者は、炭酸で割って飲む「ハイボール」がおすすめ。ソーダで割ることで香りが開き、芳醇な香りが楽しめるほか、ライトな味わいで飲みやすくなります。ハイボールにして飲む際は、最後にレモンかライムを数滴入れるとより美味しくなるので、トライしてみてください。