日常を切り取る、心あたたまる作風が魅力の作家「群ようこ」。忙しく日々を生きる現代人の心に染みる、ささやかな幸せを描いた作品を多く手掛けています。

そこで今回は、群ようこのおすすめ小説をご紹介。群ようこ作品の魅力や作風についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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何気ない日常を描く作品が多い「群ようこ」とは?

群ようこは1954年生まれ。東京都出身の小説家です。1977年に日本大学芸術学部を卒業したあと、本の雑誌社に入社します。社会人になってからエッセイを書き始め、1984年『午前零時の玄米パン』でデビュー。その後、作家として独立しました。

『無印良女』『鞄に本だけつめこんで』といったエッセイのほか、「パンとスープとネコ日和シリーズ」、『母のはなし』などの小説を多く刊行。何気ない日常になかで起こるささやかな事件、小さな幸せを大事にする心が丁寧な筆致が特徴です。

群ようこ作品の魅力

日常生活で残酷なことがたくさんあるぶん、小説のなかでは小さな日々の積み重ねを描くことを大事にしているという群ようこ。著作にも、そんな群ようこの“いちばん大切なものは、人のつながり”という信条が現れています。

映像化もされた『かもめ食堂』『パンとスープとねこ日和』や「れんげ荘シリーズ」は、人とのつながりの大切さが伝わる人気作。日々を丁寧にゆっくりと過ごしたい方や、優しい気持ちになりたい方におすすめです。

日々をユーモラスに綴るエッセイには、動物たちとのささやかな幸せを見出せるような作品が多数あります。ペットとしてではなく、ともに暮らす家族として動物たちに接する群ようこのエッセイはどれも繊細であたたかい印象。動物を飼っている方はもちろん、動物に癒されたいという方にもおすすめです。

群ようこのおすすめ小説

かもめ食堂

幻冬舎 著者:群ようこ

かもめ食堂

2006年に映画化もされた、群ようこの代表作。普通だけれど、少し変わった人々が紡ぎ出す、幸せな日常が詰まった長編小説です。

舞台はヘルシンキの街角にあるかもめ食堂。看板メニューは、店主のサチエが心を込めて握るおにぎりでした。しかし、お客としてやってくるのは日本オタクの青年・トンミだけ。そんなかもめ食堂に、ミドリとマサコという訳ありな日本人女性がやってきます。

丁寧に日々を過ごすことの大切さを思い出させてくれる小説。忙しい毎日を送る方、心癒やされたい方にもおすすめの群ようこ作品です。

姉の結婚

集英社 著者:群ようこ

姉の結婚

表題作ほか、きっちり明るく生きる女たちの物語を集めた短編小説集です。見栄に振り回される女たちの姿が描かれています。

『姉の結婚』では、普通と平凡が合体したような男と結婚した姉が破局。離婚をめぐる目ざましい姉の変貌ぶりを描いています。また、『家賃』では、給料手取り13万5千円のOLが家賃8万円のマンションに住むために、1円との闘いに明け暮れていました。

思わず笑ってしまうようなエピソードに、元気がもらえる1冊。サクッと読みたい方におすすめの群ようこ作品です。

パンとスープとネコ日和

角川春樹事務所 著者:群ようこ

パンとスープとネコ日和

母親がやっていた食堂を再オープンさせた女性の日々を描く、傑作長編小説。2013年にドラマ化もされた、群ようこの人気シリーズ第1巻です。

母親を突然亡くしたアキコは、勤めていた出版社を退職。母親の食堂を改装し、再オープンさせることにします。扱うメニューは、“サンドイッチとスープ、サラダ、フルーツ”だけというシンプルなお店です。ある日、アキコのもとに猫のたろがやってきて…。

アキコとその周りの人たちの、ゆったりと過ぎる日常を感じられる1冊。群ようこ作品を初めて読む方にもおすすめです。

れんげ荘

角川春樹事務所 著者:群ようこ

れんげ荘

ささやかな幸せを描いた群ようこの人気作品。人気の「れんげ荘シリーズ」の1作目にあたります。

45歳のキョウコは、愛想と夜更かしばかりの日々から解放されるために有名広告代理店を早期退職。都内の古い激安アパート・れんげ荘に引っ越します。貯金を切り崩す生活がスタートしたキョウコは、月10万円で小さく丁寧に日々を歩んでいきます。

心を込めて煎れたお茶のおいしさや自然の香りに気付かされるキョウコ。個性豊かな隣人たちにも心癒やされます。群ようこの世界観に触れてみたい方におすすめの作品です。

働かないの れんげ荘物語

角川春樹事務所 著者:群ようこ

働かないの れんげ荘物語

「れんげ荘シリーズ」の第2弾にあたる群ようこ作品。ささやかな日々のなかで巻き起こる小さな事件を軸に、丁寧にゆったり生きることの素晴らしさが描いている長編小説です。

有名広告代理店を早期退職したキョウコは、48歳を迎えました。相変わらずれんげ荘に住み、貯金生活者として暮らしています。散歩に刺繍、おしゃべりを楽しむキョウコ。そんなある日、れんげ荘にやってきたのはスタイル抜群の若い女性でした。

今の生活に自問自答しながらも、おだやかに流れる時間を大事に生きるキョウコ。穏やかな気持ちになれるおすすめの作品です。

財布のつぶやき

KADOKAWA 著者:群ようこ

財布のつぶやき

お金の問題がテーマのエッセイ集。“おひとりさまの老後”に不安を抱く筆者の姿が率直に描かれる群ようこ作品です。

住宅ローンに税金などお金の問題を抱える生活。50歳を過ぎてようやく考えるようになったのは、老後の経済についての問題でした。老後に必要なお金を計算しては愕然とし、家計簿をつけては挫折するリアルな姿もユーモラスに描かれています。

暮らしのヒントも満載なので、同じような悩みを抱える方にもおすすめ。どんぶり勘定から脱却して理想の生活を送りたいと奮闘する日々を綴る作品です。

トラちゃん

集英社 著者:群ようこ

トラちゃん

一緒に過ごした、感情豊かなペットたちとの珍事件を綴るエッセイ集です。表題作のほかに『金魚のよしこちゃんの話』『手のり文鳥のチビの話』など、さまざまな動物の物語を収録しています。

今まで生活を共にしてきた動物たちを“ペットなんていう生やさしいものではなくネコやネズミやインコの格好をした、人間であった”と綴る著者。家族の絆や愛を絡めて動物との物語を描いています。

家族として過ごした生きものたちの仕草や表情を捉えたユーモラスな1冊。動物が好きな方やペットを飼っている方にもおすすめの群ようこ作品です。

三人暮らし

KADOKAWA 著者:群ようこ

三人暮らし

『うちの大黒柱』『二人のムスメ』など、“十軒十色”の3人暮らしを描いた短編集。独立したての若い女の子、助け合って暮らす老女、帰る家のない娘の友達を受け容れた母親など、さまざまな物語が描かれています。

びっくりすることがたくさんある3人暮らし。それでも、買い物や家事、お金の管理や生活時間の約束など、少しの気遣いで日々はうまくいきます。1人はさみしい、2人は不安、でも3人ならちょうどよい、そんな心地よい日常を描いた作品です。

さまざまな事情を抱えた女たちが築く、3人の日常を綴っているのが魅力。誰かとの暮らしに憧れる方にもおすすめの心あたたまる小説です。

咳をしても一人と一匹

KADOKAWA 著者:群ようこ

咳をしても一人と一匹

飼い猫との日々を綴る、愛情あふれた日常エッセイ集。老猫・しいとの生活を辛辣かつユーモラスに描いた作品です。

子猫の頃からやんちゃで、先輩猫にパンチをお見舞いしてきたご近所最強の猫・しい。19年一緒に過ごしてきた飼い主のことも“僕”のように従わせてはばかりません。そんな女王様も、少しずつおばあちゃんになってきて…。

愛猫とのほほえましい生活の記録に心癒されます。猫が好きな方はもちろん、日常エッセイが好きな方にもおすすめの群ようこ作品です。

ぬるい生活

朝日新聞出版 著者:群ようこ

ぬるい生活

“頑張らなくてもいい”と思わせてくれる、ぬるくてゆるい生き方が綴られたエッセイ集。『すべて中高年仕様』『きまじめは辛そうだ』『体重測定ダイエット』を含めた、25編が収録されています。

いつまでも20代のものさしで生きていたら、歳を重ねてから大変。体調不良、精神の不調、若い頃とは異なる問題が出てきます。そんな自分をそのまま受け止めて、無理も我慢もしません。自分を甘やかしてかわいがる、ぬるい日常を描きました。

忙しい日々に疲れた心をほっと癒やす1冊。つい頑張りすぎてしまう方にもおすすめの群ようこ作品です。

かるい生活

朝日新聞出版 著者:群ようこ

かるい生活

『ゆるい生活』から3年。身の回りの無駄を削ぎ落して、心身共に軽くなる過程を描いたエッセイ集です。

長年の漢方生活のおかげで健康的になってきたものの、それでも、夏バテや靴擦れといった不調に悩まされていました。そこで漢方の先生からのアドバイスをもとに、快適な生活を目指すことになり…。

『体をかるく』ではとにかく体の不調の原因を取り除き、『物をかるく』では大型ごみから大量の本、洋服を処分。年齢を問わず、「かるい生活」について考えさせられる1冊。群ようこの小説のファンの方にもおすすめです。

スマホになじんでおりません

文藝春秋 著者:群ようこ

スマホになじんでおりません

絶対にスマホなんか持つものか、あんなものは一生いらないと思って生きてきた群ようこが、初めて手に入れたスマホと格闘する日々を綴るエッセイ集。

iPhone8を購入したのは、愛猫になにかあったときのため、パソコンに不具合が出たときの連絡用でした。しかし、いざ使おうとしてもパスワードを何度も求められ、文字入力に手間取り悪戦苦闘。便利よりも不便を感じる日々が始まりました。

切実ななかにもユーモアのある筆致に癒されます。同じようにスマホに慣れない方や、デジタル疲れしている方にもおすすめの群ようこ作品です。

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