独自の手法でクセのある作品を生み出す「摩耶雄嵩」。デビュー以来、本格ミステリーを探求し、とがった作品を発表し続けている作家です。短編集や長編、ドラマ化作品まで、多くの作品を発表しています。そのため、何から読めばよいのか、悩む方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、摩耶雄嵩のおすすめ小説をご紹介。デビュー作から受賞作品まで幅広くピックアップしているので、ぜひチェックしてみてください。

クセのあるミステリー作品で人気の作家「麻耶雄嵩」とは?

摩耶雄嵩は、1969年三重県生まれの小説家です。京都大学工学部を卒業。在学中は推理小説研究会に所属していました。1991年に島田荘司・綾辻行人・法月綸太郎の推薦を受けて、『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』で作家デビューを果たします。

2011年に『隻眼の少女』で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞。2015年には『さよなら神様』で本格ミステリ大賞を再受賞しました。主な著書には『螢』や『貴族探偵』など数々の人気作品があり、日本を代表するミステリー作家のひとりです。

麻耶雄嵩作品の魅力

摩耶雄嵩の作品は、解けそうで解けない謎解きが魅力。作中に残された謎に通じる伏線を発見し、さまざまな考察を楽しめます。

本格ミステリーを探求するために、とがった作品を多く発表しているのも特徴。独自の手法にこだわりを持ち、クセのある作風が持ち味の作品を書き続けています。

個性的なキャラクターや独特の世界観は、多くの読者を魅了。主なシリーズ作品には、デビュー以来30年に渡って書き続けている「メルカトル鮎シリーズ」や、ドラマ化もされた「貴族探偵シリーズ」などがあります。

麻耶雄嵩のおすすめ小説

幻冬舎 著者:摩耶雄嵩

摩耶雄嵩が放つミステリー作品です。オカルト探検サークルの6人が、いわくつきの山荘に肝試し合宿にやってくるところから物語は始まります。

肝試しの舞台は、10年前に作曲家・加賀螢司が演奏家6人を殺した場所であり、半年前には1人の女子メンバーがまだ逮捕されていない殺人鬼・ジョージに惨殺された場所です。4日間の合宿が始まってすぐに、嵐の山荘で殺人事件が起こります。

犯人は誰なのか、最後まで生き残ったのは誰なのか。予想を覆す巧妙なトリックがポイント。ホラー感覚のミステリー小説を読みたい方におすすめです。

夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版

講談社 著者:摩耶雄嵩

750ページを超える摩耶雄嵩の長編ミステリー小説です。20年前に死んだ美少女を懐かしむために、男女が孤島に集まるところから物語は始まります。

雪が降り積もった夏の朝、孤島「和音島」の断崖に建つテラスで首なし死体が発見されました。しかし、どこを探しても殺人者の足跡はありません。最後に現れるメルカトル鮎のひと言とは…。

発表当時から話題になった問題作でもある本作品。摩耶雄嵩ワールドあふれる作品を読みたい方におすすめです。

講談社 著者:摩耶雄嵩

摩耶雄嵩のミステリー小説です。『夏と冬の奏鳴曲』の続編にあたる作品。1997年の本格ミステリ作品第1位に選ばれています。

和音島で起きた殺人事件の後遺症により記憶喪失になった如月烏有。記憶を取り戻すために寺社に連続放火をした結果、焼死体が発見されます。その後、「今度はどこに火をつけるつもりかい?」と書かれた手紙が…。連続放火殺人犯は、本当に烏有なのでしょうか。

名探偵・メルカトル鮎が真相に迫る本作品。複雑なトリックや犯人探しの要素が少ないため、毛色の異なる摩耶雄嵩作品を読んでみたい方におすすめです。

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

講談社 著者:摩耶雄嵩

摩耶雄嵩のデビュー作。島田荘司・綾辻行人・法月綸太郎の3人が賛辞を贈った作品です。

京都にほど近い位置に建つヨーロッパ中世の古城のような館「蒼鴉城」を訪れた「私」。首なし死体、密室、よみがえる死者、惨劇はすでに始まっていました。2人の名探偵対決の行方、そして迎える壮絶なラストとは。

推理・トリック・予想だにしない結末など、ミステリー要素が詰まった本作品。摩耶雄嵩作品らしい、ひねりのきいたミステリー小説を読みたい方におすすめです。

メルカトル悪人狩り

講談社 著者:摩耶雄嵩

悪徳銘探偵・メルカトル鮎の短編集を楽しめる作品です。短編のため、テンポよく読み進められるのが特徴。自由奔放なメルカトル鮎により、予測できない展開を味わえます。

助手の作家・美袋三条との推理がさえわたる『メルカルト・ナイト』、ミステリアスな殺人事件を独自の論理で解決する『メルカトル式捜査法』などの8編を収録。驚きの結末を迎える短編作品を堪能できます。

メルカトル鮎が全編活躍する本作品。数ある摩耶雄嵩作品のなかでも、「メルカトルシリーズ」が好きな方におすすめの小説です。

メルカトルと美袋のための殺人

集英社 著者:摩耶雄嵩

摩耶雄嵩が描く人気シリーズのひとつ「メルカトル鮎シリーズ」の小説。「解決できない事件など存在しない」と言い放つ銘探偵・メルカトル鮎が、さまざまな謎に挑む作品です。

知り合いの別荘で出会った佑美子に恋をする推理作家・美袋三条。しかし、佑美子は出会ってまもなく死体で発見され、美袋は第一容疑者とされてしまいます…。

メルカトル鮎と美袋三条のコンビが活躍する7編を収録した短編集です。なかでも『遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる』は高い評価を集めている作品。摩耶雄嵩の作風の異なる短編が集まった作品を読んでみたい方におすすめです。

神様ゲーム

講談社 著者:摩耶雄嵩

子供が主人公のミステリー小説です。摩耶雄嵩が描く「神様シリーズ」の第1作品目。連続猫殺し事件を発端に物語は始まります。

主人公はどこにでもいる子供・芳雄。芳雄があこがれる同級生・ミチルの愛猫も殺されました。町中が騒然とするなか、自称「神様」と名乗る転校生・鈴木が犯人を言い当てます。鈴木の予言通りに発生する殺人事件。芳雄は転校生の鈴木を信じるべきか否か…。

神様の存在を信じるか信じないか、読者も考えさせられる本作品。摩耶雄嵩の世界観を堪能できる作品を読みたい方におすすめです。

さよなら神様

文藝春秋 著者:摩耶雄嵩

「神様シリーズ」の第2作目。『神様ゲーム』の続編です。自らを神様と名乗る少年の周りで起こる殺人事件を描いた短編集。第15回本格ミステリ大賞を受賞しています。

「犯人は〇〇だよ」という自称神様・鈴木のセリフから物語が始まるのが特徴です。『少年探偵団と神様』『アリバイくずし』『ダムからの遠い道』『バレンタイン昔語り』『比士との対決』『さよなら、神様』の6編を収録しています。

2014年の週刊文春ミステリーベスト10で第3位、2015年のこのミステリーがすごい!でも第2位を受賞している本作品。神様探偵が活躍する「神様シリーズ」が好きな方におすすめです。

隻眼の少女

文藝春秋 著者:摩耶雄嵩

摩耶雄嵩の人気ミステリー小説です。第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞しています。

自殺する場所を求め、温泉宿を訪れた大学生・種田静馬は、少女の首切り事件に遭遇。犯人の策略によって殺人犯にされそうな静馬を、見事な推理で18歳の隻眼の少女・御陵みかげが救います。静馬はみかげの助手見習いとして、ともに琴折屋敷へ向かいますが…。

2部構成で、予測できない展開を楽しめる本作品。摩耶雄嵩の本格ミステリー小説を読みたい方におすすめです。

貴族探偵

集英社 著者:摩耶雄嵩

摩耶雄嵩が描く「貴族探偵シリーズ」の第1作目です。自称貴族で趣味は探偵という男が、コネと召使いを使って事件を解決する作品。2017年にはテレビドラマ化もされています。

信州にある山荘の鍵がかかった部屋から会社社長の遺体が発見されました。自殺か他殺か、捜査を始めた警察の前に突如現れる謎の男・貴族探偵。警察上層部へのコネと執事たちを駆使して、数々の難事件を解決に導きます。

全5編を収録。巧妙なトリックと個性的なキャラクターが魅力の「貴族探偵シリーズ」を読みたい方におすすめです。

貴族探偵対女探偵

集英社 著者:摩耶雄嵩

「貴族探偵シリーズ」第2作目の小説。コネ・執事・メイドを使い、事件を解決していく型破りな貴族探偵を主人公にした作品です。

殺人事件が起きた親友の別荘で、貴族探偵と遭遇する新米探偵・愛香。地道に捜査を行う愛香とは異なり、貴族探偵は自身の使用人たちに推理を披露させます。貴族探偵に果敢に挑戦する愛香。先に事件を解決できるのはどちらなのでしょうか。

巧妙なトリックを楽しめる5編を収録しています。摩耶雄嵩らしいどんでん返しのある結末も見どころ。「貴族探偵シリーズ」が好きな方におすすめです。

友達以上探偵未満

KADOKAWA 著者:摩耶雄嵩

女子高生探偵の2人組が殺人事件の謎に挑む作品です。謎解きミステリーを堪能できる『伊賀の里殺人事件』『夢うつつ殺人事件』『夏の合宿殺人事件』の3編を収録しています。

三重県立伊賀野高校の放送部に所属する伊賀ももと上野あお。2人は部活動の取材のために訪れたホテル主催のミステリーツアーで、殺人事件に遭遇します。ももの直感力とあおの推理力を発揮して事件を解決しようとしますが…。

ポップな表紙とコミカルなセリフから軽い雰囲気がある反面、本格ミステリーを楽しめる本作品。推理小説が好きな方におすすめです。