北欧の国、スウェーデンで誕生したプリムスのバーナーは、人類の数々の冒険の歴史を支えてきました。人類で初めて南極点に到着したアムンゼンや、おなじく人類初のエベレスト登頂を果たしたヒラリーとテンジンもプリムスのバーナーのユーザーでした。
プロから支持されていると言っても操作が難しいわけではなく、むしろシンプルな操作なのでどんな過酷な状況でも安定して使用が可能です。初心者でもはじめから良い物をということで、おすすめのプリムスバーナーを紹介します。
プリムスのバーナーの特徴
その特徴は高い燃焼効率を示す青い炎で、限りなく極限に近い状態でもシンプルな操作で安定した燃焼が可能です。強い火力だけでなく、風により火が消えにくいことも特徴。X字のゴトクによって炎が4つに区切られているので、ひとつの区画が風で消えてしまっても他の区画は炎が保たれるように設計されています。
燃料はガスカートリッジを用いるものが一般的です。その特徴的な黄色い缶には、温暖な時期や低地での使用に適した一般用ガスであるノーマルガスと、冬や高地でも使えるハイパワーガスの2種類があります。ただしガスカートリッジは飛行機の機内に持ち込むことができないので、国内でも北海道や沖縄などで使用したい場合は、現地で調達する必要がある点に注意が必要です。
プリムスのおすすめバーナー
プリムス(PRIMUS) ウルトラバーナー P153
本体重量は116gと軽量ながら出力は3,600kcal/h。携帯性が高く、なおかつハイパワーなバランスのよいバーナーです。火力が強ければ、それだけ短時間でお湯が沸かせるということなので、燃料のロスも少ない上に休憩時間を有効に使えます。
前述のとおり、風から炎を守るため、ゴトクはX型になっています。折りたたみ可能なので、しまう時はコンパクトに。鍋を置くときには大きく広げて、安定して鍋を置くことができます。
プリムス(PRIMUS) フォールディングハイパワーバーナー P173
本体重量は173gと先に紹介したP153と比較して若干重いですが、その分出力は3,800kcal/hとよりハイパワーなバーナーです。収納時はバーナーヘッドを折りたたむことができるので、ハイパワーな割にはコンパクトにしまうことが可能。着火装置が本体に内蔵されているので、火を点けるためにわざわざマッチやライターを携行する必要がないのが便利です。
プリムス(PRIMUS) バーナー IP2243PA
登場から25年以上も経つ信頼性の高いプリムスのバーナーです。長い歴史の中で改良されているので安定性や使いやすさは折り紙つきです。実際に多くのユーザーが20年以上使っていても、いまだに壊れていないというレビューが多数見受けられます。炎は本体に開けられた288個の穴から出て、鍋の底にまんべんなくあたります。おかげで鍋が焦げ付きにくいという特徴があります。
プリムス(PRIMUS) フェムストーブ P115
本体重量56gと超軽量で、なおかつ手のひらに収まるほどの超小型のバーナーです。それでいて、押し込むだけで点火が可能な新型装置と火力調整機能を備えています。おかげで全開からとろ火まで細かな火力調節が可能というすぐれもの。お湯を沸かすだけではなく、簡単な調理まで可能です。シェラカップに入れた水を3分弱で沸騰させる能力はソロでの登山でも大活躍です。
プリムス(PRIMUS) フェムストーブ P115 スエーデンカラーバージョン
バーナーの性能は先に紹介した通常のP115と同じものですが、スウェーデンをイメージしたカラーを施したモデル。スウェーデンはプリムス発祥の地なので、火力調整つまみがスウェーデン国旗をイメージした青色になっています。その他にも、ガスカートリッジホルダーとポーチが付属していて、そのどちらもスウェーデン仕様のデザインです。ポーチのファスナーはデイジーがあしらわれた可愛らしいデザインなので山ガールにおすすめです。
プリムス(PRIMUS) シングルバーナー エクスプレス・スパイダーストーブⅡ P-136S
いままで紹介したバーナーとはタイプが異なり、ガスカートリッジと本体が分離したタイプのバーナーです。一体型と比べるとコンパクト性は劣りますが、全体的に重心も低くなるため、本体の上に安定して鍋を置くことができます。ガスが気化しにくい低温時でも、安定して燃焼できるよう火点の下にガスが通る管を通し、気化しやすくする工夫が施されています。気温の低い時期や、高所で使いたいバーナーです。
プリムス(PRIMUS) イータスパイダー P-ETA-ESP
軽量なバーナーと専用ポット、さらに風防を組み合わせたセットです。悪条件でも効率よく熱を利用するための風防。おかげでガスの使用を最低限に抑えながらも、すばやくお湯を沸かすことが出来るすぐれものです。その分道具全体の重量が増えてしまいますが、セット内のすべてのツールを付属のポットに収めることが可能なのでかさ張りません。
プリムス(PRIMUS) イータパワー EF P-ETA-EF
先に紹介したイータスパイダーよりもひと回り大きく、2~4人のグループでの使用を想定したセットです。雪を溶かして水を作ったり、グループの人数分の食事をまとめて作ったりする時に、この大きさが力を発揮します。もちろん効率的である点はイータスパイダーと同様です。単純にお湯が早く沸騰するという点以外にも、燃料の消費量を抑えられるという点は、長期に渡る縦走登山などで大変メリットになります。
プロが使っているということは、性能が信頼できるということです。自分にはそこまでのものは必要がないと考えている人がいるかもしれません。しかし、信頼性の高い道具は、操作性も優れていて、また耐久性も高いものです。
途中でより高みを目指そうと気が変わった時も、そのままの道具が使えます。結果として安上がりな買い物になるのです。あこがれに素直に従い、思い切って、歴史的な冒険家と同じ道具を使い、冒険への扉をたたきましょう。