古文や漢文の意味を調べるのに欠かせない「古語辞典」。日本の文学作品への理解を深めるために重要なツールです。しかし、出版社によって、用例数や解説の詳しさ、語釈の分かりやすさなど特色が異なり、どれを選ぶべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、古語辞典のおすすめをご紹介します。選び方のポイントもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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古語辞典とは?

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古語辞典は国語辞典の一種で、奈良時代以前から江戸時代末期までに使用された言葉を集めて、意味や用法を解説した辞書。古典作品の読解や理解を深めるために、重要な役割を果たしています。
語の意味や用法だけでなく、語源・品詞・活用形なども詳しく解説されており、助詞・助動詞の説明も充実。図解やイラストを用いて分かりやすくしたモノもあり、初心者でも理解しやすいのが特徴です。
古語辞典の選び方
レベルに合わせたモノを選ぶ
中学・高校生には「全訳古語辞典」

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全訳古語辞典は、すべての古語の用例全文に現代語訳がついているのが特徴。辞書を引いて古語の意味を調べるとき、用例の内容まで理解しやすくなるため、古文の学習がスムーズに進みます。
古文の文法解説も充実しており、助詞や助動詞の説明、品詞分解など、基礎的な知識を身につけられるのが魅力。また、重要語が強調表示されていることが多く、古典の学習において効率よく学べる点もメリットです。
実際の教科書や入試問題をもとに編集されているため、古典の授業や受験勉強に役立ちます。さらに、古典常識や文学史といった付録も収録されている全訳古語辞典なら、古典学習に必要な知識をまとめて得られて便利です。
大学生・大学受験には「非全訳」

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非全訳古語辞典は古語の意味と用例を収録していますが、用例は現代語訳されておらず、高度な用例や文法が収録されているのが特徴。文学部の大学生や難関大学の受験生など、古文理解を深めたい方に向いています。
全訳古語辞典と比べると収録語数も豊富で、古典文学作品から漢文まで幅広い用例を掲載。語義の使い分けや語源の解説など、専門的な知識も得られます。
また、古語を現代にまで引き継がれた意味の変遷とともに解説しているため、日本語への理解もより深められる点が魅力です。
さらに、古語の品詞や活用の種類といった文法的な情報も詳しく記載。上級者向けの付録も充実しており、古典文法や古典文学史の体系的な学習にも役立ちます。
古典が趣味の大人には「逐語訳」

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逐語訳つき古語辞典は、一語一語文法に忠実な現代語訳がついているのが特徴です。古文を読むとき、細かいニュアンスや文脈に沿った意味の理解がしやすく、古典作品をより深く味わえます。
品詞の変化や用法による意味の違いも詳しく解説されているので、古語の使い方を正確に把握することが可能。自分で古文を訳したい方や研究者にもおすすめです。
収録語数をチェック

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古語辞典を選ぶ際は、用途によって収録語数を確認して選びましょう。一般的な古語辞典には、15000~55000語程度の語彙が収録。なかには100000語を超える語彙が収録されているモノも存在します。
収録語数は学習段階によって目安があり、中学生など初学者向けは20000語以下、高校生向けは20000~35000語程度、大学受験向けは40000語以上です。
ただし、収録語数が多ければ多いほどよいわけではありません。学習用途や自分の理解度に合わせて、収録語数の多い古語辞典に移行していくのがおすすめです。
たとえば、大学受験を目指す方は、収録語数が少なめでも、受験で頻出する用例や語釈など解説の充実したモノを選ぶのがおすすめ。一方、本格的な古典学習をしたい場合は、収録語数が多く、重要語の解説や用例がしっかりとされているモノを選ぶのがおすすめです。
逆引きができるかチェック

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古語辞典では、現代語から古語を調べられる「逆引き」に対応しているかどうかを確認しましょう。専用の逆引き索引を設けている辞典もあり、初心者でも手軽に調べられます。
知りたい言葉の古語表現が分からないときでも調べることが可能。古文に慣れていない方でも、探したい単語をスムーズに検索できるのがメリットです。
逆引きは、和歌や俳句の創作活動でも活用できる点も便利。古語を使って表現したいとき、現代語から古語への変換がスムーズにできます。
古語辞典のおすすめ|中学・高校生向け
三省堂 全訳読解古語辞典 第五版
全国の高等学校からも推薦されている、人気の学習用古語辞典。21000の厳選された重要項目を収録し、初学者用に「逆引き活用形索引」も付属しています。
文章の意味を正確に理解できるよう、最重要語には語の根幹の意味から丁寧に解説。古典学習をしっかりとサポートします。
文法の理解をスムーズにする機能も充実しているのがポイント。助詞・助動詞の重要語に詳しい文法解説を設けているほか、入試に役立つ情報を図解で示した「チャート」も収録。さらに、古語の歴史的背景を解説したコラムも約580項目掲載されています。
古典をより身近に感じられる工夫が施されているのも魅力。平安時代の生活や事物を、絵巻図版と絵解きで学べます。また、現代社会と古典のつながりを学べるコラムも追加されており、中学生や高校生におすすめの1冊です。
旺文社 図解全訳古語辞典
オールカラーで分かりやすい、初学者向けの全訳古語辞典です。収録されているのは、教科書や入試問題を徹底的に分析、精選された15000語。350点以上のカラー図版により、古文常識を視覚的に理解できるのが特徴です。
主要20作品の内容を図解した口絵も掲載され、作品の全体像を把握できます。入試で頻出の文法事項や和歌・俳句の修辞も、図表を使って分かりやすく解説されているのも魅力です。
330の重要語や、主要な助詞・助動詞に関しては大項目で掲載。受験に必要な語句の意味や用法が、整理しやすくなるのがメリットです。
ほかにも、購入者特典としてPC・スマホ・タブレットで学習できる紙面PDFも利用可能。中高生の日常学習から大学受験まで幅広く活用できる、おすすめの1冊です。
ベネッセコーポレーション ベネッセ 全訳古語辞典 改訂版
学びやすさを追求した実践的な古語辞典の決定版。23000語を収録し、入試でも出てくる364語の最重要語や508語の重要語をインプットしやすいよう、紙面に工夫を凝らしているのが特徴です。
たとえば、最重要語と重要語の全活用語に、活用表がついているのがポイント。ワイドで見やすく活用形を特定しやすいだけでなく、活用語尾はもちろん、語幹もすべて記されています。
また、単語の後に、その語が使われた時代の用法の特徴を示しているほか、識別は表形式で、ポイントを抑えやすいのが魅力。語の発展学習ポイントもあり、タイトルつきで情報を拾いやすい仕様です。
ほかにも、古文学習で山場ともいわれる「敬語の仕組み」は、項目の末尾で取り上げられています。高校生から受験生まで幅広く活用できる、おすすめの1冊です。
小学館 全文全訳古語辞典
古典学習の効果を高める工夫が凝らされた古語辞典です。高校生の学習に必要な約25000語を収録。重要度を重要度に分けて3段階で分類し、表示することで、効率的な学習をサポートしています。
古典作品の主要場面の全文を用例として掲載し、品詞分解と現代語訳を丁寧に解説している点が魅力。名歌や名句の鑑賞にも、品詞分解と現代語訳をつけているため、理解を深めやすくなります。
また、「助動詞ワンポイント講座」では助動詞の基本を、表によって分かりやすく学ぶことが可能。さらに、「朗読で味わう日本の古典」という付録も収録され、音読を通じて楽しく学べます。古典学習に取り組む学生はもちろん、作品を鑑賞する方にもおすすめです。
学研教育出版 学研全訳古語辞典 改訂第二版小型版
B6版とコンパクトなサイズで持ち運びやすい全訳古語辞典です。26000語と豊富な収録語数が特徴。高校の教科書や大学入試問題から用例を大幅に加えているうえ、用例の出典には時代とジャンルを表示。言葉の背景まで理解できます。
長い句や連語、決まった言い回しも見出し語として収録。さらに、色文字やゴシック体を効果的に使用した読みやすい紙面設計で、メリハリがあり、辞書を引きやすいのも魅力です。
「語義の扉」を新設し、言葉の意味や派生の流れや、複数の語義がある理由を分かりやすく解説しています。40ページにも及ぶカラー口絵も魅力。自学自習の助けとなる、高校生におすすめの古語辞典です。
古語辞典のおすすめ|大学生・受験向け
旺文社 全訳古語辞典 第五版
高校生から一般を対象とした、人気の古語辞典。教科書や5年分の入試問題を徹底分析し、厳選された22500語を収録しています。
用例に逐語訳方式を採用し、訳が正確。古語と現代語の対応関係を理解しやすく工夫されているのが魅力です。
重要語には「語義パネル」が設けられ、意味の整理がしやすい構成。また、「重点義」で、語の中核となる意味を示しています。古典の入門から受験対策まで幅広く活用できる、おすすめの1冊です。
ほかにも、古典の世界をより身近に感じられる工夫が満載。「平安時代の天皇・貴族・女房の一日」や「古典文学の展開」など、色・服装・武具など豊富に記され、古典文学への興味が広がります。
三省堂 現代語から古語を引く辞典
学習はもちろん、短歌や俳句を作る方におすすめの逆引き古語辞典です。現代語から古語を探せる、古語辞典としては珍しい構成。高校生用の古語辞典を基礎としながら、歳時記や短歌用語辞典などから補い編集されているので、類語辞典としても楽しめます。
約10000の現代語見出しから51100以上の古語を引くことが可能。品詞や使用場面に応じた使い分けまで分かりやすく解説されているのが魅力です。
特に、類義語や同義語、関連語を多数収録。関連語の多い言葉は「基本語の周辺」として解説されているほか、動植物の異名も数多く収録されているので、周辺理解も深められるのが魅力です。
ほかにも、古語からでも類語・関連語を引ける「古語総索引」や「古典のしおり」も巻末に掲載しています。
角川書店 角川全訳古語辞典
入試に頻出する主要古典の名場面から、思い切った文量の例文を「特講用例」として採用した全訳古語辞典。参考書としても使えます。全訳版としては最大級の約31000語が収録されており、収録語数を重視して選びたい方におすすめです。
古語の意味や用法を現代語で詳しく解説し、さまざまな場面での使われ方を豊富な用例とともに紹介しています。
また、主要古典の登場人物や、和歌・俳句なども豊富に収録し、作品理解を深められるのが魅力。ほかにも、古典の理解を助けるためのコラムも充実しています。
古語辞典のおすすめ|大人向け
旺文社 古語辞典 第十版
収録語数は約43500語と類書中最多クラスで、用例も豊富に収録されているベストセラーの古語辞典。見出し語を重要度に応じて3段階で色分け表示しているのが特徴です。難解な用例に対しては現代語訳や注釈が施されています。
多義語の語彙・語幹・基本義のほかにも、文法上の注意事項や解釈上の注意点までしっかりと解説。まぎらわしい語に対しては、識別の方法を考え方の方法から解説しており、より古文への学習理解を深められます。
また、高校生の苦手分野を意識した付録が充実。「敬語解説」や「活用形の用法一覧」が便利なほか、和歌の表現と解釈、俳諧文学の流れ、旧暦の仕組みなどが詳しく解説されています。
さらに、別冊付録「助動詞・助詞の早わかり表と百人一首の手引き」や、巻末には古典の世界に親しめるカラー参考図も収録され、古文を楽しく学べる工夫が満載。受験生から古典愛好者まで、幅広い層におすすめの1冊です。
岩波書店 岩波古語辞典 補訂版
約43500語を収録し、5000種以上もの文献資料から得た用例に基づく的確な語釈が特徴の、本格的な古語辞典。大野晋・佐竹昭広・前田金五郎という日本語研究の第一人者たちが編纂に携わり、学術的な信頼性も高い1冊です。
語の根源にまでさかのぼり、その成り立ちと意味の変遷を詳しく記述しているため、古語の本質的な理解につながります。初版から15年後の補訂版では、解説がさらに充実し、用例も大幅に刷新されているのがポイントです。
基礎的な語については詳細に解説。さらに、助動詞・助詞は一括し、総合的に説明されているので、古典の文法理解も深まります。
付録として「官職制度の概観」なども収録されており、古典文学の背景にある歴史的な知識も得られるのが魅力。古典学習者はもちろん、日本文化に関心を持つ上級者におすすめです。
三省堂 詳説古語辞典
古典学習の可能性を広げる、上級者向けの古語辞典。収録語数は41000語で、上代から近世まで幅広い時代の語彙を網羅しているのが特徴です。
最重要語の用例は重点的に詳しく解説。また、上級者向けとしては珍しく、用例に現代語訳がついています。
ほかにも、視覚的な学習ができるのもポイント。助詞・助動詞の重要語が表形式でまとめられており、文法理解の手助けとなります。加えて、複合語や連語に関しては、語構成を図解。さらに、平安特有の古典常識には大型図版も多数掲載されています。
160ページ以上の付録があるのも魅力。国語・国文法用語事典、主要文法事項表覧、重要系図、全訳和歌・歌謡・俳句索引などが収録され、幅広い知識を得られます。大学受験生から古典が好きな一般の方まで、おすすめの1冊です。
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古語辞典は単なる単語の意味を調べるだけでなく、用例や解説を通じて、古文の世界への理解を深める役割も担っています。学習段階や目的に応じて、見やすさや携帯性、収録語数などを考慮しながら選ぶのがおすすめです。辞書は長く使用するモノなので、本記事を参考に、自分にぴったりの1冊を選んでみてください。