スポーツ漫画には、さまざまな競技の魅力を知れたり、ひとつのことに向き合う大切さも学べたりと魅力が詰まっています。しかし、競技の種類や物語の雰囲気など、多様な作品があり、何を読もうか悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、スポーツ漫画のおすすめを野球・サッカー・バスケ・バレー・テニスなど人気の競技別にご紹介。歴代の名作から最近の話題作までもピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてください。
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- 目次
- スポーツ漫画のおすすめ|野球
- スポーツ漫画のおすすめ|サッカー
- スポーツ漫画のおすすめ|バスケ
- スポーツ漫画のおすすめ|バレー
- スポーツ漫画のおすすめ|テニス・卓球・バドミントン
- スポーツ漫画のおすすめ|武道・格闘技
- スポーツ漫画のおすすめ|ダンス
- スポーツ漫画のおすすめ|その他マイナースポーツ
スポーツ漫画のおすすめ|野球
忘却バッテリー
集英社 著者:みかわ絵子 既刊19巻
記憶を失ったキャッチャーをはじめとして、中学の球界で名を馳せた天才たちが、野球の無名高校に集結するところから始まるスポーツ漫画。2018年から「少年ジャンプ+」で連載されており、累計PVは3億を超えています。2024年にはアニメ化もされている人気作品です。
完全無欠といわれた、剛腕投手の清峰葉流火と、彼とバッテリーを組んだ切れ者捕手の”智将”要圭。全国の強豪校からスカウトが来ていた2人が進学したのは、なぜか無名の東京都立小手指高校でした。
実は、圭は記憶喪失で野球に関する知識も失っているのです。そして、かつて葉流火と圭に敗れ散り、野球の道を諦めた者たちも、偶然同じ高校に入学しており……。
クセの強いキャラクターによる掛け合いやギャグシーンが面白い作品。シリアスなシーンとのバランスもよい点や、高校野球のリアルを垣間見られる点も、多くの読者の心を掴んでいます。野球を知らない方にもおすすめです。
ダイヤモンドの功罪
集英社 著者:平井大橋 既刊7巻
このマンガがすごい!2024のオトコ編で1位を獲得し、最近注目を浴びているスポーツ漫画です。2023年から「週刊ヤングジャンプ」で連載中。野球漫画に新風を吹かせたといわれており、圧倒的な運動の才能を持った少年の天才がゆえの苦悩を描いた作品です。
運動の才に恵まれているがゆえに、何をしても孤高の存在となってしまう少年・綾瀬川次郎。心優しい彼は、自分のせいで負ける人がいる、自分のせいで夢を諦める人がいると苦悩していました。
そんななか、”楽しい”をモットーにしている少年野球チーム「足立バンビーズ」のチラシを目にします。興味を持った次郎はチームに入り、ピッチャーとして仲間と一緒に楽しく野球をしていましたが……。
特に、ヒューマンドラマに重きを置かれているのが特徴。少年野球のリアルな環境や、主人公をはじめとして周囲の球児から大人まで、登場人物の心の機微が丁寧に描かれています。野球に詳しくない方でも楽しめる、おすすめの話題作です。
タッチ
小学館 原作:あだち充 全26巻完結
“スポーツ漫画史に残る不動の名作”と謳われる、王道の野球漫画です。1981~1986年まで「週刊少年サンデー」にて連載され、1982年には第28回小学館漫画賞を受賞。テレビアニメ化もされ、全14巻と比較的短めながら、発行部数は1億部を突破しています。
双子の兄弟・達也と和也、隣の喫茶店「南風」の一人娘・南は幼なじみ。努力家で何でもできる弟の和也に対し、達也は「努力」という言葉に縁がないダラダラとした日々を過ごしています。
明青学園中等部で野球部エースとして活躍していた和也。”甲子園に連れて行って”という南との約束を叶えるため、彼は高等部でも頭角を現していき、甲子園出場まであと1勝まで迫ります。しかし、試合へ向かう途中、和也は交通事故で亡くなってしまい……。
達也は和也の代わりに、南を甲子園へ連れていくべく奮起していく物語。ラブコメとしても有名で、スポーツ漫画に興味を持ったら読んでおきたい、おすすめの作品です。
・小学館文庫版 全14巻完結
H2
小学館 著者:あだち充 全20巻完結
青春の要素を詰め込んだ、学園が舞台のスポーツ漫画です。あだち充が名作『タッチ』の次に描いた野球漫画で、『タッチ』よりも、野球の描写を詳細に描いているのが特徴。1992~1999年まで「週刊少年サンデー」にて連載されていました。1995年にはアニメ化もされています。
野球におけるライバルであり、強い絆で結ばれた親友同士の国見比呂と橘英雄。中学野球では地区大会二連覇を果たした2人ですが、比呂は右ひじを負傷してしまい、野球部のない千川高校に入学します。
彼はサッカー部を選び、野球とは無縁の生活を送るはずでしたが、中学時代にバッテリーを組んでいた野田敦とともに、つい勢いで野球同好会に入会して……。
甲子園を目指す2人のヒーローの青春に、2人のヒロイン・雨宮ひかりと古賀春華の想いが重なります。野球漫画としても、甘酸っぱい恋愛漫画としても楽しめる、おすすめのスポーツ漫画です。
キャプテン
集英社 著者:ちばあきお 全15巻完結
等身大の野球部を描き、”学園野球漫画の金字塔”といわれるスポーツ漫画です。1972〜1979年に「月刊少年ジャンプ」で連載され、1977年には小学館漫画賞を受賞。アニメ化や実写映画化などメディアミックスも盛んに行われた人気作で、「グランドジャンプ」にて続編が連載中です。
野球の名門校である青葉学院から、墨谷二中に転校してきた中学2年生の谷口タカオ。無名の墨谷二中野球部のメンバーは、谷口の転入を喜びます。しかし、谷口はレギュラーではなく、元青葉学院2軍の補欠でした。谷口は、大きすぎる期待に悩みながらも努力を続け……。
必殺技が派手な熱血作品が多い昭和の野球漫画のなかで、欠点を抱えながらも努力する、リアルな部活を描いたスポーツ漫画です。
期待に応えるため本当に努力をするタカオの頑張りは必見で、キャプテンが変わるごとに主人公が変わっていくのも特徴。リアルな野球部を描いた名作に興味がある方におすすめです。
・完全復刻版 全26巻完結
MAJOR
小学館 著者:満田拓也 全78巻完結
「週刊少年サンデー」にて、1994~2010年まで長期にわたり連載されたスポーツ漫画です。野球少年・吾郎が、野球を通じて成長していく姿を描いています。アニメも長期放送され、人気を博しました。
2015年からは続編で吾郎の息子・大吾の活躍を描く『MAJOR 2nd』が連載中で、累計発行部数は5500万部を突破しています。
プロ野球選手の父親を持つ吾郎は、1年前に母を亡くし、父と二人で暮らす5歳の少年。自らも父のようなプロ野球選手になるため、日夜練習に励んでいました。やがて、友人の佐藤寿也とリトルリーグに挑戦することになり……。
物語は五郎が大人になり、世界を舞台に戦うまで続いていくのがポイントです。困難を乗り越えながら、チームメイトを情熱で動かす「努力」「友情」「成長」など、少年漫画の面白味が詰まっています。1人の野球人生をたどる、壮大なストーリーを楽しめる作品を読みたい方におすすめです。
ダイヤのA
講談社 著者:寺嶋裕二 全47巻完結
“王道で斬新”と謳われるスポーツ漫画です。2006~2015年まで「週刊少年マガジン」にて連載、同年から2022年までは第2部の『ダイヤのA actII』が連載され完結。累計発行部数は4000万部を超える人気作品で、アニメも同様に人気を集めました。
田舎の弱小校野球部で、中学全国大会を目指していた沢村栄純は、最後の大会で自分の暴投によって敗退してしまいます。仲間たちと高校野球でのリベンジを決意するなか、名門・青道高校野球部からスカウトがきました。
エリート校の練習を見学しに来た沢村は、洗礼を受けることになります。キャッチャー・御幸一也との出会いもあり、栄純の高校野球への情熱が高まっていき……。
プロ野球選手にもファンが多い作品。常に野球に焦点を当てており、細かい部分まで描写されているので、初心者から経験者まで楽しめます。チームのエースを目指し、ひたむきに練習を積み重ねる栄純の姿が印象に残ります。リアリティーがあり、感動と興奮を体験できるスポーツ漫画を読みたい方におすすめです。
ROOKIES 集英社文庫 コミック版
集英社 著者:森田まさのり 全14巻完結
野球を通じて、高校の問題児たちを更生させる教師の活躍や、問題児たちが這い上がっていく姿を描いたスポーツ漫画です。『ろくでなしBLUES』などが有名な森田まさのりが著者で、「週刊少年ジャンプ」にて1998~2003年まで連載され完結。テレビドラマや実写映画も人気を博し、2021年には舞台化もされています。
川藤幸一は二子玉川学園高校の新任教師。熱血漢で、担任となったクラスでも生徒から受け入れられていきました。そんななか、不良のたまり場と化していた野球部の再建に着手します。
しかし、部員から猛反発され、川藤が前の学校で「暴力教師」として学校を辞めた過去が暴露。果たして、川藤は無事に不良たちを更生させられるのでしょうか。
教師の立場から高校球児たちにどう接するのかを、真っ直ぐに描いているのが特徴。夢を持ち、夢に向かって努力することの大切さを教えてくれる、おすすめの作品です。
おおきく振りかぶって
講談社 著者:ひぐちアサ 既刊36巻
2003年から「月刊アフタヌーン」にて、長きにわたって連載中のスポーツ漫画。全員1年生の新設硬式野球部が甲子園を目指すストーリーです。2006年には第10回手塚治虫文化賞・新生賞、2007年には第31回講談社漫画賞の一般部門を受賞。アニメ・ゲーム・舞台などメディアミックス作品も多数制作されています。
中学時代、経営者の孫だったことから「ひいき」でエースになっていた、卑屈で弱気なピッチャー・三橋廉。3年間マウンドを譲らず、チームメイトにも嫌われていました。結果野球部は負け続け、自分のせいでみんなが野球を楽しめなかったという罪悪感から、自信を失っています。
そこで中学卒業後、廉はピッチャーをやれないなら野球をやめるという覚悟で、県外の西浦高校に進学。しかし、見学だけと野球部に訪れたところ、強引に入部させられたのは、曲者ぞろいの全員1年生に、怖い女監督という、創設間もない部だったのです……。
“野球漫画に新風を吹き込んだ”と高評価を受けた傑作。繊細な心理描写や選手の日常など細かい部分にもフォーカスを当てており、野球漫画としては新鮮なおすすめの作品です。
野球漫画をもっと読みたい方はこちら。
スポーツ漫画のおすすめ|サッカー
ブルーロック
講談社 原作:金城宗幸 漫画:ノ村優介 既刊31巻
“史上最もイカれたエゴイストFWサッカー漫画”と謳われている、最近話題のスポーツ漫画。2018年から「週刊少年マガジン」にて連載中で、2021年には第45回講談社漫画賞の少年部門を受賞しました。TVアニメや劇場アニメなどメディアミックス作品も人気を博し、累計4000万部を突破しています。
2018年のW杯ではベスト16で敗退してしまった日本代表。組織力ばかりに頼り、圧倒的な個の力がないために、エースストライカーが不在という日本の弱点を克服すべく、日本フットボール連合は高校生の選手を300人招集します。
コーチを任された絵心甚八は、エゴイズムにあふれるストライカーを養成することを決意。無名のFW・潔世一たちは己をエゴイストに変えるため、育成寮「ブルーロック」で蹴落とし合いの選別に挑戦します。
一般的にスポーツ漫画が「チームワーク」を是として描いてきたのに対し、本作品は圧倒的な1人の選手や「エゴ」を重要視しているのが特徴。緻密かつ迫力ある試合シーンやキャラクターの豊かな表情など、画力の高さにも定評があります。新しい雰囲気のサッカー漫画を読みたい方におすすめです。
アオアシ
小学館 著者:小林有吾 既刊37巻
Jユースの世界を描いた”いまもっともアツいサッカー漫画”と謳われるスポーツ漫画です。第65回小学館漫画賞の一般向け部門で受賞し、アニメ化もされ、累計2000万部を突破しています。
愛媛に暮らす中学3年生・青井葦人は、嘘をつけない真っ直ぐな性格の持ち主。中学最後の試合に負け、悔しさをぶつけるように海辺で走り込みをしていたところ、Jリーグのユースチーム監督・福田達也に出会います。
監督は葦人の持つある才能に可能性を見出し、自チームのセレクションに誘いました。やがて、葦人は日本のサッカーを大きく変えていくことになるのです……。
監修にスポーツライターの上野直彦や飯塚健司を迎え、非常にリアルな現代サッカーのほか、発達心理学に基づき人間の成長を描いているのが特徴。選手だけではなくコーチやヒロインまで、各キャラクターの深い人間ドラマが見どころの、おすすめ作品です。
キャプテン翼
集英社 原作:高橋陽一 全21巻完結
国内外問わず、多くのサッカー選手にも影響を与えたといわれる、歴代でも指折りの名作スポーツ漫画です。1981年から「週刊少年ジャンプ」で連載されたほか、完結後に続編も多数執筆され、2024年をもって漫画連載での『キャプテン翼』は完結しました。
アニメやゲーム、演劇などメディアミックス作品も数多く、国内外シリーズの累計発行部数は9000万部を超えています。
サッカーボールが友達の少年・大空翼。小学6年生で南葛小に転校してきた翼は、修哲小の天才ゴールキーパー・若林源三と出会います。両校の対抗戦で、2人は勝負することになり……。
サッカーの楽しさや魅力を伝えることに重きを置いており、数々のインパクトある必殺技が魅力の作品。サッカーに関する用語が丁寧に解説されているので、初心者にも向いています。世界中で親しまれているスポーツ漫画を読みたい方におすすめです。
DAYS
講談社 著者:安田剛士 全42巻完結
サッカーを題材にした、感動的なスポーツ漫画です。著者は『Over Drive』『振り向くな君は』などで知られる漫画家・安田剛士。2013~2021年まで「週刊少年マガジン」にて連載されており、2016年に第40回講談社漫画賞の少年部門を受賞しました。
何の取柄や特技もない、しかし熱い心を秘めている少年・柄本つくし。彼はサッカー名門高校の聖蹟高校に入学する直前の春休みに、孤独なサッカーの天才・風間陣と出会い、フットサルに誘われます。
風間とサッカーに触れることで、その面白さに目覚めたつくしは、サッカー部に入部することになりますが……。
過酷な環境に身を置いたつくしが、少しずつ自分の才能を開花させていく姿に心打たれる作品。彼を支える周囲の仲間との奮闘や、仲間を思いやる気持ちにも感動の声が挙がっています。素人だった主人公が努力を重ね、成長していく姿が見どころのおすすめ作品です。
エリアの騎士
講談社 原作:伊賀大晃 作画:月山可也 全57巻完結
トラウマや事故に立ち向かい、少年が青春をサッカーに懸けるスポーツ漫画です。2006~2017年まで「週刊少年マガジン」にて連載されていた作品。2012年にはアニメ化もされました。
逢沢傑は、U-15日本代表の10番を背負う日本サッカー界の至宝です。彼の弟・駆もサッカー部に所属していますが、過去のトラウマからマネージャーになり、選手として復帰できずにいました。
そんななか、2人を襲う交通事故が、物語を大きく動かし始めます。事故によって脳死状態になった傑の心臓を移植され、1人生き残った駆。彼は傑が抱いていた世界を目指すという遺志を継ぎ、再びストライカーとしての道を歩み始めるのです……。
リアルなサッカーが描かれた作品で、駆の幼なじみ・美島奈々が女子サッカーのなでしこジャパンメンバーとして活躍する姿も描かれるなど、さまざまなサッカーを見られるのもポイント。友情や恋愛事情も描かれており、学生の青春を味わえるおすすめの作品です。
GIANT KILLING
講談社 著者:ツジモト 既刊64巻
弱小プロサッカーチームが、元スター選手を監督に迎え、強くなっていく様子を描くスポーツ漫画です。2007年から「モーニング」で連載されている長期連載作品で、”ジャイキリ”の略称で親しまれています。
個性的な絵柄と表現が特徴の漫画家・ツジモトが描いており、『U-31』の原作者としても知られる綱本将也が原案。2010年にアニメ化され、同年に第34回講談社漫画賞の一般部門を受賞しています。
サッカー監督・達海猛は、今季から弱小プロサッカークラブ「イースト・トーキョー・ユナイテッド(ETU)」の監督に就任。現役時代から番狂わせの大物食い「ジャイアント・キリング」を好んできた、猛の挑戦が始まります。
選手やチームではなく監督が主役という、スポーツ漫画としては珍しい設定が印象に残る作品です。達海をはじめとして、キャラクターが強烈で個性豊かなのもポイント。リアリティーのあるプロサッカー漫画を読みたい方におすすめです。
サッカー漫画をもっと読みたい方はこちら。
スポーツ漫画のおすすめ|バスケ
SLAM DUNK
集英社 著者:井上雄彦 全31巻完結
1990~1996年に「週刊少年ジャンプ」で連載されていた、”バスケ漫画の金字塔”と名高いスポーツ漫画です。第40回小学館漫画賞の少年部門を受賞。世界累計発行部数は1億8500万部を超えており、本作品をきっかけにバスケを始めた少年少女が増加したといわれています。2022年公開の映画『THE FIRST SLAM DUNK』も大きな話題を呼びました。
桜木花道は中学生時代に50人の女子に告白してフラれた経験のある不良青年。湘北高校に入学した彼は、ある日たまたま出会った同級生・赤木晴子を好きになってしまいます。
晴子からバスケ部をすすめられた花道は、バスケに興味はなかったものの、彼女の気を引くためにバスケ部に入部。そこから、ワルと名高い花道の高校生活は大きく変わっていくのです……。
未経験からバスケを始め、強敵に立ち向かい成長する花道の姿や、バスケの天才・流川楓の加入で弱小チームが強くなっていく様子など、スポーツ漫画の王道を描いています。根強い人気を有しており、一度は読んでおきたいおすすめの名作です。
・新装再編版 全20巻完結
あひるの空
講談社 著者:日向武史 全50巻完結
天性の才能を持つ身長149cmと小柄な身長の主人公が、高校のバスケ部で活躍する人気スポーツ漫画。2004年から「週刊少年マガジン」にて連載中でしたが、2019年から長期休載に入っています。アニメ化もされ、累計発行部数は2400万部を突破しました。
バスケが大好きな車谷空は、入学したばかりの九頭龍高校、通称”クズ高”のバスケ部に入部しようとします。しかし、学校で有名な不良の双子とその仲間たちが牛耳っていました。
最初は練習に打ち込める環境ではなかったバスケ部でしたが、空の熱意によって花園千秋・百春兄弟や天才少年・トビこと夏目健二など部員が集まっていきます。クズ高バスケ部は順調に進み出しますが、挫折や事件などに巻き込まれていき……。
弱小だったバスケ部が全国を目指す物語で、ロジカルでリアリティーあふれるバスケの描写が魅力。また、恋愛模様や部員たちが抱える家庭環境などの悩み、学校の問題など、青春漫画の要素も詰まっています。ひたむきに努力する主人公の姿が魅力の、おすすめスポーツ漫画です。
黒子のバスケ
集英社 著者:藤巻忠俊 全30巻完結
2009~2014年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、人気を博したバスケットボールが題材のスポーツ漫画です。アニメ作品は3期まで制作され、原作の最終話まで丁寧に描かれています。累計3100万部を突破。2024年には連載開始15周年を記念し、初の原画展が開催されました。
アメリカ帰りの火神大我は、誠凛高校のバスケ部へ入部します。恵まれた体格とバスケの才能を持っている彼は、そこで存在感のない地味な少年・黒子テツヤと出会いました。
バスケのセンスは平凡以下だった黒子に幻滅する火神。しかし、黒子は帝光中学校で”キセキの世代”と呼ばれ、無敗を誇った伝説のチームのメンバーのひとりだったのです……。
地味な黒子がキセキの世代でどのように活躍していたのかがポイント。ほかにも、個性的で魅力的な人気キャラクターが多数登場します。派手な必殺技や迫力ある描写が魅力の、おすすめ作品です。
I’ll ~アイル~
集英社 著者:浅田弘幸 全9巻完結
バスケを題材に、高校生2人の心の機微や友情を描き、”青春スポーツ漫画の傑作”ともいわれるタイトル。『テガミバチ』で知られる浅田弘幸のヒット作で、1995~2004年まで「月刊少年ジャンプ」にて連載されていました。
高校入学まで1ヵ月に迫ったある日、バスケ部3年生最後を飾る練習試合が行われます。そこで出会ったのはバスケ一家育ちでエリートの柊仁成と、天性の飛躍力を持つ立花茜。そんな2人に共通していたのは”高校ではもうバスケをやらない”という思いでした。
しかし、進学先の国府津高校で再会した2人。バスケをやる気がなかった彼らでしたが、互いに呼応するように再びバスケに引き込まれていき……。
柊と立花が再びバスケに向き合うようになっていき、国府津高校バスケ部で居場所を作る課程が丁寧に描かれています。美しく繊細なストーリーやスタイリッシュな絵柄が多くの読者の心を掴みました。青春漫画の要素も強い、おすすめの作品です。
・完全版 小学館クリエイティブ 全7巻完結
DEAR BOYS
講談社 著者:八神ひろき 全23巻完結
天真爛漫な転校生がバスケ部で嵐を巻き起こす、爽快感のあるスポーツ漫画です。1989年から連載され、2007年には第31回講談社漫画賞少年部門を受賞し、その後も複数の続編を発表。現在は「月刊少年マガジン」にて第4部の『DEAR BOYS ACT4』が連載中です。メディアミックスも盛んで、2023年には舞台化もされています。
突如瑞穂高校に転校してきた天真爛漫で女好きの高校生・哀川和彦は、バスケ部への入部を希望。しかし、男子バスケ部は部員が4人しかおらず、廃部寸前の状態でした。
そんななか、哀川は女子部員5人抜きを軽々と達成し、大きくない身長でダンクを決めてみせます。実は、彼の正体は、インターハイ優勝校として知られる強豪・天童寺の元キャプテンだったのです。
廃部寸前だったバスケ部が、主人公の加入をきっかけにインターハイを目指す、王道が楽しめるスポーツ漫画です。泥臭さがなく、スポーツの爽やかさに焦点を当てているのが特徴。また、恋愛要素が多い作品としても有名なので、ラブコメとしても楽しめるバスケ漫画を探している方におすすめです。
バスケ漫画をもっと読みたい方はこちら。
スポーツ漫画のおすすめ|バレー
ハイキュー!!
集英社 著者:古舘春一 全45巻完結
バレーボールを題材にし、大ブームを巻き起こしたスポーツ漫画です。2012~2020年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載され完結。アニメや舞台などメディアミックス作品も人気を博し、本作品のヒットを機に、バレー部に入部する学生が増加したともいわれています。累計発行部数は6200万部を突破しました。
幼少期にバレーに魅せられた日向翔陽は、中学でバレー部に入りますが、部員は自分1人。練習場所もないため、体育館の隅っこやグラウンドの隅っこ、渡り廊下などで練習を重ねていました。
中学3年生になって1年生が3人入部し、翔陽は最初で最後の公式戦に挑戦します。しかし、敵は”コート上の王様”と呼ばれる天才セッター・影山飛雄のいる強豪校・北川第一中学校。惨敗した翔陽はリベンジのため、憧れの選手が通っていた烏野高校バレー部へ入部しますが……。
戦術面にもアプローチした、リアルで濃密な内容が特徴。バレーに情熱を注ぐキャラクターが魅力的で、迫力ある試合の様子は見ごたえがあり、感動を得られます。子供から大人まで楽しめ、何かに打ち込んでみたくなるような気持ちを感じさせてくれる、おすすめのスポーツ漫画です。
ハリガネサービス
秋田書店 著者:荒達哉 全24巻完結
バレーボールで無名の凄腕サーバーが活躍するスポーツ漫画です。2014〜2018年に「週刊少年チャンピオン」で連載されていました。続編『ハリガネサービスACE』も連載され、現在は公式スピンオフが「月刊少年チャンピオン」で連載されている人気作です。
中学バレー部では、レギュラーになれなかった気弱な高校生・下平鉋。彼は高校でもバレー部に入部し、都立豊瀬高校ではレギュラーになるために頑張ろうと意気込んでいました。
しかし、共に入部した同級生の3人、間白譲治・松方一颯・金田進は、中学では都道府県対抗戦の東京選抜メンバーだったのです……。
超人的な運動能力を持っているわけではなく、決してバレーがうまいわけではない鉋。バレーが好きな気持ちでひたすらサーブを磨いた彼の活躍に、胸が熱くなると評判のスポーツ漫画です。一芸を極めた主人公が好きな方におすすめです。
神様のバレー
芳文社 原作:渡辺ツルヤ 作画:西崎泰正 既刊35巻
データ分析をして、勝利のための戦略を練るバレーボールの「アナリスト」を主人公とした、異色のスポーツ漫画。2012年から「週刊漫画TIMES」で連載されています。
アナリストは、ベンチ外から相手チームを分析し、監督に作戦の指示を送る”チームの黒幕”と呼ばれる存在。阿月総一は、実業団バレーチーム「日村化成ガンマンズ」のアナリストを務めていました。
そんな彼の夢は、全日本男子の監督になること。ある日の試合後、阿月はガンマンズの名誉顧問で日村化成の会長から、ある条件を達成することで、全日本男子バレーボール監督の座を約束されます。それは、万年地区予選1回戦負けという、私立中学校の弱小男子バレー部を全国制覇させることで……。
派手さはないものの、阿月が選手たちの心理状態を見抜き、各選手に合った仕事をさせることで、徐々にチームが変わっていく様子が見どころ。戦略に重きを置いているため、スポーツ漫画のなかでも頭脳戦が好きな方や、隠れた傑作を読みたい方におすすめです。
アタックNo.1
集英社 著者:浦野千賀子 全12巻完結
“熱血スポ根少女漫画”の決定版といわれ、バレーボールブームを巻き起こした昭和の名作スポーツ漫画。1968~1970年まで「週刊マーガレット」で連載されていました。アニメやドラマ、舞台などメディアミックス作品も多数展開されています。
スポーツ好きな中学2年生の鮎原こずえは、東京から、静岡にある富士見学園に転校してきました。ある日、バレー部員に絡まれたこずえは、彼女と仲良くなった不良グループを率いてバレー部と勝負をすることになります。
そして、見事試合に勝利し、3年生からキャプテンになってほしいと頼まれたこずえ。しかし、ほかにその座を狙う者がいて……。
完結から半世紀以上が経過していますが、こずえがときに失敗しながらも成長していく姿や、部員との友情や衝突、恋愛模様など、現在の漫画にも通じるものや学べる点が多くあります。一度は読んでおきたい、おすすめの元祖スポ根少女漫画です。
少女ファイト
講談社 著者:日本橋ヨヲコ 既刊18巻
バレーボールを通して描かれる群像劇で、”生きづらいあなたへ贈る”と謳われているスポーツ漫画です。「コミックDAYS」にて連載中で、2008年にはブロスコミックアワードを受賞しています。
バレーボール選手の姉・真理を亡くし、”狂犬”と呼ばれるほどバレーボールに打ち込んでいた大石練。バレーボールの名門・白雲山学園中等部に在籍しています。
小学校時代には全国大会で準優勝したバレーチームのキャプテンでしたが、自分の身勝手さが原因で仲間を失ったと感じ、人との関わりを避けるようになっていました。やがて、新しい仲間と出会った練はチームでプレーする楽しさを見出すようになり……。
練以外のキャラクターもそれぞれに悩みを持っており、多感な時期を生きる少女たちが葛藤する姿にも注目。ドラマ性の高いスポーツ漫画を読みたい方におすすめです。
スポーツ漫画のおすすめ|テニス・卓球・バドミントン
アオのハコ
集英社 著者:三浦糀 既刊17巻
公式では「青春部活ラブストーリー」ですが、それぞれのキャラクターがスポーツと向き合う姿も描かれるスポーツ漫画です。2021年から「週刊少年ジャンプ」にて連載中で、2024年にはアニメ化され、注目を浴びています。
栄明中学高等学校は、中高一貫のスポーツ強豪校。中等部でバドミントン部に入っていた猪股大喜は引退後、高等部のバドミントン部の練習に参加させてもらっています。
朝練の際、誰よりも早く来ようと思っている大喜よりも早く自主練に来ているのが、女子バスケットボール部の鹿野千夏先輩でした。練習に真摯に取り組む彼女の姿に惹かれていた大喜ですが、その距離が急接近する出来事が起きるのです……。
恋だけでなく、スポーツにも全力投球するキャラクターたちのストイックなスポーツへの向き合い方や、繊細な心理描写が魅力。爽やかな恋愛とスポーツ両方を楽しめる漫画を読みたい方におすすめです。
テニスの王子様
集英社 著者:許斐剛 全42巻完結
中学のテニス部を題材とする、人気のご長寿スポーツ漫画。1999~2008年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載され完結しましたが、現在は「ジャンプSQ」で第2シリーズ『新テニスの王子様』が連載中です。アニメ化されているほか、ミュージカル作品は”テニミュ”の略称で人気を有しており、20年以上続いています。
越前リョーマは、アメリカのジュニアテニス大会で4回連続優勝経験がある天才少年。そんな彼が、東京にあるテニスの名門校・青春学園(通称:青学)の中等部に入学してきます。しかし、青学テニス部の1年生は、夏まで大会に出ることが許されないルールがあって……。
個性豊かで魅力的なキャラクターや、ときにSNSで話題を呼ぶ超人的な必殺技が繰り広げられるのがポイント。予想の斜め上を行く展開で、多くの読者の心を掴んでいます。超展開の派手な技を繰り出すスポーツ漫画が好みの方におすすめです。
ベイビーステップ
講談社 著者:勝木光 全47巻完結
硬式テニスを題材にした作品で、リアルな青春ドラマを楽しめるのが魅力の人気スポーツ漫画です。2007~2017年まで「週刊少年マガジン」にて連載され、2014年には第38回講談社漫画賞少年部門を受賞。アニメ化や実写ドラマ化もされ、累計1260万部を突破しています。
小学生のころから成績優秀で勉強にしか興味のなかったエーちゃんこと丸尾栄一郎。高校進学を機に、運動不足の解消を兼ねて軽い気持ちでテニススクールに入会します。
そこで会ったのは、学校でも人気のある美少女・鷹崎奈津。彼女との会話をきっかけに、エーちゃんはテニスの魅力に取りつかれていきます。
几帳面なエーちゃんが、勉強と同様真面目にテニスに打ち込んでいき、上達させていく姿が見どころです。また、彼が頭で考え、分析をしてテニスに活かしていくのもポイント。戦術や戦略立てに特化したスポーツ漫画を探している方におすすめです。
エースをねらえ!
集英社 著者:山本 鈴美香 全18巻完結
少年少女の間でテニスブームを起こした名作スポーツ漫画です。1973年に「週刊マーガレット(現:マーガレット)」で連載がスタート。アニメ作品も大ヒットし、スポ根アニメの金字塔となっています。
岡ひろみは、2年生のお蝶夫人こと竜崎麗香に憧れ、強豪である県立西高校テニス部に入った1年生です。毎日ドジばかりしていましたが、新任コーチの宗方仁だけは彼女の才能を見抜いていました。
ある日、地区大会出場選手5名が宗方から告げられます。そのなかにはひろみの名前も入っており、ほかのテニス部員から厳しい目を向けられますが、生徒会長の藤堂貴之に励まされながら過酷な練習を始め……。
基本は天真爛漫でおっちょこちょいなひろみ。人のアドバイスを素直に受け止め、真っ直ぐに努力をするキャラクターは多くの読者に愛されてきました。人生の教訓にもできるような名言が多数出てくるため、スポーツ漫画のバイブルとも呼べる、おすすめの作品です。
・ホーム社漫画文庫版 全10巻完結
Happy! 完全版 デジタル Ver
小学館 著者:浦沢直樹 全15巻完結
ブーイングを受けながらも明るさで乗り切り、勝負に挑み続けるヒロインを描く、テニスが題材のスポーツ漫画です。『20世紀少年』『PLUTO』、スポーツ漫画では『YAWARA!』など数々の名作を生みだした浦沢直樹の作品。1993~1999年まで「ビッグコミックスピリッツ」にて連載され完結しています。2006年にドラマ化もされました。
高校3年生の海野幸は、両親を事故で亡くし、小さい弟と妹3人を育てながら貧乏な生活を続けていました。しかし、ある日借金を抱えた兄が失踪し、彼の借金2億5000万円を返済しなければならなくなります。
借金返済のためには、ソープ嬢になるしかないと迫る借金取りの男・桜田 。ピンチに陥るなか、幸はテレビで”テニスのトップ・プレイヤーの年間獲得賞金は2億5千万”というニュースを目にします。早速彼女は超名門の「鳳テニスクラブ」へと向かい……。
逆境でも、健気に努力をする幸に感情移入する読者が大勢います。浦沢直樹の筆力による、手に汗握る試合の描写も魅力。どのような苦難があっても、努力をすることで成功に近づいていけるといったことを感じさせてくれる、おすすめの作品です。
ピンポン
小学館 著者:松本大洋 全5巻完結
『鉄コン筋クリート』などのヒット作を生み出し、独特の作風で多くのファンを持つ松本大洋による、卓球がテーマのスポーツ漫画です。
打球直後の初速は時速190kmにも達するといわれる卓球と、真剣に向き合う少年たちの姿を描いています。実写映画化やアニメ化もされた作品です。
スマイルこと月本誠と、ペコこと星野裕は、駅前の卓球場「タムラ」で出会って以来の幼なじみ。2人は同じ中学で卓球部に入ります。しかし、卓球が上手な天才肌のペコは、練習には不真面目で部活をサボってばかり。スマイルは彼を連れて来るよう、先輩から命じられますが……。
全5巻で完結するので、気軽に名作のスポーツ漫画を読みたい方におすすめです。卓球の臨場感あふれる描写を堪能してみてください。
テニス漫画をもっと読みたい方はこちら。
スポーツ漫画のおすすめ|武道・格闘技
はじめの一歩
講談社 著者:森川ジョージ 既刊141巻
1989年から「週刊少年マガジン」にて連載中のご長寿作品で、”ボクシング漫画の金字塔”ともいわれるスポーツ漫画です。1991年に第15回講談社漫画賞の少年部門、2019年には第43回講談社漫画賞の講談社創業110周年特別賞を受賞。アニメ化や舞台化もされており、累計1億部を突破しています。
高校2年生の幕之内一歩は、母子家庭で育ち、釣り船屋の仕事を手伝いながら生活していました。ドジでいじめられっ子の彼は、ある日不良たちに殴られているところを、ボクサー・鷹村守に助けられます。
彼に連れられて行った鴨川ボクシングジムで、初めてボクシングの世界に触れた一歩。それから”強いってどんなんだろう”という思いが湧き、鴨川ジムの門を叩いた一歩の、「強さ」を見つけるための挑戦が始まるのです……。
迫力ある強敵たちや、インパクトのある必殺技が見どころ。ほかにも、ボクシングを通して「強さとは」といった哲学的な内容や、個性的で魅力的な登場人物たちの人間ドラマが描かれています。熱く見ごたえのある試合を多く見たい方におすすめの長編作品です。
あしたのジョー
講談社 原作:高森朝雄 作画:ちばてつや 全20巻完結
突如現れたケンカ屋がボクサーとして成長していく、日本の漫画史に名を残す名作スポーツ漫画です。1967〜1973年に「週刊少年マガジン」で連載され完結。1970年にはアニメ化、2011年には山下智久主演で実写映画化もされるなど、メディアミックス作品も多数展開されています。
東京浅草にひっそりと存在するさびれたドヤ街に、突如足を踏み入れた男・矢吹丈。彼は足を運んだ公園で、”拳キチ”といわれる酔っ払いと喧嘩になります。
そして、丈に一撃で倒された酔っ払いは、元ボクサー・丹下段平でした。彼に天性のボクシングセンスを見出した丹下は、自分と組まないかと持ちかけ……。
ただのチンピラだった丈が、ボクシングと出会い変わっていく姿を描いています。闘い・成長・努力・友情・恋愛など少年漫画の王道以上に、人生の学びとなるさまざまなことが描かれた傑作。ひたすらにひとつのことに打ち込む素晴らしさを、漫画から感じたい方におすすめです。
柔道部物語
講談社 著者:小林まこと 全11巻完結
元吹奏楽部の少年が、柔道家として目覚める”柔道部コメディー”のスポーツ漫画です。有名な小林まことの『ホワッツマイケル』に次ぐ代表作。1985〜1991年まで「週刊ヤングマガジン」にて連載されていました。
物語は、主人公・三五十五が部活に入部する前から始まります。実家の寿司屋を継ぐと決め、岬商業高校に進学した十五は、中学時代は吹奏楽部に入部していた少年です。
しかし先輩の甘い言葉に誘われ、軽い気持ちで柔道部に入部することになります。しかし、甘い勧誘の裏には、恐るべき罠が仕掛けられていたのです。
中学時代はトップの学力を誇り、爽やかな学生であった十五。そこから持ち前の負けん気で食らいつき、少しずつ柔道にのめり込む姿がスポーツ漫画として秀逸。柔道の描写がリアルだと高い評価を得ており、柔道好きにも漫画好きにもおすすめの1作です。
帯をギュッとね! 小学館文庫
小学館 著者:河合克敏 全16巻完結
柔道部を舞台に、ライバルたちとの試合や恋愛模様、ギャグシーンを織り込んだスポーツ漫画。1988~1995年に「週刊少年サンデー」で連載され、完結しています。
物語の舞台は、柔道部のない浜名湖高校。中学時代に昇進試験で黒帯を取った粉川巧・杉清修・斉藤浩司・三溝幸宏・宮崎茂の5人は偶然同校で再会します。彼らは早速柔道部を結成。他校との試合を通じてライバルとも出会い、5人は強くなっていき……。
才能に恵まれているわけではなかったキャラクターが、勝利のために努力を積み重ね、作戦を練る様子がリアルに描かれているのがポイント。軽快なストーリーが読みやすく、爽やかなラブコメとしても楽しめます。スポーツはもちろん、恋愛ものが好きな方にもおすすめの漫画です。
火ノ丸相撲
集英社 著者:川田 全28巻完結
小さい体で熱き闘志を持つ少年が、大相撲の頂点を目指す、珍しい題材のスポーツ漫画です。2014〜2019年まで、「週刊少年ジャンプ」にて連載されていました。2018年にはアニメも放送され、大相撲の土俵に懸賞幕が上がったことでも話題になった作品です。
相撲では弱小校である、大太刀高校相撲部。そんな部に、小さい体の1年生が入学してきます。その少年の名は、潮火ノ丸。相撲に有利な”デカく重い”体を持たない彼には、実はとんでもない過去があり……。
スポーツ漫画としての有名作が少ない相撲が題材ですが、部活を大きなテーマにしているため、少年漫画らしい熱さを感じられるのが魅力。少年漫画の「友情」「努力」「勝利」をうまく、伝統競技の相撲と融合させている、おすすめの作品です。
スポーツ漫画のおすすめ|ダンス
ワンダンス
講談社 著者:珈琲 既刊13巻
高校ダンスをテーマにした、”ダンス漫画の真骨頂”と謳われるスポーツ漫画。2019年から「月刊アフタヌーン」で連載中。2025年にアニメ化が決定しており、注目を浴びている作品です。
高校生の小谷花木(カボ)は吃音症で、自分の気持ちを表現することが苦手な高校生。周りに合わせて生活している彼が惹かれたのは、人目を気にせずにダンスに没頭する、同級生の湾田光莉(ワンダ)でした。
彼女もまた話すことが苦手で、言葉を発さずに自己表現ができるダンスが好きだという発言から、カボもダンスに大きな興味を惹かれます。そして、カボはワンダとともに、未経験のダンスの世界に踏み込むのです……。
いつもはかわいらしいワンダが、ダンスとなると周りを圧倒する動きを見せます。また、カボがダンスを通じて成長していく姿も必見。動きやリズムの取り方などダンスの技術に関する説明がしっかりされているので、初心者にも優しいおすすめのスポーツ漫画です。
ボールルームへようこそ
講談社 著者:竹内友 既刊12巻
何もない少年が、社交ダンスと出会うスポーツ漫画です。著者が大学時代に社交ダンスに出会い、魅了されたことから描いたという本作品。2011年から「月刊少年マガジン」で連載されており、マンガ大賞2013で第2位を獲得。2017年にはアニメ化もされています。
富士田多々良は、将来の夢も特になく、ただ毎日を過ごしている平凡な中学生です。彼はある日、不良に絡まれたところを、ヘルメットをかぶった1人の男に助けられました。
ヘルメット男・仙石要が多々良を連れてきたのは、社交ダンス教室「小笠原ダンススタジオ」。その瞬間、彼の青春が始まるのです……。
気弱な主人公が、ダンスとの出会いで変わっていく姿が描かれています。題材はダンスですが、設定や成長の描写が秀逸で、熱い王道のスポ根漫画が好きな方におすすめ。画力に定評があるスポーツ漫画を探している方は、ぜひチェックしてみてください。
ダンス・ダンス・ダンスール
小学館 著者:ジョージ朝倉 既刊28巻
『恋文日和』や『溺れるナイフ』などの人気作品で知られるジョージ朝倉が描く、男子バレエがテーマのスポーツ漫画。2015年から「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて連載中で、2022年にはアニメ化されています。
幼いころバレエに魅了され、バレエスクールに通いたがっていた中学2年生の村尾潤平。しかし、父の死をきっかけに家族を守るため、”男らしくならねば”とその道を諦めていました。
潤平はバレエへの思いを隠しながら、父が望んでいた格闘技・ジークンドーを習い、クラスの人気者となります。そんなある日、彼の前に転校生の美少女・五代都が現れました。彼女の母はバレエスタジオを経営しており、バレエへの興味を見抜かれた都は、潤平をバレエに誘いますが……。
バレエに青春のすべてをかけ、夢に向かって突き進む潤平たちの、挑戦と成長の物語。圧倒的な才能を前にした複雑な思いなど、スポーツをするにあたっての苦悩もリアルに描かれています。バレエのシーンがダイナミックかつドラマチックに描かれ、画力も高いおすすめのスポーツ漫画です。
SUBARU昴
小学館 著者:曽田正人 全6巻完結
“バレエ漫画の金字塔”とも称されるスポーツ漫画。1999~2002年まで「ビッグコミックスピリッツ」で連載されて完結しており、累計200万部を超えています。
全6巻で構成された文庫版で、続編として『MOON~昴ソリチュードスタンディング~』も連載され全9巻で完結。2009年には黒木メイサ主演で実写映画化もされています。
宮本すばると和馬は双子の小学3年生。和馬は脳腫瘍が原因で記憶が混濁しており、言葉もほとんど発せない状態です。すばるは、和馬が意識を取り戻すことを祈って、日々の出来事を踊りで表現し続けて……。
バレエの技術やコンクールの裏側などの魅力が、巧妙かつリアルに表現されている名作。バレエに興味がある方はもちろん、心を揺さぶられるスポーツ漫画を読みたい方にもおすすめです。
絢爛たるグランドセーヌ
秋田書店 著者:Cuvie 既刊26巻
多様なジャンルに挑戦してきた実力派の漫画家・Cuvieが描く本格スポーツ漫画。2013年から「チャンピオンRED」にて連載中です。著者自身も取り組んでいたクラシックバレエが題材。舞踊史家・舞踊評論家の村山久美子を監修者として迎えて本格的に描かれています。
優れた観察眼と実行力を持つ少女・有谷奏は、ある日、隣に住む橘梨沙のバレエ公演を見に行った際、絢爛たるバレエの世界に強く惹かれます。
踊ることの楽しさを知った奏は、早速両親にバレエを習いたいと懇願し、バレエ教室に通い始めました。やがて、彼女は世界のグランドセーヌへと駆け上がっていくのです……。
バレエという厳しい世界のなかで、目の前の壁を乗り越えながらも力強く活躍するヒロインを描いているのが特徴。プロを目指す厳しい道のりがリアルに描かれた作品や、珍しい題材のスポーツ漫画を読みたい方におすすめです。
スポーツ漫画のおすすめ|その他マイナースポーツ
弱虫ペダル
秋田書店 著者:渡辺航 既刊91巻
2008年から「週刊チャンピオン」で連載されている、自転車のロードレースを題材にしたご長寿スポーツ漫画。アニメ化や実写映画化、舞台化などメディアミックス作品も数多く、累計発行部数は3000万部を突破しています。
ママチャリで斜度が20%以上ある「激坂」と呼ばれる坂を登り、趣味のために45km以上離れた秋葉原まで通う高校生・小野田坂道。アニメ・ゲーム・カプセルトイ・フィギュアに目がない坂道でしたが、じつは自転車の才能を秘めていました。
ある日、坂道は激坂を鼻歌交じりにママチャリで登っている信じがたい光景を、同級生で自転車競技部の今泉俊介に目撃されます。そして、今泉は坂道に自転車勝負を申し込まれ、坂道は勝負を機に少しずつ自転車に目覚めていって……。
チーム戦をさまざまな角度で描き、助け合うことや友情を感じられる作品。魅力のある個性的なキャラクターが多く登場するため、ロードレースに興味のない方にもおすすめです。腰を据えてひとつの作品を楽しみたい方はチェックしてみてください。
メダリスト
講談社 著者:つるまいかだ 既刊11巻
少女とコーチがタッグを組み、フィギュアスケートで世界を目指すスポーツ漫画。2020年から「月刊アフタヌーン」にて連載中です。2023年には第68回小学館漫画賞の一般部門、2024年には第48回講談社漫画賞総合部門を受賞。2025年にはアニメ化も決定し、話題を呼んでいます。
中学生からスケートを始め、スケート選手を目指していたものの、夢に破れた青年・明浦路司。彼はフィギュアスケートクラブ「ルクス東山FSC」のコーチを打診されており、そこへ見学にやってきた結束いのりと出会います。
司ははじめ卑屈になっており、コーチの誘いを断るつもりでした。しかし、いのりのスケートにかける執念や才能を目の当たりにし、自ら彼女のコーチになることを名乗り出て……。
選手とコーチたちが個性や戦略を活かし、全力でスケートに挑んでいきます。画力の高さのほか、名言ともいえる力強い言葉が多く出てくるなど、魅力の詰まっている作品。繊細さとダイナミックさを兼ね備えた、おすすめの注目作です。
灼熱カバディ
小学館 著者:武蔵野創 既刊27巻
マイナー競技「カバディ」をテーマにしたスポーツ漫画です。2015年からWeb漫画配信サイト「裏サンデー」にて連載中。アニメ化や舞台化もされています。
カバディとは、仲間と協力して陣地に入ってくる敵を捕らえ、引きずり倒して勝利を得るスポーツ。南アジアでは国技とされる国もあるほど、伝統的な競技です。
宵越竜哉は”不倒の宵越”と呼ばれるほどのサッカー選手でしたが、スポーツが嫌いなため、高校入学と同時にサッカーを辞めてしまいます。そんなある日、”走る格闘技”と称されるカバディに誘われます。”カバディなんてネタだろ”と内心バカにしながら練習を見に行ったところ、そこで行われていたのは格闘技のような激しい競技で……。
カバディの魅力を正面から描き、熱い試合の様子は手に汗を握るような緊張感が味わえます。随所でギャグテイストが活きており、競技の知識がなくても読みやすいのが特徴。珍しい題材で、人気のマイナースポーツ漫画を読みたい方におすすめです。
ひゃくえむ。 新装版
講談社 著者:魚豊 全2巻完結
100m走にすべてを懸けた、才能と人生のスポーツ漫画です。2018〜2019年に「マガジンポケット」で連載されていました。『チ。―地球の運動について―』で知られる魚豊の、初連載作品です。
生まれつき足が速かった少年・トガシ。天才的な走力を持つ小学生の彼には、足の速さしかありません。しかし、生きていくためには、それだけがあればよいと知っています。
そんな彼は、足が決して速くはないものの熱意を持っており、辛さを忘れるためだけに走る少年・小宮と出会い……。
本物の天才でありながら、トガシは短距離走に熱意を持っていません。負けを知らない彼が、他者に追いつかれる恐怖を感じるシーンは必見。100mがすべてを与え、すべてを狂わせる物語を、新装版では上下巻で描き切っています。短い時間で読める熱いスポーツ漫画を探している方におすすめです。
ライジングインパクト
集英社 著者:鈴木央 全10巻完結
『七つの大罪』などで知られる漫画家・鈴木央が描く、ゴルフがテーマのスポーツ漫画。「週刊少年ジャンプ」にて連載され、2002年の連載終了から20年以上の時を経て、2024年にアニメ化されています。
主人公のガウェインは祖父と2人暮らしをする少年。夢は、世界一の飛ばし屋になることです。女子プロゴルファー・西野霧亜からゴルフの楽しさを学んだガウェインは、プロゴルファーを目指して上京します。霧亜の家に居候することになって……。
実直で明るい性格のガウェインは、まさに少年漫画の主人公として王道の存在。それぞれのキャラクター独自の才能を活かした、インパクトの強い必殺技は見ごたえがあります。ゴルフの技術に関する詳細な説明や描写も見られる、おすすめの作品です。
さよなら私のクラマー
講談社 著者:新川直司 全14巻完結
『四月は君の嘘』で人気を博した新川直司が、女子サッカーの世界を描いたスポーツ漫画です。『月刊少年マガジン』で2016~2021年に連載されており、アニメ化や映画化もされています。
中学時代に女子サッカー部で部長を務めていた俊足のウイング・周防すみれは、チームメイトに恵まれず、1人で奮闘するも強豪校に完敗。そして、ライバルの曽志崎緑から”一緒のチームに行こうよ、一人になんてさせないから”と誘いを受けます。
真摯な彼女の言葉を受けて、2人は決して強豪とはいえず、ずっと地方大会止まりの蕨青南高校へ入部。そこで恩田希や白鳥綾など、個性的なチームメイトと出会い……。
プレー中の選手の体の動きなど、細かい箇所の描写がしっかりしており、スポーツ漫画としてこだわりが感じられる作品。女子サッカーを取り巻く環境についてもよく理解できる、おすすめのタイトルです。
あさひなぐ
小学館 著者:こざき亜衣 全34巻完結
マイナースポーツである「なぎなた」をテーマにしたスポーツ漫画です。『ビッグコミックスピリッツ』にて2011~2020年まで連載され完結。2015年に第60回小学館漫画賞一般向け部門を受賞しているほか、2017年には齋藤飛鳥主演で舞台化、西野七瀬主演で実写映画化も行われました。
東島旭は二ツ坂高校に入学したての高校1年生。中学時代と同じ美術部ではなく、”スポーツに縁のない人間でも活躍できる”という言葉に感化され、なぎなた部に入部します。
憧れの先輩・宮路真春、同級生で剣道経験者・八十村将子、高身長で悩む同じ1年生・紺野さくらといった仲間とともに、なぎなたに打ち込む日々が始まって……。
絵・キャラクター・ストーリーのいずれも高いレベルで描かれています。スポーツのなかでも珍しい、なぎなたの魅力に触れられるのがポイント。青春漫画としてはもちろん、新しい知見を得られる作品としてもおすすめです。
アイシールド21
集英社 漫画:村田雄介 原作:稲垣理一郎 全37巻完結
2002~2009年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載されていた、アメフトをテーマにしたスポーツ漫画です。連載以降、高校や大学でアメフトに挑戦する方が増えたともいわれ、2005年にはアニメ化もされました。
現在も村田雄介は『ワンパンマン』、稲垣理一郎は『Dr.STONE』などで人気を得ており、最強のタッグで描かれています。
私立泥門高校1年・小早川瀬那は意気地がない性格で、小さいころから損な役回りばかりさせられてきた少年です。パシりのおかげで、ずば抜けたすばしっこさを身に着けた瀬那。悪魔のような恐ろしい男・ヒル魔こと蛭魔妖一の手によりアメフト部へ入部させられて……。
瀬那をはじめとして個性的な部員たちが、ひとつの長所を適正のポジションで発揮し、協力して勝利を得ていく姿が熱い作品。初心者にも分かりやすい解説もあるので、スポーツ漫画を通してアメフトについて知りたい方にもおすすめです。
最強の詩
集英社 著者:宮田大介 既刊3巻
超人的な身体能力を持つ新入生が嵐を巻き起こす、高校ラグビーを題材にしたスポーツ漫画。2023年から、「少年ジャンプ+」で連載されている、新進気鋭の作品です。
日本の高校ラグビー界は、世界を制した最強のU-15日本代表「完璧な一団(パーフェクト・スカッド)」の存在で、パワーバランスが大きく崩れています。そして、陸善高校ラグビー部もまた、勝つことを諦めて”ゆる部”となっていました。
そこに、田舎にある志米村出身の主人公・山田金山が新入生としてやってきます。”平穏な学校生活をぶっ壊す”と言う破天荒な彼の存在が、高校ラグビー界を大きく揺るがしていくことになるのです……。
身体能力が”化け物級”に高い金山が、強者と対峙しながら陸善高校を勝利に導く物語。マイナースポーツであるものの要所で解説が入るため、ルールが分からなくても楽しめると高評価を得ています。ラグビーと漫画の面白さ、両方を詰め込んだ作品に興味がある方におすすめです。
マイナースポーツ漫画をもっと読みたい方はこちら。
スポーツ漫画は同じスポーツを題材にしていても、青春漫画の要素がある作品から、実際の競技に即したリアルな描写に定評のある作品まで、幅広いので面白く読み進められるのが魅力。なかにはプロの選手に影響を与えた歴代の名作もあります。取り上げているスポーツや作風から、好みの作品を手に取ってみてください。