室町時代に中国から輸入された「唐物」のなかでも最高峰との呼び声も高い「曜変天目茶碗」。その魅力に惹かれた陶芸家・請関敏之氏の作品「請関天目」がクラウドファンティングで注目されています。

そこで今回は、光彩を放つ6種類の茶碗・酒器をご紹介。工芸品に興味がある方はぜひ購入を検討してみてください。

手がけたのは名工「請関敏之」

今回紹介する茶碗・酒器を手がけたのは埼玉県小川町に工房を構える陶芸家の請関敏之氏。40歳の時に唐物の「曜変天目茶碗」に魅了され、45歳の時に技術を習得し、「請関天目」を完成させました。作品づくりに対応する情熱は70歳を超えた今も冷めることなく邁進。さらなる高みを目指しています。

ブラジルへの移住によって現地の観光地化に貢献

請関敏之氏は福岡県生まれ。学生時代は京都府で過ごし、23歳の時に老舗の喫茶店「鍵善」で陶芸家・河井寬次郎の作品に出合います。このことがきっかけとなり、自身も陶芸家の道へ。25歳の時に地元福岡で窯を開き、作品づくりを開始します。

当時は風潮として民芸品が注目される時代で、売れ行きは好調。そんな最中、ポルトガル人の友人に誘われてブラジルへと渡ります。

ブラジルは請関敏之氏が子供の頃から憧れていた国。その誘いを好機と捉え、30歳で妻子を連れて南東部のサンパウロ州クーニャ市へと移住します。その後は、ブラジルに初めて登り窯を設立したり、日本の民芸調の器を売ったりするなどし、現地の観光地化に貢献。同地では今でも20軒近くもの窯元が点在していますが、それは請関敏之氏の功績といわれています。

自身としては3年半ブラジルに滞在し、その後帰国。35歳の時に埼玉県小川町に窯を開き、現在に至っています。

全6作品をラインナップ

今回紹介する「請関天目」は全部で6作品。種類としては茶碗と酒器の2つがあります。いずれも器の内部に広がる釉薬の斑点や流れが美しく、幻想的な装いが特徴。珠玉の逸品に仕上がっています。

なお、「請関天目」が影響を受けた「曜変天目茶碗」はかつて中国の南宋時代に福建省の建窯で焼かれていた陶芸品。本作品群はその流れを汲んでいるといえます。

「意と匠研究所」がサポート

By: itoshow.co.jp

本企画は、元「日経デザイン」編集長の下川一哉氏が代表を務めている「意と匠研究所」が全面的にサポート。今回の売り上げの50%を新たな作品の開発費として献上し、今後は新規開発のアドバイスとディレクションも行う予定です。

同社は日本の工芸の新たな方向性を模索するとともに、政府機関や工芸事業者、企業への啓蒙と提案も随時進めていく意向なので、興味がある方はぜひチェックしておきましょう。

クラウドファンディング経由で購入可能!

「請関天目」は、SAKIDORI Storeにて2020年3月までクラウドファンディング中。すでに販売が終了した作品もあるので、購入を検討している方はお早めに!