世界の舞台で魅せつけたLazの圧倒的な本番力

アイスランドの首都・レイキャビクで行われたタクティカルFPSゲーム『VALORANT』の公式eスポーツ世界大会「VCT 2022: Stage 1 Masters」にて、プロゲーミングチームZETA DIVISION(以下、ZETA)は世界3位に輝いた。

熾烈な戦いを紙一重で勝ち続けたZETAに日本中が沸いたが、強豪が集まる世界の舞台では全敗で終わる可能性すらあった。

その状況下でZETAの旗頭でもあるLazは、初日から圧倒的なパフォーマンスを発揮していた。経験したことのない大舞台。普段のプレイ環境とは全く違う、オフライン独特の空気感やデスク周りの環境。海外遠征に伴う疲労。そうした逆境を跳ねのけるように、Lazは信じ難いパフォーマンスを発揮し、チームの先導者としての責務を果たした。

緊張はなかったのかという質問に対し、意外にも「緊張はしていた」とLazは答える。

「ただ、緊張しながら試合することには慣れてしまったので、そういった要素で不調になることはあまりないです」

国際大会の序盤というのは、プレッシャーに飲み込まれやすいタイミングである。事実、ZETA全員のエンジンが本格的にかかってきたのは3戦目以降だった。波に乗ったZETAは強豪たちと一進一退の攻防を繰り広げ、最終的には下馬評を大きく覆す結果を残したものの、ポテンシャルを引き出せないまま終わる未来も有り得たのだ。

大会序盤でチームを上手く牽引したLazの功績は大きかった。しかし、そんなLazも昔はプレッシャーに負けることがあったという。

「10年以上前のことになりますけど、初めてゲームのオンライン大会に出たときは、緊張で実力を発揮できませんでした」

深く自己分析ができていなかった時期は、大会の緊張感に負けてしまうこともあった。しかし、何度も大会に出ることで“緊張している自分”を客観視し、そういったなかでもパフォーマンスを発揮できるように修正してきた。自己分析を積み重ねてきたことで、本番に強いLazは生まれた。

「あとは普段のプレイ環境も大切ですね」

オフライン独特の環境に苦しんでるプレイヤーが多いなか、Lazは最初から比較的適応できていたと語る。これには、Laz自身のプレイ環境が大きな影響を与えている。

Lazは昔から海外のプロプレイヤーを参考にしてきた。どんなマウスやキーボードを使っているかはもちろん、マウスパッドの置き方やキーボードの構え方などにも着目した。何故そのような置き方や構え方をするのか、その理由が分からなくてもとりあえず真似をした。

その一環で、モニターや椅子の高さなども固定する習慣もついた。そういった彼の趣向はオフライン大会にて本領を発揮することになる。

「意図していたわけではなく、自然とオフラインに特化したプレイスタイルが体に染みついてました」

狭いデスクでも問題なくプレイできるようなパッドの置き方と、キーボードの構え方。迷いなく再現できるデスク周りの環境。上手くなりたいという想いと、プロプレイヤーに対する憧れが産んだ偶然の産物だった。そのひたむきな行動が本番環境の強さに繋がるだろうとは、当時のLazは考えてもいなかった。

そんな彼がBenQモニターを採用したのも、プロプレイヤーからの評判がキッカケだったという。

14年間、Lazを支え続けたBenQ ZOWIEモニター

14年前、彼が『Counter-Strike(CS)シリーズ』をプレイしたての頃に購入したのが、BenQの75Hzのモニターだった。

当時はCRTという、ごつくて重量感のあるブラウン管モニターが全盛期の時代だった。しかし、CRTモニターは値段が高いうえに重くて場所を取るという大きな欠点があった。中学生だったLazにとってCRTモニターは値段も大きさも手に余る代物だったが、液晶モニターの分野で評価の高かったBenQ ZOWIEモニターならば手を出しやすかった。

そして、Lazが高校生になった頃には、BenQ ZOWIEモニターも進化を遂げ、CRTモニターに取って代わるようになった。Lazが当時からプレイしていた『Counter-Strike 1.6(CS1.6)』や『Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)』では、多くのプロプレイヤーがBenQ ZOWIEモニターを使用しており、国内外問わずオフライン大会における標準的なモニターとなっていった。

120Hz、144Hz、240Hzと覇を競うようにモニターの性能は上がっていき、Lazはその都度モニターを新調していったという。

「オフライン会場ではBenQ ZOWIE以外のモニターでプレイする機会も何度かありましたが、普段使いのモニターと比べたら残像感が強く、どうしても違和感を拭えませんでした」

残像感の少なさはBenQ ZOWIEの強みだが、それ以外にも明確な強みがある。小さめの台座はキーボードのエリアを確保しやすく、モニタースタンドには目盛りが記載されているため、モニターの角度や高さも固定しやすい。過酷な環境を強いられるオフライン大会を意識した作りになっているのが、Lazの琴線に触れた。

「120Hzのモニターを買った辺りから、競技シーンを意識するようになった気がします」

Lazの才能は今や疑いようのないものだが、しかし、彼の実力が認知されるまでには時間が掛かった。初めて競技シーンに参入した『CS1.6』において才能の片鱗は見せていたものの、当時の上位層に君臨するトッププレイヤー達と比較したら、実力と経験において明確な差があった。彼が真に台頭し始めたのは続編となる『CS:GO』からだった。

2015年、プロゲーミングチーム「Absolute」設立。ここからLazの存在感は劇的に増していった。国内での連戦連勝を経て、絶対王者として君臨。2016年には堂々のプロ化を果たした。だがLazにとっての本丸である海外の舞台では、辛酸を舐め続けた。国内最強のAbsoluteでも、海外で勝つのは至難の業だった。

そうした経験を糧にして挑んだ新天地『VALORANT』と、見事な大躍進。そして競技シーン激化に伴うチームの不調と再編成。あらゆる苦難と紆余曲折を経て、ついに彼らは世界3位に到達した。

Lazの成長と苦楽の14年を、BenQ ZOWIEモニターは支え続けた。

燃え尽きることなく、世界の頂点を目指す

世界3位という順位は、Lazにとっては想定を遥かに超えた結果だった。当初の目標はあくまで1勝。2勝できれば万々歳だったのだ。そういう点ではもちろん嬉しい誤算でもあったが、同時に「燃え尽きてしまうのではないか」という恐怖もあったという。

「10年間ずっと、世界で戦えるようなプレイヤーを目指してました。でも、世界大会が終わった直後には皆で反省点を話し合って、すぐに次の目標に向けて準備している自分がいました」

ある意味で「ホッとしたような感覚がありました」と語った。それと同時に、自分のなかで燻り続けていた目標に火が付いたという。

世界大会へ行く前は「将来的に日本というリージョンさえ勝てれば、それでいい」と思っていた。10年かけて世界の恐ろしさを身に沁みて経験したがゆえの、素直な意見だった。だが、今回の大会で10年越しの夢を一足飛びに叶えてしまった。彼のなかで、“世界一になりたい”という強い想いが再燃した。

「VCT 2022 Master」の前に言葉にしていたら笑われていたかもしれないし、安易に掲げられるような目標ではなかっただろう。だが今ならはっきりと言える。レイキャビクでの活躍が証明した。不可能だと思っていた夢は、現実的に可能な目標になった。

「次に目指すなら確かに世界一です。ただ、僕自身は順位へのこだわりよりも、理想の強さを追い求めるタイプだと思っています」

順位に縛られず好きなように極めていくつもりだと、Lazは笑う。そして、同時に若手選手の目を見張るような可能性にも注目しているという。

「若いプレイヤーのなかには、1年や2年で世界トップレベルの選手になってしまう人もいます。ZETAのメンバーに限らず、その他のチームもそうです。成長スピード自体は彼らには敵わないので、僕は僕なりにこつこつとレベルアップしていくつもりです」

未踏の領域に踏み込んだことで、LazとZETAは更に強くなるだろう。世界王者への道は険しいが、もう決して遠い道ではなくなりつつある。

Laz選手が愛用するXL2546K、アクションゲームに特化した性能を紹介

FPSゲームに特化した滑らかな映像表現

Laz選手含め多くのプロプレイヤーが愛用する「XL2546K」は、240Hzという極めて高いリフレッシュレートを備えています。応答速度は0.5mと低遅延のTNパネルを採用しているのが特徴です。

さらに、CRTモニターのような最小限の残像感を再現できるベンキュー独自の機能「DyAc+」を搭載。画像のように素早い画面遷移の際に発生しがちだったキャラクターのブレが改善される効果があります。実際にDyAc+をONにするとゲーム描写が全体的に滑らかになるので、FPSなどコンマ1秒を争うようなゲームにおすすめです。

機能性に優れたベーススタンド

コンパクトに設計されたベーススタンド、デスクトップのスペースを広げ、自由なプレイスタイルをサポートしています。

本製品は、一般的なゲーミングモニターとしては珍しい五角形タイプを採用。安定性が高く、スタイリッシュなデザインに仕上がっています。台座の底には7つの滑り止めラバーが施されているため、滅多なことでは倒れません。

具体的なコンパクト化についても、既存のベーススタンドと比較したら一目瞭然。スタンダードなデバイス配置をした場合、「XL2546K」はデスク周りに余白が生まれるため、より自由なセットアップを実現できます。

他にも画像のようなプロスタイルの構え方にも対応しているため、オフライン会場でありがちな狭いデスク環境でも「XL2546K」の強みは発揮されます。

特にローセンシ(マウス感度が低いこと)の場合は上記のような構え方や、非常に大きなマウスパッドを使用していることが多いので、五角形型の台座にデザインされた本製品のメリットを最大限活かすことが可能です。

目盛りでお気に入りのプレイ環境を簡単に再現

▲スイベル機能用目盛り

▲チルト機能用目盛り

▲高さ調節用目盛り

チルト機能(上下角度調整)・スイベル機能(左右角度調整)・高さ調節にはそれぞれ目盛りが描かれているため、お気に入りのプレイ環境を簡単に再現できます。

デスク周りの環境を整えるために定規やメジャーを使う方も多いとは思いますが、チルトやスイベルなどの角度調整に関してはミリ単位の調整が難しかったため、こだわりのあるゲーマーにとっては細かいながらも非常に重要な機能です。

集中しやすい環境を作り出すアイシールド

付属のアイシールドも注目すべきポイント。光の反射を防ぎ、プレイヤーの視野を集中させることで、よりゲームに対する集中力を高められます。視界そのものを画面に向けられるため、没入感の高い状態でゲームをプレイすることが可能です。

180°の角度調整が行えるので、使用しないタイミングでは背面に隠すといった使い方も。デュアルモニター環境を構築する際などで邪魔にならないため便利です。

仕事やゲームで画面に集中したい時はアイシールドを使用し、普段使いで邪魔だと感じたら背面に隠し、そもそも必要ないと感じたらアイシールドを装着しないという様々な選択肢をとれるのが強み。好みに合わせて使える、脱着可能な装備品として扱うのが丁度いいかと思います。

持ち運びやすい取っ手も魅力

スタンド上部に備えられた取っ手は、オフライン会場への持ち運びや普段使いを意識した丈夫な作り。デスク周りの掃除や部屋の模様替えを行う際も、取っ手の有無で快適さや安心感は変わります。

取っ手のないモニターを運んでいる際に手が滑って落としてしまい、新たにモニターを新調する羽目になってしまった事例も何度か見てきました。不慮の事故を減らすうえでも活躍してくれます。

画面のキズを防ぐカバー

付属のビニールカバーは、ホコリやキズの防止を目的としています。オフラインイベントに参加する方々にとっては「あれば便利」というアイテムです。加えてモニターの重量が6.2kgという軽量サイズに抑えられている点も、オフライン会場への持ち込みやセッティングを前提とした設計思想を感じます。

ユーザー毎の設定に配慮した多機能性

Black eQualizer:暗い部分を明るくする機能です。暗がりに潜んでいるキャラクターを視認できるようになります。ガンマや輝度とは違い、より暗部にフォーカスした設定のため、FPSなどのゲームに特化した設定といえます。

色の鮮明さ:色調を調整する項目です。似た色に溶け込んでいるキャラクターをはっきりと見分けられるようになります。例えば緑色のキャラクターが草葉の中に隠れると発見し難いですが、そういうシチュエーションでの可視性を変更できる項目です。

ブルーライト軽減:目の疲れや疲労に影響があると言われているブルーライトの量を調整する項目です。目が受ける刺激を軽減することができます。

ガンマ:Black eQualizerとは違い、中間色の明るさを調整する項目です。こちらはゲーム内でも変えることができるので、どちらかというと仕事や普段使いに対応しています。

色温度:光の色の項目です。暖色や寒色に調整することができます。

ColorWeakness:色覚異常に配慮した項目です。調整することで画面が見やすくなることがあります。

DyAc+:モーションブラーを極限まで軽減する「XL2546K」独自の機能です。

輝度:画面全体の明るさを調整する項目です。

コントラスト:色のメリハリをつける項目です。暗い部分は暗くし、明るい部分を明るくします。

シャープネス:輪郭をハッキリとさせる項目です。強くすることでよりくっきりと映るようになります。

AMA:Advanced Motion Acceleratorの略で、遅延や残像感に関わる項目です。この項目を上げることで遅延と残像感を軽減できます。個人的なオススメは高です。

手間なく設定を保存・共有できる「XL Setting to Share」

ユーザーごとの設定を保存し、送信・共有できる公式ソフトウェア「XL Setting to Share」。都度設定する手間や入力漏れ、誤入力といった手入力特有の問題に対応した機能です。

憧れのプレイヤーや友達の設定を共有する際に役立ちますが、そのほかにもオフラインイベントなどで素早く自身の設定を会場モニターに反映させる際にも活躍します。

今回インタビューさせていただいたLaz選手のモニター設定はこちら
※Laz選手がDyAc+をOFFにしている理由は「すべての大会でDyAc+機能が付いているモニターではないから、普段からその環境に慣れておくため」とのことです。

製品紹介

ベンキュー(BenQ) ゲーミングモニター ZOWIE XL2546K