イラスト制作などのクリエイティブな用途で活躍する「液タブ(液晶タブレット)」。パソコンなどと接続して、デジタルでイラストや漫画を描く際に役立つアイテムです。
本記事では、液タブのおすすめ製品を初心者向け・中級者向け・上級者向けに分けてご紹介します。板タブとの違いや選び方などについても解説しているので、併せてチェックしてみてください。
- 目次
- 液タブと板タブの違い
- 液タブの選び方
- 液タブのおすすめメーカー
- 液タブのおすすめモデル|初心者向け
- 液タブのおすすめモデル|中級者向け
- 液タブのおすすめモデル|上級者・プロ向け
- 液晶タブレットの売れ筋ランキングをチェック
液タブと板タブの違い
液タブのメリット

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ペンタブレットには、液タブと板タブの2種類があります。液タブは、本体の液晶パネルにスタイラスペンで直接描画するタイプ。紙に近い感覚で描けるのがメリットです。
今までアナログでイラストを制作しており、デジタルへの乗り換えを検討している方などにもおすすめ。ただし、表面の質感は紙とは異なるので多少の慣れは必要です。
板タブのメリット

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板タブは、PCなどと接続することでPC画面上のポインターを操作できるデバイスです。入力には専用のスタイラスペンを使用します。液タブとは違い、本体に液晶がなく、接続したPCなどの画面を見ながら操作するのが特徴です。
板タブは、描いている絵が自分の手で隠れないなどのメリットがあります。また、正面にあるディスプレイを見ながら、絵の全体を常に把握して描画を進められるので、液タブよりも正しい姿勢をキープしやすいのもメリットです。
さらに、液タブよりもリーズナブルなモデルが多いため、コストを抑えたい方は板タブもチェックしてみてください。
板タブについて詳しくはこちら
液タブの選び方
PCとの接続方法をチェック
USBやHDMIケーブルで接続するモデルが一般的

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液タブは主にPCと接続して使用します。接続方法はモデルやメーカーによってさまざまなので、購入前にしっかりと確認しておきましょう。
PCとの接続には、USB端子やHDMIなどが一般的です。なかには、DisplayPortやMini DisplayPortなどに対応しているモデルも存在します。まずは自身が所有しているPCに搭載されている端子を確認しておきましょう。
併せて、液タブ側に同梱するケーブルの種類や対応している接続方法もチェックしておくと安心です。
PCなしで使えるモデルも

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液タブには、スマホなどと接続して使用できるモデルや液タブ単体で使えるモデルもあります。PCを持っていなくても、気軽に使用できるのがメリット。外出先などに持ち運んで作業を進めたい場合などにも役立ちます。
ただし、互換性がない場合もあるので、購入前に確認が必要です。予算的にPCを購入できない方や、PCを設置するためのスペースに余裕がない方などはチェックしてみてください。
設置場所に合わせてサイズを選ぶ

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液タブには、省スペースで設置しやすいコンパクトなモデルから、広々とした作業領域を確保できる大画面モデルまで、豊富な製品がラインナップされています。用途や設置場所、予算などを考慮して自分に合ったサイズのモノを選びましょう。
なるべく小さいモデルがほしい方や設置場所が限られているという方は、13インチ前後のコンパクトなモデルがぴったりです。小さいサイズの方が安い傾向にあるので、予算も抑えられます。
設置スペースに余裕がある場合や快適性を重視する方は、16~24インチ前後のモデルがおすすめです。そのほか、なるべく大画面で作業したい方やより本格的にイラストを制作したい方は、24インチサイズ以上のモデルもチェックしてみてください。
視差と表示遅延が少ないモノがおすすめ

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液タブを選ぶ際は、ペン先と画面内のカーソルのズレを示す「視差」が少ないモノがおすすめ。視差が大きいと描きづらく感じる場合があります。
視差に加えて、ペンを動かしてから線が実際に表示されるまでの遅延の少なさも確認しておきたい重要なポイント。視差と同様に、遅延が大きければ、快適性を損なう場合があるので要注意です。
液タブのスペックにも注目
解像度

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液タブを選ぶ際は、モニターの解像度も要チェックです。解像度とは、画面上のドットの数を縦×横で表した数値のこと。ドットの数が多いほど解像度が高く、より鮮明な映像を表示できます。
エントリーモデルや画面サイズが小さいモデルでは、解像度1920×1080のフルHD画質に対応したモノが主流。普段からフルHDモニターを使用している方や、初めてデジタルイラストに挑戦する方などにもおすすめです。
ハイエンドモデルや画面サイズが大きいモデルは、解像度2560×1440のWQHD画質や3840×2160の4K画質に対応したモノも販売されています。本格的にイラストを制作したい方やプロを目指す方、買い替えを検討している方などは、高解像度対応モデルもチェックしてみてください。
色域カバー率

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液タブを選ぶ際、色域のカバー率も確認しておきたいポイントです。色域とは可視領域のなかで特定できる色の範囲を表したもの。カバー率が高いほど表示できる色が増え、再現度の高い描写ができます。
色域には、さまざまな規格があり、そのなかでもモニターなどで一般的に採用されているのが「sRGB」。さらに、sRGBよりも色域が広く、実際に人間が見ている色の約50%を再現できる「Adobe RGB」や、デジタルシネマ向けの「DCI-P3」などの規格もあります。
より正確な色味を表示したい場合や、描いたイラストを印刷したい場合などは、Adobe RGBカバー率が高いモデルがおすすめ。色域カバー率は、ECサイトや公式サイトの製品ページなどに記載されているので、購入前にしっかりと確認しておきましょう。
筆圧レベル

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筆圧レベルとは、ペン先が筆圧を感知するレベルを表したものです。うまく活用すれば、力の入れ具合によって、線の太さや濃さを調節できます。筆圧レベルの数値が高いほどペン先にかかる力の強弱を細かく感知することが可能です。
液タブの筆圧レベルは、2048・4096・8192が一般的。より繊細でリアルな表現を求めるのであれば、筆圧レベルの高いモデルを選ぶようにしましょう。
傾き検知機能

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ペン先の傾きによって描写される線の太さが変わる「傾き検知機能」。鉛筆を使ってデッサンしたり、陰影をつけたりするような描き方が可能で、手軽に幅広い表現ができるのがメリットです。
アナログで描くイラストのように、リアルな表現を液タブでも行いたい方などは要チェック。ほかの項目と併せて、確認しておきましょう。
ショートカットキーがあると便利

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液タブには、さまざまな操作を割り当てられるショートカットキーを搭載したモデルも存在します。
液タブ本体のサイドや側面などに搭載されているモデルが多く、ペンを持たない方の手で素早く操作できます。キーボードでは2つのキーの同時押しが必要な場合でも、ショートカットキーを活用すればワンクリックで操作できて便利です。
また、モデルによってはボタンの配置や機能などを好みに合わせてカスタマイズも可能。よく使う機能を割り当てて、よりスムーズに作業を進められます。ショートカットキーの数や配置は製品によって異なるので、購入前に確認しておきましょう。
液タブのおすすめメーカー
ワコム(Wacom)

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「ワコム」は、埼玉県に本社を置く1983年設立の日本のメーカーです。1984年には世界で初めてコードレス・ペンタブレットを発表。以降、数多くのペンタブレットやスタイラスペンを開発し、高いシェアを有しています。
ワコムの液タブは、高性能なモデルが揃っているのが特徴。ほかにも、コンパクトな13インチ前後のモデルから30インチ以上の大画面モデルまで、サイズの選択肢も豊富です。
また、エントリー向けのモデルも取り扱っています。初めて液タブを購入する初心者の方にもおすすめです。
XP-PEN

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「XP-PEN」は、中国の深センに本社を置くデジタルペイント製品などを取り扱うメーカーです。2005年に発足し、日本でも数多くのペンタブレットを展開しています。
液タブは、「Artist シリーズ」や「Artist Pro シリーズ」などを販売。豊富なモデルをラインナップしており、比較的抑えめな価格で購入できるモデルも存在します。コスパ重視の方や液タブ初心者の方などにもおすすめです。
また、設置スペースの限られている方にぴったりな10~13インチ前後のコンパクトなモデルも取り扱っています。そのほか、20インチ以上の大画面モデルやWQHD以上の解像度に対応したハイエンドモデルもあるので、気になる方はチェックしてみてください。
HUION

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「HUION」は、2011年に設立されたメーカーで、ペンタブレットなどの手書き入力デバイスの製造・販売を行っています。液タブ・板タブともに豊富な製品ラインナップが揃っており、自分に合ったモデルを選択可能です。
液タブに関しては、リーズナブルかつコンパクトなエントリー向けのモデルから、大画面で高解像に対応したハイエンドモデルまで幅広く展開。便利な機能を搭載したモデルが多いのも特徴です。
液タブのおすすめモデル|初心者向け
ワコム(Wacom) Wacom One DTC133

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初めてデジタルイラストに挑戦してみたい初心者の方などにおすすめの液タブです。画面のサイズは13.3インチで、紙に描いているようなスムーズな描き心地を実現しています。イラストの制作以外にも、写真の編集や手書きのメモをとりたいときにも役立つ便利なアイテムです。
ワコムの液タブのなかでは、比較的安い価格で購入できるコスパのよさもうれしいポイント。なるべく予算を抑えたい方などにもおすすめです。画面の解像度は1920×1080のフルHD画質で、液晶パネルには広視野角なIPS方式を採用しています。
本体サイズは幅357×高さ14.6×奥行き225mmで、重量は1kg。WindowsやMacなどのPCに加え、Androidを搭載したスマホでも使用できるのが魅力です。専用のスタイラスペンはバッテリーレスで、視差なども少なく、快適に描画可能。そのほか、筆圧レベルは4096で、±60°の傾き検知機能にも対応しています。
ワコム(Wacom) Cintiq 16 DTK1660K0D
趣味でイラストを描いている方や学生の方などにぴったりなエントリーモデルの液タブです。描き心地はそのままに、機能を最小限に抑えることで、比較的安い価格を実現しています。初めて液タブを購入する初心者の方にもおすすめです。
画面のサイズは15.6インチで、解像度は1920×1080のフルHD画質。液晶には色鮮やかで広視野角なIPS方式を採用しています。色域に関しては、NTSCカバー率72%、sRGBカバー率96%を実現。また、エントリーモデルながらも、8192段階の筆圧レベルと60°の傾き検知機能に対応しているのも魅力です。
本体サイズは幅285×高さ25×奥行き422mmで、重量は1.9kg。背面には本体に角度をつけられるスタンドを内蔵しています。PCとはHDMIとUSB Type-A接続が可能です。
XP-PEN Artist 12セカンド JPCD120FH
12型のディスプレイを搭載したコンパクトな液タブです。本体サイズは幅209×高さ12×奥行き346.2mmで、重量は約0.88kg。デスク上の少ないスペースにも設置しやすく、あまり場所をとらないのもメリットのひとつです。
解像度は1920×1080のフルHD画質で、液晶パネルには178°の広い視野角を実現するIPSパネルを採用。また、表面にはフルラミネート加工が施されているので、視差も抑えられています。本体のエッジ部分にはラバー素材を採用しているため、耐久性も良好です。
色域は、sRGBを127%、Adobe RGBは94%カバーしています。好みに合わせてカスタマイズができるショートカットキーも搭載。筆圧レベルは8192段階で、60°の傾き検知機能にも対応しています。また、WindowsやMacなどのPCだけでなく、一部のAndroidデバイスなどでも使用可能です。
HUION Kamvas 13 GS1331

厚さ約11.8mmのスリムなデザインを採用した液タブ。13.3インチサイズのフルHDディスプレイを搭載しており、sRGBを120%カバーしています。表面にはフルラミネーション加工を施しているので、視差をあまり気にすることなく描画可能です。
本体には、プログラム可能な8つのショートカットキーを搭載しています。WindowsやmacOSに加え、一部のAndroidデバイスなどでも使用できるのもメリットのひとつ。PCなしで使用できるモデルを探している方にもおすすめです。
快適で安定感のある使い心地を実現するバッテリーレスのスタイラスペンを同梱。8192の筆圧レベルと±60°の傾き検知機能に対応しています。
液タブのおすすめモデル|中級者向け
ワコム(Wacom) Cintiq 22 DTK2260K1D

人気の高い「Cintiqシリーズ」の21.5インチモデルです。機能を抑えているので、大画面ながら比較的低価格で購入できます。大きな画面で快適に作業を進めたい方などにおすすめです。
解像度は1920×1080のフルHD画質で、表面は光の映り込みが少ないアンチグレア加工が施されています。また、視差も小さいので、自然な描画な描写が可能です。
色域は、NTSCを72%・sRGBを96%カバー。描き味に優れたスタイラスペン「Wacom Pro Pen 2」が同梱されているのもポイントです。8192の筆圧レベルと60°の傾き検知機能にも対応。そのほか、角度を16~82°の間で調節できる便利なスタンドも付属しています。
ワコム(Wacom) Cintiq Pro 16 DTH167K0D
ユーザーの声を反映し、より快適に使用できるように設計された液タブです。本体の側面には、エクスプレスキーを搭載。頻繁に使用する操作などを素早く起動できるので、作業の効率を上げられます。
画面のサイズは15.6インチで、最大解像度は3840×2160の4K画質に対応。より高精細で美しい映像を表示できるのもメリットのひとつです。また、表面はアンチグレア加工が施されているので、光の映り込みも軽減。長時間作業をしたい方などにもぴったりです。
また、スマホやタブレットのように指でタッチ操作できる、マルチタッチ機能にも対応しています。同機能は、スイッチで簡単にオン/オフを切り替え可能です。背面には最大20°の角度に調節できる折りたたみ式のスタンドを搭載しています。
色域はAdobe RGBを98%カバー。筆圧レベルは8192段階で、傾き検知機能にも対応しています。
XP-Pen Artist24 Pro
23.8インチサイズの大画面ディスプレイを搭載した液タブです。鮮明な映像を表示できる解像度2560×1440の高画質にも対応。色域はAdobe RGBを90%カバーしています。
本体サイズは幅370×高さ44.8×奥行き632mmで、重量は約7kgです。本体の両サイドには2つのレッドリングホイールと合計20個のショートカットキーを搭載。左手でペンを持つ方でも操作しやすいように設計されているのもポイントです。
背面には、16~90°の角度で調節できるスタンドを搭載。筆圧レベルは8192で、±60°の傾き検知機能にも対応しています。
液タブのおすすめモデル|上級者・プロ向け
ワコム(Wacom) Cintiq Pro 24 touch DTH-2420/K0

上級者やプロの方など、本格的なイラストを制作する方におすすめの液タブです。画面のサイズは23.6インチで、より鮮明な映像を表示できる解像度3840×2160の4K画質に対応しています。
Adobe RGBを99%カバーしているので、現実に近い色味を再現できるのもメリットのひとつです。さらに、ガラス仕上げのフルフラットなディスプレイを搭載しているため、視差も抑えられています。
また、スタイラスペン「Wacom Pro Pen 2」が同梱されているのもポイント。8192の筆圧レベルと±60°の傾き検知機能を備えています。インターフェイスは、USB 3.0・USB Type-C・HDMI・DisplayPortなどに対応。指でのタッチ操作が可能なマルチタッチ機能も採用しています。
ワコム(Wacom) Cintiq Pro 27 DTH271K0D
大画面かつ高性能な液タブです。画面のサイズは26.9インチで、最大解像度は3840×2160の4K画質。美しい映像を表示でき、画面サイズも大きいので、快適に作業を進められます。
スタイリッシュなスリムベゼルを採用しているのも魅力のひとつ。色域はAdobe RGBを99%・DCI-P3を98%カバーしており、広色域でより鮮やかな色味を再現可能。さらに、120Hzの高速なリフレッシュレートに対応しているので、遅延を気にすることなく滑らかに描画できます。
スタイラスペンには、グリップの太さやサイドスイッチの数などをカスタマイズできる「Wacom Pro Pen 3」を採用。描き味も改良されており、より快適な使い心地を実現しています。
指でのタッチ操作が可能なマルチタッチ機能にも対応。そのほか、背面には手を添えるようにして素早く操作できるグリップ型の「ExpressKey」を搭載しています。
ワコム(Wacom) MobileStudio Pro 16 DTHW1621HK0D
WindowsOSに対応した、PC不要で使用できる液タブです。CPUに「Intel Core i7」、GPUには「NVIDIA Quadro P1000」を搭載。ストレージには512GBのSSDを内蔵し、メモリは16GBを採用しています。また、PCと接続して使うことも可能です。
画面のサイズは15.6インチで、解像度は3840×2160。Adobe RGBは85%カバーしています。さらに、マルチタッチ機能のほか、本体には好みのショートカットを割り当てられるエクスプレスキーを搭載しているのも特徴です。
外出先でも使用できる、利便性に優れたモデルを探している方はチェックしてみてください。
最近では、初心者の方でも気軽に購入しやすいリーズナブルなモデルが展開。一方で、プロや上級者向けのハイエンドモデルは、多機能化と高性能化が進み、快適に使いやすいモデルも多くラインナップされています。初めての方も、買い替えを検討している方もぜひ本記事を参考にして自分にあった液タブを見つけてみてください。