キヤノン(Canon) EOS Kiss M
「EOS Kiss M」は、Canon一眼レフカメラのエントリー機でファミリー層に人気の高い「EOS Kiss」シリーズの冠を持つミラーレス一眼。ミラーレスカメラ「EOS M」シリーズの最新機種として登場しました。小型・軽量ボディーに多彩な新機能を詰め込んだ魅力ある仕上がりとなっています。
画像処理エンジンが最新の「DIGIC 8」に進化したことにより、画質はさらに向上しました。連写は、これまでのEOS Kissシリーズで最も速く、AF追従で最高約7.4コマ/秒、AF固定で最高約10コマ/秒に対応します。運動会などのスポーツシーンなどでベストショットが期待できますね。
その他、EOS Mシリーズで初搭載された「サイレントモード」で、シャッター音のない無音撮影が可能になったことやEOS Kiss初となる高精細なEVF(電子ビューファインダー)で視野率100%になり、大変見やすくなっていること、さらにAF(オートフォーカス)システム「デュアルピクセルCMOS AF」の進化や測距エリアが143点に増えるなど、「EOS Kiss M」は入門機でありながら高性能を誇ります。
作例画像レビュー
早速、暖かな春の陽射しの中、小型ボディーのミラーレスカメラ「EOS Kiss M」を携えてテストシューティングを行いました。それでは、作例をご覧ください。
作例①
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/6.3
露出時間:1/160秒
ISO:5000
少しもジッとしてくれない生後数ヶ月の元気な子猫ちゃん。初めましてのご挨拶時のポーズです。無邪気な可愛さにたまらなく癒されますね。
こちらは、なんと「人物ポートレート」に設定してのワンショット。背景をぼかして被写体を浮き立たせ、毛並みなどの質感をソフトに描写してくれる設定となっています。
撮影時のモード選択は、ケースバイケースで上手に活用すればよいでしょう。サーボAFで被写体にピントを合わせ続けたまま、ペットなどの速い動きに対応させ、ベストショットを高速連写で捉えることも可能です。
作例②
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/6.3
露出時間:1/500秒
ISO:200
いち早く咲き誇るチューリップ。好みの効果を確認しながらフィルターを選択しています。実はこれ、「ジオラマ風」で撮影しました。
作例③
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/6.3
露出時間:1/250秒
ISO:100
シーンインテリジェントオートでは、シーンに適した設定での撮影が可能です。背景をぼかしたり、明るさ、コントラスト、鮮やかさ、色合いなどがカメラ内で調整できます。
この作例は明るい日中の庭で、「背景ぼかし」に設定して撮影しました。背景の花は、結構近くにセッティングしましたが、しっかりとボケ味が出ていますね。
作例④
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/4
露出時間:1/1250秒
ISO:200
イタリアからやってきた我が家の庭の小さな天使。重そうに支えている貝の容器に溜まる雨水で、小鳥がときおり訪ねてきて喉を潤します。
今回、天使をテーマに撮りたいので、カッチリ撮るのではなく、少しファンタジックな雰囲気にしたい……ということで、前ボケに植栽の緑や花の色味を大きく入れてみました。
前ボケを入れる時は、私は花や緑などを手前に置いて隙間から撮影したり、片手でカメラの手前にかざして、もう一方の片手で撮影します。EOS Kiss Mは、約390gという軽量小型なので、容易に片手での撮影ができるのは嬉しい魅力のひとつです。
作例⑤
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/5
露出時間:1/125秒
ISO:100
春の息吹に目覚めた初々しい若葉を発見しました。周囲の環境を取り込んで若葉を撮りたいということであれば、「背景をぼかし」を選択すると主題がぐっと引き立ちます。
この作例の場合は、シーンインテリジェントで「背景ぼかし」を選択して若葉にピントを合わせてシャッターを切っただけ。アドバンスの方なら、もちろん、絞り優先・TV優先・マニュアル露出等で調整しても、お好きな表現を楽しむことが可能です。
作例⑥
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/6.3
露出時間:1/200秒
ISO:100
桜はすっかり葉桜になってしまいましたが、大気はいっそう暖かく、新しいエネルギーに満ちた柳の新芽が風にそよいで静かに揺れます。
この作例は、明るい陽光の中、クリエイティブフィルターの「トイカメラ」に設定して撮影しました。雰囲気のある独特の色調で、主題へと視線を誘うように画面の四隅を暗くします。
作例⑦
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/6.3
露出時間:1/500秒
ISO:200
大きな池のある近隣の公園では、テントを張って過ごすお手軽キャンプが密かなブーム。ハッピーな楽しいひと時ですが、そんなワンシーンをクリエイティブフィルターの「ソフトフォーカス」で撮影するとこのような感じに。温かく柔らかい雰囲気の写真になります。ご家族との楽しい時間を、色々な設定で表現したり記録することが可能です。
作例⑧
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/4
露出時間:1/60秒
ISO:250
さて、本日のランチは、リニューアルしたカフェで新メニューのスープと焼きたてパンをいただきました。もちろん、食する前にワンショット。シーンモードの「料理」で撮影しました。
この設定では、色鮮やかに描写されます。実に美味しそうな色味ですね。いただいたスープのコクと旨味まで表現してくれたように感じます。
作例⑨
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/3.5
露出時間:1/250秒
ISO:200
クリエイティブフィルターのHDR油彩風で撮影しました。3枚連続撮影され、鮮やかで被写体の立体感を強調した油絵のような写真になります。拡大して見ても、そのままアートとして飾れるような精緻に描かれた絵画のようです。
作例⑩
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/16
露出時間:1/60秒
ISO:100
シーンモードの「流し撮り」で撮影。流し撮りに適したシャッタースピードを自動設定してくれます。対応レンズ使用時には、画像のブレを軽減できます。
作例⑪
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/6.3
露出時間:1/250秒
ISO:100
クリエイティブフィルターの「魚眼風」で撮影しました。魚眼レンズで撮影したような写真になるので、まっすぐな直線もご覧のように変形します。
作例⑫
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/4
露出時間:1/100秒
ISO:320
クリエイティブフィルターには、シーンインテリジェントオートでのモノクロとは異なり、「ラフモノクロ」という設定があり、白黒でざらついた感じの写真を楽しむことができます。
江戸期の古い蔵の扉部、そして奥に垣間見えるのは、今でも使用されている物置の一部。錆びついた把手の質感に惹かれ、アップで撮影しました。階調が整理され、シンプルなコントラストの美しさとざらついた粒子のフィルムライクな質感で、ちょっとアーティスティックな雰囲気に表現されます。
作例⑬
カメラ:EOS Kiss M
レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
絞り値:f/5.6
露出時間:1/15秒
ISO:10000
シーンモードの「手持ち夜景」の設定で撮影しました。かなり暗くなっていましたが、三脚なしで綺麗に撮影してくれました。ライトが強く照射された箇所もハレーションを起こすことなく適度に抑えられ、色味もなかなかよいと感じました。4枚連続で撮影されます。
「EOS Kiss M」は、初心者にも使いやすい機種ですが、性能的には上位モデルに勝る高品質に仕上げられていると感じます。バッテリーを含めてほぼ390gという驚きの軽量・小型なので、日常的に気軽に持ち歩くことができ、手軽にハイクオリティーな写真や動画が楽しめるのも魅力。スナップ撮影やイベント、旅行などのシーンで大いに活躍してくれることでしょう。