筆者が一瞬、目を疑ってしまった製品。
ハイテク化、スマート化が著しい現代において、クラウドファンディング「Kickstarter」に蛇腹式の大判カメラが出展されました。
製品名は「Chroma」。イギリス・リパブール在住のスティーブ・ロイド氏が開発したこの製品に、世界中から投資が集まっているようです。
新開発の蛇腹式大判カメラ!
4×5の大判カメラを実際に見たことがない、という人は多いのではないでしょうか。
19世紀から存在するこのカメラは、現代でもたくさんの愛好家を抱えています。画像の焼き付けには我々の知っているフィルムではなく、ガラス乾板を使うのが一般的。こちらのほうが、大きなサイズの画像を撮っても歪みが出ないというわけです。
ですが、そんな大判カメラを新しくプロダクト化するという取り組みはあまり聞きません。「いくら何でもホントかよ!?」というのが筆者の正直な感想です。
レーザー加工機で部品を生産
そんな心配をよそに、開発者のロイド氏は本気で製品開発に取り組んでいます。
Chromaのボディーはレーザー加工機でカットしたアクリル材料。このアクリルは全9色から好きなものを選ぶことができます。
重量は約1.6kg。大判カメラということを考慮すれば、かなりの軽量化に成功しています。レンズを取り付けての撮影はもちろんですが、ピンホール撮影にも対応するとのこと。
蛇腹式大判カメラの構造自体は単純で、ともすれば現代のデジタルカメラよりも手軽に操作できるのではないでしょうか。
アナログ回帰の象徴
欲を言えば、Kickstarterのキャンペーンページ内にChromaで撮影した作品集を用意するべきだったのでは、とも感じます。
ですがデジタル全盛と思われている現代で、アナログ回帰の流れも起こっているというのは事実。Instagramにアップされている写真を見ても、アナログ調の写り具合を意識した画像がたくさんあります。
Chromaは2018年2月14日の時点で、250ポンド(約3万7000円)からのプレオーダーを受け付けています。
まるで100年前にタイムスリップしたかのような、レトロなコンセプトのクラウドファンディング製品。しかしだからこそ、世界のユーザーがこのChromaにこぞって目を向けています。