芳醇な香りを楽しめる「高級ブランデー」。葡萄を原料にしたコニャックやアルマニャック、リンゴを原料にしたカルヴァドスなど種類はさまざまです。化粧箱入りの商品も多く、贈答用にも向いています。贅沢な気分を味わいたい場合にもぴったりなお酒です。

今回は、おすすめの高級ブランデーをご紹介します。高級ブランデーを選ぶ際のポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

高級ブランデーとは?

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ブランデーのなかでも、コニャックやアルマニャックに分類される葡萄のブランデーは高級な傾向にあります。また、ブランデーの価格は使用される原料の質にも影響されるのがポイントです。すぐれた土地で栽培された原料を用いたブランデーも、高価な傾向にあります。

ほかにも、等級の違いやメーカーのブランドバリューによって、ブランデーの価格が異なるのが特徴です。

ブランデーとウイスキーの違いとは?

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ブランデーとウイスキーには、いくつかの違いが存在します。特に大きな違いは原料。ウイスキーは大麦やトウモロコシといった穀物から作られるのに対し、ブランデーは果実から作られています。また、製造時に酵素の力を高める必要があるウイスキーと違い、ブランデーは原料の果実が持つ糖分を利用して醸造するのが特徴です。

味わいや香りについては、ブランデーの方が原料由来の甘みを感じやすく、フルーティーな風味を楽しめます。一般的にウイスキーは味で楽しみ、ブランデーは香りで楽しむといわれている点にも注目してみてください。フルーツが好きな方や、ゆっくりと時間をかけて香りを楽しめるお酒が好きな方にはブランデーがおすすめです。

高級ブランデーの選び方

種類で選ぶ

迷った時は定番の「コニャック」

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コニャックは、フランスのコニャック地方で定められた規定に沿って製造された葡萄のブランデーです。熟成には、主にリムーザン産のオーク樽を使用。新樽を使うことで樽の風味が移るのはもちろん、コニャックらしい琥珀色の液色へと仕上がります。

原料に使う葡萄にも縛りがあるのも特徴。最低熟成年数は3年、アルコール分は40%以上であることが定められています。コニャック地方には、およそ4500の葡萄栽培農家が存在し、多くは小規模のメーカーです。大規模な蒸留所は約120社程度とされています。

日本でも昔から親しまれているお酒のため、高級ブランデー選びに迷ったらコニャックをチョイスしてみてください。

伝統製法で作られた「アルマニャック」

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アルマニャックは、フランスのアルマニャック地方で作られるブランデーです。名前が似ているコニャックと並んで、フランスを代表するブランデーでもあります。コニャックはボルドー地方の北側に位置しますが、アルマニャックはボルドー地方の南側に位置しているのがポイントです。

製法上の大きな違いは、単式蒸留器を使って2回の蒸留を行うコニャックに対して、アルマニャックは連続式蒸留器を使って1回のみ蒸留します。アルマニャックはコニャックと比べて、ワイルドで野性的な味わいと表現されるのが特徴です。

少しパワフルなブランデーを楽しみたい方は、ぜひアルマニャックの高級ブランデーもチェックしてみてください。

リンゴを主原料とした「カルヴァドス」

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カルヴァドスは、リンゴを主体としたブランデーの1種です。生産地はフランスで、なかでもノルマンディー地方のカルヴァドス県とその周辺で製造されています。

カルヴァドスは原産地名称保護によって認定されており、生産地はもちろん熟成期間やアルコール度数なども定められているのが特徴。洋梨を原料にした醸造酒「ポワレ」も30%までブレンドすることが許されているのもポイントです。また原料として230種のりんごと、121種の洋梨を使用することが認められています。

楽しみ方としては、食後にチーズと一緒に飲むのがおすすめ。機会があればカルヴァドスと同じくノルマンディー地方の特産品である、カマンベール・ド・ノルマンディーとのマリアージュを楽しんでみてください。

等級で選ぶ

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高級ブランデーを購入する際は、等級に注目して選ぶのもおすすめです。ブランデーにはさまざまな等級があり、コニャックやカルヴァドスなどの種類によっても基準が異なります。基本的に熟成年数を基準として、等級を定めているのが特徴です。

たとえばコニャックの「XO」は「Extra Old」の略で、最低でも10年の熟成を経ていることを示しているのがポイント。ほかにも、カルヴァドスの「エクストラ」は最低6年熟成を意味しています。高級ブランデーを探している場合は、ぜひ等級の高い商品を選んでみてください。

ブランドで選ぶ

ヘネシー(Hennessy)

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ヘネシーは1765年に創業した、フランスのコニャックブランデーのメーカーです。代々受け継がれてきた、妥協のない商品作りが特徴。厳選された良質な原酒のみを使用し、門外不出のブレンド技術によって仕上げています。

芳醇でなめらかな味わいの商品が多く、ブランデー初心者にも親しみやすいのが魅力。数あるブランデーのなかでも、とくに知名度の高い銘柄です。高級感があるため、贈答用にも適しているのがポイント。高級ブランデー選びに迷ったら、まずはヘネシーをチェックしてみるのがおすすめです。

カミュ(Camus)

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カミュは1863年に創業した、フランスのコニャックブランデーのメーカーです。「ユニ・ブラン種」「フォル・ブランシュ種」「コロンバール種」の葡萄に着目し、コニャックの持つ個性の豊かさを表現した商品を作っています。また、ボルドリー地区の畑を所有しているのもポイントです。

フローラルなアロマを有する長期熟成に適した原酒を生産しているのも特徴。ボルドリーの古酒を加えることで、デリケートでやさしい味わいを生み出しています。

カミュはコニャックのメーカーとして成功したあとも、家族経営にこだわっている点にも注目してみてください。オリジナリティ溢れる商品展開も魅力で、高級ブランデーを探している方にもおすすめのメーカーです。

レミーマルタン(REMY MARTIN)

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レミーマルタンは、1724年に創業したフランスのコニャックブランデーのメーカーです。フィーヌ・シャンパーニュの専門家としてブランデーを作っているのが特徴。フィーヌ・シャンパーニュは、グランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュを組み合わせて誕生します。

グランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュは、長期熟成に適したオー・ド・ヴィーを生み出せる畑。レミーマルタンは、同地にこだわってブランデーを作っています。

1本のブランデーに対して、数百種類の原酒をブレンドしていることも。卓越したブレンド技術が、良質な味わいを生み出す秘訣です。こだわりの詰まった高級ブランデーを探している方は、ぜひレミーマルタンをチェックしてみてください。

高級ブランデーのおすすめ

ヘネシー(Hennessy) ヘネシーX.O

ヘネシー(Hennessy) ヘネシーX.O

ヘネシーから、XO等級で発売されている高級ブランデーです。曲線を取り入れた、特徴的なボトルデザインが目を引く1本。1870年に世界ではじめてXOを冠したブランデーと謳われています。上位4地区の原料から作られた、およそ100種類の原酒をブレンド。芳醇で力強い味わいながら、なめらかな飲み口が魅力です。

熟成年数の異なる原酒を繋ぎ合わせ、新しい味わいを生み出しているのが特徴。過去と未来を繋いで新しい価値観を生み出す姿勢を示しています。等級の高い高級ブランデーが欲しい方におすすめです。

カミュ(CAMUS) カミュ ボルドリーXO

カミュ(CAMUS) カミュ ボルドリーXO

ボルドリー地区の葡萄を使ったシングル・クリュ・コニャックです。ボルドリーはコニャックの原料となる葡萄を栽培するための畑を、地理的特性に応じて分類したなかのひとつ。本商品は、カミュ家が所有するボルドリー畑の葡萄を原料にしている少量生産品です。

ボルドリー地区の葡萄自体が希少なので、珍しいコニャックを味わいたい方にぴったり。スミレやヘーゼルナッツを思わせるアロマに、なめらかで芳醇な味わいが魅力です。アルコール度数は40%。容量は700mlです。

化粧箱に入っているので、贈答用にも適しています。スパイシーで甘さのあるブランデーが好きな方におすすめの高級ブランデーです。

レミーマルタン(REMY MARTIN) LOUIS XIII ルイ13世

レミーマルタン(REMY MARTIN) LOUIS XIII ルイ13世

レミーマルタンから発売されている高級ブランデーです。同ブランドのなかでも、とりわけすぐれた1本として知られているのがポイント。1874年に作られて以来、歴代のセラーマスターが特別な原酒を選んで仕上げています。

本商品は、現セラーマスターのバティスト・ロワゾー氏が担当。中身は40~100年の熟成を経た原酒です。特徴的な形をしたデキャンタボトルは、バカラが手がけたモノを使用しています。時の流れを体感できる、特別な1本を探している方におすすめの高級ブランデーです。

ポールジロー(Paul Giraud) ポールジロー35年

ポールジロー(Paul Giraud) ポールジロー35年

35年表記ですが、実際には45年以上の古酒を使用した高級ブランデーです。やわらかさと上質な熟成感に加え、素材の持つ風味が感じられるのが特徴。葡萄の味わいが凝縮され、グランシャンパーニュ・コニャックらしい飲み口を堪能できます。

ポールジローは家族経営の小規模生産ブランドで、1800年代後半から質の高いブランデーを生み出してきた造り手。手摘みで葡萄を収穫し、自然の力に任せた発酵を大切にしています。アルコール度数は40%です。容量は700ml。長期熟成された1本を楽しみたい方におすすめです。

バロンオタール(BARON OTARD) BARON OTARD XO

バロンオタール(BARON OTARD) BARON OTARD XO

オタールから発売されている、XO等級の高級ブランデーです。適切な熟成方法と計算されたブレンドによって、個性を表現しています。「シャトー・ド・コニャック」の地下にあるセラーで、長期熟成した原酒を使用。赤みがかった琥珀色で、質の高いブランデーを堪能できます。

香りは夜明けの森の木々に、なめし革の香りが調和。味わいはプラム・ヘーゼルナッツ・はちみつ・スミレのエッセンスを楽しめると謳われています。

オタールは1795年に製造を開始したコニャックのブランド。なめらかで複雑な味わいのブランデーを生み出しています。熟成に適した古城で造られる、高級ブランデーが気になる方におすすめです。

マーテル(MARTELL) コルドンブルー

マーテル(MARTELL) コルドンブルー

1912年に誕生して以降愛され続けている高級ブランデー。ボトルデザインも長い間継続して使われ続けており、味わいも見た目も特別なブランデーとして知られています。

色合いは深いコパーカラー。砂糖漬けにしたプラムやリンゴ、コーヒーやナッツといったアロマに、ボルドリー地区らしい洗練された複雑な味わいを楽しめます。

マーテルは大手コニャックブランドのなかでも、特に歴史を有するメーカー。独自の製法によって、良質なコニャックを生み出し続けています。2017年には「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で金賞を受賞。ブランデーマニアにもぴったりな高級ブランデーです。

ドルーエ(Drouet) パラディ ドゥ ファミーユ オルダージュ

ドルーエ(Drouet) パラディ ドゥ ファミーユ オルダージュ

グランド・シャンパーニュ地区セル・アングル村のメーカーが手掛ける高級ブランデー。ドルーエはプロプリエテールと呼ばれる造り手にあたり、原料の栽培から瓶詰まで一貫して行っています。

コニャック地方の伝統的なシャラント式蒸留器で蒸留。フレンチオークの新樽で6~12ヵ月熟成し、さらに古樽を用いて熟成を続けます。完成したブランデーに補糖やカラメルを添加しないことで、ピュアなブランデーの味わいを楽しめるのも特徴です。

アルコール度数は42%。ストレートで味わうのに適した度数で調節しています。コニャック業界で名を知られるバーテンダーからも高い評価を得ている高級ブランデーです。

バロンG. ルグラン バ・アルマニャック(Baron G.Legrand Bas Armagnac) 1983

バロンG. ルグラン バ・アルマニャック(Baron G.Legrand Bas Armagnac) 1983

1983年ヴィンテージのアルマニャックが楽しめる、高級ブランデー。使用する葡萄はユニ・ブランが50%、フォール・ブランシュとコロンバールが10%、バコ・ブランが40%です。20世紀初頭に製造された、歴史のある蒸留器を使用しているのが特徴。現在はコニャックレローがバロンGルグランの製法を継承しています。

ヴィンテージにこだわった商品化を行っているのもポイント。さまざまな年のブランデーを販売しているため、バースデーヴィンテージを探している方にもおすすめです。

ペール・マグロワール(Pere Magloire) ヘリテージ・エクストラ ペイ・ドージュ

ペール・マグロワール(Pere Magloire) ヘリテージ・エクストラ ペイ・ドージュ

ペール・マグロワールから発売されている、エクストラ等級の高級ブランデーです。すぐれた生産地であるペイ・ドージュ産。さらに、20年以上の熟成を経た原酒のみを使っているのが特徴です。色合いは琥珀。リンゴタルトのアロマに、オレンジやリコリスのニュアンスも感じられます。

凝縮した果実感があり、樽で熟成したことによるスパイシーで複雑な味わいが魅力。アーモンド・リンゴ飴・なめし皮の風味も感じられると謳われています。

ペール・マグロワールは、フランスでとくに飲まれているカルヴァドスメーカーのひとつ。リンゴで作られた高級ブランデーに興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

ポーリ(POLI) グラッパ ディ サッシカイア

ポーリ(POLI) グラッパ ディ サッシカイア

ヴェネト州スキアヴォンにある家族経営のグラッパメーカーが手がける高級ブランデーです。バリックで48ヵ月熟成させているのがポイント。さらに、サッシカイアの熟成に使用したバリックで6ヵ月間熟成させています。

樽・バニラ・カカオ・コーヒー・リコリスの香りが特徴。複雑でふくよかなボディを堪能できるのも魅力です。18~20℃くらいの温度で飲むのがおすすめ。チューリップタイプのグラスで飲むと、よりポテンシャルを引き出せます。

アルコール度数は40%です。容量は500ml。ヴェネト州を代表する造り手のグラッパを味わってみたい方におすすめです。

ブランデーの飲み方

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ブランデーの楽しみ方に決まりはなく、ストレート・ロック・水割り・ソーダ割りなど、自由な飲み方を試してみてください。ブランデーの個性を味わいたいなら、ストレートが向いています。チューリップ型の大きめなグラスに注ぎ、グラスの内側にまとわせたブランデーの香りを楽しみながら飲むのがおすすめです。

寒い時期ならホットブランデーがぴったり。お湯であたためることで、ブランデーの香りがより立ちます。アルコールのにおいが気になる方は、コリアンダーやナツメグを加えてみてください。あたためたお酒の香りがやわらぎ、飲みやすくなります。