プレミアムな音響機器ブランドとして有名な「ゼンハイザー」。ヘッドホンやイヤホン、マイクなどの製品を展開しており、その品質の高さからプロの現場でも愛用されています。
今回は、そんなゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 3」をレビュー。優れた音質を保ちながら、ノイズキャンセリング性能などあらゆる面が進化したハイエンドな1台です。
ゼンハイザーらしい煌びやかなサウンド
聴き疲れしにくい高品質サウンドが魅力
「MOMENTUM True Wireless 3」は、ドライバーを自社で生産・開発。通常のBluetooth通信用のチップ1基に加えて、DACとノイキャンの制御を担うチップがもう1基搭載されており、パフォーマンスを効率化させることで音質の向上を実現しています。
さらに、ゼンハイザーの有線イヤホン「IE 600」と同様のアコースティックバックボリューム機構を採用することで、従来モデルよりも音質が進化しているのが特徴です。
試聴してみると、クリアかつ煌びやかなゼンハイザーらしいサウンドが楽しめました。臨場感もあり、頭の中で音楽が構築されるような体験が味わえます。
ベースやバスドラムなどの低音がしっかりと聴こえたのも魅力。深みがありながらも強すぎる訳ではないので、「低音を重視したいけれど、あまりに強いと疲れてしまう……」という方におすすめです。また、不自然な厚みがないため、ナチュラルで上品なサウンドを楽しみたい方にも適していると感じました。
aptX Adaptiveでハイレゾ級の音源を楽しめるのもポイント
Bluetoothコーデック「aptX Adaptive」に対応しているのも魅力。96kHz/24bitのハイレゾ級の音源を再生できるため、音質を重視する方におすすめです。また、aptX Adaptiveは遅延も少ないので、低遅延のワイヤレスイヤホンを探している場合にもぴったり。高音質と低遅延の両方を備えています。
なお、aptX Adaptiveで接続をする際は、スマホやタブレットなどのデバイス側もaptX Adaptiveに対応している必要があるので、ご注意ください。
静寂に包まれるノイズキャンセリング性能が凄い
雑音のなかで聴いてもノイズがほとんど気にならない
「MOMENTUM True Wireless 3」はゼンハイザーの従来のイヤホンと比べて、ノイズキャンセリング性能が強くなっています。ノイズキャンセリング機能を制御するためのDSPチップを、Bluetoothの受信用とは別で搭載しており、より効率的にノイズを低減可能。周りの騒音に合わせてレベルが自動的に調節されるのも進化したポイントです。
オフィスで実際に使用してみましたが、話し声や物音などのノイズがあまり気にならず、音楽だけが空間に流れているような感覚を味わえました。また、しっかりとノイズを低減しながらも高音質をキープ。ノイズキャンセリング性能の高さと音質のよさが両立しており、環境を問わず快適に音楽を楽しめます。
外音取り込み機能搭載で装着したままでもスムーズに会話できる
「トランスペアレントヒアリング(外音取り込み)機能」を搭載しているのも特徴。音楽を聴いているときでも、左のイヤホンのセンサーに1回タッチするだけで素早く外の音を取り込めます。「MOMENTUM True Wireless 3」で音楽を聴きながら話しかけられた際に本機能を使いましたが、声が非常にクリアに聞こえ、スムーズに会話ができました。
また、専用アプリ「Smart Control」で外音取り込みのレベルを無段階で自由に調節できるのもおすすめのポイントです。
通信が安定しており街中でも途切れにくい
通信が安定しているワイヤレスイヤホンを探している方にも「MOMENTUM True Wireless 3」はおすすめ。Bluetooth 5.2でClass 1出力ができるほか、LDSアンテナを採用しており、屋外でも安定して接続ができます。
試しに屋外で音楽を聴いてみましたが、駅前など人の往来が多い場所でも途切れにくく、快適に楽しめました。もちろん視聴環境によるところもありますが、通信の安定性を重視する方はぜひチェックしてみてください。
クリアな音声を届けるノイズ低減マイクで快適に通話ができた
通話時の品質も良好。声を集音するビームフォーミングマイクと、骨などを通じて体に響く音を集音するイヤーチャンネルマイクにより、相手にクリアな音声を届けられます。オンライン会議に「MOMENTUM True Wireless 3」で参加をしましたが、周りに多少の騒音があっても相手に聞き返されることがなく、非常にスムーズに会話ができました。
スポーツやワークアウト時にも安心の仕様
IPX4の防滴性能で多少濡れても使用できる
「MOMENTUM True Wireless 3」はIPX4の防滴性能を発揮。少し濡れる程度なら、故障の心配をせずに使用できます。外で音楽を聴いているときに、天気が悪くなって雨に濡れても安心。また、スポーツ時など、汗で濡れるシチュエーションでも着用可能です。
フィット感が高いイヤーフィンで快適に装着可能
フィット感を高めるためのイヤーフィンが付属。シリコン製でイヤホン本体に簡単に取り付けられます。
Lサイズ・Mサイズ・Sサイズの3種類が同梱されており、LサイズとMサイズのイヤーフィンが上が少し出っ張っているため、耳のくぼみにしっかりと収まってフィットしました。Sサイズだと出っ張りはありませんが、シリコンのグリップ力でしっかりホールド。頭を軽く振っても落ちず、スポーツなど動きのあるシーンでも安心して装着できます。
充電ケースと併用すれば最大28時間使える
動作時間の長さも魅力のひとつ。イヤホン単体で最大7時間、充電ケースと併用すれば最大28時間の連続使用ができます。こまめに充電をする手間がなかったのがメリットに感じた点です。
また、10分の充電で約1時間動作するクイックチャージ仕様なので、仮に充電を忘れても少しの充電ですぐに使えます。充電の手間を減らしたい方や、充電をつい忘れてしまうことが多い方におすすめです。さらに、Qi充電に対応しているため、ワイヤレスで充電がしたい場合もチェックしてみてください。
おしゃれなイヤホンケースでデザイン重視の方にもぴったり
ファブリック素材の充電ケースを採用しており、デザイン性に優れているのも特徴。あたたかみのある雰囲気でガジェット感があまりないため、デスクに置いていても自然に溶け込みました。
使わないときでもおしゃれに置いておけるのがポイント。また、デザインがよいのはもちろん、ザラザラした触り心地で、滑りにくくしっかり持てたのも魅力に感じた点です。
イヤホン本体が軽量化されているのも魅力
イヤホン片側の重量が第2世代は6g、第3世代である今回の「MOMENTUM True Wireless 3」は5.8gと軽量化されています。さらに、イヤホン全体の大きさも前作から16%ほどコンパクトになっており、耳が小さい方でも装着しやすいのが特徴です。
しばらく装着をしたままの状態でも疲れにくく、快適に音楽が聴けました。イヤホンの重さが気になっていた方にぴったり。また、軽量化を実現しながら、バッテリーの容量が変わっていないのもポイントです。
従来モデルから進化した、ゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless 3」。ノイズキャンセリングの性能を強化しながらも、上品で煌びやかなゼンハイザーサウンドが大幅に進化しており、機能性と音質の高さを両立しています。通話時に役立つノイズ低減マイクを採用していたり、防滴性能を搭載していたりと、使用時に役立つスペックを備えているのも魅力。ぜひこの機会にチェックしてみてください。