最近噂の「ジェネリック家具」。どこかで聞いたことのある言葉だけど、一体どういう意味? ジェネリック家具とは有名デザイナーのデザインした家具で、意匠権が切れたものを正規メーカーではないショップが復刻生産したリプロダクト製品のことを指します。今まで高くて手が出なかったインテリア製品も、ジェネリック家具ならぐっとお安く手に入り、あこがれの男前のインテリアに一気に近づくことができますね。
でも待って! 正規価格でないと言っても、家具はやっぱり高価なもの。失敗しないためにも、購入する前には必ずチェックしておきたいこともあります。ここではおすすめのジェネリック家具とその選び方をご紹介します。
ジェネリック家具の選び方ジェネリック製品であると表記してあるものを探そう
ジェネリック製品であると表記してあるものを探そう
同じデザインであるにも関わらず、ジェネリック製品、もしくはリプロダクト製品ときちんと書いていないものは、コピー品の場合もあります。写真の見た目はソックリなのに、品質は比べものにならなかった! なんてことになったら大変です。きちんと明記してあるお店を探すことをおすすめします。
お店のレビューは要チェック!
やっと見つけた大好きだったあこがれのデザイナーのリプロダクト製品。低価格のジェネリック家具ですから、すぐにでも欲しい気持ちになるけれど、そこはちょっと抑えて必ずレビューをチェックしましょう。納得できないレビューがあったら、他のお店の商品と比べてみて下さいね。
アフターケアがきちんとしているお店を探そう
低価格がウリのジェネリック家具とは言っても、家具はやっぱり高いもの。購入後の対応を全くしていないところでのお買い物は避けたいところですよね。ぽちっと押す前に、必ず製品保証やアフターケアについてチェックするのを忘れずに。
所在地が明確なショップを探そう
ネットでのお買い物は製品を実際に確認できないのが大きなデメリット。届いてみたら、想像していたよりもずっと品質の劣るものだとがっかりですよね。ショップの所在地が明記していないと、クレーム対応をきちんとしてくれるのかが心配。所在地を明確にしてあるか、必ず事前に確認しましょう。
他のお店との値段を比べてみよう
ちょっとでも安い値段で手に入れたいと誰もが思うものだけど、あまりにも低価格のお店は要注意。他のお店に比べて生産時に手を抜いている可能性もあるかもしれません。同じデザインでたくさんのショップが生産してますから、他のお店の値段と比べてみることもお忘れなく。
おすすめジェネリックブランド5選
チャールズ&レイ・イームズ(Charles & Ray Eames)
イームズと言えば、昔から誰もがあこがれる有名デザイナーズブランド。チャールズとレイのイームズ夫妻はアメリカの建築家であり、工業デザイナー、映像作家としても活躍し、1930年代から70年代まで建築、家具、映像などさまざまな分野で数多くの作品を残しています。その人気はアメリカだけにとどまらず、世界中に根強いファンを持っていることでも有名。
イームズ・デザインは後世のデザイナーに多くの影響を与えているブランド。そのモダンで斬新、ポップなデザインは今もなお色褪せることなく人の心を掴み、世界中で親しまれています。
チャールズ&レイ・イームズ(Charles & Ray Eames) アームシェルチェア RAR eamesrar
イームズと言えばやはり有名なのがチェアのデザインです。こちらは座面がころんとしたフォルムで可愛らしいシェル型、そして美しい曲線を描いた脚部が付いたロッキングチェアタイプ。インパクトのあるチェアですが、これをひとつ部屋に置けば、おしゃれ度は一気にアップ! ゆらゆら揺れて、贅沢気分を味わえますね。
どこにも無駄のない、完成されたデザインは決して飽きることがないでしょう。カラーは5種類から選べて、お部屋にぴったりなものがきっと探せるはず。
チャールズ&レイ・イームズ(Charles & Ray Eames) シェルチェア DAR miy-pc-018
体をすっぽりと包んでくれる優美なフォルムの座面と、エッフェル塔を模したシャープなラインが美しい脚部のコンビネーションが今見てもため息が出るほど魅惑的なスタイルです。スタイリッシュでキュートなデザインは、ひとつ置くだけで部屋の雰囲気をぐっと引き締めてくれるに違いありません。カラーはお部屋のインテリアに合わせて選べる5種類。
シックに決めるかポップでいくか、悩むところ。いっそのこと、色違いでたくさん揃えてもいいですね!
アルネ・ヤコブセン
アルネ・ヤコブセンは1902年デンマーク出身の建築家。工業デザイナーとして1920年代から70年代に活躍した人物です。1930年代から40年代にかけて『ベラヴィスタ集合住宅』や『スーホルム集合住宅』などを手掛け、1950年代には家具デザインとして『アントチェア』『スワンチェア』『エッグチェア』『セブンチェア』などを発表し、世界中にその名を知れ渡るようになりました。また家具だけでなく、時計や照明などのプロダクトもとても有名。
アルネ・ヤコブセン セブンチェア inv0001-271
アルネ・ヤコブセンのデザインの代表作、セブンチェア。ヤコブセンがシンプルをどこまでも極め、モダニズムを追求した、その優雅なフォルムが特徴的。セブンチェアは軽くて持ち運びが簡単で、重ねて片付けられるのも大きなポイントですね。シックな雰囲気あふれる4色のカラーが展開されており、どれを選んでも大人ムード満点。
シンプルなスタイルは、北欧テイストやモダンインテリアにもぴったりとマッチしてくれる製品です。
アルネ・ヤコブセン スワンチェア swan-chair
独創的なスタイルに思わず目を奪われるのが、こちらのスワンチェア。ヤコブセンの有名なエッグチェアにも引けを取らないオリジナリティあふれる作品です。アームの部分は白鳥の翼をイメージして造られた、大人の遊び心いっぱいのデザインがおしゃれ。そのゴージャスな雰囲気は部屋の主役になること間違いなし!
インテリア上級者にはたまらない、ワンランク上のスワンチェア。インパクトの強いアイテムですから、部屋の雰囲気にあったカラーを選びたいですね。
イサム・ノグチ
日本人の父親とアメリカ人の母を持ち、日系アメリカ人として生まれたロスアンゼルス出身のイサム・ノグチは、彫刻家、デザイナー、建築家、造園家、舞台芸術家などさまざまな顔を持つ芸術家です。1920年代から数多くの彫刻、庭園を手掛けた彼は、家具デザイナーとしてノグチテーブル、プリズマティック・テーブル、サイクロン・テーブルなどをデザインしています。
彼のデザインしたプロダクトは、シンプルな中に佇む気品ある美しさが特徴で、そのモダンさは多くのファンを魅了しています。
イサム・ノグチ サイクロンテーブル Art-TT002-WH
イサム・ノグチの工業デザイナーとしての才能の凄さを見せつけられる、圧倒的な美しさを誇るサイクロンテーブル。らせん状に優雅に描かれた脚部の曲線と天板とのコンビネーションが際立つ作品です。アダルトなムードいっぱいのこのテーブルを置けば、ダイニングがすぐさまおしゃれカフェに変身。スタイリッシュで斬新なデザインは部屋のムードを洗練されたものに変えてくれるでしょう。
本物志向を持つ人にこそ持ってほしい一品です。
イサム・ノグチ フリーフォームソファ ecso-freeform
彫刻家としての才能を遺憾なく発揮したイサム・ノグチを感じられる作品がこちらのソファ。柔らかな曲線と他に例を見ない、オリジナリティあふれた見事なデザイン。迫力ある作品ですが、暖かなフォルムはどんな部屋にもマッチしてくれるに違いありません。
これでひとつのアートとして成り立つアイテム。対のオットマンをどこに置くかはセンスの見せどころとなりますね。
ル・コルビジェ(Le Corbusier)
ル・コルビジェは1887年スイスで生まれ、フランスで活躍した建築家であり、ミース・ファン・デル・ローエとフランク・ロイド・ライトと共に、『近代建築の三大巨匠』の一人として知られています。『サヴォワ邸』『ロンシャンの礼拝堂』など世界的に有名な作品を残し、また家具デザイナーとしてもその名を轟かせました。建築家の概念をそのまま反映させたと言われるLC2 Grand Confort(大いなる快適)は、根強い人気を誇るデザインの傑作と言われています。
ル・コルビジェ(Le Corbusier) ソファー LC2 ys2011-2
「スタイリッシュでモダン」。それは時を経た今でもまったく変わらず、ル・コルビジェのソファから得られるイメージです。ソファ本体のきりっと引き締まった直線的なラインと、脚部のフレームがかもし出す、優雅でどこかクラシカルなムード。大人の部屋にしか似合わない、シックな雰囲気が満載です。
カラーは気品あふれるホワイト、ムーディな黒の2種類。どちらもモダンインテリアにぴったりのカラーです。
ル・コルビジェ(Le Corbusier) スイヴェルチェア LC7 iv-a903lc7
1929年にル・コルビジェによってデザインされたチェアがこちら。長い年月を経ているとは考えられないほど現代的なデザインです。無駄の全くないシンプルで機能的なラインは既にインテリアという範疇を超え、芸術作品と言えるでしょう。彼の作品はどの作品も相通ずるものがありますから、シリーズとして揃えるのも素敵です。
ジェネリック家具として低価格で手に入れられる時代にこそ、揃えて欲しいル・コルビジェの作品です。
ヴァーナー・パントン(Verner Panton)
1926年デンマークに生まれたヴァーナー・パントンは、アルネ・ヤコブセン建築事務所で働き、その後独立。建築家としても活躍した彼は、家具デザイナーとして椅子、照明器具、カーテン、時計などさまざまなプロダクトをデザイン。特にパントン・チェアはプラスティック一体成型チェアとして、当時世界で初めてのデザインでした。
ミッドセンチュリーデザインを極めた彼のプロダクトは今の時代でもとても受け入れられる作品ばかり。 そのオリジナリティは他では見ることのできない世界感です。
ヴァーナー・パントン(Verner Panton) パントン・チェア
ヴァーナー・パントンと言えばパントン・チェアというほど有名な作品がこちら。どこかで一度は見たことのあるデザインなのではないでしょうか。発表当時は近未来を想像させる作品であり、柔らかなカーブが特徴的なデザインは、不朽の名作と言われています。室内でカフェ気分を味わうのもよし、アウトドアでキッチュに飾るのも楽しい作品。
スタッキング機能を備えているところも魅力です。カラーもお好みに合わせて選べるところが嬉しいですね。
ヴァーナー・パントン(Verner Panton) コーンチェア Art-SB037-OG
いかにもパントンらしいポップなデザインが魅力的なチェア。その名の通り、コーンを模したデザインが特徴的。下に行くほど細いラインとなり、脚部は一点集中型で、計算されたこのフォルムはチェアだけではなく、部屋全体の雰囲気もまとめてしまうインパクトを感じるでしょう。
パントンの作品は、他では見ることのできない独特のスタイル確立しています。このチェアを置いただけで、部屋は全くの異空間へと変貌を遂げるでしょうね。
ありきたりなアイテムでは満足できないというこだわりを持った人へおすすめしたいチェア。
時を経て、ジェネリック家具として身近になったデザイナーズ家具。今までは眺めるだけの遠い存在だったものが、お手頃価格となって手に入れられるようになり、インテリア好きにはとってもうれしいニュースですよね。
ジェネリック家具は多くのショップが生産をしているので、どこで購入するのか悩んでしまうこともあるかと思います。今回の記事を参考に、あこがれのデザイナーズ・ブランドをジェネリック家具として手に入れてくださいね。