Appleが手がけるディスプレイ一体型のデスクトップパソコン「iMac」。直感的に操作できるわかりやすいUIや高い処理能力、スタイリッシュなデザインが魅力で、長年に渡って多くの人に愛されています。そんなiMacのプロユースモデルとして登場したのが、強力なグラフィックスとプロセッサが特徴の「iMac Pro」です。
今回は、編集部で購入したiMac Proをレビュー。開封から使用してみた感想まで、じっくりご紹介します。
iMac Proの基本スペック
最大18コアのIntel Xeon Wプロセッサを搭載。最大4.5GHzのTurbo Boostも可能で、画像のレンダリングや最大8Kのビデオ編集、リアルタイムのオーディオエフェクト制作などの高負荷な作業も快適に行えます。
Radeon Pro Vegaグラフィックスを搭載しているのもポイント。最大16GBの高帯域幅メモリを持ち、グラフィックス性能の大幅な高速化を実現します。Apple独自の広色域な色空間に加えてRetina 5Kディスプレイを採用することで、驚異的に鮮やかな色表現が可能なのも魅力です。
また、ECC対応32GBメモリや1TBのSSDを内蔵しており、高い耐久性とパフォーマンスを提供。高性能と高解像度の両方を兼ね備えたプロ向けのデスクトップパソコンと言えます。
今回レビューするiMac Proのスペック
プロセッサ:8コア 3.2GHz Intel Xeon W
メモリ:32GB DDR4 ECCメモリ
グラフィックス:Radeon Pro Vega 56
ストレージ:1TB SSD
白を基調としたAppleらしいパッケージ
真っ白な箱に製品の写真が大胆にプリントされた存在感のあるパッケージ。シンプルゆえに想像を掻き立てられます。箱は手前に開く仕様。いよいよ、実機とご対面です!
開封の様子を動画で見る
本体&付属品を細かくチェック
高級感漂うスペースグレーカラーの本体。迫力のある佇まいに思わず圧倒されてしまいました。とにかく「カッコイイ!」の一言に尽きます。
ディスプレイ一体型のため、簡単に設置できるのがメリット。中央下部にはお馴染みのリンゴマークがあしらわれています。
背面には、3.5mmヘッドフォンジャックとSDXCカードスロット、USB 3ポートとThunderbolt 3 (USB-C) ポートをそれぞれ4基、さらに10GBit イーサネット(RJ-45) ポートを配置しています。
27インチiMacの現行機種と比べてみましたが、USB-Cポートが2つから4つに増えているところ以外、大きな違いは見つけられませんでした。
本体のほか、「Magic Keyboard(テンキー付き)」と「Magic Mouse 2」に加えて、Lightning-USBケーブルと電源コードが付属。なお、マウスを「Magic Trackpad」に変更、または追加も可能です。
キーボードとマウスはUSB充電式。キーボードに関しては、単3形電池を使用していた従来モデルの「Apple Wireless Keyboard」に比べ、非常に薄くなっているのが印象的です。マウスは、旧モデルと比較しても外面的には大きな変化は見受けられませんでした。
1日使用してみた
全ての設定を済ませた後、実際に1日使用してみました。まず最初に驚いたのは、Retina 5Kディスプレイの圧倒的な高精細と鮮やかさです。とにかくキレイ!
表示された写真や動画の美しさはもちろん、小さな文字もくっきりと表示されるため、非常に見やすく感じました。映像の美しさをダイレクトに伝えられないのが残念です……。
iMac Proの実力を検証すべく、RAW現像(写真編集)や動画編集を行ってみました。作業の快適さに関しては、2013年モデルの21.5インチ型iMac(Late 2013、2.7GHz Intel Core i5、8GBメモリ、Intel Iris Pro 1536MB)と比較して、そこまで大きな差は感じませんでした。
そこで、動画の書き出し時間を先ほど記述したiMacと比較してみました。 今回は、映像編集ソフトのFinal Cut pro Xを使って、3分の4K/29.97fps映像をH.264コーデックで書き出してみました。書き出しにかかった時間は、iMacが約4分だったのに対し、 iMac Proはたったの1分半。動画の書き出し時間が圧倒的に短くなったことに驚きました!
また、高負荷の作業を行っていてもファンの音が比較的静かな点も高評価ポイント。そしてなによりも、眺めているだけで満ち足りた気持ちにさせてくれるスペースグレーのボディは最高にクールです!
旧モデルよりもしっかりとした打鍵感を持つ新型キーボード。キーのぐらつきが少なく、改良されたシザー構造(パンタグラフ式)により、安定性が向上しているように感じられました。
旧モデルでは細く横長だったファンクションキーとカーソルキーは、文字キーと同じ大きさになっており、より操作しやすくなったように感じます。配列に関しては、新旧モデルで大きな違いはないようです。
マウスについては特に変化は感じませんでしたが、従来通り直感的なジェスチャー操作が可能で、スムーズに作業を行えました。
ゲームや映像、音楽などの分野で仕事をする、いわゆるクリエイターと呼ばれる人たち向けに開発された「iMac Pro」。CPUやグラフィックス、メモリ容量など、全てが高次元のレベルで構成されており、重い負荷のかかる作業をする方におすすめです。購入を検討されている方は、今回のレビューをぜひ参考にしてみてください。