複数のエフェクターへ同時に電気を供給できるパワーサプライ。多くのエフェクターを駆使してサウンドを作っているギタリストやベーシストに欠かせないアイテムです。ただし、種類や電流容量の異なる多種多様なモデルがあり、はじめて選ぶ際に迷ってしまう場合も少なくありません。
そこで今回は、パワーサプライにフォーカスしておすすめモデルをご紹介。あわせて選び方も解説するので、購入を検討している方は参考にしてみてください。
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パワーサプライとは?

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パワーサプライとは、複数のエフェクターへ同時に電気を供給するための機材です。複数の端子を備えており、DCケーブルを使ってエフェクターへ電源を供給する仕組みになっています。同じような電気を供給する機材に「パワーディストリビューター」がありますが、スタジオやライブハウスのPA機器、ラックマウント型の音響機材など、より大型の音響機材向けです。
多くのエフェクターを使用するほど必須のアイテム。たとえば5つのエフェクターを接続するなら5口のコンセントが必要になりますが、パワーサプライを利用すればひとつのコンセントで対応できます。ただし、ひとくちにパワーサプライといってもタイプやサイズなどモデルによってさまざま。ボードに収まるサイズやエフェクターの数、予算などを考慮しながらベストな1台を選びましょう。
パワーサプライの選び方
種類をチェック
初心者でも使いやすい通常型

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通常型のパワーサプライとは、ひとつの電源供給回路で電気を分配して複数のエフェクターに供給するタイプです。ノンアイソレート型や非アイソレート式とも呼ばれており、コンパクトで安価なモデルが多いのが特徴。多くのギタリストやベーシストが使用しています。
ただし、デジタルとアナログのエフェクターを同時に接続するとノイズが発生するのがデメリット。2つのパワーサプライを用意してデジタルのエフェクターを別にすればノイズを抑えられますが、混在させる場合はボード内の設置スペースやコンセントの確保などを確認する必要があります。
コスパ重視なら分岐型

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分岐型とは、ひとつの電源アダプターから供給された電流をケーブルで分岐させるタイプのパワーサプライ。電源アダプター側の端子と分岐ケーブルのメス端子を接続して電気を分配する仕組みで、小さいエフェクトボードを使用する場合に適しています。単純な構造で安価なのも魅力。コスパを重視したい方にもぴったりです。
ただし、電圧を安定させる「レギュレーター」がなく、電圧を一定に保てないのがデメリット。音質に影響するので、音質にこだわる方には向いていません。また、別途アダプターを用意する必要がある点にも留意しておきましょう。
ノイズが気になるなら独立型(アイソレート型)

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複数の端子それぞれにレギュレーターを搭載しているタイプがアイソレート型のパワーサプライです。各出力ポートが独立した電源回路を持ち、ノイズを大幅に軽減するタイプで、安定した電気をエフェクターに供給できるのが特徴。電気の供給口が独立しており、デジタルとアナログのエフェクターを同時に接続してもノイズが発生しないのがメリットです。
アナログ用とデジタル用で2つのパワーサプライを用意するのが面倒な方におすすめ。デジタルとアナログのエフェクターをボードに混在させている方に適しています。ただし、通常型や分岐型と比べて高機能なぶん価格が高めです。また、一部の端子のみアイソレートに対応しているモデルもあるので注意してみてください。音質を重視するなら、すべての端子が独立しているフルアイソレートモデルを選択しましょう。
電流容量をチェック

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パワーサプライはモデルによって電流容量が決められています。電流容量は「mA(ミリアンペア)」や「A(アンペア)」で表示されており、同時に使用するエフェクターの合計電流内に収まっていなければなりません。エフェクターの使用電流はそれぞれ異なるので、使っているエフェクターの合計電流を確認しておくのが大切です。
使用するエフェクターの合計電流に対してギリギリの電流容量だと、エフェクターを入れ替えた際に足りなくなってしまう恐れも。実際に使用するエフェクターによって異なりますが、エフェクター3台に対して電流容量1000mA以上が目安です。
なお、アナログ式のエフェクターは消費電流が少なく、デジタル式のエフェクターは消費電流が大きい傾向があります。後々困らないように、余裕を持って電流容量が大きめのモデルを選ぶと安心です。
接続するエフェクターの数をチェック

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パワーサプライを選ぶ際は、同時に使用するエフェクターに合わせて供給端子の数をチェックしておきましょう。エフェクターの数に対して供給端子の数が少ないと、使用するエフェクターを減らさなければなりません。
供給端子が多いほど接続できるエフェクターが増えるものの、パワーサプライ本体も大きくなる傾向があります。使用しているエフェクトボードのスペースも考慮しておきましょう。マルチエフェクターやワウペダルなど、専用アダプターを使うエフェクターへも同時に電気を供給したい場合は、ACコンセントを搭載したモデルがおすすめです。
変圧に対応しているかどうか

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エフェクターはモデルによって使える電圧が決められており、9Vで駆動する主流のタイプのほかに12Vや18Vの電圧で駆動するタイプもあります。18Vで駆動するエフェクターを9V端子に接続しても、動作しない場合があり注意が必要です。駆動しない場合は別途電源アダプターを使用してコンセントから給電するか、乾電池を使用しなければなりません。
パワーサプライのなかには、9Vと18Vを切り替えられる変圧対応モデルも。別途18V用の端子を設けているモデルや、それぞれの端子に切り替えスイッチを搭載したモデルも販売されています。
将来的にさまざまなエフェクターを試す予定であれば、変圧に対応しているモデルがおすすめです。なかには、6.5V~18V の範囲を無段階で電圧をコントロールできる「ボルテージアジャスト機能」を搭載したモデルもあります。
充電式ならコンセントがなくても使える

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パワーサプライのなかには、充電池を内蔵しているタイプが販売されています。数時間程度であればコンセント不要で使えるのが魅力。近くにコンセントがない状況でも使用でき便利です。電源を確保できない野外での演奏や練習スタジオなどで活躍します。電源アダプターに接続しないため、エフェクターにノイズが乗りにくいのもメリットです。
ただし、内蔵のバッテリーは充電を繰り返していると次第に劣化するのがデメリット。また、突然充電が切れると演奏を続けられなくなります。なかには、放充電サイクルが長く継ぎ足し充電しやすいリチウムイオンポリマー電池を採用しているモデルがあるので、チェックしておきましょう。
パワーサプライのおすすめメーカー
カスタムオーディオジャパン(CUSTOM AUDIO JAPAN)

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カスタムオーディオジャパンは、コントローラーやスイッチセレクター、パワーサプライ、エフェクトループなどの機材を取り扱っているブランドです。エフェクトボードやラックシステム構築に欠かせない製品を販売しており、多くのプロミュージシャンから高い評価を得ています。
パワーサプライにおいては、ハイゲインアンプとの接続を前提に設計したフィルター回路を搭載しているモデルに注目。スイッチング電源特有のパルスノイズを低減しています。
ストライモン(Strymon)

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ストライモンは、真空管搭載のギター・ベース用エフェクターを取り扱うメーカーからスタートしたブランド。高音質を追求すべく、妥協のない製造方法や技術を駆使した高性能な製品を展開しています。
パワーサプライは、薄型コンパクトながら安定した電気をエフェクターへ供給できるモデルをラインナップ。電圧9V・12V・18Vのエフェクターに対応できるモデルも販売しています。
バイタルオーディオ(VITAL AUDIO)

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バイタルオーディオは、ギター専用ケーブルブランドとして1991年に発足しました。プロミュージシャンやレコーディングスタジオで活躍する高品質なケーブルを手がけており、20年以上に渡って多種多様なジャンルのケーブルを開発。高音質なサウンド作りに欠かせない高性能なパワーサプライもあわせて販売しています。
なかでも、すべての供給端子が独立したフルアイソレート型モデルに注目。9V・12V・18Vの変圧にも対応しているなど、さまざまなエフェクターを駆使してサウンドを作りたいギタリストやベーシストにぴったりなブランドです。
パワーサプライのおすすめ
カスタムオーディオジャパン(CUSTOM AUDIO JAPAN) DC・DC Station II
フルアイソレートタイプのパワーサプライです。電源由来のノイズを抑えられ、音質にこだわりたい方におすすめ。スリムなボディで省スペース化を実現しており、ペダルボードの裏面に配置しやすいモデルを探している方にも適しています。
電源供給状態をモニタリングできるデジタルボルトメーターを搭載しているのも便利。ハイゲインアンプに接続するのを前提で電源供給を設計したフィルター回路を採用し、スイッチング電源特有のパルスノイズを低減しています。
ストライモン(Strymon) Ojai R30
幅130×縦58×高さ29mmの小型軽量設計のパワーサプライ。9V・12V・18Vのマルチ電圧出力に対応しており、さまざまなエフェクターへ電気を供給できるのがおすすめポイントです。エフェクトボードの狭いスペースに設置したい場合にもぴったり。各チャンネルにカスタムトランスを採用しており、5つの出力ごとに低ノイズのクリーンな安定出力供給を実現しています。
2ステージのネットワークを採用しているのも特徴。プリ安定化出力やオプトカプラー、アイソレート回路などによってエフェクターの最大ダイナミックレンジを引き出す効果が期待できるのも魅力です。
バイタルオーディオ(VITAL AUDIO) POWER CARRIER VA-08 Mk-II
総電流容量2000mAのパワーサプライです。大容量モデルで消費電流の多いエフェクターを多く接続したい方におすすめ。すべてのポートが独立しているアイソレートタイプにより、ノイズを抑えたクリーンな高音質サウンドを楽しめます。
9V・12V・18Vをスイッチで切り替えできる変圧対応モデルで、さまざまなエフェクターを使いたい方も安心。安定した動作環境を実現するショート保護回路を搭載しています。付属の昇圧用Yケーブルを使用すれば、さらに高い電圧の供給も可能。アルミ削り出しデザインの高級感あふれる外観も魅力です。
バイタルオーディオ(VITAL AUDIO) POWER BASE VA-15 AC
9つの端子にくわえて4口のAC100Vコンセントを搭載しているパワーサプライ。専用ACアダプターにしか対応していないエフェクターへ電気を供給できるのがおすすめポイントです。9V・12V・18Vの電圧に対応した2つの可変アウトレットを搭載しています。
DC部分がオールアイソレート仕様で、デジタルとアナログのエフェクターを混在させてもノイズが入りにくいのが魅力。LEDを消灯できるオン・オフスイッチを備えており、余計な電力消費や電気ノイズを抑える設計になっています。
ケーイーエス(K.E.S) フルアイソレーテッドパワーサプライ KIP-001
無負荷時電圧が9.4V以上になるように設計しているパワーサプライです。オーバードライブやディストーションなど歪み系エフェクターへ電気を供給すると、音にハリと厚みをくわえられると謳っています。ブライトネスが上がる効果が期待できるのも特徴です。
すべての端子が独立しているフルアイソレートタイプで、デジタルとアナログのエフェクターを組み合わせてボードを構築したい方におすすめ。ノイズを抑えた高音質なサウンドを求めている方にもぴったりです。
ケーイーエス(K.E.S) ボルテージアジャスト機能付きフルアイソレーテッドパワーサプライ KIP-V.A.C.9
6.5~18Vの範囲を無段階で電圧をコントロールできるパワーサプライ。さまざまなエフェクターを使いたい方に適しており、特にDistortionやOverdrive系のペダルで厚みのある音を出したい方にもおすすめです。ボルテージインジケーターを備え、設定電圧をひと目で確認できます。
吸気口と放熱ファンによるベンチレートシステムにより、熱損失を最大限に減らして電力効率を向上させている点にも注目。9口すべてのポートがフルアイソレートタイプで、デジタルとアナログのエフェクターを組み合わせてボードをセッティングしたい方にも適しています。
ケーイーエス(K.E.S) AC/DCマルチパワーサプライ KIP-AC208MS
ACコンセント出力を2系統搭載しているパワーサプライです。マルチエフェクターなど専用アダプターを使う機材へ電気を供給したい方におすすめ。グラウンドまで完全に個別のフルアイソレート回路を採用した8ポートを備え、さまざまなエフェクターを接続できます。
高負荷時でも9.4Vを確保するように設計しているのもポイント。ディストーションやオーバードライブ系のエフェクターへ電気を供給すると、音にハリと厚みが生まれる効果が期待できます。幅240×奥行54×高さ30mmの省スペース設計で、コンパクトなエフェクトボードに組み込みたい方にぴったりです。
キクタニ(KIKUTANI) パワーサプライ KP-10
黒をベースにデザインしたシンプルな印象のパワーサプライです。エフェクトボード内で目立ちにくく、お気に入りのエフェクターを視覚的に引き立てる効果が期待できるのがおすすめポイント。9V8口に12Vと18V各1口ずつの合計10ポートを搭載しています。ノンアイソレートタイプの通常型です。
各チャンネルにLEDライトを備えており、暗いステージでもオン・オフを確認可能。万一ショートした際の故障を防ぐショートサーキットプロテクションを搭載し、安心して使えます。
ブードゥーラブ(VOODOO LAB) Pedal Power X4
手のひらに乗るほどコンパクトながら4つの端子を搭載しているパワーサプライ。省スペース設計で狭いスペースに設置しやすく、小さめのエフェクトボードでサウンドを作りたい方におすすめです。9V・最大500mAまでの電源供給に対応しています。
フルアイソレートタイプで、デジタルとアナログのエフェクターを組み込みたい方も安心。安定したリニアレギュレータと厳選したパーツの採用とあいまって、ノイズを抑えた高音質なサウンドを楽しめるのが魅力です。
フェンダー(Fender) Engine Room LVL12 Power Supply

12の独立したポートを搭載しているパワーサプライです。3ウェイトグルスイッチで切り替えできる9V・12V・18V対応ポートを2基搭載し、さまざまなエフェクターへ電気を供給できるおすすめモデル。2色のLEDインジケーターで電力消費を確認できます。
USB-TypeAとTypeC端子を備え、スマホなど対応デバイスを充電できるのも便利。アノダイズドアルミニウムに同社のロゴをあしらったデザインも魅力です。軽量コンパクトモデルで、エフェクトボードにすっきりと設置したい方にも適しています。
ワンコントロール(One Control) DC PORTER PLEXI
USB-TypeC端子を搭載しているモバイルバッテリー専用設計のパワーサプライです。モバイルバッテリーを使ってエフェクターへ電流を供給できるのが特徴。電源アダプターを使うと発生しやすいノイズの混入を防いで、クリーンなサウンドが期待できるおすすめモデルです。
電圧9Vのエフェクターに対応しており、コンパクトサイズながら12ものポートを搭載。電流の使用状況を確認できるインジケーターを備え、電流がオーバーすると赤の点灯で知らせる安全性の高さにも注目です。
エレクトロハーモニックス(ELECTRO-HARMONIX) Power Tank
2000mAhの大容量充電池を内蔵している充電式パワーサプライ。消費電流70mAhのエフェクター6台を接続した場合、フル充電で約4時間45分使用できます。電源を確保できない屋外での演奏や短時間の練習スタジオ、レッスンなどにおすすめ。充放電サイクルが長く繰り返しの充電に強い、リチウムイオンポリマー電池を採用しています。
幅209×奥行44×高さ30mmのコンパクトサイズで、スペースの限られたエフェクトボードにすっきりと配置したい方にもぴったり。ACアダプターに接続しないぶんクリーンな電流で、エフェクターにノイズが乗りにくいのもメリットです。
複数のエフェクターを使って音作りする際に活躍するパワーサプライ。さまざまなエフェクターを試したいのであれば、9Vにくわえて12Vと18Vの電圧に対応しているモデルをチェックしておきましょう。おすすめしたモデルを参考に、自分にぴったりな製品を見つけてみてください。