刀で敵に立ち向かう、武人が登場する「侍漫画」。迫力あるアクションが魅力の作品が多く、時代漫画としても楽しめるのが特徴です。

そこで、本記事ではおすすめの侍漫画をご紹介。最近の作品と昔の作品に分けているので、ぜひチェックしてみてください。

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侍漫画のおすすめ|最近

鬼滅の刃

集英社 著者:吾峠呼世晴 全23巻完結


鬼滅の刃

鬼になってしまった妹を救うため、戦う少年を描いたバトル漫画です。2020年まで「週刊少年ジャンプ」で連載されていた本作は、累計発行部数1億5000万部を超える人気漫画。テレビアニメはもちろん、大ヒットを記録した劇場版や舞台など、メディアミックスも盛んにおこなわれています。

舞台は大正時代の日本。炭を売り一家を支える優しい少年・炭治郎は、突如家族を鬼によって殺されてしまいます。唯一生き残っていた妹・禰豆子は、なぜか人を食らう鬼と化してしまいました。炭治郎は禰豆子を人間に戻すため、鬼殺隊への入隊を決意するのでした。

呼吸法を使った技がかっこよく、ファンタジーバトルとしても高い評価を得ています。また、敵も含めそれぞれに物語があり、キャラクターに感情移入してしまう点もおすすめ。一世を風靡した人気の侍漫画です。

異世界サムライ

KADOKAWA 著者:齋藤勁吾 既刊2巻


異世界サムライ

死に場所を探す最強の侍が、異世界に転移するファンタジー要素満載の侍漫画です。2023年より、「ComicWalker」にて連載を開始しました。主人公の侍は、剣鬼と恐れられる少女です。

戦国時代の日本。女性でありながら剣の天才である月鍔ギンコは、武士としての死を求め戦場に降り立ちます。しかし、彼女は銃弾を額当てに受け、気絶。武士の亡骸に囲まれ、死ねなかったことを嘆くことに……。

そのまま死に場所を探す彼女ですが、その圧倒的な強さから、100人を殺しても自分を殺してくれる人物は見つかりません。仏像に向け、悪鬼羅刹の地獄にでも行きたいと願うギンコ。そんな彼女が次に目を覚ますと、そこはドラゴンが生きる異世界だったのです。

異世界をテーマにしていますが、主人公は剣術一筋。強敵を斬り続ける姿が爽快と、新たな異世界漫画として人気の侍漫画です。

何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?

講談社 原作:井出圭亮 作画:藤本ケンシ 既刊11巻


何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?

織田信長が時空を駆ける、戦国時代を舞台としたSF侍漫画です。2020年から「週刊ヤングマガジン」にて連載が開始。誰もが知る歴史的事件をテーマにしています。

天正10年の本能寺で、停泊中であった織田信長。そんな彼を、家臣であった明智光秀が襲撃します。無念の死を遂げた彼は、気づくと7年前にタイムリープしていました。謀反の元凶であった光秀を斬り、傍若無人な振る舞いを続けた彼は、なぜか再び訪れた本能寺で他の武将に謀反を起こされてしまうのです。

何度繰り返しても謀反を起こされる信長ですが、どうやら脱却できない理由は彼の振る舞いにある様子。アクションよりも、ループする物語やギャグを楽しめる作品です。タイムリープが起こる独特な歴史漫画に興味がある方におすすめです。

アサギロ ~浅葱狼~

小学館 著者:ヒラマツ・ミノル 既刊28巻


アサギロ ~浅葱狼~

幕末を舞台に、後世に名を残す稀代の名剣士を描く侍漫画です。2009年から「ゲッサン」にて連載されています。

剣術指南役を務める村上は、少し剣術ができると噂の少年との御前試合に、余裕の様子で臨みます。しかし、少年の迫力に本気を引きだされ、ついには敗北してしまう彼。少年の名前は、沖田惣次郎。彼こそがその後、最強と名を轟かせる、後の沖田総司なのでした。

新撰組の天才剣士として知られる、沖田総司の生涯を少年期から描いています。近藤勇のカリスマ性や沖田の天才性など、剣での戦いはもちろんキャラの魅力もしっかりと表現されていると評判の侍漫画です。新撰組の歴史に興味がある方におすすめです。

雪花の虎

小学館 著者:東村アキコ 全10巻完結


雪花の虎

誰もが知る戦国武将を、独自の視点から描いた東村アキコの歴史漫画です。2020年まで、「ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた本作品。第47回アングレーム国際漫画祭では、ヤングアダルト賞を受賞しています。

戦国時代の越後。春日山城城主である長尾為景の、3人目の子供が生まれます。軍神である毘沙門天の生まれ変わりであり、後継にふさわしい男子が期待されていました。しかし、誕生したのは元気な女子でした。彼女こそ、後に武田信玄に認められ、織田信長に恐れられる上杉謙信なのです。

現実でも囁かれる、上杉謙信の女性説を説得力ある物語で漫画化した作品。歴史のパートでは、著者が解説するコーナーもあります。また、アクションよりもヒューマンドラマに重点を置いているのも特徴。戦国時代の歴史を学びながら、漫画のストーリーも楽しみたい方におすすめです。

無限の住人

講談社 著者:沙村広明 全30巻完結

無限の住人

“ネオ時代劇”とも謳われる侍漫画です。1993年から2012年まで、「月刊アフタヌーン」で連載されていました。2017年に実写映画化され、2019年にはアニメ化もされています。また、第1回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門にて、優秀賞を受賞しました。

両親を無惨にも殺された少女・凜は、仇討ちを誓います。彼女は、不老不死の侍・万次を助っ人にしました。こうして、少女と侍の血で血を洗う、復讐劇が幕を開けたのです。

暗い内容の時代劇ですが、ファンタジー色が強いのが特徴。殺伐としたシーンが多く、グロテスクな描写もあります。ダークファンタジーな侍漫画が読みたい方におすすめです。

アンゴルモア 元寇合戦記

KADOKAWA 著者:たかぎ七彦 全10巻完結


アンゴルモア 元寇合戦記

海外から侵攻してくる軍勢との戦を描く侍漫画です。2019年からは続編として『アンゴルモア 元寇合戦記 博多編』が連載中です。2018年には、アニメ化もされています。

日本に恐怖を与える、海からやってきた王。対馬に来た罪人であり武士でもある朽井迅三郎は、襲来した蒙古軍と相対します。誰もが授業で習う歴史的事件「元寇」を、新たな視点から描きます。

日本征服を目論む蒙古軍、罪人として対馬にやってきた迅三郎、地元の侍たちと、それぞれの思惑が交錯するストーリーが魅力。グロテスクな描写もあり、戦の生々しさをリアルに表現しています。史実に基づいて話が進むので、歴史の裏側にある人間ドラマに興味がある方にもおすすめです。

ドリフターズ

少年画報社 著者:平野耕太 既刊7巻


ドリフターズ

歴史に名を残す英雄たちが、異世界で活躍するファンタジーアクション漫画です。2009年から「ヤングキングアワーズ」にて連載されています。また、2016年には、アニメ化もされました。

1600年、天下分け目の関ヶ原の合戦。敵将の首を狙うのは、戦国最強の侍と恐れられた島津豊久です。命を失う狭間で、突如彼は異世界に飛ばされます。新たな戦の世界で、彼の武力は発揮されるのでした。

現実世界から異世界にやってきた侍たちの戦いを描く作品です。戦国時代の武将たち以外にも、さまざまな世界の偉人たちが登場します。歴史好きな方や異世界の侍漫画に興味がある方におすすめです。

ハーン –草と鉄と羊–

講談社 著者:瀬下猛 全12巻完結

ハーン –草と鉄と羊–

実際に存在する説をもとに、歴史の知られざる部分を漫画化した侍漫画です。2018年から2020年まで、「モーニング」にて連載されていました。

壇ノ浦の戦いにて、源氏勝利の立役者となった源義経。しかし、彼は兄・頼朝から追われ、逃亡生活を送っていました。船上にて刺客と相対し、圧倒的な強さで敵を屠る義経。流れ着いた先は広大な大陸で、彼はその地で新たに生きていくことを決意します。

現実でも伝説として残る、源義経とチンギス・ハンが同一人物だったという説を軸にしたストーリーです。重要な事件を中心にしており、テンポがよくサクサク読めると評判。強者が新天地で躍動するため、成りあがり系の漫画が好きな方におすすめの1作です。

銀魂

集英社 著者:空知英秋 全77巻完結


銀魂

コメディ感満載の、アクションあり人情ドラマありの侍漫画です。2004年から2018年まで、「週刊少年ジャンプ」で連載していた本作品。多くのエピソードがアニメ化されています。また、アニメ映画化はもちろん、小栗旬主演で実写化もされました。

突如宙からやってきた異人によって廃刀令が敷かれ、侍が滅亡へと向かう江戸。しかし、そこに1人、侍の魂である刀を腰に差す男がいました。彼の名は、坂田銀時。無鉄砲で甘党な銀時が、適当な素振りで江戸を正します。

基本的にはギャグ漫画ですが、泣けるヒューマンドラマも楽しめるのが魅力。また、銀時のフラフラしていながら、一本筋が通ったキャラも人気です。思わず笑ってしまうギャグが楽しめる侍漫画を探している方に、おすすめの作品です。

信長のシェフ

芳文社 著者:梶川卓郎 既刊35巻


信長のシェフ

現代の料理人がタイムスリップする、戦×料理の侍漫画です。2011年から、「週刊漫画TIMES」で連載中の本作品。2013年には、テレビドラマ化もされています。

現代で料理人として活動していたケンが目を覚ますと、そこは戦国時代でした。京で評判の料理と聞きつけ、彼のもとにやってきたのは誰もが知る戦国武将・織田信長。信長お抱えの料理人となった彼は、その腕から戦乱へと巻き込まれていきます。

単行本の巻末にはレシピが掲載されていたりと、料理漫画としても楽しめる作品です。現代料理を戦国時代で再現する過程が面白いと、高く評されています。史実と同じように進む物語も注目のおすすめ侍漫画です。

地獄楽

集英社 著者:賀来ゆうじ 全13巻完結


地獄楽

妻と会うため無罪放免を求め、神秘の島でサバイバルを繰り広げるアクション漫画です。2021年まで「少年ジャンプ+」で連載されていた作品で、2023年にはアニメ化、同年に舞台化もされました。

何度死刑を執行しても、超人的な強靭さで死なない伝説の忍・画眉丸。死ねないと思っていた彼は、打ち首執行人・山田浅ェ門佐切と対峙した瞬間、死にたくなかったのだと気づきます。自分をまともにしてくれた、妻にもう1度会いたい。その想いで画眉丸は、危険だらけの島に降り立ちます。

神秘の島を舞台に数々の謎が登場するので、アクションとしてはもちろんサスペンスとしても楽しめます。能力系漫画としても秀逸ですが、キャラクター1人1人が魅力的なのも特徴。剣技で人ならざる敵と戦う侍漫画に興味がある方に、おすすめです。

サムライせんせい

リブレ 著者:黒江S介 全8巻完結


サムライせんせい

江戸時代から平成の世にタイムスリップした志士を描く、コメディ要素満載の侍漫画です。「クロフネ」で2020年まで連載されていました。2015年にはテレビドラマ化され、2018年には実写映画化もされています。

江戸時代を生き、囚われの身であった武市半平太。彼は突如平成の世にタイムスリップしてしまい、訳もわからず彷徨うことに。そこで、武市は優しい老人に拾われ、彼が営む塾を手伝い始めました。馴染めないまま暮らす武市は、過去へと帰るために奮闘します。

過去の人物である主人公が、現代の姿に驚く姿がコミカルで面白いと評判の本作品。ヒューマンドラマとしても楽しめ、シリアスなストーリーもあります。幕末が好きな方におすすめの1作です。

我間乱~GAMARAN~

講談社 著者:中丸洋介 全22巻完結

我間乱~GAMARAN~

強者が集まる藩を舞台に、No.1を決める武術会を追う侍漫画です。2013年まで「週刊少年マガジン」にて連載されていました。また、2018年からは2年後を描いた続編である『我間乱-修羅-』が、「マガジンポケット」にて連載中です。

江戸中期、強者が集う武芸者の巣窟「海原藩」がありました。鬼の巣と呼ばれるその地で、それぞれの流派が最強を目指し戦う「海原大仕合」が開催されます。大亀流・黒鉄我間は、鷲津直善と共に頂へと駆けあがるため奮闘するのです。

ライバルたちとの剣術勝負を描く作品で、圧倒的な強さを誇る主人公。命を懸けたギリギリの戦いが面白いと高い評価を得ています。純粋なバトルが楽しめる侍漫画を探している方におすすめです。

アシガール

集英社 著者:森本梢子 全16巻完結


アシガール

タイムスリップした女子高生が、若君と恋をするラブコメ漫画です。2011年から2021年まで「Cocohana」にて連載されていた作品で、2023年からは続編『たまのこしいれ 〜アシガール シーズン2〜』が連載中です。2017年には、実写ドラマ化もされました。

遅刻に忘れ物とぐうたらな速川唯は、足の速さだけが取り柄の女子高生です。恋愛にも興味がなかった彼女は、目標も持たずなにげない日々を過ごしていました。そんななか、唯は天才の弟・尊が作ったタイムマシンで、戦国時代にタイムスリップしてしまうのです。

本作品はアクションではなくヒューマンドラマを描いています。明るい雰囲気で進むため、読後感がよいと評価される作品。恋愛中心で楽しめる侍漫画に興味がある方におすすめです。

武士スタント逢坂くん!

小学館 著者:ヨコヤマノブオ 全6巻完結


武士スタント逢坂くん!

現代にやってきた春画師が漫画を学ぶ、性あり笑いありのコメディ侍漫画です。2021年まで「ビッグコミックスピリッツ」にて連載されており、2021年には濵田崇裕主演でドラマ化もされています。

江戸の世で、春画師として絶大な人気を誇る武士・逢坂総司郎。しかし、春画を禁止する法令により、彼は処刑されてしまいます。“もっと画をかきたかった”と志半ばで処刑された彼は、気づくと令和で活動する漫画家の仕事場にタイムスリップしていたのです。

春画描きの武士が、令和の漫画描きの仕事場にやってくる設定が秀逸だと話題。江戸時代の武士が、真剣に画を学ぶ姿がコミカルに描かれています。現代を舞台に描かれる、侍が主人公のギャグ作品です。

いちげき

リイド社 原作:永井義男 作画:松本次郎 全7巻完結


いちげき

幕末を舞台に、百姓集団の戦いを描く侍漫画です。永井義男の人気小説『幕末一撃必殺隊』を原作とする作品。2023年にはNHK正月時代劇として、ドラマ化もされています。

大政奉還後の幕末。幕府との決着を望む薩摩藩は、武装集団「御用盗」を結成し暗躍していました。時を同じくして、各村から力自慢の百姓が集められる、選抜試験が開催されています。彼らは初めて刀を握り、武士たちに挑むことになるのです。

時代劇のリアルが凝縮された、幕末の暗い部分を描く侍漫画。剣術を教わり、使い捨て同然に出撃させられる百姓たちには、残酷な人間ドラマがあります。シリアスな時代劇が好きな方に、おすすめの1作です。

侍漫画のおすすめ|昔

るろうに剣心—明治剣客浪漫譚—

集英社 著者:和月伸宏 全28巻完結


るろうに剣心—明治剣客浪漫譚—

元伝説の人斬りが、己の宿命に立ち向かう侍漫画です。1994年から1999年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載されていた人気作で、続編である『北海道編』は現在も連載されています。アニメ化はもちろん、実写映画化や舞台化など、数々のメディアミックスも果たしています。

かつて剣を振るった維新志士のなかで、最強と謳われる剣士・人斬り抜刀斎。明治の世に、逆刃刀を腰にさげた、とぼけた表情の男が突如現れます。不殺を誓うその流浪人・緋村剣心こそ、人のために剣を振るう人斬り抜刀斎でした。

人斬りである自分から脱却するため、仲間を守るために奮闘する、剣心の生涯を描いた本作品。ジャンプらしい迫力あるバトルと、剣心のギャップが魅力です。明治時代を舞台にした作品が好きな方におすすめです。

センゴク

講談社 著者:宮下英樹 全15巻完結

センゴク

戦国時代を舞台に、名だたる武将の下で戦った人物の生涯を描く侍漫画です。2004年から2007年まで、「週刊ヤングマガジン」で連載されていた作品。2部、3部と連載され、2022年に最終章の4部『センゴク権兵衛』が完結しました。

美濃・斉藤家の家臣であった仙石権兵衛秀久は、落城寸前の城内にいました。敵対するのは、織田上総介信長。信長に捕えられた彼は、部下として迎えられることになります。こうして、仙石権兵衛秀久の戦に明け暮れる日々が幕を開けたのでした。

日本刀の無力さや、騎馬武者の嘘など、厳格な時代考証で新しい戦国時代をリアルに描いた作品。実在の武将たちの活躍を熱く描写していると評価が高い漫画です。また、主人公が知名度の高くない人物なので、先が気になる物語を楽しめるのも特徴。数作にわたるシリーズがあるので、長く1つの物語を楽しみたい方におすすめです。

シグルイ

秋田書店 原作:南條範夫 作画:山口貴由 全15巻完結

シグルイ

ある試合に焦点を当てた、残酷無比の侍漫画です。2003年から2010年まで「チャンピオンRED」で連載されていました。

舞台は江戸時代初頭。駿河城内では、法に反して真剣での御前試合が決行されようとしていました。そこに立つのは、片腕の若武者と盲目の天才剣士。ここに無惨時代劇が開幕するのでした。

アクションシーンが迫力満点で、卓越した画力と相まって戦いが美しく描かれています。また、若者が翻弄される社会の残酷さを巧みに描いており、戦いのなかでのグロテスクな描写も。魅力的なストーリーのおすすめ侍漫画です。

バジリスク~甲賀忍法帖~

講談社 原作:山田風太郎 作画:せがわまさき 全5巻完結

バジリスク~甲賀忍法帖~

敵対する組織に生まれたラブロマンスを、情勢とあわせて悲劇的に描いたアクション漫画です。2004年まで「ヤングマガジンアッパーズ」で連載され、第28回講談社漫画賞では一般部門を受賞しました。2005年には、アニメ化もされています。

江戸時代の日本で徳川家康は、三代将軍の世継ぎ問題に悩んでいました。そこで、彼は2つの忍術流派の者たちを戦わせ、生き残った方を立てることで問題を解決しようと考えます。しかし、対峙する伊賀と甲賀の後継、弦之介と朧は陰で愛しあっていたのです。

超人的な能力を使う戦いが本作品の魅力。アクションだけでなく、愛しあう2人の切なさも表現されています。スピード感があり巻数も少ないので、一気読みできる侍漫画を探している方におすすめです。

さらい屋五葉

小学館 著者:オノ・ナツメ 全8巻完結

さらい屋五葉

江戸時代を生きるさらい屋の人間に迫る、哀愁溢れる侍漫画です。2006年から2010年に、「月刊IKKI」にて連載されていました。2010年には、テレビアニメ化もされています。

気弱でお人好しな性格が災いし、藩から暇をだされ江戸にやってきた侍・秋津政之助。用心棒としての職を探すものの、その性格からうまくいかず断られる毎日を過ごしていました。そこで彼は、街で出会った優男・弥一に雇われます。喜んで依頼を受けた政之助は、その後に弥一の衝撃の正体を知ることになるのでした。

江戸時代を舞台に、誘拐グループの人生を追う本作品。キャラクターが魅力的で、過去が明かされるなかで物語の深みが増していくと評価が高い時代劇漫画です。風情がある画も個性的で、ゆったりした雰囲気で進む人間ドラマが好きな方にもおすすめです。

花の慶次―雲のかなたに―

集英社 原作:隆慶一郎 作画:原哲夫 全10巻完結

花の慶次―雲のかなたに―

戦国時代を駆け抜けた傾奇者を主人公に、乱世を描く侍漫画です。1990年から1993年に、「週刊少年ジャンプ」にて連載されていた作品。隆慶一郎の小説「一夢庵風流記」を原作に、『北斗の拳』著者の原哲夫が作画を務めています。

戦国末期には、他とは異なる風潮を好み、奇想天外な行動をする「傾奇者」と呼ばれる人物たちがいました。末森城を救うため、単身で出陣した男。その男こそ、戦国一の傾奇者・前田慶次だったのでした。

前田慶次のキャラクターが濃くカッコいいと、主人公の魅力に夢中になる方が多い作品です。圧倒的画力で描く人間ドラマに激闘と、原哲夫の色が強いのも特徴的。原作を未読でも楽しめるおすすめの侍漫画です。

あずみ

小学館 著者:小山ゆう 全48巻完結

あずみ

戦国の時代に生を受けた少女の、過酷な人生を描く時代漫画です。1994年から2008年に「ビッグコミックスペリオール」で連載され、第43回小学館漫画賞を受賞しました。メディアミックスも多く果たしており、映画では上戸彩が主演を務めています。

人里離れた場所で刺客として育てられた、10人の子供たち。彼らは、育ての親である爺の言葉を疑わない、最強の刺客となりました。しかし、あずみを含む10人には、すべての仕上げとなる恐るべき試練が待っていたのです。

外界を知らず無垢な殺戮兵器に育てられたあずみ。多くのキャラが倒れていく、非常さもある物語です。少女が主人公の侍漫画を読みたい方は、チェックしてみてください。

子連れ狼

双葉社 原作:小池一夫 作画:小島剛夕 全28巻完結

子連れ狼

子供を連れ復讐に走る剣客の、旅路を描く時代劇漫画の金字塔です。1970年から1976年まで「漫画アクション」で連載されていた本作品。過去には、ドラマ化や映画化もされています。

広野を行く、子連れの剣客・子連れ狼。柳生一族の陰謀で妻を失った、元公儀介錯人の拝一刀は、息子・大五郎と共に復讐の旅を進めます。過去を背負う、彼らの人生を追う物語です。

拝一刀の渋い剣士としての心構えが圧巻と、高い評価を得ています。侍漫画の名作を読みたい方に、おすすめの1作です。