先の読めない謎に満ちた世界観が読者を惹きつける「ミステリー漫画」。本格的なトリックと謎解きを楽しめる探偵譚だけでなく、日常の不思議を解き明かす作品や異能力を活かした特殊設定ミステリーなど、個性豊かなミステリー漫画が日々刊行されています。
今回は、そんなミステリー漫画のおすすめ作品をご紹介。世界的にも有名な人気作から、マイナーな名作まで厳選しました。漫画ならではのスリルと謎を堪能してみてください。
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ミステリー漫画のおすすめ作品|完結済み
金田一少年の事件簿 File
講談社 作画:さとうふみや 原作:天樹征丸/金成陽三郎 全34巻完結
“謎解きミステリーの金字塔”と名高いミステリー漫画の傑作です。1992年から「週刊少年マガジン」で連載され、ミステリー漫画ブームを巻き起こしました。1995年には講談社漫画賞少年部門を受賞しています。
2022年にも新作ドラマが放送されるなど、ドラマの題材として人気が高いのもポイント。複数の関連シリーズが刊行されており、シリーズ累計部数は1億部にのぼるメガヒット作品です。
主人公は男子高校生・金田一一。行く先々でさまざまな事件に巻き込まれる一は、持ち前の正義感と祖父譲りの推理力で事件を解決に導きます。
事件の真相や犯人を読者が推理できるよう、作中にヒントがちりばめられているのが特徴。本格推理漫画という新たなジャンルを切り拓いた、おすすめの名作です。
BANANA FISH
小学館 著者:吉田秋生 全11巻完結
ニューヨークを舞台に繰り広げられるストリートギャングとマフィアの抗争を、ミステリーと青春を交えて描いた少女漫画です。2018年にアニメ化され、再び注目を集めました。累計部数は1200万部を突破。舞台化などもされています。
1985年のニューヨーク暗黒街。街のストリートキッズを束ねるアッシュ・リンクスは、IQ180以上の知能に超一級の戦闘力をあわせ持った17歳の少年です。男が死の間際に発した「バナナフィッシュ」という言葉を耳にしたアッシュは、言葉の謎を追いはじめますが……。
「バナナフィッシュ」をめぐる謎と陰謀が入り乱れる、重厚感のあるクライムサスペンス。日本から来た少年・奥村英二とアッシュのかけがえのない絆も、物語をドラマチックに引き立てます。性別・時代を超えて愛されるおすすめのミステリー漫画です。
ウツボラ
太田出版 著者:中村明日美子 全2巻完結
「同級生シリーズ」などの名作BL漫画を手掛けてきた中村明日美子が描くサイコサスペンス。熱狂的なファンを集め、このマンガがすごい2011にもノミネートされた人気ミステリー漫画です。2023年に主演・前田敦子でドラマ化もされています。
顔のない死体となって発見された美しい少女・藤乃朱。彼女と入れ替わるように人気小説家・溝呂木の前に現れたのは、朱の双子の妹を名乗る少女・桜でした。正体不明の桜と朱、そして溝呂木の間には『ウツボラ』というある小説にまつわる深い闇があったのです。
死体の正体や桜と朱をめぐる不可解な謎、ひとつの小説をめぐる愛憎が描かれる本作品。独特のダークで耽美な作風も多くの読者を魅了しています。純文学的な世界観が好きな方、深い余韻と考察を楽しめるミステリー漫画が好きな方におすすめの1作です。
生存 ~LifE~
講談社 作画:かわぐちかいじ 原作:福本伸行 全3巻完結
大人気ギャンブル漫画『賭博黙示録カイジ』を手掛けた福本伸行が原作を担当したミステリー漫画。ガンで余命宣告された父親の闘いを描く、ヒューマンサスペンスです。2002年にドラマ化もされています。
妻を亡くし、ガンで余命宣告された中年男性・武田は、生きる希望を失っていました。そんなある日、14年前に行方不明になっていた娘・佐和子の遺体が発見されます。時効と余命が迫るなか、武田は命をかけて犯人を見つけることを決意するのです。
仕事に人生を捧げていた武田が、娘の死の真相を明らかにするためにわずかな手がかりで犯人を突き止めていくミステリー漫画。タイムリミットを巧みに利用した駆け引きや心理戦も見どころ。刑事ドラマが好きな方はチェックしてみてください。
外天楼
講談社 著者:石黒正数 全1巻完結
小説誌「メフィスト」で連載されていた短編ミステリー漫画の傑作9編を、1冊にまとめた作品集です。著者は『それでも町は廻っている』『天国大魔境』などの話題作を発表している石黒正数。「外天楼」と呼ばれる建物にまつわる不思議を明らかにしていく物語です。
外天楼に関わるのは、アダルト誌を探す少年や宇宙刑事、ロボットなど少し不思議な存在ばかり。殺人事件まで起こるこの建物に、刑事・桜庭冴子が斬り込みます。彼女の迷推理で浮かび上がってきたのは、外天楼に隠された驚愕の真実でした。
シュールなギャグを交えながら、多彩な事件を描くおすすめのSFミステリー漫画。それぞれの謎が少しずつ繋がり、予想もつかないクライマックスを迎えます。連作短編ミステリーの傑作としておすすめの1作です。
テセウスの船
講談社 著者:東元俊哉 全10巻完結
殺人犯の息子が事件の真相を探るために過去へタイムスリップする、本格クライムサスペンス。「モーニング」で2019年まで連載されていたミステリー漫画です。2020年にドラマ化され、”泣ける本格ミステリー”として話題を集めました。
1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で21人もの無差別殺人事件が発生。青酸カリを用いた残虐な犯行として逮捕・死刑判決が下されたのは、村の警察官・佐野文吾でした。28年後、佐野の息子・田村心は父親の冤罪を信じ、独自に調査を開始します。
事件現場を訪れた際に、突然濃霧に包まれた心。気がつくと、心は事件が起こる前の1989年1月の音臼村に舞い戻っていたのです。
真相究明に加えて、過去が変わった未来の人間は同一人物といえるのかというパラドックスをテーマにしているのもポイント。事件をどのように回避するのか、ハラハラドキドキしながら読み進められるおすすめのSFミステリー漫画です。
Q.E.D.証明終了
講談社 著者:加藤元浩 全50巻完結
1997年の連載開始から、17年に渡って長期連載されていたミステリー漫画の傑作。第33回講談社漫画賞少年部門を受賞し、ドラマ化もされました。
15歳にしてマサチューセッツ工科大学を卒業した天才少年・燈馬想は、帰国後になぜか日本の高校に入学。彼はひょんなことから出会った元気あふれる女子高生・水原可奈とタッグを組み、さまざまな難事件を解決していきます。
密室内で起こった殺人や高校内のちょっとした謎など、多彩な事件を天才少年が鮮やかに解き明かしていくのが見どころ。細部まで練られたトリックはリアリティがあり、論理的な推理も読み応えがあります。本格派なミステリー漫画を読みたい方におすすめです。
幽麗塔
小学館 著者:乃木坂太郎 全9巻完結
昭和29年の神戸を舞台に「幽霊塔」と呼ばれる時計塔に隠された財宝の秘密を探る、サスペンスミステリー漫画です。2014年に第14回Sense of Gender賞の大賞を受賞しています。
ニートの青年・天野太一は、かつて殺人事件が起こった時計塔・幽霊塔で何者かに襲われます。死の直前に天野を助けたのは、「沢村鉄雄」と名乗る謎の美青年。鉄雄は”幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る”と天野に告げ……。
幽霊塔の正体や財宝探しに立ちはだかる殺人鬼など、さまざまな謎を妖しく耽美な世界観とともに楽しめるミステリー漫画。セクシャルマイノリティをテーマにしたストーリー性も多くの読者から高い評価を集めている、おすすめの秀作です。
親愛なる僕へ殺意をこめて
講談社 漫画:伊藤翔太 原作:井龍一 全11巻完結
2022年に山田涼介主演でドラマ化もされた、ミステリー漫画の話題作。平凡な大学生が、空白の3日間と自分自身にまつわる謎に迫っていくダークなサスペンスミステリーです。
「人生は楽しんだもん勝ち」がモットーのお気楽な大学生・浦島エイジ。ある日の合コンでも何の進展もないまま孤独に帰宅したはずでしたが、次に目覚めると、大学でも有名な美女・雪村京花が隣に寝ていたのです。
京花との関係に全く身に覚えがないエイジ。明らかになったのは、エイジはこの3日間の記憶が丸ごと失われていることでした。さらに、押し入れの中からは現金3000万円と血が付着した金属バットが見つかり……。
記憶喪失と二重人格を絡めた、斬新な設定が話題を呼んだミステリー漫画。エイジの身に何が起こったのか、二転三転する展開が読者を引きつけます。緊迫感のあるサイコサスペンスが好きな方におすすめです。
美食探偵 明智五郎
集英社 著者:東村アキコ 全10巻完結
『東京タラレバ娘』などの人気作の著者・東村アキコがおくるサスペンスミステリー漫画。食にまつわる数々の事件を、美食家の探偵・明智五郎が推理していく探偵奇譚です。2020年にドラマ化もされました。
美味しいものをこよなく愛する私立探偵・明智五郎は、探偵社の近所にあるワゴン販売の弁当屋がお気に入りでした。ある日、ごく普通の主婦が夫の浮気調査を明智に持ちかけてきます。しかし、この依頼はこれから巻き起こる数々の事件の序章に過ぎなかったのです。
犯人が明らかな倒叙型ミステリーに、グルメとリアルな人間ドラマを絡めた独自の世界観が魅力。弁当屋の店員・小林苺と明智のコミカルなコンビネーションも、多くの読者から人気を集めています。犯人の動機を丁寧に描いたミステリー漫画が読みたい方におすすめの1作です。
魔人探偵脳噛ネウロ
集英社 著者:松井優征 全23巻完結
2005〜2009年まで「週刊少年ジャンプ」で連載されていた大人気ミステリー漫画です。『暗殺教室』『逃げ上手の若君』など、ヒット作を発表してきた松井優征のデビュー作。アニメ化やゲーム化などもされました。
父親を密室で惨殺された女子高生・桂木弥子。謎に満ちた事件に捜査が難航するなか、弥子の前に脳噛ネウロと名乗る謎の男が現れます。ネウロは魔界の「謎」を喰い尽くし、さらなる「謎」を求めて人間界にやってきたという魔人だったのです。
「謎」を喰って生きる魔人・ネウロが、弥子を探偵役に仕立ててさまざまな事件の真相を暴いていきます。犯人を追い詰める爽快感や、軽快なブラックジョークの数々も人気を集めました。一風変わったダークな少年漫画が気になる方におすすめのミステリー漫画です。
新装版 秘密 THE TOP SECRET
白泉社 著者:清水玲子 全12巻完結
アニメ化や実写映画化もされた、SFミステリー漫画の名作です。少女漫画誌「MELODY」で連載され、全12巻で完結。2011年には第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞を受賞しています。
舞台は脳科学が発達した近未来。世界では、犯罪関係者の脳に残された視界情報から、生前の記憶を映像として再現する技術が犯罪捜査に用いられていました。記憶から見えてくる事件の真相と、死者が抱えていた「秘密」とは一体どのようなものなのでしょうか。
近未来の技術を巧みに用いた犯罪捜査が繰り広げられます。記憶から明らかになる心の内の秘密に、深い人間ドラマが隠されているのがポイント。残酷で美しい警察ドラマが気になる方におすすめのミステリー漫画です。
adabana ー徒花ー
集英社 著者:NON 全3巻完結
猟奇的な女子高生殺人事件の真相を明らかにしていく、衝撃のサスペンスミステリー漫画です。著者は『ハレ婚』などを手掛け、美しい作画とリアルな心情描写に定評があるNON。2020年から「グランドジャンプ」で連載され、注目を集めました。
雪が積もる小さな町で起こった、猟奇的な殺人事件。被害者の女子高生・五十嵐真子は身体を切断され、手首のみが自宅前に放置されていました。警察に自首してきたのは、なんと真子の同級生で親友の藍川美月。美月は罪を認め、殺害までの経緯を供述しますが……。
美月と真子にまつわる秘密に主観が絡みあい、さらに謎を深めていく巧みな構成が魅力。何が正義で何が悪かを2人の少女の生き様から考えさせられる、おすすめのミステリー漫画です。
白暮のクロニクル
小学館 著者:ゆうきまさみ 全11巻完結
吸血鬼のような不死の種族が存在する世界を舞台にした「日常系×非日常ミステリー」。『究極超人あ~る』『機動警察パトレイバー』などの人気作を手掛けたゆうきまさみが新境地を拓いたミステリー漫画です。
厚生労働省の新米公務員・伏木あかりは、不死の種族「オキナガ」を管理する部署に配属されます。配属直後にオキナガ惨殺事件に遭遇し、この怪死事件を追う任務を与えられたあかり。さらに、タッグを組むことになった少年・雪村魁は、殺人事件マニアかつ実年齢は88歳で……。
ミステリーを主軸に、”悲しき不老不死”と称されるオキナガにまつわる人間ドラマも織り交ぜた1作。公務員の小気味よい組織論やほろ苦い恋愛模様なども楽しめます。切ない余韻に浸れるおすすめのミステリー漫画です。
新装版 オールド・ボーイ
双葉社 作画:嶺岸信明 原作:土屋ガロン 全8巻完結
1996〜1998年まで「漫画アクション」で連載されていたサスペンスミステリー漫画。2007年に漫画のアカデミー賞と評されるウィル・アイズナー賞国際部門で最高作品賞に輝きました。韓国やハリウッドでも映画化され、話題になった名作です。
主人公は平凡な生活を送っていたにもかかわらず、突然7階と8階の間にある謎の監禁施設に10年間も監禁されていました。10年が経ち、出所を許された男は、誰が何のために自分を監禁したのかを探り始めます。
10年間、テレビの情報だけを得ていた主人公が見えざる敵を追う、緊迫感あふれる復讐譚。ハードボイルドなミステリー漫画を読みたい方におすすめです。映画を観た方も、ぜひ結末を見比べてみてください。
探偵学園Q
講談社 作画:さとうふみや 原作:天樹征丸 全22巻完結
『金田一少年の事件簿』を手掛けたタッグがおくる、新たな青春ミステリー漫画です。「週刊少年マガジン」で連載され、2007年に神木隆之介主演で実写ドラマ化もされています。
“世界一の探偵になる!”という夢を抱く主人公・キュウ。伝説の名探偵・団守彦が主催する「団探偵学園」の入学試験に挑むキュウの前に、強力なライバルたちが現れます。キュウは試験を突破し、最高の探偵養成クラス「Qクラス」に入れるのでしょうか。
名探偵を目指す仲間たちが集まる探偵学園で、さまざまな事件を推理していく本格派のミステリー漫画。それぞれに特技を持つ個性豊かな登場人物たちも、物語を盛り上げます。子どもから大人まで楽しみやすいおすすめの1作です。
ミステリー漫画のおすすめ作品|連載中
ミステリと言う勿れ
小学館 著者:田村由美 既刊12巻
第67回小学館漫画賞を受賞し、累計部数は1800万部を突破するミステリー漫画の大ヒット作です。著者は『BASARA』『7SEEDS』などの名作を手掛けた田村由美。2022年にドラマ化され、2023年9月には映画化も決定しています。
天然パーマが目を引く大学生・久能整はある日、警察に身に覚えのない殺人の容疑をかけられてしまいました。被害者は久能の同級生。次々と容疑を裏付ける証拠を突きつけられますが、久能は抜群の洞察力で事件の真相を独自に導き出していくのです。
ミステリーと会話劇を融合させた、新感覚の謎解きが見どころのミステリー漫画。おしゃべりな久能が多彩な問答を繰り広げながら、さまざまな事件の真相に迫っていきます。核心を突く名言の数々にも注目しながら読みたい、おすすめの話題作です。
憂国のモリアーティ
集英社 著者:三好輝 構成:竹内良輔 既刊19巻
「シャーロック・ホームズシリーズ」を原案としたミステリー漫画。名探偵シャーロック・ホームズの宿敵であるモリアーティ教授が主人公の作品です。「ジャンプSQ.」で連載され、2022年に第1部が完結。アニメをはじめ、多数のメディアミックス作品も展開されている人気作です。
舞台は19世紀末のロンドン。根強い階級制度によって、大英帝国は上流階級の人間たちに支配されていました。モリアーティ伯爵家の長男・アルバートはそんな社会に嫌気がさし、孤児院から引き取った兄弟とともに世界を変革するべく動き始めます。
「犯罪卿」と称されたモリアーティ教授を、ダークヒーローとした斬新な設定がポイント。さまざまな事件を華麗に解き明かしながら悪によって悪を裁き、社会を翻弄していきます。原作の世界観を新たな解釈で楽しめる、おすすめのミステリー漫画です。
名探偵コナン
小学館 著者:青山剛昌 既刊103巻
名探偵・江戸川コナンが数々の難事件を解決していく大人気少年漫画。「週刊少年サンデー」で1994年から連載が続いており、アニメや映画も高い人気を誇ります。累計部数は2億7000万部を突破する、ミステリー漫画の国民的人気作です。
シャーロック・ホームズ並みの推理力で活躍していた高校生探偵・工藤新一。しかし、ひょんなことから黒ずくめの男たちに妙な薬を飲まされ、子どもの姿になってしまうのです。元の姿に戻るために新一は「江戸川コナン」と名乗り、組織の正体を突き止めようと奮闘します。
緻密に練られたトリックや正体を隠しながらの鮮やかな推理、組織とのハラハラとするような駆け引きなど、多くの見どころが詰まった傑作。世界各国で愛される日本のミステリー漫画として、まずおすすめの1作です。
応天の門
新潮社 著者:灰原薬 既刊17巻
平安時代初期を舞台に、菅原道真と在原業平が京の都で起こる怪事件を解決していく歴史ミステリー漫画です。「月刊コミックバンチ」で連載中。2017年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞したほか、宝塚歌劇で舞台化もされています。
藤原家が宮廷の権力を握ろうと企んでいた頃、都で奇妙な女官誘拐事件が発生。帝から命令を受けて調査を始めた在原業平は、約20歳も年下の少年・菅原道真と出会います。身分も生まれも違う2人はタッグを組み、さまざまな怪事件に挑んでいくことになりますが……。
色男・在原業平と博学な学生・菅原道真の、互いの得意を活かした活躍が描かれます。藤原家を取り巻く権力争いなど、史実を踏まえたストーリーが展開されるのもポイント。歴史好きな方はもちろん、歴史に詳しくない方も読みやすいおすすめのミステリー漫画です。
虚構推理
講談社 作画:片瀬茶柴 原作:城平京 既刊19巻
「怪異」にまつわる奇想天外な事件を、怪異になった少女と怪異から恐れられる男が解決していく異色のミステリー漫画。第12回本格ミステリ大賞小説部門を受賞した城平京の同名小説シリーズのコミカライズ作品です。2023年にはアニメ2期も放送されました。
幼い頃に怪異たちの知恵の神になった少女・岩永琴子。ある日、病院で出会った桜川九郎に一目惚れしますが、彼は怪異からも恐れられるある秘密を抱えていました。そんな普通ではない2人は、振りかかる奇想天外な事件に力をあわせて挑んでいきます。
怪異を味方に、怪異が巻き起こす事件を解決していく特殊設定ミステリーです。問題を解決するために、説得力のあるうその推理を披露するといった、ミステリー漫画として斬新な展開もポイント。推理・都市伝説・恋愛など、多彩な見どころを楽しめるおすすめの人気作です。
薬屋のひとりごと
スクウェア・エニックス 作画:ねこクラゲ 原作:日向夏 既刊11巻
後宮を舞台に繰り広げられる謎解きを描いたミステリー漫画。「小説家になろう」発の人気ライトノベルをコミカライズした話題作です。次にくるマンガ大賞2019コミックス部門で第1位に輝き、シリーズ累計部数は2100万部を突破。2023年にはアニメ化も決定しています。
主人公・猫猫(マオマオ)は、人さらいの手によって後宮の下女として売り飛ばされてしまった元薬師の少女。大人しく働いていた猫猫でしたが、ある日、帝の御子たちがなぜか短命であるという噂を耳にし、好奇心からその原因を探り始めるのです。
さまざまな陰謀が入り乱れる中世王宮で、猫猫が毒と薬への知識欲から事件を解決していく痛快さが人気を集めています。中華ファンタジーの世界観や、主人公の成り上がりストーリーが好きな方におすすめのミステリー漫画です。
夏目アラタの結婚
小学館 著者:乃木坂太郎 既刊10巻
衝撃のプロポーズから始まる、新感覚の結婚サスペンス。2019年から「ビッグコミックスペリオール」で連載されており、2020年には次にくるマンガ大賞U-NEXT賞コミックス部門に輝きました。映画化も発表されたミステリー漫画の注目作です。
夏目アラタは、児童相談所に勤務する30代の独身男性。そんな彼は、訪問先の担当児童から”父を殺した犯人に代わりに会って欲しい”という奇妙な依頼を受けます。犯人は品川真珠。通称「品川ピエロ」と呼ばれる、凶悪な女性連続殺人鬼なのですが……。
本心が読めない品川真珠のキャラクター性や殺人事件の真相など、謎に次ぐ謎に読む手が止まらなかったという読者も多い本作品。死刑囚との手に汗握るような心理戦やラブロマンスが繰り広げられます。結婚をテーマにした斬新なミステリー漫画としておすすめです。
北北西に曇と往け
KADOKAWA 著者:入江亜季 既刊6巻
アイスランドを舞台に、日本人の青年探偵が活躍するジュブナイル・ミステリー漫画。複数の漫画賞にノミネートされ、原画展なども開催された話題作です。2016年に「ハルタ」で連載開始され、現在は「青騎士」で連載されています。
主人公は美人な女性が苦手な17歳の青年・御山慧。車と会話できるという少し不思議な能力を活かし、探偵業を営んでいます。逃げ出した飼い犬を連れ戻したり、一目惚れの相手を探し出したりする日々を過ごしていましたが、ある日、日本にいる弟・三知嵩と連絡が取れなくなり……。
弟に関連する不穏な謎が、アイスランドの壮大で美しい自然風景や観光名所などとともに描かれているのがポイント。サスペンスフルなミステリーと異国情緒を同時に堪能できる、おすすめのミステリー漫画です。
鴨乃橋ロンの禁断推理
集英社 著者:天野明 既刊10巻
『家庭教師ヒットマンREBORN!』の著者・天野明がおくる、本格探偵ミステリー漫画。推理の天才と落ちこぼれ刑事がタッグを組み、数々の事件を解決していく物語です。「ジャンプ+」にて連載中で、2023年10月にはアニメ化も予定されています。
かつて、世界最高峰の探偵養成学校BLUEで天才と呼ばれ、自身もこの才能を探偵に捧げると決意していた男・鴨乃橋ロン。しかし、彼は探偵として致命的な欠陥を抱えており、探偵を禁止されていました。
そんなロンの前に現れたのは、失敗は多いものの熱い志を持つ刑事・一色都々丸。彼との出会いによって、ロンの止まっていた時間が動き始めます。
訳ありな天才と”ピュアなマヌケ”と評される刑事の、凸凹な活躍が見どころ。著者ならではの独特なギャグと美しい画風も読者から定評があります。コミカルでエンターテインメント性あふれる少年漫画が好きな方におすすめです。
氷菓
KADOKAWA 著者:タスクオーナ 原作:米澤穂信 既刊14巻
日常の謎と高校生のリアルな青春模様が描かれる本格学園ミステリー漫画。2001年に角川学園小説大賞奨励賞を受賞した『氷菓』から始まる、米澤穂信の人気小説「古典部シリーズ」が原作です。アニメや実写映画など、多数のメディアミックス作品も展開されました。
何事にも積極的にかかわらない「省エネ」をモットーとする折木奉太郎は、姉の命令で「古典部」に入部することになってしまいます。部室で出会ったのは、好奇心旺盛な少女・千反田える。さらには早速「部室密室事件」に遭遇してしまい……。
古典部や学校生活で巻き起こるさまざまな日常の謎をメインにした、日常ミステリーの名作。高校生たちの穏やかでほろ苦い青春群像劇としても楽しめます。血みどろなサスペンスが苦手な方にもおすすめのミステリー漫画です。
謎とともに、予想もつかない展開が繰り広げられるのが「ミステリー漫画」の魅力。事件の真相を推理・考察したり、謎の裏に隠された人間ドラマに考えさせられたりと、さまざまな見どころがあります。リアリティあふれる本格派から斬新な設定の異色作までご紹介したので、ぜひ選書の参考にしてみてください。