臨場感あふれる医療現場を描いた「医療漫画」。外科医や天才的な技術を持つ医師のように華やかな存在だけでなく、医療の裏側で重要な役割を果たしている職種に注目した作品も多く執筆されています。

今回は、医療漫画のおすすめ作品をご紹介。完結済みの作品から、連載中の作品までピックアップしています。ぜひ医療漫画を探している方はチェックしてみてください。

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医療漫画のおすすめ|完結済み

コウノドリ

講談社 著者:鈴ノ木ユウ 全32巻完結

コウノドリ

産科をテーマにした医療漫画です。第40回講談社漫画賞一般部門に輝き、累計発行部数は940万部を突破。2015年と2017年の2度にわたってテレビドラマ化もされた人気作品です。完結後も「モーニング」にて『コウノドリ 新型コロナウイルス編』が連載され話題になりました。

主人公・鴻鳥サクラは、謎のピアニスト「ベイビー」としての一面も持つ産科医。年間約100万人の命が生まれる産科医療の現場では、数々のドラマが繰り広げられていて……。

出産にまつわるさまざまな人間模様を垣間見られるおすすめの医療漫画です。テレビドラマの原作を読んでみたい方はぜひチェックしてみてください。

医龍

小学館 著者:乃木坂太郎 原案:永井明 全25巻完結


医龍

大学病院で活躍する天才医師の姿を描いた医療漫画です。「ビッグコミックスペリオール」で連載され、第50回小学館漫画賞を獲得した作品。累計発行部数1000万部を超えた”平成医療マンガの金字塔”といわれており、4度にわたってテレビドラマ化もされています。

NGOキャンプで世界レベルの救命医療チームを率いていた外科医・朝田龍太郎。帰国後は医者を辞め、田舎暮らしを楽しんでいました。ある日、朝田のもとに明真大学助教授・加藤晶が訪れ、新たな医療チームに加わるようスカウトしますが……。

大学病院の胸部心臓外科医として復帰し手腕を振るう朝田、日本医療の改革を目論む加藤など魅力的なキャラクターが多く登場する人気作品。医療を取り巻くさまざまな問題を知るきっかけにもなるおすすめの医療漫画です。

・小学館文庫 コミック版

ブラックジャック

講談社 著者:手塚治虫 全12巻完結


ブラックジャック

手塚治虫が手がけた医療漫画の名作です。単行本の累計発行部数は全世界で1億7600万部を記録。「医療漫画」のジャンルが生まれるきっかけにもなった金字塔的作品です。アニメや舞台など、さまざまなメディアミックス作品が制作されています。

ブラック・ジャックは無免許の天才外科医。数々の重症患者を助けては、莫大な報酬を請求していました。人里離れた診療所で助手であるピノコとともにひっそりと暮らすブラック・ジャックのもとには、医者から見放された患者たちが次々にやってきて……。

医師免許を持つ医学博士でもある手塚治虫が、自分の理想とする医師像を投影して描いた作品です。患者との接し方や生命観などに感銘を受ける読者が多く、”正義か。この世にそんなものありはしない”などの名言も多数。1話完結で楽しめるおすすめの医療漫画です。

JIN―仁―

集英社 著者:村上ともか 全13巻完結


JIN―仁―

現代の医者が幕末の世界へタイムスリップするというユニークな設定で描かれた医療漫画です。第15回手塚治虫文化賞ではマンガ大賞を獲得。2度にわたってテレビドラマ化され、話題になった人気作品です。

主人公は東都大学附属病院の脳外科医・南方仁。脱走を目論む患者と揉み合ううちに、仁は幕末の1862年にタイムスリップしてしまいます。抗生物質や消毒薬もなく、電気も通っていない世界で仁が施した医療とは一体どのようなものだったのでしょうか。

現代医学の知識や技術をいかし、懸命に治療にあたる仁の姿に胸を打たれる読者が多い作品です。3人の専門家に監修してもらうなど、考証に重点をおいて描かれているのがポイント。人気ドラマの原作を読んでみたい方におすすめです。

リウーを待ちながら

講談社 著者:朱戸アオ 全3巻完結

リウーを待ちながら

新型感染症によるアウトブレイクを描いた医療漫画です。タイトルの「リウー」は、アルベール・カミュの『ペスト』に登場する医師の名前からとってつけたもの。2018年1月まで「イブニング」で連載されていた医療サスペンス作品です。

物語の舞台は富士山麓のS県横走市。基地に駐屯していた自衛隊員が吐血・昏倒したのを皮切りに、同様の症状を訴え死亡する患者が次々と発生します。病院や街が混乱状態になるなか、内科医・玉木涼穂は新型感染症の拡大を食い止めようと奮闘しますが……。

現実世界のパンデミックとリンクする部分が多い作品です。謎の感染症に立ち向かう医療従事者の姿や社会の混乱を生活感たっぷりに描いているのが見どころ。展開が気になって全3巻を一気読みする読者も多いおすすめの医療漫画です。

放課後カルテ

講談社 著者:日生マユ 全16巻完結

放課後カルテ

小学校の保健室を舞台にした医療漫画です。講談社の漫画雑誌「BE・LOVE」で連載されていた日生マユの作品。「校医」の仕事を通して成長する主人公の姿がいきいきと描かれています。

産休に入った養護教諭の代わりに赴任してきたのは謎の小児科医・牧野。拒食症・ナルコレプシー・ベル麻痺など、小学生たちの身近にあふれている病気や異変を見つけ出し、向き合っていきますが……。

無愛想ながらもしっかりと子供たちと向き合っていく主人公の姿に胸を打たれる読者が多い作品です。サクサク読み進められるのも嬉しいポイント。今までにない視点で描かれた医療漫画を読んでみたい方におすすめです。

Dr.DMAT〜瓦礫の下のヒポクラテス〜

集英社 原作:高野洋 漫画:菊地昭夫 全11巻完結

Dr.DMAT〜瓦礫の下のヒポクラテス〜

災害現場で活動するスペシャリストたちの姿を描いた医療漫画です。「DMAT」とは医師・看護師・業務調整員で構成される「災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team)」の略称。東京消防庁・東京DMATの全面協力のもとテレビドラマ化もされた人気作品です。

主人公は有栖川総合病院に勤める内科医・八雲響。院長の命令によりDMATの隊員となるものの、響は血が大の苦手で……。壮絶な災害現場に出場した響が直面した命のドラマとは、一体どのようなものだったのでしょうか。

限られた資材を用いて命を繋ぐ姿を描いた、迫力ある筆致が見どころです。ヘタレっぷりを発揮しながらも少しずつ成長していく響に魅力を感じる読者も多い作品。災害現場でのリアルな救命活動を知りたい方におすすめの医療漫画です。

ビターエンドロール

講談社 著者:佐倉旬 全3巻完結


ビターエンドロール

医療ソーシャルワーカーの活躍を描いた新感覚の医療漫画です。医療ソーシャルワーカーとは、社会福祉の立場から患者・家族の相談にのり、経済的・心理的・社会的問題の解決や調整などの支援を行う人のこと。「月刊アフタヌーン」で連載されていたおすすめの医療漫画です。

主人公は新人医療ソーシャルワーカー・犬飼賢児。病気・怪我によって生じたお金や仕事、家族などの問題に寄り添い、患者や家族を支えていこうとする犬飼でしたが……。

1話ごとにさまざまな悩みや痛みを抱える患者が登場。医療ソーシャルワーカーとしてできることを模索し、成長していく主人公の姿が丁寧に描かれています。医療ソーシャルワーカーの立場から見た医療の現実を知りたい方はチェックしてみてください。

ゴッドハンド輝

講談社 著者:山本航暉 全62巻完結

ゴッドハンド輝

名医が集まる病院を舞台に1人の外科医が成長する姿を描いた医療漫画です。約10年間にわたって「週刊少年マガジン」で連載された人気作品。2009年にはテレビドラマ化もされています。

天才外科医を父に持つ主人公・真東輝。新人外科医として安田記念病院に赴任し、指導医・北見やライバル・四宮らに鍛えられながら成長していきます。おっちょこちょいな輝が父のように「ゴッドハンド」と呼ばれる日は来るのでしょうか。

患者の死に立ち会ったことがない天運を持つ輝が、さまざまな患者への治療を通して成長し、活躍する姿を描いています。読み応えのある医療漫画を探している方におすすめです。

最上の命医

小学館 著者:入江謙三/橋口たかし 医療監修:岩中督 全11巻完結

最上の命医

「最上の名医」を目指す天才少年の活躍を描いた医療漫画です。「週刊少年サンデー」で連載されていた作品。2011年にはテレビドラマ化もされています。

主人公・西條命は、生後すぐに心臓手術を受けて命を救われた経験を持つ小児外科医。ステレオグラムを手描きで作成できるほどの高い立体想像力を持つ天才でもあります。アメリカで最優秀若手医師賞を獲得し、帰国した命でしたが……。

小児科医療をテーマにしたおすすめの医療漫画です。専門家による医療監修のもと、病気や手術方法についてわかりやすく解説されているのが特徴。主人公・命の医療にかける思いに感銘を受ける読者が多い作品です。

研修医 なな子

集英社 著者:森本梢子 全4巻完結


研修医 なな子

研修医の日常をリアルに描いた医療漫画です。『ごくせん』を手がけた森本梢子の作品。働く女性をターゲットにした漫画雑誌「オフィスユー」や「YOU」で連載され、1997年にはドラマ化もされました。

主人公はK大医学部附属病院の研修医・杉坂なな子。当直や慣れない病院勤務に奮闘する日々でしたが……。

超元気印のなな子が、先輩医師・教授・看護師たちにサポートされながら成長していく姿をコミカルに描いた作品です。1話完結でサクサク読み進められるのが魅力。”史上最強のホスピタルショート”と称されるおすすめの医療漫画です。

透明なゆりかご

講談社 著者:沖田×華 全9巻完結

透明なゆりかご

見習い看護師として働く主人公の姿を通して産婦人科の実情を描いた医療漫画です。著者の実体験をもとに執筆されたリアルな内容が反響を呼び、累計420万部を突破した人気作品。第42回講談社漫画賞を獲得し、2018年にはテレビドラマ化され話題となりました。

看護学科に通う高校3年生・×華は、母親にすすめられて産婦人科院の見習い看護師として働き始めます。幸せな出産だけでなく中絶や死産などのつらい現場にも立ち会うことになった×華は、仕事を辞めそうになりますが……。

命の重みや力強さ、母性愛を優しいタッチで描いた作品です。産婦人科院で日々繰り広げられているさまざまなドラマに感動を覚える読者が多数。1話完結で読み進めやすいおすすめの医療漫画です。

賢者の学び舎 防衛医科大学校物語

小学館 著者:山本亜季 全5巻完結


賢者の学び舎 防衛医科大学校物語

防衛医科大学校を舞台に学生たちの日々を描いた医療漫画です。『ヒューマニタス』で話題の山本亜季が初めて手がけた本格連載作品。「自衛隊のお医者さん」を養成する学校の、知られざる内情を垣間見られるおすすめの医療漫画です。

主人公・真木賢人は、「学費無料・全寮制・給与あり」の防衛医科大学校に通う学生。ハードな医学部として知られる学校では、一風変わった青春の日々が繰り広げられていて……。

“誰にも頼らずに、医師になるーー”と心に決めた真木と、彼を取り巻く人々のにぎやかな日々をいきいきと描いた作品。自衛隊や防衛医大学校に興味のある方はチェックしてみてください。

こころのナース夜野さん

小学館 著者:水谷緑 全6巻完結


こころのナース夜野さん

精神科の看護師を主人公とした医療漫画。『あたふた研修医やってます。』でデビューし、『精神科ナースになったわけ』で話題となった水谷緑の作品です。ストーリーは医療従事者や患者への取材にもとづいたフィクションで、医療監修は精神科医・医学博士の山登敬之が担当しています。

精神科病院で働く夜野はOLから転身した新人看護師。さまざまな患者と関わりながら、心のSOSに耳を傾けていく夜野でしたが……。患者が抱える「心の病気」とは一体どんなものなのでしょうか。

心の痛みや孤独、生きづらさと向き合う主人公の姿を通して、精神科医療の現場を丁寧に描いた作品。あたたかく優しいタッチの絵柄が心に沁み入ります。自分や身近な人の心について考えるきっかけにもなるおすすめの医療漫画です。

オペ看

講談社 著者:ミサヲ 原作:人間まお 全3巻完結

オペ看

手術室看護師、通称「オペ看」の日常を描いた医療漫画です。元オペ看の人間まおが原作を担当し、ミサヲが漫画を手がけた作品。「ヤングマガジン」で連載され人気を博したおすすめの医療漫画です。

新人ナース・林あきこは絶賛彼氏募集中の22歳。スペックの高い医師との出会いを夢見て、手術室勤務を希望しますが……。実際に待ち受けていたのは、想像を絶するような過酷な現場でした。

若さとガッツに自信を持つポンコツナースが、鬼のような教育担当・加藤セツ子や変わり者の医師たちに囲まれながら成長していく姿を描いた作品です。ユーモアのある医療漫画を読みたい方はチェックしてみてください。

ナースのチカラ 〜私たちにできること 訪問看護物語〜

秋田書店 著者:広田奈都美 全11巻完結


ナースのチカラ 〜私たちにできること 訪問看護物語〜

現役看護師でもある漫画家・広田奈都美が手がけた医療漫画です。「月刊フォアミセス」で連載され、2023年の4月号で最終回を迎えた作品。6月号からは続編となる『ナースのチカラplus』の連載がスタートする人気シリーズです。

義母の介護と看取りを機に、47歳で看護師学校へ入学した主人公・幸代。50歳で新米看護師となった幸代が選んだのは「訪問看護」の道でした。

夫に対して我慢してばかりだった主人公が、”私は強くなって、認められたかった。そして自分の尊厳を取り戻したい”と奮闘する姿に感銘を受ける読者が多い作品。在宅医療の現状を知るきっかけにもなるおすすめの医療漫画です。

外科医エリーゼ

KADOKAWA 漫画:mini 原作:yuin 既刊8巻


外科医エリーゼ

転生を繰り返す主人公の、3度目の人生を描いた医療漫画です。「カカオページ」や「ピッコマ」で話題となった韓国発の医療ファンタジー。日本での単行本の累計発行部数は135万部を超えており、2023年2月にはアニメ化も決まった人気作品です。連載はすでに終了しています。

1度目の人生で悪女皇后と呼ばれていた主人公・エリーゼ。火炙りの刑を受けて生涯を終え、2度目の人生では外科医として生きていましたが、不慮の事故で1度目の人生に戻ってしまいます。3度目の人生を悔いのないモノにしようと奮闘するエリーゼでしたが……。

読者をひきつけるおもしろいストーリー展開と、フルカラーで楽しめるかわいい絵柄が魅力。転生モノと医療漫画がうまく融合したおすすめの作品です。

医療漫画のおすすめ|連載中

Shrink〜精神科医ヨワイ〜

集英社 原作:七海 仁 漫画:月子 既刊9巻


Shrink〜精神科医ヨワイ〜

「隠れ精神病大国」と呼ばれる日本の精神科医療をリアルに描いた漫画です。「グランドジャンプ」で連載されている作品。主人公を通して、精神科を取り巻く現状について考えさせられる医療漫画です。

自殺率が高く、精神病患者の数が少ない日本。悩みを抱えていても精神科へ行けない人が多いなか、”僕はこの国に、もっと精神病患者が増えればいいと思っています”と願う精神科医・弱井でしたが……。

パニック障害・うつ病・発達障害など、さまざまな悩みを抱える人々の心と向き合う医師の姿を描いた作品。メンタルヘルス問題について考えたり、語り合ったりするきっかけにもなるおすすめの医療漫画です。

19番目のカルテ 徳重晃の問診

コアミックス 著者:富士屋カツヒト 医療原案:川下剛史 既刊7巻


19番目のカルテ 徳重晃の問診

「総合診療医」の姿を描いた医療漫画です。現役の総合診療医として活躍している川下剛史が企画・原案を担当し、『ボス、俺を使ってくれないか?』『ラブドールズ』の富士屋カツヒトが手がけた作品。「コミックぜにょん」にて連載されているおすすめの医療漫画です。

「なんでも治せるお医者さん」に憧れる3年目の女性医師・滝野。細分化された専門領域で診療を行うシステムに理想と現実のギャップを感じる滝野でしたが……。

患者のすべてを診察し、治療する総合診療医・徳重晃と出会った滝野。患者の話に耳を傾け、真剣に向き合う姿に胸を打たれる読者が多い作品です。「人間」を診る専門医に興味がある方はチェックしてみてください。

フラジャイル

講談社 著者:恵三朗 原作:草水敏 既刊24巻


フラジャイル

生検や病理解剖などを行い病気を診断する「病理医」をテーマにした医療漫画です。「月刊アフタヌーン」で連載されており、2016年にはテレビドラマ化もされた人気作品。2018年には、第42回講談社漫画賞の一般部門を受賞しています。

主人公は病理医・岸京一郎。患者と顔を合わせることなく、病因を調べ診断を下していきます。各診療科の医師からは”ヤツは強烈な変人だが、極めて優秀だ”と言われている岸でしたが……。

人知れず患者を救う病理医にスポットライトを当てた貴重な作品です。仕事に向き合う真摯な姿勢や妥協をしない仕事ぶりに感銘を受ける読者が多数。読み応えのあるおもしろい医療漫画を探している方におすすめです。

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり

コアミックス 著者:荒井ママレ 医療原案:富野浩充 既刊10巻


アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり

総合病院で働く「病院薬剤師」に焦点を当てた医療漫画です。「月刊コミックゼノン」で連載されている作品。タイトルの「アンサング」とは「褒められない」を意味する言葉で、賞賛されなくても患者のために奮闘する病院薬剤師たちの毎日がいきいきと描かれています。

主人公・葵みどりは入社2年目の病院薬剤師。医師のように信頼されたり、看護師のように親しまれたりすることはなくても、患者の日常を守るために院内を駆け回る日々を過ごしていますが……。

2020年にはドラマ化もされ、話題となった作品。これまで注目されることが少なかった「薬剤師」の役割や仕事内容を垣間見られる医療漫画としておすすめです。

ラジエーションハウス

集英社 原作:横幕智裕 漫画:モリタイシ 既刊14巻


ラジエーションハウス

診療放射線技師や放射線科医の活躍を描いた医療漫画です。現代の画像診断医療にフォーカスしたストーリーが話題を呼び、2度にわたってテレビドラマ化された作品。2022年には映画化もされました。

甘春総合病院に採用された放射線技師・五十嵐唯織は、CTやMRIを撮る技術は超一流。幼馴染の放射線科医・甘春杏を支えるべく、さまざまな患者の病気の根源を見つけ出していきますが……。

普段はコミュ障気味で問題発言をしがちな唯織と、彼を取り巻く個性的な登場人物たちとのやり取りも見どころのひとつ。画像診断医療に関わるスペシャリストたちの裏側をのぞいてみたい方におすすめの医療漫画です。

リエゾンーこどものこころ診療所ー

講談社 原作:ヨンチャン/竹村優作 漫画:ヨンチャン 既刊12巻


リエゾンーこどものこころ診療所ー

児童精神科クリニックを舞台にした医療漫画です。「リエゾン」とは「連携」や「橋渡し」を意味するフランス語。児童精神科医を中心に、看護師・心理士・作業療法士など、さまざまな職種が連携・協力して子供に関わっていく様子を描いたおすすめの医療漫画です。

小児科の研修医・遠野志保は、遅刻や落とし物の常習犯で、研修先でもミスを連発。とうとう系列の小さなクリニックへ異動することになります。院長の児童精神科医・佐山にある診断を下され、戸惑いを隠せない志保でしたが……。

2023年にはテレビドラマ化もされた話題の作品。年齢にかかわらず「生きづらさ」を抱える人が多いなか、孤独や苦しさを感じる親子に寄り添い向き合う姿を丁寧に描いています。児童精神科での経験を通して志保が成長していく姿も見どころのひとつです。

Dr.コトー診療所

小学館 著者:山田貴敏 既刊25巻


Dr.コトー診療所

離島医療をテーマにした山田貴敏の医療漫画です。第49回小学館漫画賞受賞作品のひとつ。現在は長期休載中ですが、単行本の累計発行部数は1200万部を突破しており、テレビドラマ化や映画化もされています。医療漫画の名作としておすすめの作品です。

物語の舞台は南海に浮かぶ離島・古志木島。医療設備も整っていない僻地の診療所へ赴任してきたのは、東京の大学病院で働いていたという外科医・五島健助でした。五島が着任した日の夜、島の子供・タケヒロの具合が悪くなってしまい……。

事情を抱えて島へやってきた主人公が、患者の治療や島の人々との関わりを通して少しずつ信頼されるようになり、なくてはならない存在へと成長していく姿を描いた作品。離島医療の実際に興味がある方はチェックしてみてください。

おとずれナース~精神科訪問看護とこころの記録~

ぶんか社 著者:のまり 既刊2巻


おとずれナース~精神科訪問看護とこころの記録~

精神科訪問看護をテーマに描かれた医療漫画です。現役看護師としても活躍している漫画家・のまりが手がけた作品で、ぶんか社の「comicタント」にて連載されています。精神疾患を持つ患者への訪問看護サービスについて知りたい方におすすめです。

主人公は精神科病院で勤務したのち、精神科訪問看護の世界にとびこんだ看護師・小林。うつ病・統合失調症など、さまざまな問題を抱える患者の家を訪問し、話を聞いたり薬の相談を受けたりする小林でしたが……。

精神疾患や訪問看護の現状を、やわらかいタッチの絵でわかりやすく描いた作品。患者本人だけでなく、家族へのサポートの重要性についても再認識させられるおすすめの医療漫画です。

高度に発達した医学は魔法と区別がつかない

講談社 原作・医療監修:津田彷徨 漫画:瀧下信英 既刊3巻


高度に発達した医学は魔法と区別がつかない

異世界転移した主人公が、わずかな医療器具と現代医学を駆使して病魔や怪我に挑む医療漫画です。「小説家になろう」出身で現役医師でもある津田彷徨が原作を担当。「モーニング・ツー」で連載中の異世界と医療が融合した新感覚ファンタジーです。

魔法が支配する異世界に転移してしまった医師・天海唯人。異世界の住人であるスライム・キマイラ・獣人などと出会いながら、十分な設備がないなかで懸命に治療を施す唯人でしたが……。

おもしろいストーリーと迫力のある絵柄が魅力です。また、専門用語のわかりやすい解説が付いているのも嬉しいポイント。「異世界モノ」が好きな方におすすめの医療漫画です。

プラタナスの実

小学館 著者:東元俊哉 既刊8巻


プラタナスの実

徹底的な取材をもとに小児科医療の現状を描いた医療漫画です。『テセウスの船』の著者・東元俊哉が手がけた作品。「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて連載されているおすすめの医療漫画です。

主人公・鈴懸真心は、子供たちはもちろん家族にも真摯に向き合う小児科医。少子化・モンスターペアレント・コンビニ受診など、さまざまな問題が山積する医療現場で、笑顔を絶やさず優しく寄り添う真心でしたが……。

舞台となるのは北海道北広島市。主人公が抱える家族の問題をからめながら、小児科医療の実際と家族愛を描いています。丁寧な心理描写に思わず涙してしまう読者も多い作品です。

神辺先生の当直ごはん

KADOKAWA 漫画:能一ニェ 原作:ちんねん 既刊3巻


神辺先生の当直ごはん

グルメと小児医療の融合を楽しめる医療漫画です。夜間小児診療を受け入れる総合病院で繰り広げられるさまざまなドラマと、疲れた体と心に沁み入るおいしいごはん。ひと味違う医療漫画を読みたい方におすすめです。

新米小児科医・平野は次々とやってくる患者への対応に追われながらも、真摯に診療を行っていました。疲れた平野が医局に戻ると、先輩小児科医・神辺が当直室で料理をしていて……。

“一日一食は美味しいものを”をモットーにした神辺の料理に癒され、再び診療に戻っていく主人公の姿に胸を打たれる読者も多い作品。おいしそうな料理やグルメに関する豆知識も見どころのひとつです。

アンメット

講談社 原作:子鹿ゆずる 漫画:大槻閑人 既刊10巻


アンメット

脳外科医の日常を描いた医療漫画。「モーニング」にて連載中の人気作品で、元脳外科医の子鹿ゆずるが原作を担当しています。本格的な医療漫画を読みたい方はチェックしてみてください。

アメリカの病院で問題を起こし、丘陵セントラル病院に赴任してきた脳外科医・三瓶友治。仮眠室で寝泊まりするほど「仕事中毒」の三瓶が向き合っているのは、脳ではなく「人生」でした。

空気を読まない傍若無人な主人公が、患者の人生と真摯に向き合い治療する姿に感動を覚える読者が多い作品。個性あふれる登場人物のキャラクターも見どころのひとつです。

ねこマンガ 在宅医たんぽぽ先生物語 さいごはおうちで

主婦の友社 著者:永井康徳 絵:ミューズワーク(ねこまき) 既刊2巻


ねこマンガ 在宅医たんぽぽ先生物語 さいごはおうちで

在宅医「たんぽぽ先生」と患者の実話をもとに描かれた医療漫画です。『クリスマスピーチをママへ』や『枯れるように逝きたい』など全10話を収録した作品。第37回愛媛出版文化賞奨励賞を獲得して話題となったおすすめの医療漫画です。

たんぽぽ先生は瀬戸内で働く在宅医。自宅で最期を迎えることを選んだ患者と家族に寄り添い、安心して過ごせるようにサポートする姿を丁寧に綴った命の物語です。

在宅医療や看取りをテーマにしたわかりやすく、読みやすい作品。登場人物はすべて猫として描かれており、切実な内容ながらもあたたかい気持ちで読み進めやすいのが魅力です。続編として『ねこマンガ 在宅医たんぽぽ先生物語 おうちに帰ろう』も出版されています。