臨場感あふれる医療現場を描いた「医療漫画」。外科医や天才的な技術を持つ医師のように華やかな存在だけでなく、医療の裏側で重要な役割を果たしている職種に注目した作品も多く執筆されています。

今回は、医療漫画のおすすめ作品をご紹介。完結済みの作品から、連載中の作品までピックアップしています。ぜひ医療漫画を探している方はチェックしてみてください。

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医療漫画のおすすめ|完結済み

コウノドリ

講談社 著者:鈴ノ木ユウ 全32巻完結

コウノドリ

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産科をテーマにした医療漫画です。第40回講談社漫画賞一般部門に輝き、累計発行部数は940万部を突破。2015年と2017年の2度にわたってテレビドラマ化もされた人気作品です。完結後も「モーニング」にて『コウノドリ 新型コロナウイルス編』が連載され話題になりました。

主人公・鴻鳥サクラは、謎のピアニスト「ベイビー」としての一面も持つ産科医。年間約100万人の命が生まれる産科医療の現場では、数々のドラマが繰り広げられていて……。

出産にまつわるさまざまな人間模様を垣間見られるおすすめの医療漫画です。テレビドラマの原作を読んでみたい方はぜひチェックしてみてください。

医龍

小学館 著者:乃木坂太郎 原案:永井明 全25巻完結


医龍

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大学病院で活躍する天才医師の姿を描いた医療漫画です。「ビッグコミックスペリオール」で連載され、第50回小学館漫画賞を獲得した作品。累計発行部数1000万部を超えた”平成医療マンガの金字塔”といわれており、4度にわたってテレビドラマ化もされています。

NGOキャンプで世界レベルの救命医療チームを率いていた外科医・朝田龍太郎。帰国後は医者を辞め、田舎暮らしを楽しんでいました。ある日、朝田のもとに明真大学助教授・加藤晶が訪れ、新たな医療チームに加わるようスカウトしますが……。

大学病院の胸部心臓外科医として復帰し手腕を振るう朝田、日本医療の改革を目論む加藤など魅力的なキャラクターが多く登場する人気作品。医療を取り巻くさまざまな問題を知るきっかけにもなるおすすめの医療漫画です。

・小学館文庫 コミック版

ブラックジャック

講談社 著者:手塚治虫 全12巻完結


ブラックジャック

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手塚治虫が手がけた医療漫画の名作です。単行本の累計発行部数は全世界で1億7600万部を記録。「医療漫画」のジャンルが生まれるきっかけにもなった金字塔的作品です。アニメや舞台など、さまざまなメディアミックス作品が制作されています。

ブラック・ジャックは無免許の天才外科医。数々の重症患者を助けては、莫大な報酬を請求していました。人里離れた診療所で助手であるピノコとともにひっそりと暮らすブラック・ジャックのもとには、医者から見放された患者たちが次々にやってきて……。

医師免許を持つ医学博士でもある手塚治虫が、自分の理想とする医師像を投影して描いた作品です。患者との接し方や生命観などに感銘を受ける読者が多く、”正義か。この世にそんなものありはしない”などの名言も多数。1話完結で楽しめるおすすめの医療漫画です。

JIN―仁―

集英社 著者:村上ともか 全13巻完結


JIN―仁―

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現代の医者が幕末の世界へタイムスリップするというユニークな設定で描かれた医療漫画です。第15回手塚治虫文化賞ではマンガ大賞を獲得。2度にわたってテレビドラマ化され、話題になった人気作品です。

主人公は東都大学附属病院の脳外科医・南方仁。脱走を目論む患者と揉み合ううちに、仁は幕末の1862年にタイムスリップしてしまいます。抗生物質や消毒薬もなく、電気も通っていない世界で仁が施した医療とは一体どのようなものだったのでしょうか。

現代医学の知識や技術をいかし、懸命に治療にあたる仁の姿に胸を打たれる読者が多い作品です。3人の専門家に監修してもらうなど、考証に重点をおいて描かれているのがポイント。人気ドラマの原作を読んでみたい方におすすめです。

リウーを待ちながら

講談社 著者:朱戸アオ 全3巻完結

リウーを待ちながら

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新型感染症によるアウトブレイクを描いた医療漫画です。タイトルの「リウー」は、アルベール・カミュの『ペスト』に登場する医師の名前からとってつけたもの。2018年1月まで「イブニング」で連載されていた医療サスペンス作品です。

物語の舞台は富士山麓のS県横走市。基地に駐屯していた自衛隊員が吐血・昏倒したのを皮切りに、同様の症状を訴え死亡する患者が次々と発生します。病院や街が混乱状態になるなか、内科医・玉木涼穂は新型感染症の拡大を食い止めようと奮闘しますが……。

現実世界のパンデミックとリンクする部分が多い作品です。謎の感染症に立ち向かう医療従事者の姿や社会の混乱を生活感たっぷりに描いているのが見どころ。展開が気になって全3巻を一気読みする読者も多いおすすめの医療漫画です。

放課後カルテ

講談社 著者:日生マユ 全16巻完結

放課後カルテ

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小学校の保健室を舞台にした医療漫画です。講談社の漫画雑誌「BE・LOVE」で連載されていた日生マユの作品。「校医」の仕事を通して成長する主人公の姿がいきいきと描かれています。

産休に入った養護教諭の代わりに赴任してきたのは謎の小児科医・牧野。拒食症・ナルコレプシー・ベル麻痺など、小学生たちの身近にあふれている病気や異変を見つけ出し、向き合っていきますが……。

無愛想ながらもしっかりと子供たちと向き合っていく主人公の姿に胸を打たれる読者が多い作品です。サクサク読み進められるのも嬉しいポイント。今までにない視点で描かれた医療漫画を読んでみたい方におすすめです。

Dr.DMAT〜瓦礫の下のヒポクラテス〜

集英社 原作:高野洋 漫画:菊地昭夫 全11巻完結

Dr.DMAT〜瓦礫の下のヒポクラテス〜

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災害現場で活動するスペシャリストたちの姿を描いた医療漫画です。「DMAT」とは医師・看護師・業務調整員で構成される「災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team)」の略称。東京消防庁・東京DMATの全面協力のもとテレビドラマ化もされた人気作品です。

主人公は有栖川総合病院に勤める内科医・八雲響。院長の命令によりDMATの隊員となるものの、響は血が大の苦手で……。壮絶な災害現場に出場した響が直面した命のドラマとは、一体どのようなものだったのでしょうか。

限られた資材を用いて命を繋ぐ姿を描いた、迫力ある筆致が見どころです。ヘタレっぷりを発揮しながらも少しずつ成長していく響に魅力を感じる読者も多い作品。災害現場でのリアルな救命活動を知りたい方におすすめの医療漫画です。

ゴッドハンド輝

講談社 著者:山本航暉 全62巻完結

ゴッドハンド輝

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名医が集まる病院を舞台に1人の外科医が成長する姿を描いた医療漫画です。約10年間にわたって「週刊少年マガジン」で連載された人気作品。2009年にはテレビドラマ化もされています。

天才外科医を父に持つ主人公・真東輝。新人外科医として安田記念病院に赴任し、指導医・北見やライバル・四宮らに鍛えられながら成長していきます。おっちょこちょいな輝が父のように「ゴッドハンド」と呼ばれる日は来るのでしょうか。

患者の死に立ち会ったことがない天運を持つ輝が、さまざまな患者への治療を通して成長し、活躍する姿を描いています。読み応えのある医療漫画を探している方におすすめです。

最上の命医

小学館 著者:入江謙三/橋口たかし 医療監修:岩中督 全11巻完結

最上の命医

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「最上の名医」を目指す天才少年の活躍を描いた医療漫画です。「週刊少年サンデー」で連載されていた作品。2011年にはテレビドラマ化もされています。

主人公・西條命は、生後すぐに心臓手術を受けて命を救われた経験を持つ小児外科医。ステレオグラムを手描きで作成できるほどの高い立体想像力を持つ天才でもあります。アメリカで最優秀若手医師賞を獲得し、帰国した命でしたが……。

小児科医療をテーマにしたおすすめの医療漫画です。専門家による医療監修のもと、病気や手術方法についてわかりやすく解説されているのが特徴。主人公・命の医療にかける思いに感銘を受ける読者が多い作品です。

研修医 なな子

集英社 著者:森本梢子 全4巻完結

研修医 なな子

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研修医の日常をリアルに描いた医療漫画です。『ごくせん』を手がけた森本梢子の作品。働く女性をターゲットにした漫画雑誌「オフィスユー」や「YOU」で連載され、1997年にはドラマ化もされました。

主人公はK大医学部附属病院の研修医・杉坂なな子。当直や慣れない病院勤務に奮闘する日々でしたが……。

超元気印のなな子が、先輩医師・教授・看護師たちにサポートされながら成長していく姿をコミカルに描いた作品です。1話完結でサクサク読み進められるのが魅力。”史上最強のホスピタルショート”と称されるおすすめの医療漫画です。

透明なゆりかご

講談社 著者:沖田×華 全9巻完結

透明なゆりかご

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見習い看護師として働く主人公の姿を通して産婦人科の実情を描いた医療漫画です。著者の実体験をもとに執筆されたリアルな内容が反響を呼び、累計420万部を突破した人気作品。第42回講談社漫画賞を獲得し、2018年にはテレビドラマ化され話題となりました。

看護学科に通う高校3年生・×華は、母親にすすめられて産婦人科院の見習い看護師として働き始めます。幸せな出産だけでなく中絶や死産などのつらい現場にも立ち会うことになった×華は、仕事を辞めそうになりますが……。

命の重みや力強さ、母性愛を優しいタッチで描いた作品です。産婦人科院で日々繰り広げられているさまざまなドラマに感動を覚える読者が多数。1話完結で読み進めやすいおすすめの医療漫画です。

ブラックジャックによろしく 完全版

佐藤漫画製作所 著者:佐藤秀峰 全13巻完結

ブラックジャックによろしく 完全版

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若き研修医の視点から、日本の医療現場のリアルを描いた医療漫画です。第6回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門優秀賞に輝き、ドラマ化もされた名作。2024年にも舞台が上演されるなど、ロングセラーで愛され続けています。

主人公・斉藤英二は、永禄大学付属病院に属する研修医。月収わずか3万8千円という過酷な状況で、生活を営むためにはほかの病院でアルバイトせざるをえません。医学部を卒業してから3ヵ月が経ち、斉藤は初めて患者を受け持つことになりますが……。

斉藤が研修医としてさまざまな医療現場を渡り歩くなかで、理想とは異なる厳しい現実に葛藤する様が克明に描かれているのがポイント。医療とは、命とは何かを痛切に問いかけます。日本の医療の裏側を垣間見られる、本格的な医療漫画を読みたい方におすすめです。

プラタナスの実

小学館 著者:東元俊哉 全10巻完結

プラタナスの実

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小児科医を主人公に据え、小児医療現場の現実を描いた医療漫画です。著者は『テセウスの船』を手掛けたことで有名な東元俊哉。「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて連載され、2023年に完結しました。

主人公は、北海道北広島市の病院に勤務する小児科医・鈴懸真心。小児科医療の現場には、少子化・モンスターペアレント・コンビニ受診など、気持ちだけでは乗り越えられないさまざまな社会問題が横たわっています。真心はそんな難しい環境で、笑顔を絶やさず患者に向き合っていくのでした。

日本の小児科医療のリアルを、綿密な取材をもとに描き出した医療漫画。真心が患者である子供たちだけでなく、その家族の心にも真摯に寄り添うあたたかなヒューマンドラマが見どころになっています。家族愛をテーマにした漫画を読みたい方にもおすすめの1作です。

病室で念仏を唱えないでください

小学館 著者:こやす珠世 全7巻完結

病室で念仏を唱えないでください

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救急医として勤務する僧侶「僧医」の活躍を描いた、斬新な医療漫画です。「ビッグコミック増刊号」にて連載され、全7巻で完結しました。2020年にドラマ化もされた人気作です。

救命救急医の松本照円は、僧衣を着て働く病院付きの僧侶。患者には縁起が悪いとたびたび罵られながらも、患者の命を救い、仏の教えを説く忙しい日々を送っています。そんな松本をはじめとする救命センターのメンバーたちの葛藤と奮闘を描いた物語です。

患者の体と魂を救おうと奔走する僧医・松本とともに、医療現場における生と死を仏教的な視点から見つめていくのが特徴。本格的な救急医療ドラマとしても楽しめる、おすすめの医療漫画です。

外科医エリーゼ

KADOKAWA 原作:yuin 漫画:mini 既刊13巻

外科医エリーゼ

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元悪女皇后が、転生した人生で外科医として奮闘する恋愛医療ファンタジー。韓国発のWeb小説のコミカライズ作品です。日本では「ピッコマ」などで配信連載され、すでに完結しています。2024年にはアニメ化もされました。

1度目の人生では悪女皇后として火炙りに処された主人公・エリーゼは、転生した2度目の人生では心機一転。外科医として人々のために活躍していました。そんなある日、不慮の事故に遭ったエリーゼが次に目覚めると、処刑された1度目の人生に戻ってしまっていたのです。

処刑される10年前に舞い戻ったエリーゼが、後悔しない人生を送るために天才外科医の知識を活かしながら奔走する様が描かれます。前世で恋焦がれた皇太子との恋模様も見どころ。異世界転生漫画と医療漫画の世界観が巧みに絡められた、おすすめの作品です。

ラストカルテ ー法獣医学者 当麻健匠の記憶ー

小学館 著者:浅山わかび 全10巻完結

ラストカルテ ー法獣医学者 当麻健匠の記憶ー

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獣医師を目指す青年たちを軸に、動物の死因を特定する法獣医学の世界を描いたおすすめの医療漫画です。2022〜2024年にかけて「週刊少年サンデー」で連載されていました。

並外れた記憶能力を持つ高校生・当麻健匠は、ある事件をきっかけに同級生・茨戸爽介が獣医である家族の仕事を手伝っていることを知ります。そこから法獣医学に興味を持ち始める健匠。友達になった爽介とともに、自分も人と動物を繋ぐ獣医師を目指すようになり……。

野生や飼育された動物たちの命と向き合う法獣医学の領域を、あたたかな筆致で描いているのがポイント。事件に関連する動物たちの生態も細かく描かれており、一風変わったミステリー漫画としても楽しめます。多くの動物好きな読者の共感と感動を呼んだ最近の医療漫画です。

はたらく細胞

講談社 著者:清水茜 全6巻完結

はたらく細胞

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人間の体内の細胞を擬人化し、その活躍ぶりを大胆に描いた細胞擬人化ファンタジー漫画。医療漫画としても高い評価を得ており、医療機関や公的機関ともコラボしている名作です。2024年12月には実写映画の公開も予定されています。

人間1人あたりの体は約37兆個の細胞で成り立っているとされており、それぞれの細胞が重要な役割を担っています。ウイルスや細菌が体内に侵入したり、アレルギー反応が起きたりと、人体に降りかかるさまざまなピンチに、細胞たちはどのように立ち向かっているのでしょうか。

白血球や赤血球を中心に、それぞれの細胞の役割が物語としてわかりやすく描かれているのが魅力。病気や怪我に直面した人体の内側で何が起こっているのかも巧みに表現されています。勉強になる医療漫画として人気を有するおすすめの1作です。

おたんこナース

小学館 著者:佐々木倫子 全7巻完結

おたんこナース

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『動物のお医者さん』で高い人気を得た佐々木倫子が、看護師の仕事をテーマに描いた1作。90年代に「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた医療漫画です。看護師経験がある小林光恵の原案と取材をもとにした、コミカルかつリアルな世界観が持ち味になっています。

主人公の似鳥ユキエは、病院勤務5週間目の新米看護師。まだまだわからないことばかりで、失敗と緊張を繰り返す日々を精一杯過ごしています。にぎやかな性格のユキエには、唯一相性が悪いと感じる高校生の患者がいました。

知識も経験も未熟ながら、必死に看護師として成長しようと奮闘するユキエの等身大な日常を追いかける1作。看護とは何かということを学んでいく様子が、著者独特のユーモアを交えながら描かれています。1話完結形式の構成で気軽に読みやすい、おすすめの医療漫画です。

・小学館 文庫版 全5巻完結

医療漫画のおすすめ|連載中

リエゾン ーこどものこころ診療所ー

講談社 原作:ヨンチャン/竹村優作 漫画:ヨンチャン 既刊19巻

リエゾン ーこどものこころ診療所ー

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子供の発達障害などを扱う児童精神科医の仕事に焦点を当てた新機軸の医療漫画です。2020年に「モーニング」で連載開始され、2023年にはドラマ化。累計100万部を突破する話題作になりました。

小児科の研修医・遠野志保は、遅刻や忘れ物を頻繁にしてしまうのが悩み。そんな態度を見かねた研修担当医によって、田舎にある小さな児童精神科の病院へと異動を言い渡されます。そこで出会った風変わりな児童精神科医・佐山に、志保はある診断を下され……。

さまざまな環境・症状によって「生きづらさ」を感じている子供と、その家族に寄り添う児童精神科の現場を正面から描いた1作。子供を取り巻くメンタルヘルスの問題について考えさせられるほか、うまく向き合うためのヒントを得られる、おすすめの医療漫画です。

ラジエーションハウス

集英社 原作:横幕智裕 漫画:モリタイシ 既刊17巻

ラジエーションハウス

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放射線技師や放射線科医が活躍する、画像診断医療の現場を舞台にしたおすすめの医療漫画。2015年から「グランドジャンプ」にて連載されており、ドラマ化でも大きな話題を集めました。2022年にはドラマの劇場版として映画化もされています。

五十嵐唯織はCTやMRIを撮る技術は優れているものの、人とのコミュニケーション能力に難ありの診療放射線技師。そんな五十嵐は、憧れの幼なじみ・甘春杏が放射線科医として勤めている甘春総合病院に採用されます。技師として必死に杏を支えようとしますが……。

レントゲンやCTで病変を写し、画像から見えない病気を診断するスペシャリストたちの奮闘を追いかけます。掟破りな天才技師・五十嵐を軸に、画像診断の複雑な世界観がわかりやすく表現されているのがポイント。放射線科のさまざまな仕事と役割を知れる医療漫画です。

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり

コアミックス 著者:荒井ママレ 既刊14巻

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり

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2020年にドラマ化された、病院薬剤師の舞台裏を描いた医療漫画。「月刊コミックゼノン」にて、2018年から連載中の人気作です。

総合病院で勤務する薬剤師・葵みどりが本作品の主人公。医師のように頼られたり、看護師のように患者に親しまれたりすることはなくとも、「縁の下の力持ち」として日々奔走しています。みどりをはじめ、患者の当たり前の日々を守る薬剤師の活躍を追いかける物語です。

薬剤のエキスパートとして患者に寄り添う薬剤師の存在意義や現場での活躍が、ドラマチックに描かれているのが見どころ。まっすぐな若手薬剤師・みどりの成長ぶりにも注目しながら読みたい、おすすめの医療漫画です。

Shrink 〜精神科医ヨワイ〜

集英社 原作:七海 仁 漫画:月子 既刊13巻

Shrink 〜精神科医ヨワイ〜

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「グランドジャンプ」で連載中の、精神科医療を題材にした医療漫画です。2024年8月からドラマも放送されている注目作。「隠れ精神病大国」とも称される日本の精神科医療の現状に、精神科医の主人公が向き合う様が描かれます。

一見、精神病患者の数は少ないものの、自殺率が先進国のなかでも高い水準にある日本。主人公の精神科医・弱井幸之助は”僕はこの国に、もっと精神病患者が増えればいいと思っています”と語ります。果たしてその真意とは一体何なのでしょうか。

パニック障害・うつ病・PTSDなど、心に病を抱えて苦しむ人々に手を差し伸べる精神科医の活躍を覗き見られる医療漫画。さまざまな心の病への向き合い方や回復の過程、日本の精神医療の問題点などがリアルに描かれているのがおすすめポイントです。

19番目のカルテ 徳重晃の問診

コアミックス 著者:富士屋カツヒト 既刊10巻

19番目のカルテ 徳重晃の問診

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特定の臓器や疾患を専門とせず、患者のすべてを総合的に診療する総合診療医の手腕を描いた、おすすめの医療漫画です。現役で総合診療医を務めている川下剛史が医療原案を担当しているのがポイント。Webで配信連載されています。

3年目の女性医師・滝野は「なんでも治せるお医者さん」に憧れているものの、専門領域が細分化されている医師としてのシステムに葛藤を抱いていました。そんな滝野が勤める総合病院に総合診療医・徳重が現れ、彼女の価値観に大きな変化をもたらしていきます。

総合診療医は患者の初期診療を担当し、ほかの専門医へと繋ぐ窓口の役目を担うのが特徴。診断とともに、それぞれの患者の多彩なバックグラウンドが明らかになっていきます。まるで探偵のように病を明らかにしていく総合診療医の活躍ぶりを、ぜひ追いかけてみてください。

高度に発達した医学は魔法と区別がつかない

講談社 原作:津田彷徨 漫画:瀧下信英 既刊8巻

高度に発達した医学は魔法と区別がつかない

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魔法が支配する異世界に転移した医師が、現代医療の力で異世界の病魔や怪我の治療にあたる斬新な医療漫画。原作と医療監修を担当している津田彷徨は、「小説家になろう」発の作家でありながら現役医師という異色の経歴の持ち主です。

現役医師・天海唯人が転移したのは、人間とは異なる種族が生きる異世界。その世界では、治療を担う医療魔法は独占された特別なモノでした。唯人は十分な医療設備もない世界で、医師として住人たちのさまざまな問題に立ち向かうことになります。

医学そのものが魔法の存在によって発達していない世界で、わずかな医療器具と己の知識を活用しながら治療にあたっていく様が見どころ。美麗な作画と専門用語の細かな注釈付きで、あまり医療漫画に馴染みがない方も楽しみやすいおすすめの作品です。

フラジャイル

講談社 原作:草水敏 漫画:恵三朗 既刊28巻

フラジャイル

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生検や病理解剖などを行い、病気の原因過程を特定する病理医の働きを描いた医療漫画です。2014年に「アフタヌーン」で連載開始され、2018年には第42回講談社漫画賞一般部門を受賞した秀作。ドラマ化もされています。

病理医・岸京一郎の仕事は病気の原因を調べ、その所見を各専門科医に提供すること。患者と直接関わることはないものの、彼の鑑別は臨床医の診断を確定させたり治療の効果をはかったりと、非常に重要な役目を果たしています。優秀である一方、岸の素顔は強烈な変人で……。

ほかの医師に治療の方針を示し、人知れず患者を救う病理医ならではの苦悩ややりがいが真摯に描かれています。病理医をはじめ、医療の現場の裏側を支える人々に特にスポットが当てられているのがポイント。仕事への向き合い方を考えさせられるおすすめの医療漫画です。

胚培養士ミズイロ

小学館 著者:おかざき真里 既刊5巻

胚培養士ミズイロ

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不妊治療の現場で活躍する胚培養士に焦点を当てた1作。『阿・吽』『サプリ』などを手掛けたおかざき真里が、2022年から「週刊ビックコミックスピリッツ」で連載している医療漫画です。

胚培養士とは、顕微鏡を用いて精子と卵子を受精させる生殖補助医療のスペシャリスト。不妊治療クリニックで働く水沢歩は、天才と名高い胚培養士です。そんな水沢を中心に、不妊治療の現場で起こるさまざまな人間ドラマが描かれます。

男性不妊・高齢出産など、治療経験者や専門施設への取材をもとに描かれる不妊治療のリアルな様子が、医療関係者からも高い支持を集めている医療漫画。性別を問わず不妊治療について理解を深めるきっかけとして読みたい、おすすめの作品です。

麻酔科医ハナ

双葉社 著者:なかお白亜 既刊6巻

麻酔科医ハナ

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手術を受ける患者に麻酔をかけ、生命活動を維持する役割を担う麻酔科医の活躍を描いた医療漫画。現役麻酔科医・松本克平が医療監修を手掛ける、リアルなストーリー展開が魅力です。

医師不足が叫ばれるなかでも、特に深刻な麻酔科医不足。大学病院の麻酔科医・華岡ハナコは、その煽りを受ける激務や安月給に悩まされながらも、日々手術室でさまざまな患者に向き合っていきます。

麻酔科医を取り巻く病院内での人間模様や医療現場での実情が、ユーモアを交えながら描かれているのがポイント。麻酔科医が果たしている役割とプライドが、現場の目線からわかりやすく覗き見られます。麻酔科志望の医師にも多く読まれているおすすめの1作です。

ハネチンとブッキーのお子さま診療録

コアミックス 著者:佐原ミズ 既刊2巻

ハネチンとブッキーのお子さま診療録

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小児医療を軸に、育児と家族の絆を描いたおすすめの医療漫画。2023年に「月刊コミックゼノン」にて連載開始され、多数の漫画賞にもノミネートされた注目作です。

妻に先立たれ、4歳と0歳の子供を1人で育てているサラリーマン・羽根田。子供に振り回され、疲弊していたある日、電車内で息子・みちるが嘔吐してしまいます。原因がわからず苦しむ親子を救ったのは、悪魔のようなメイクをした小児科医・琴吹でした。

奇抜な見た目の小児科医・ブッキーと、羽根田一家の心あたたまる交流が描かれます。これまで全く育児に触れてこなかった羽根田の、子育てに対するリアルな悩みや奮闘ぶりも共感を呼ぶポイント。小児医療を通して育児について見つめ直すきっかけを与えてくれる医療漫画です。

Dr.コトー診療所

小学館 著者:山田貴敏 既刊25巻

Dr.コトー診療所

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累計1200万部を突破している医療漫画の不朽の名作。離島医療に携わる医師を中心としたヒューマンドラマを描き、第49回小学館漫画賞を受賞しました。2度にわたってドラマ化され、2022年には劇場版も公開されています。

医療設備も整わない南海の離島・古志木島が物語の舞台。この島に、東京の大学病院に勤めていたという訳ありの外科医・五島健助がやってきます。着任するも、島民たちはなかなか診療所を頼ろうとしません。そんな初日の夜、島の子供の容態が急変し……。

人口約1000人の島にやってきた凄腕の外科医が、少しずつ島民の信頼を得て、交流を深めていく様が魅力的に描かれています。離島や僻地医療を題材にした医療漫画を読んでみたい方に、まずおすすめの名作です。

・小学館 文庫版 既刊14巻

アンメット ーある脳外科医の日記ー

講談社 原作:子鹿ゆずる 漫画:大槻閑人 既刊17巻

アンメット ーある脳外科医の日記ー

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「モーニング」で連載中の、元脳外科医・子鹿ゆずるが原作を務める本格医療漫画。変わり者の脳外科医と周囲の人々の人間ドラマが描かれます。2024年にドラマ化され、大きな反響を呼びました。

ある地域の基幹病院・丘陵セントラル病院に赴任してきた脳外科医・三瓶友治は、重度のワーカーホリック。以前はアメリカの病院に勤めていましたが、仕事中毒がゆえにクビになっていました。空気を読まない三瓶の性格には、脳外科医ならではの理由があったのです。

患者の人生に向き合う脳外科医の手腕を描いた医療漫画。麻痺や記憶障害といった脳の疾患が引き起こす後遺症の実態と、それらと戦う人々の心にもていねいに焦点が当てられています。専門的な知識を扱いながらも読みやすいという読者が多い、おすすめの話題作です。

K2

講談社 著者:真船一雄 既刊48巻

K2

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天才医師「K」の意思を継いだ者たちが、さまざまな病に挑む医療漫画の長編大作です。「週刊少年マガジン」で連載されていた医療漫画『スーパードクターK』『Doctor K』の続編にあたりますが、本作品からでも楽しめます。

かつて日本には、野獣の肉体と卓越した頭脳を持つ天才医師「K」がいました。しかし、彼は突然姿を消し、その存在は伝説に。それから時が経ち、人里離れたある村に「K」を名乗る医者が生きていることが判明するのです。

次代の「K」として登場した医師・神代一人による、漫画ならではの神業のような治療模様が多くの読者を惹きつけています。1話程度で完結するテンポのよいストーリー構成になっているのも魅力。エンターテインメント性あふれる、爽快な医療漫画を読みたい方におすすめです。