不良たちの熱い闘いや人間模様を描き、世代を超えて愛される「不良漫画」。手に汗握るバトルを中心としたモノだけでなく、不良たちの日常をコミカルに描いたモノや人情味あふれる感動作まで、多彩な設定の不良漫画が次々と登場しています。

今回は、そんな不良漫画のおすすめ作品をご紹介。金字塔とも称される名作から、最近の話題作までピックアップしました。不良たちの世界を覗き見たい方は、ぜひチェックしてみてください。

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• 目次
• 不良漫画のおすすめ｜2000年以降
• 不良漫画のおすすめ｜1980〜90年代

不良漫画のおすすめ｜2000年以降

WIND BREAKER

講談社 著者：にいさとる 既刊18巻

街の治安維持を担う不良高校生たちの活躍を描いた、ユニークな不良漫画。2024年にアニメ化され、第2期の放送や展覧会の開催なども予定されている注目作です。2021年に講談社の漫画アプリ「マガジンポケット」で連載開始されました。

主人公・桜遥は、超不良校として有名な風鈴高校のトップになるべく街の外からやってきた新入生。しかし、現在の風鈴高校の生徒たちは街の人々から「防風鈴（ボウフウリン）」と名付けられ、拳で街を守る集団へと様変わりしていたのです。戸惑いながらも、桜も防風鈴の一員として戦うことになり……。

スタイリッシュで魅力的なキャラクターが数多く登場する本作品。他者から拒絶され、孤独だった桜が、防風鈴として活動するなかで人のあたたかさに触れ、多くの仲間とともに成長していく様が描かれます。人情味のある物語が好きな方におすすめの不良漫画です。

東京卍リベンジャーズ

講談社 著者：和久井健 全31巻完結

『新宿スワン』を手掛けた和久井健による大人気不良漫画。累計部数7000万部を突破するタイムリープサスペンスです。2022年まで「週刊少年マガジン」にて連載され、講談社漫画賞少年部門を受賞しています。

ダメフリーター・花垣武道は、逃げ続けるどん底の人生を生きていました。そんなある日、最凶最悪の悪党連合「東京卍會」に、中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人が殺されたことをニュースで知ります。

その後、思いがけず線路に転落した武道は突然12年前にタイムスリップ。恋人を救い、自分を変えるため、人生のリベンジに挑みます。

不良漫画にSF要素を取り入れた斬新な設定が魅力の本作品。恋人や仲間を守るために現代と過去を行き来するという、先の気になる展開が多くの読者の心を惹きつけています。最近の不良漫画の人気作を読んでみたい方に、まずおすすめの作品です。

ギャングキング

講談社 著者：柳内大樹 全37巻完結

世界一の彫り師を目指す少年の人間的成長を描いたおすすめの不良漫画です。2003年から17年間にわたって「イブニング」などで連載され、累計部数は1200万部を突破しています。

幼い頃に「勝針」という凄腕の彫り師に命を救われた大西勝也ことジミー。その出来事をきっかけに和彫りに魅せられたジミーは、自分の身体に自ら和彫りを入れ、世界一の彫り師を目指すようになります。

やがて、ジミーは薔薇十字学園高校工業科に進学。彼を慕う仲間たちとともに、漢同士の熱い闘いへと身を投じていくのでした。

和彫りを「ヒーローの証」として情熱を注ぐジミー。彼をはじめ、それぞれに弱さを抱えながらも自分の信念を貫く登場人物たちの人間ドラマが見どころになっています。

OUT

秋田書店 作画：みずたまこと 原作：井口達也 既刊26巻

品川ヒロシの大人気小説『ドロップ』にも登場した井口達也が、自身の経験を元に手掛ける実録物語。2012年から「ヤングチャンピオン」で連載されている不良漫画です。累計600万部を突破し、2023年に実写映画化されました。

「狛江の狂犬」と恐れられた男・井口達也。17歳になり、少年院から出所した達也は、地元を離れて新たな人生を歩み始めます。そんな達也が新たな仲間とともに繰り広げる、凄絶な更生生活を描いた作品です。

悪さはできない立場でありながら、さまざまなトラブルに直面する達也。『ドロップ』の後日談ですが、本作品単独でも楽しめます。バイオレンスな世界の実話劇を見てみたい方におすすめの不良漫画です。

A-BOUT！

講談社 著者：市川マサ 全19巻完結

史上最悪の自己中男が繰り広げる、愉快でバイオレンスなドタバタ劇を描いた1作。2009〜2013年まで「週刊少年マガジン」で連載されていた不良漫画です。

他県にまで悪名を轟かせる私立光嶺高校は、数多くの不良が集まり「戦闘地域」と呼ばれるほどの存在。そこに転校してきた1年生・朝桐真之輔は、自分中心の破天荒な性格で、学校に嵐を巻き起こします。

目立ちたがり屋な朝桐と、彼に翻弄される個性豊かな不良たちの姿に思わず笑いが込み上げるバカ不良漫画。アクションだけでなく軽快なテンポの会話劇にも注目したいおすすめの人気作です。

WORST

秋田書店 著者：高橋ヒロシ 全33巻完結

不良漫画の巨匠・高橋ヒロシが手掛ける新たな最強伝説物語です。『クローズ』の続編として、2001〜2013年まで「月刊チャンピオン」にて掲載されていました。

電波も通じない田舎からやって来た月島花は、悪名高い鈴蘭男子高校に入学。争いごとが絶えない鈴蘭で月島を待ち受けていたのは、名物「一年戦争」でした。そんななか、月島は鈴蘭を一つにまとめて番長になることを宣言します。

世代交代した鈴蘭や街を舞台に、明るく笑顔を絶やさない主人公・月島がどのように活躍していくのかが見どころ。大ヒット作のその後の世界が気になる方にもおすすめの不良漫画です。

ナンバMG5

秋田書店 著者：小沢としお 全18巻完結

脱ヤンキーを目指す不良少年の奮闘を描いた激バカヤンキードリームコメディー。2022年に主演・間宮祥太朗でドラマ化もされた不良漫画です。2005〜2008年まで「週刊少年チャンピオン」で連載され、続編も刊行されています。

筋金入りのヤンキー家族の次男・難破剛の憧れは、普通の高校生になること。家族に内緒で健全な高校に入学し、特攻服を封印して脱ヤンキーを目論む剛でしたが、ヤンキーにいじめられている友人を放っておくことはできず……。

家族の前では不良、学校では真面目な学生という奇妙な二重生活を描いた痛快な不良漫画。特攻服に変身するヒーローモノのような構成で、最強の不良の葛藤や人間ドラマも楽しめるおすすめの話題作です。

不良漫画のおすすめ｜1980〜90年代

今日から俺は！！

小学館 著者：西森博之 全38巻完結

金髪とトンガリ頭の最強コンビが織りなす青春の日々を描いた、伝説のツッパリ漫画。80〜90年代にかけて「週刊少年サンデー」や「増刊少年サンデー」で連載していました。累計部数は4000万部を突破。2018年にテレビドラマ化され、再度注目を集めた不良漫画です。

今まで地味な青年だった三橋は、転校をきっかけにツッパリとして生きることを決意。目立ちたい一心で金髪パーマに髪型を変え、ツッパリデビューを果たします。そんな三橋の前に、もう1人の転校生・伊藤がトンガリ頭にマスク姿で現れ……。

“どんなコトをしても勝つ！”ことが信条の三橋と、男気あふれる伊藤。2人の軽妙な掛け合いやドタバタ劇が魅力的な学園不良コメディーです。元気をもらえる不良漫画を読みたい方は、ぜひ手に取ってみてください。

新装版 クローズ

秋田書店 著者：高橋ヒロシ 全22巻完結

“不良漫画の金字塔”と名高い、高橋ヒロシの傑作です。1998年まで「月刊少年チャンピオン」で連載。本作品の前日譚として『クローズZERO』が実写映画化され、話題になりました。シリーズ累計部数は9000万部を突破する大ヒット作です。

物語の始まりは、「カラスの学校」と恐れられる不良の巣窟・鈴蘭男子高校。不良同士が激しい派閥争いを繰り広げるこの学校に、最強の男・坊屋春道が転入してきます。さまざまな強敵と拳を交えるうちに、坊屋は鈴蘭で存在感を発揮していき……。

お調子者ながら義理人情に熱い坊屋以外にも、人間味あふれる魅力的なキャラクターが次々と登場します。ダイナミックで爽快なバトルシーンもポイント。一気読みしたくなる、おすすめの不良漫画です。

ろくでなしBLUES

集英社 著者：森田まさのり 全25巻完結

80年代後半から90年代にかけて「週刊少年ジャンプ」で絶大な人気を集めた不良漫画です。”ろくでなし”な不良たちの熱い青春と夢を追いかける姿が胸を熱くさせる名作。映画など、メディアミックス作品も数多く展開されています。

能天気で喧嘩っ早い主人公・前田太尊は、東京にある帝拳高校に入学した新入生です。入学早々、対立する応援団とボクシング部の抗争に巻き込まれてしまう前田。やがて、停学中だったボクシング部主将が戻り、事態は混迷を極めていくのです。

ボクシングの世界チャンピオンを夢見る前田の男気あふれる生き様が、世代を超えて支持されている本作品。不良漫画を通して人生における大切なことを学べるおすすめの1作です。

BE-BOP-HIGHSCHOOL

講談社 著者：きうちかずひろ 全48巻完結

累計4000万部を記録し、昭和の”青春漫画の金字塔”とも評される不良漫画の傑作です。たびたび映像化され、大ヒットを記録。1983〜2003年まで「週刊ヤングマガジン」で連載されました。1988年には講談社漫画賞に輝いています。

リーゼントの本格ツッパリコンビ・ヒロシとトオルは、私立愛徳高校の厄介者。そんな2人の高校生が喧嘩や恋に明け暮れる日々をクールに描き、多くの読者からの支持を集めました。一世を風靡した不良漫画に触れてみたい方におすすめの1作です。

復刻版 疾風伝説 特攻の拓

講談社 原作：佐木飛朗斗 作画：所十三 全27巻完結

のちの多くの作家にも影響を与えた、”伝説の不良漫画”と名高い名作です。1991〜1997年にわたって「週刊少年マガジン」にて連載され、大ヒットを記録。外伝やスピンオフ作品も展開され、シリーズ累計部数は3300万部を記録しています。

主人公・浅川拓は、学校でいじめられっ子として最悪な日々を送っていました。そんななかで出会った転校生・鳴神秀人の強さに憧れを抱く拓。彼のように強くてカッコいい不良になるべく、拓は危険に満ちた暴走族デビューを目指しはじめます。

弱気ながら優しい性格の拓が、暴走族の仲間との出会いを通して強く成長していく様が見どころ。登場するバイクのリアリティあふれる描写も多くの読者を魅了しました。世代を超えて読み継がれる、おすすめの不良漫画です。

湘南純愛組！

講談社 著者：藤沢とおる 全31巻完結

大人気学園漫画『GTO』の前日譚にあたる、おすすめの不良漫画。鬼塚英吉と弾間龍二による湘南最強の不良「鬼爆コンビ」の青春模様を描いた人気作です。90年代に「週刊少年マガジン」にて連載され、2020年には配信形式でドラマ化もされています。

喧嘩で右に出る者はいないと噂される生粋のヤンキーだった鬼塚と弾間。しかし、一向に恋人ができない日々に嫌気がさし、2人は不良高校を自主退学して不良から足を洗うことを決意します。ヤンキーということを隠して共学校へと転校するものの、2人には行く先々でトラブルがつきまとうのでした。

90年代のヤンキー文化を下地に、男たちの熱い友情と喧嘩、恋模様が繰り広げられる本作品。やがて伝説の不良コンビとして名を轟かせる2人の豪快な暴れっぷりが、コミカルな筆致で描かれます。笑いあり、涙ありの爽やかな不良漫画です。

カメレオン

講談社 著者：加瀬あつし 全47巻完結

“ヤンキーギャグ漫画の最高峰”とも評される不良漫画の名作です。1990〜2000年まで「週刊少年マガジン」で連載され、第23回講談社漫画賞少年部門を受賞しています。

かつて、不良からいじめの標的にされていた矢沢栄作は、高校進学をきっかけに不良デビューを果たします。しかし、お調子者な性格と運の悪さが災いして、次々と名のある不良との争いに巻き込まれることに。そんな数々の危機を、矢沢がハッタリと悪知恵を武器に乗り越えていく様が描かれます。

小柄で喧嘩も弱い矢沢の、頭を使った痛快な成り上がりが本作品の魅力。ギャグや秀逸なセリフ回しも、多くの読者の心を掴んでいます。ユーモアあふれる不良漫画が好きな方におすすめの作品です。

BADBOYS 新書版

少年画報社 著者：田中宏 全22巻完結

広島を舞台に、暴走族の熱い青春を描いたおすすめの不良漫画。1988～1996年に「ヤングキング」で連載され、さまざまなメディアミックス作品が展開されました。累計部数は5500万部を突破するヒット作です。

大金持ちの裕福な家に生まれた高校生・桐木司が本作品の主人公。今の生活に飽き足らず家出した司は、ひょんなことから暴走族「極楽蝶」の8代目総長の座を受け継ぐことになります。果たして司は、暴走族としてチームをどのようにまとめ上げていくのでしょうか。

強大な暴走族のチームがひしめく広島。そこで勢力争いを繰り広げる不良たちの激しい抗争と、司が仲間とともに成長していく様が魅力的に描かれます。男たちの誇りを賭けた闘いぶりに熱くなれる、アウトローな不良漫画です。