車が好きな方はチェックしたい「車漫画」。車の描写にこだわった作品から、レースを通して登場人物の成長を描く作品まで、ひと口に車漫画といってもさまざまなタイプの作品が存在します。なかには車を擬人化した作品や車中泊にフォーカスした作品など、面白い視点で描かれた作品もある点に注目です。
そこで今回は、車漫画のおすすめをご紹介。連載中の作品と完結済みの作品に分けてピックアップしました。参考にしてみてください。
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車漫画のおすすめ|連載中
MFゴースト
講談社 著者:しげの秀一 既刊15巻
『頭文字D』で知られる漫画家・しげの秀一が手がける車漫画です。ヤングマガジンで連載中の作品。西暦202X年、自動運転が一般的になった日本が舞台の物語です。
世界中で注目を集める「MFG」と呼ばれる公道の自動車レースが開催。最速を誇るマシンが参戦していました。一方、イギリスのレーシングスクールを卒業した天才ドライバー・カナタ・リヴィントンは、父親を探すために日本へ帰国して…。
著者が代表作の『頭文字D』でやり残したことを詰め込んだ作品として取り組んでいる点に注目です。海外のスーパーカーが豊富に登場するのがポイント。『頭文字D』を知っている方におすすめの作品です。
ぜっしゃか! 私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科
KADOKAWA 著者:せきはん 既刊3巻
乗り物の楽しさが伝わる、青春学園モノの車漫画です。ハードなタッチが多い車漫画のなかでは、かわいらしいキャラクター・造形が印象に残る作品。一方で、車の描写は非常にリアルな点もポイントです。
女子高生・百瀬莉子は、故障・廃棄された旧車のレストアを学ぶ学科・絶車科に通っています。さまざまな車を修理しながら、個性的なクラスメイトたちと楽しい日々を過ごしていて…。
校舎は古くて携帯もつながらない、昭和のままのような島で、レストアを通して時間を超えるような体験ができる旧車の魅力を描き出している点に注目。旧車好きの方やレストアに興味のある方におすすめです。
異世界車中泊物語 アウトランナーPHEV
講談社 原作:芳賀概夢 漫画:灯まりも 既刊1巻
うっ屈した青年が、異世界での車中泊生活を通して変わっていく姿を描いた車漫画です。逃避場所として使われる車の扱いにも注目してみてください。
仕事の失敗を責められ、やる気を失った会社員・大前は、一念発起して手に入れた電気とガソリン併用のプラグインハイブリッド車で逃避。足利SAでひと眠りしていましたが、目を覚ますと見慣れない場所にいることに気づきます。
なんと、そこは異世界の森の中でした。大前は、偶然出会った16歳の異世界人・キャラの案内でなんとか森から抜け出しますが…。異世界モノが好きな方にもおすすめの車漫画です。
今夜は車内でおやすみなさい。
講談社 著者:小田原ドラゴン 既刊5巻
車中泊を題材にしたセミドキュメンタリー漫画。車自体やレースではなく、暮らす場所としての車を描く斬新な車漫画です。
50歳にして売れない漫画家・シャーク小笠原は、仕事もなく、異性との出会いもない生活を送っています。あるとき、何も残されていない悲しい日々から逃げ出したくて車で外出すると、地味だけれど思いのほか楽しい時間を過ごせることに気づき…。
シャーク小笠原は、車中泊を快適なモノにするため、愛車である2004年式のススギ・アルト・660Gスペシャルをつたない手さばきで車中泊用に改造していくのでした。ほかの車漫画では見られない、ゆるい絵柄とストーリーを堪能してみたい方におすすめです。
車漫画のおすすめ|完結済み
頭文字D
講談社 著者:しげの秀一 全48巻完結
1人の青年がドライバーとして、人間として成長していく姿を描いた車漫画の金字塔。アジア各国で高い人気を有している作品でもあります。
豆腐店を営む家に生まれた少年・藤原拓海。空いた時間で配達を手伝うごく普通の男子高生ですが、彼の乗る車AE86と彼自身には非常に大きな可能性が秘められていて…。
レースバトルの描写はもちろん、登場人物同士のドラマにも魅力のある作品です。車漫画としても人間ドラマとしても楽しめる作品を探している方は、チェックしてみてください。
湾岸MIDNIGHT
講談社 著者:楠みちはる 全42巻完結
車に情熱を注ぐ男性の姿を描いた車漫画。スピードに魅入られた男性たちが、公道300km/hの戦いを繰り広げる物語です。
解体所に転がっていた「フェアレディS30Z」、通称「悪魔のZ」と呼ばれるチューンドカーに再び魂を吹き込んだアキオ。いわくつきの車でしたが、周囲の反対も聞かずアキオは「悪魔のZ」を駆り続けるのでした。
頻繁に事故を起こし、流血が起きても決して愛車を手放そうとしないアキオの固い意志に注目。危険さえも顧みず、好きなモノに熱中してしまう気持ちを味わいたい方におすすめです。
GT roman
リイド社 著者:西風 全6巻完結
沼津のカフェを舞台に、車愛好家たちの交流を描く車漫画です。著者は車やバイクに関する作品を数多く執筆している西風。移動手段としてだけではない、車の持つ魅力を感じられる作品です。
主人公の愛車は日産GT-R。サングラスがトレードマークのマスター・沢木が仕切るカフェ「Roman」を中心とする物語です。スカイラインGT-R、ポルシェ911、アルファロメオ・ジュリア・スーパー、ホンダS800、ケータハム・スーパー7など、憧れの名車が作中で疾走します。
走っている際の細かな表情の違いを、擬音を駆使して表現しているのが特徴。車の持つ魅力を知りたい方におすすめの作品です。
赤羽がんこモータース
小学館 著者:田中むねよし 全3巻完結
職人肌の修理屋が、多様な車を修理していく車漫画。クルマ・ラブ・ストーリーとうたわれる作品です。
場末の自動車修理工場、赤羽モータース。頑固な職人肌で、クルマが大好きな赤羽は、工場にやってきた客でも気に入らないと相手にしません。
ある日、くたびれたフィアットを持ち込んだ客がお金はないけれど直してほしいと訴えてきて、値切りを持ち出されたことに激高した赤羽。しかし、翌日同じフィアットが再び赤羽のもとを訪れて…。車に関わる人間模様を描いた車漫画を読みたい方におすすめです。
赤いペガサス
小学館 著者:村上もとか 全14巻完結
1977年から週刊少年サンデーに連載されていた車漫画です。F1ブームの火付け役ともいわれている車漫画のひとつ。レースコミックを得意とする著者・村上ともかの代表作でもあります。
赤いペガサスと呼ばれる天才レーサー・赤馬研。「ボンベイ・ブラッド」という非常に希少な血液型を持つ研は、同じくボンベイ・ブラッドの持ち主である妹・ユキとともに、日本F1チームのレーサーとして世界GPへ挑みます。
命を懸けたレースは、どのような結果に終わるのでしょうか。続編として執筆された全5巻の『赤いペガサスII 翔』も、あわせてチェックしてみてください。
アーサーGARAGE
講談社 著者:たーし 全5巻完結
車への熱い思いを秘めた男性が営む中古車店を舞台にした車漫画。著者は、ヤクザ漫画として知られる『ドンケツ』の著者のたーしです。
原田朝男、通称アーサーと呼ばれる男性は一匹狼の中古車屋を営んでいました。店は漁港の倉庫を利用し、店頭用の車は用意せず、秘密のリストを用いて注文販売専門の特殊なスタイル。 しかし、アーサーの車に対する熱い情熱は、ほかの誰にも劣らないものでした。
アーサーが常識にとらわれずに営む中古車屋がどのようなモノか、気になる方はチェックしてみてください。
ジゴロ次五郎
講談社 著者:加瀬あつし 全22巻完結
S13シルビアを駆る主人公・次五郎の活躍を描く車漫画です。S13シルビアは1988年にデビューした日産の車。その美しいデザインから当時の若者たちから注目され、デートカーとしても人気を有した車種です。
みにくいアヒルの子・次五郎が手に入れたのは、伝説のナンパ車と呼ばれる「S13」。この車に乗ればナンパが必ず成功する、通称「ラブマシーン」でした。夜のサービスエリア「ナンパーキング」で一番目立つことを目標に、石川次五郎は白い翼を備えた相棒とともに公道へと走り出して…。
著者は『カメレオン』で知られる加瀬あつし。車に対する知識がなくても楽しめる車漫画に仕上がっている点が魅力です。
F
小学館 著者:六田登 全28巻完結
“なんぴとたりともオレの前を走らせねえ”が口癖の主人公・赤木軍馬がFレーサーを目指していく車漫画。1986年に週刊スピリッツで連載が開始、1988年にはアニメ化もされた作品です。
名門・赤木グループの総帥・総一郎と愛人の間に生まれた問題児・赤木軍馬は、天才的なドライビングセンスを持っていました。やがて、一族を追放された軍馬はF1ドライバーを目指し、親友で天才的なメカニック技術を持つタモツと上京して…。時代を超えて人気を有する車漫画に興味のある方におすすめの作品です。
サーキットの狼
ゴマブックス 著者:池沢さとし 全27巻完結
スーパーカーブームのきっかけになったともいわれているレーシング車漫画です。ポルシェ・フェラーリ・ランボルギーニ・マセラティ・日産のフェアレディZ・シボレーコルベット・トヨタの2000GTなど、名だたるスーパーカーが作品を彩っています。
風吹裕矢は「ロータスの狼」の異名を持つ走り屋。彼は、スピードに命を賭けていました。ライバルたちとのデットヒートを経て、裕矢は栄光をつかめるのでしょうか。
ダイナミックなカーアクションシーンが見どころの車漫画です。読んでいて興奮する作品を探している方はチェックしてみてください。
RUN day BURST
スクウェア・エニックス 著者:長田悠幸 全8巻完結
地球半周・世界各国・大陸横断カーレース「RUN day BURST」の模様を描いた車漫画。タイヤを使って走るシンプルなルールのもと、栄光と優勝賞金を求めて集った参加者たちとの戦いが繰り広げられます。
自他ともに認める町一番のポンコツ修理屋の少年・バレル。ある日突然、家に突っ込んできた男性にいわれるがまま、父親の形見であるトラクターとともに「RUN day BURST」へ出走します。はたして、バレルはレースで頂点に立てるのでしょうか。
著者は高い画力を持つことで、同業者にも影響を与えている漫画家・長田悠幸。見ごたえのある絵と、刺激のあるストーリーを堪能してみたい方におすすめです。
クアドリフォリオ
双葉社 著者:岡本健志 全2巻完結
ていねいに描写された車が印象に残る車漫画。男性が主人公の車漫画が多いなか、本作品の主人公は女子高生である点に注目です。
女子高生・四条ヨツバは学校に通いながら、叔父が所長を務める自動車整備工場「クアドリフォリオ」で整備を手伝うほどの車好き。文句をいう客といざこざがあったり、営業車のSZに乗ったり、憧れの車を見つけて目を輝かせたりする無邪気な性格の持ち主です。
彼女の特筆すべき点は、他人にはない才能があること。イタリアの車、特にアルファ好きにはたまらない車漫画です。
ナニワトモアレ
講談社 著者:南勝久 全28巻完結
大阪を舞台にした車漫画。主人公のグッさんは三度の飯よりもナンパが好きな男です。なんとか免許を取得し、ローンを組んで購入した車は新車のシルビア。ドライビングテクニックはありませんが、青春を謳歌することを夢見て環状デビューに挑みます。
著者は第41回ちばてつや賞準大賞を受賞している漫画家・南勝久。本作品は続編を含めて14年間連載が続いており、著者の次回作にあたる『ザ・ファブル』の原点ともいわれている点にも注目してみてください。
capeta
講談社 著者:曽田正人 全32巻完結
モータースポーツを通して成長していく子供たちを描いた車漫画です。全32巻と壮大なストーリーを楽しめるのが特徴。アニメ化もされている作品です。
平勝平太、通称「カペタ」は小さいころに母親を亡くし、父親と2人暮らし。父親の前では元気に振る舞っていますが、どこか充足しない日々を送っていました。ある日、父が廃材で作り上げたカートをもらったことをきっかけに、カペタの人生は大きく動き出して…。
キャラクターの表情が秀逸に描かれており、物語に引き込まれていくのが魅力。少年漫画らしい主人公の成長を楽しめる車漫画を読みたい方におすすめです。
モーターガール
小学館 著者:ラーラ 全1巻完結
車を擬人化したキャラクターと主人公のセクシーなやり取りが印象に残る車漫画。主人公の吉岡ツヨシは、「黒い彗星」の異名を持つ走り屋です。
ツヨシが公道カーバトルで100勝を達成しようとする矢先、クラッシュして愛車が廃車に。資金不足で次の車を用意できないツヨシは、中古車屋で1台の車と巡り合います。その車の中には、他人には見えない謎の女性が乗車しており…。
車に宿った魂だと語る彼女は、ツヨシに乗車するように懇願してくるのでした。1巻完結で気軽に読める作品。色気のある、一風変わった車漫画を読みたい方におすすめです。
SS
小学館 著者:東本昌平 全9巻完結
元全日本ラリーの選手である中年男性を主人公とした車漫画。2008年には哀川翔主演で実写映画化もされています。
整備工場で修理工として働くダイブツは、不景気のあおりをくらいながらも、なんとか日々を暮らしていました。年末、妻の実家に帰省する道中で、走り屋のマシン2台とすれ違ったダイブツ。ボーナスの代わりに社長から譲り受けたマシンを整備するうちに、レースをしたい思いが湧き上がってきて…。
周りの環境に流され、気づくと歳を重ねていた中年男性の哀愁が漂っている車漫画です。
オーバーレブ!
小学館 著者:山口かつみ 全31巻完結
主人公・志濃涼子を通して車の魅力を描いた車漫画です。陸上選手として期待されていた涼子は、けがによって競技を引退していました。
高校最後の夏休み、友だちと遊んでいるときに峠で偶然見かけた女性の運転を見て感動。やがて、峠で見かけた女性・佐和子と再会した涼子は、佐和子のシルビアで運転の練習に挑戦します。走りへの思いを強くし、免許の取得や愛車の物色を始めて…。
次第に、車のとりこになっていく涼子が、走り屋として伝説的な存在に成長する過程に注目したい車漫画。女性ドライバーが活躍する車漫画を読みたい方におすすめです。
車漫画は車に対する知識がない方でも、車を学びながら楽しめる作品も多いのが魅力です。車好きの方であれば、車の描写にこだわった作品や往年の名車が登場する作品に注目してみてください。続編が執筆されている車漫画も少なくないので、長く楽しみたい方は関連作品の有無に注目してみるのもおすすめです。