音楽に打ち込む人々の姿を、多彩な音楽表現とともに描いた音楽漫画。多くの作品がアニメ化や映画化などメディアミックスされており、音楽知識の有無にかかわらず楽しめる人気作が揃っています。
今回は、そんな音楽漫画のおすすめ作品をピックアップ。音楽ジャンル別に4つに分けてご紹介します。それぞれに違った魅力がある名作ばかりなので、気になった作品があればぜひ手に取ってみてください。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
音楽漫画のおすすめ|バンド
ぼっち・ざ・ろっく!
芳文社 著者:はまじあき 既刊4巻
2022年にアニメ化された注目の音楽漫画。”陰キャならロックをやれ!!”をテーマに、ライブハウスから成長していくガールズバンドを描いた4コマ漫画です。2018年から「まんがタイムきららMAX」で連載されています。
中学生の頃からギターをはじめた後藤ひとりは、極度の人見知りのために一度もバンドを組めないまま高校に進学。家で1人寂しくネット配信するだけの日々でしたが、ひょんなことから伊地知虹夏が率いる「結束バンド」に加入することになります。
しかし、人前での演奏に不慣れなひとり。バンドマンとして乗り越えなければならない多くの壁を越えて、立派なバンドマンになれるのでしょうか。
青春にコンプレックスを抱えた孤独な女子高生が、バンドを通して一歩を踏み出していく姿に思わず応援したくなる音楽漫画。キュートな絵柄とともに本格派のバンド漫画としても楽しめるおすすめの1作です。
けいおん!
芳文社 著者:かきふらい 全4巻完結
軽音部に所属する女子高生たちの、ほのぼのとした日常を描いた大人気4コマ漫画。2009年にアニメ化され、バンドブームやアニソンブームなど社会現象を巻き起こしました。「まんがタイムきらら」で連載し、2010年に完結しています。
廃部寸前の軽音部に入部した平沢唯は、全くの楽器初心者。そんな唯を加えて何とか形になった軽音部は、海合宿をしてみたり、慌てて顧問を探してみたりと、ゆるやかな部活ライフを充実させていきます。
キュートで個性あふれる女子高生たちの穏やかな青春の日々を覗き見られます。気持ちが和らぐ音楽漫画を読みたい方におすすめの人気作です。ぜひアニメに登場する名曲とともに読み進めてみてください。
BECK
講談社 著者:ハロルド作石 全34巻完結
第26回講談社漫画賞少年部門を受賞した、音楽漫画の名作です。1999〜2008年まで「月刊少年マガジン」で連載されていました、平凡な中学生がバンドに打ち込む青春を描き、累計1500万部を突破。アニメ化や実写映画化もされています。
主人公の「コユキ」こと田中幸雄は、平凡で退屈な毎日を変えたいと願う中学生。ある日、ベックという名の犬を助け、天才ギタリスト・竜介に出会います。やがてコユキは、ロックバンド・BECKの一員として音楽の魅力にのめり込んでいき……。
音楽を通して成長していくコユキをはじめ、ロックバンドに懸ける青年たちの熱い青春模様が見どころの音楽漫画。バンドを題材に、多くの読者や作家に影響を与えた音楽漫画の金字塔として、まず読みたいおすすめの1作です。
NANA -ナナ-
集英社 著者:矢沢あい 既刊21巻
2人の「ナナ」という少女たちの運命を音楽とともに描き、第48回小学館漫画賞を受賞した少女漫画。アニメ化や実写映画化もされ、累計5000万部を突破した大ヒット作です。2009年から休載しており、再開が待ち望まれています。
物語の中心は、彼氏とともに幸せになることが生きがいの小松奈々と、バンドで大成することを夢見るボーカリスト・大崎ナナ。運命的に出会った正反対の2人の人生は、音楽とともに交錯していきます。
それぞれが追い求める幸せのため、恋愛や仕事に揺れる少女の心情をリアルに表現した名作。ナナ率いるロックバンドをはじめとする、スタイリッシュな世界観も多くの読者を惹きつけてきました。恋愛漫画が好きな方にもおすすめの音楽漫画です。
SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん
スクウェア・エニックス 作画:長田悠幸 原作:町田一八 既刊19巻
「月刊ビッグガンガン」で連載中の、バンドを題材にした音楽漫画。伝説のギタリストに憑依された「ジミ」な高校教師が、自らの夢と寿命のために奮闘する様を描く新境地のロック漫画です。
「ヘン」なギタリスト幽霊に取り憑かれた高校教師・本田紫織。27歳になったばかりの彼女は、彼と交わした契約により、27歳が終わるまでに音楽で伝説を残さなければ死んでしまう事態に陥ります。果たして紫織は1年以内に伝説を作れるのでしょうか。
昔諦めてしまった夢を再度追いかける青春ストーリーと、タイムリミットが掛け合わさった設定が魅力的な1作。表現に圧倒される大迫力の演奏シーンも見どころになっています。熱量あふれる展開の数々に、続きが気になる読者も多いおすすめの音楽漫画です。
デトロイト・メタル・シティ
白泉社 著者:若杉公徳 全10巻完結
デスメタルバンドを率いるカリスマボーカリストの苦悩を描くコメディ。白泉社の青年漫画誌「ヤングアニマル」で連載され、カルト的人気を得た音楽漫画です。2008年には俳優・松山ケンイチ主演で実写映画化もされています。
インディーズ界の最凶デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」。主人公・根岸崇一は、ギターボーカルのヨハネ・クラウザーII世として、過激な歌詞とパフォーマンスでファンからの熱狂的な信仰を集めています。
しかし、彼の本性は渋谷系ポップスを愛する気弱な田舎の青年。本来デビューしたかった方向性と真逆の悪魔的デスメタルで大ブレイクしてしまったのです。根岸の意思とは裏腹に、彼の才能とバンドはみるみる開花していき……。
理想と現実のギャップが生む葛藤を、シュールで強烈なギャグとともに表現した1作。根岸が奮闘する姿に笑いと元気がもらえる、おすすめの音楽漫画です。
カノジョは嘘を愛しすぎてる
小学館 著者:青木琴美 全22巻完結

『僕の初恋をキミに捧ぐ』などを手掛けた大人気作家・青木琴美の音楽漫画。小学館の少女漫画誌「Cheese!」で連載され、第59回小学館漫画賞を受賞しました。実写映画化されたほか、韓国でもドラマとしてリメイクされた人気作です。
人気バンド・クリュードプレイの大ファンである小枝理子はある日、「小笠原心也」と名乗る男性にナンパされます。彼の鼻歌のメロディーに聞き惚れた理子。クリュードプレイの元メンバー・小笠原秋だと知らずに付き合いはじめますが……。
不器用な天才作曲家と純粋な少女の、嘘から始まる恋模様を描いた本作品。恋愛だけでなく、音楽の方向性や才能、社会のしがらみに悩む登場人物の心情を丁寧に表現しています。読み応えのある音楽漫画を読んでみたい方におすすめの1作です。
バジーノイズ
小学館 著者:むつき潤 全5巻完結
2018年に「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載を開始し、掲載直後からSNSで話題を集めた1作。音楽を愛するミニマリストの青年を主人公に、現代を克明に切り取ったシティポップ系音楽漫画です。
住み込みでマンション管理人をしながら人との接点も持たず、パソコンでの音楽作りだけを愛する清澄。そんな清澄が出会ったのは、バンドマンに恋する今どきの女性・潮でした。清澄の閉じた世界に現れた彼女が、やがて彼の世界を大きく変えていきます。
現代に生きる若者の価値観や生き様が、音楽漫画のなかにリアルに表現されているのがポイント。SNS時代の音楽漫画を読んでみたい方におすすめの、ボーイミーツガール作品です。
ハレルヤオーバードライブ!
小学館 著者:高田康太郎 全15巻完結

小学館の少年漫画誌「ゲッサン」で連載されていた音楽漫画。軽音楽部が禁止された高校で、バンド活動をする高校生の青春を描いています。
主人公・朝桜小雨は、中学の卒業式の日に好きな女子に曲を贈って告白したところ、見事に玉砕した過去をもつ高校1年生。高校でバンドを組んで見返そうとしていたものの、入部した高校には軽音部がないことが発覚します。
そんななか、小雨に声をかけてきた小柄な女生徒・空次ハル。彼女は「金属理化学研究部」に小雨を連れていき……。
爽やかで甘酸っぱい青春模様が、軽快なユーモアとともに描かれています。音圧を感じるような演奏描写も見どころ。軽音部を舞台にした王道の成長物語が読みたい方におすすめの1作です。
ソラニン 新装版
小学館 著者:浅野いにお 全1巻完結
ゼロ年代青春漫画の金字塔と謳われる、浅野いにおの音楽漫画です。性別・世代を問わずに共感できる、男女の青春を描いているのが特徴。実写映画化もされました。
本作品は、青春時代をあてもなく進む社会人2年目の種田と芽衣子の物語です。楽しく、それでいて切ない日々を過ごしている2人の行く末に注目してみてください。
通常版と異なり、新装版は1冊にまとまっているのが特徴。さらに、新装版のために描き下ろされた29話を収録しています。ほか、単行本未収録外伝『はるよこい』、未収録カラー、描き下ろしカットなども楽しめる豪華版。すでに読んだことのある方にもおすすめの1冊です。
風夏
講談社 著者:瀬尾公司 全20巻完結

奇妙な縁で繋がった3人の関係性を中心とした青春ストーリーを描いた音楽漫画です。テレビアニメ化もされた作品。著者は『君のいる町』『涼風』などでも知られる漫画家・瀬尾公司です。
スマホを片時も離さない榛名優は、ある日携帯電話を持っていない少女・秋月風夏と出会います。優はツイッターで人気歌手・氷無小雪とも繋がっており、風夏と一緒に小雪のライブへ訪れることに。実は小雪と優はもともとの知り合いで……。
3人の関係がどのように変化していくのかに注目しながら読んでみてください。引っ込み思案の主人公が、周りの人間に影響されてバンド活動へ打ち込んでいく姿が印象に残る作品です。
空電の姫君
講談社 著者:冬目景 全3巻完結
女子高生ギタリストがアマチュアバンドで奮闘する姿を描く音楽漫画。第24回文化庁メディア芸術祭で審査委員会推薦作品に選ばれました。
ギターテクニックを評価され、アマチュアバンドにスカウトされた女子高校生・マオと、歌の上手くてミステリアスな少女・夜祈子が織りなす物語です。
音楽を通して、親へのコンプレックスや友達とのコミュニケーションなど、少女の懸命に生きる青春を描いているのが特徴。登場人物を丁寧に描写した音楽漫画を読みたい方におすすめです。
ふつうの軽音部
集英社 原作:クワハリ 作画:出内テツオ 既刊6巻
軽音部に入った内気少女の奮闘を描く音楽漫画です。2024年から「ジャンプ+」にて連載中。「次にくるマンガ大賞2024」のWebマンガ部門で第1位に選ばれ、そのほかにも「このマンガがすごい!2025」のオトコ編第2位など数々の賞にランクインしています。
渋めの邦ロックを愛する新高校1年生の鳩野ちひろは、軽音部に入ることを夢見てギターを購入します。クラスに馴染めるかすら不安に感じている彼女は、バンドを組むのも一苦労で……。
ギャグ要素満載の内容でありながら、心理描写が丁寧なのが特徴。キャラクターの1人1人が個性的で面白いという声も。ロックバンドをテーマにした、笑える青春漫画に興味がある方におすすめです。
Eから弾きな。
講談社 著者:佐々木拓丸 全3巻完結

ギター初心者が1ヶ月後のバンド演奏を目指す、ロックをテーマにした音楽漫画です。2012年から2013年まで「イブニング」にて連載されていた本作品。主人公は、27歳のギター素人・神谷三蔵です。
不景気のなかやっと定職に就いた三蔵は、なぜか社長令嬢の武藤史子にギタリストとしてスカウトされてしまいます。1ヶ月後にバンドで演奏できない場合はクビにすると告げられ、三蔵は仕方なくギターをはじめるのでした。
左利き用のナットを作成するため牛骨を削るところからはじめる、本格的なギター描写が高く評価されています。真面目で純粋な主人公を応援したくなると評判。熱いギター漫画を探している方におすすめです。
ロックは淑女の嗜みでして
白泉社 著者:福田宏 既刊7巻

お嬢様たちがロックへの熱を燃やす音楽漫画です。2022年から「ヤングアニマル」にて連載中。2025年にはアニメ化されました。著者は、『常住戦陣!!ムシブギョー』で知られる福田宏です。
親の再婚で突然お嬢様学校に通うことになった鈴ノ宮りりさは、自分の素性がバレないよう精一杯お嬢様を演じていました。しかし、彼女は1人でドラムを叩くある少女と出会います。ドラム少女との演奏を経て、もともとギターとロックが大好きだったりりさの熱が再燃しますが……。
品を気にせずロックに情熱を向けるお嬢様を描いた1作で、キャラクターと振る舞いや表情のギャップが面白いと話題。熱いガールズバンド漫画を探している方におすすめです。
日々ロック
集英社 著者:榎屋克優 全6巻完結

底辺を生きる男が、伝説のロックスターになるまでを描く音楽漫画です。2010年から2015年まで、「週刊ヤングジャンプ」で連載されていました。2014年には、野村周平主演で実写映画化もされています。
ステージに立ちながらも客からはまったく相手にされず、クリスマスも毎年家族で過ごしている日々沼拓郎。いじめられっ子であり運動も勉強もできない彼に残されているのは、”ROCK”だけでした。
5年後に伝説のロックスターとなる少年の、激闘の日々を描写する1作。主人公がダサく人間臭いのが特徴で、爽やかな青春ではなく生々しい青春を覗き見してみたい方におすすめです。ライブの熱を漫画から感じたい方は、ぜひチェックしてみてください。
ウッドストック
新潮社 著者:浅田有皆 全18巻完結

架空のバンドから始まる熱狂を描写した音楽漫画です。公式が”ブッチぎり青春バンドストーリー!”と謳う作品で、2014年に第18巻が発売され完結しました。物語の主人公は、伝説的ロックフェス”ウッドストック”に憧れる青年・成瀬楽です。
“ウッドストック”に憧れる楽は内気な性格からバンドを組むことができず、1人ですべてを担当する架空のバンド”チャーリー”をネットで立ち上げます。やがて、”チャーリー”が思惑を超えた広がりをみせはじめ……。
人見知りでありながらバンドへの熱を持った主人公が、バンドマンとして奮闘する姿を応援したくなると評判。ネットで活動するバンドという設定も面白いと高く評価されています。迫力の演奏シーンを楽しみたい方におすすめです。
音楽漫画のおすすめ|クラシック・ジャズ
のだめカンタービレ 新装版
講談社 著者:二ノ宮知子 全13巻完結
2010年まで「Kiss」で連載されていたクラシック音楽漫画。第28回講談社漫画賞少女部門を受賞し、累計3700万部を突破しています。ドラマ化など多数のメディアミックスでも話題を集め、クラシックブームを巻き起こした国民的人気作です。
エリート音大生・千秋真一はピアノ科の3年生。ヨーロッパで指揮の勉強をしたいと思いながらも、飛行機恐怖症のため渡欧できない不遇の日々を送っていました。そんな彼の前に突然現れた野田恵は、ゴミ溜めの部屋でピアノを美しく奏でる不思議少女で……。
自由奔放な「のだめ」の奇行に千秋が振り回されながらも、互いの存在が刺激になって成長していく姿が魅力的なクラシック音楽コメディ。2023年にはミュージカル化も予定されています。ドタバタ劇と本格クラシックを両方楽しめる、おすすめの音楽漫画です。
PPPPPP
集英社 著者:マポロ3号 既刊5巻
天才ピアニストたちの群像劇を描いた音楽漫画です。2021年より「週刊少年ジャンプ」で連載され、累計35万部を突破。次にくるマンガ大賞2022コミックス部門で第5位に入賞し、注目を集めています。
物語の中心は、音楽史上に名を遺す天才ピアニスト・音上楽音の7つ子の子どもたち。6人は天才ピアニストとして成長するものの、主人公・ラッキーには1人だけ彼らのようなピアノの才能がありません。
ピアノを諦めていたラッキーでしたが、母の願いを受けて再びピアニストを目指すことを決意。立ちはだかる天才の兄弟たちに凡才・ラッキーはどのように挑むのでしょうか。
楽曲の世界観が「ファンタジー」として観客の前に現れるという、芸術的な画面表現が魅力の1作。天才の苦悩や凡才の絶望など、生々しい心情描写も見どころになっています。音楽漫画の新たな可能性を感じられる、おすすめのピアノ漫画です。
四月は君の嘘
講談社 著者:新川直司 全11巻完結
第37回講談社漫画賞少年部門を受賞したクラシック音楽漫画の傑作。「月刊少年マガジン」で2011〜2015年まで連載されていました。実写映画化されたほか、アニメやミュージカルなども人気を集めている、切ない音楽恋愛劇です。
「神童」と呼ばれながらも、母の死をきっかけにピアノを弾かなくなった有馬公生は、仄暗い青春を淡々と過ごしていました。そんななか出会った、才能豊かなバイオリニスト・宮園かをり。そこから公生の世界は鮮やかに色付き、大きく運命が動きはじめます。
演奏時の緊張感を覚える巧みな描写で、”音楽コミックの金字塔”とも評される本作品。クラシック界の厳しさを描きつつ、多感な少年少女のリアルな青春の日々も堪能できます。感動できるボーイミーツガール作品が好きな方におすすめの1作です。
BLUE GIANT
小学館 著者:石塚真一 全10巻完結
シリーズ累計部数880万部を超える、ジャズ漫画の大ヒット作。「ビッグコミック」で連載され、第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞や第62回小学館漫画賞など、数々の著名な漫画賞も受賞しました。2023年にアニメ映画化も予定されています。
中学生の頃にジャズの生演奏に心を打たれた男子高校生・宮本大は、バスケ部に所属しながらも、河原で孤独にサックスを吹き続けてきました。楽譜も読めない大が、ただひたすら真っ直ぐに世界一のジャズプレーヤーを目指す壮大な旅が幕を開けます。
主人公・大の、ジャズに賭ける真摯な情熱に魅了される読者も多い1作。サックスの響きを感じるような、熱量のある画風も高い評価を集めています。ひたむきに努力することの尊さを思い出させてくれる、おすすめの音楽漫画です。
ピアノの森
講談社 著者:一色まこと 全26巻完結
過酷な街で育った少年がピアノの才能を開花させていく様を描いた、ピアノ漫画の名作。第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で大賞を受賞し、アニメ化やアニメ映画化もされたクラシック音楽漫画の名作です。
主人公は、森に捨てられていたピアノをおもちゃがわりにして育った少年・一ノ瀬海。かつて天才ピアニストと呼ばれた小学教師・阿字野壮介や、ピアニストの父を持つ転校生・雨宮修平たちと出会い、やがて海は天性の才能とともにピアノに魅了されていきます。
ピアノを通してさまざまな出会いを経ながら、厳しいコンクールの世界に挑んでいく天才少年・海。彼の成長だけでなく、登場人物それぞれのストーリーも魅力的に描かれており、深く感情移入できます。音楽が生み出す感動に浸れるおすすめの音楽漫画です。
坂道のアポロン
小学館 著者:小玉ユキ 全9巻完結
第57回小学館漫画賞一般向け部門を受賞し、2009年のこのマンガがすごい!オンナ編第1位にも輝いた音楽漫画の人気作。1960年代のモダンジャズと高校生たちの青春を描きました。累計100万部を突破し、アニメ化や実写映画化もされています。
舞台は1966年。横須賀から地方の高校へ転入してきた西見薫は、度重なる転校で周囲に心を閉ざしがちな青年です。しかし、クラスでも「札付きの不良」と恐れられる川渕千太郎やジャズとの出会いをきっかけに、薫の高校生活は意外な方向へ転がりはじめます。
ノスタルジックな世界観が魅力の音楽漫画。男同士の熱い友情やもどかしい恋心など、青春時代の切なさと眩しさが丁寧に描かれています。感動できる青春群像劇が読みたい方におすすめの1作です。
G線上のあなたと私
集英社 著者:いくえみ綾 全4巻完結
2019年に俳優・波瑠主演でドラマ化され話題になった1作。大人のバイオリン教室を舞台に、さまざまな人間模様が描かれる音楽漫画です。集英社の大人向け女性誌「ココハナ」で連載されていました。
寿退職当日に婚約破棄された小暮也映子は、立ち寄ったCDショップで聞いた『G線上のアリア』に心を奪われます。この曲を弾くため、大人のバイオリン教室に通いはじめるも、初心者3名と講師の教室は人間関係もバイオリンも一筋縄ではいかず……。
年齢も境遇も異なる大人たちが、バイオリンのグループレッスンを通して心を通わせていく様が見どころ。現実味あふれる世界観で、楽器未経験の方も共感できるポイントが多くあるおすすめの音楽漫画です。
金色のコルダ
白泉社 著者:呉由姫 全17巻完結
音楽に打ち込む高校生を描いた音楽漫画です。原作はゲームで、本作品はコミカライズ作品にあたります。アニメ化もされた人気の作品です。
普通科と音楽科が存在する星奏学院。普通科の生徒・香穂子は、不思議な妖精を見かけます。その後、学内の音楽コンクールになぜかノミネートされた香穂子は、音楽科の優秀だけれど癖のある生徒たちとバイオリンを弾くことになって……。
続編の『金色のコルダ 大学生編』もおすすめです。香穂子が、音楽科の生徒たちとどのように触れあっていくのかに注目しながら読んでみてください。
四弦のエレジー
小学館 著者:梅内創太 全5巻完結

才能あふれる兄弟の奮闘を描いた音楽漫画です。著者である梅内創太が、音楽大学出身なのが特徴。2015年に第1巻が発売されました。テーマは作曲とバイオリンです。
舞台は19世紀末のドイツ。大音楽家であるユリウス・ブロイアーは養子であるエンリコのバイオリンに満足し、実子であるアリョーシャの”音が視える”という言葉に悩まされていました。やがて、父の呪縛から解き放たれた2人は、音楽の都・パリを目指します。
“音が視える”という設定が新しく面白いと評判で、運命から逃れる成長譚としても高く評価されています。力強く個性的な絵の音楽漫画が好きな方におすすめの1作です。
神童
双葉社 著者:さそうあきら 全4巻完結

“神童”と呼ばれた少女の半生を追った名作音楽漫画です。1997年から1998年まで「漫画アクション」にて連載されて作品で、実写映画化もされています。手塚治虫文化賞のマンガ優秀賞と、文化庁メディア芸術祭の優秀賞を受賞しています。
名門音楽大学を目指し浪人中の菊名和音は、ある日変わった女子小学生の成瀬うたと出会いました。流れでうたを家に入れてしまい、和音はうたが弾くピアノを聞くことに。彼女が奏でる音は、和音の音とはまるで違い……。
ピアノの類稀な才能を持ちながら、野球が大好きでピッチャーとしても活躍しているうた。設定と心の触れ合いが興味深い、おすすめの音楽漫画です。
スインギンドラゴンタイガーブギ
講談社 著者:灰田高鴻 全6巻完結

ジャズをテーマに、戦後日本で繰り広げられるヒューマンドラマを描写した音楽漫画です。第24回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門で、新人賞を受賞し話題に。2020年から2021年まで、「モーニング」にて連載されていました。
第二次世界大戦直後の日本で、とらは1人の男性を探していました。溺水事故の影響で、魂の抜け殻のようになってしまったとらの姉。その姉が、戦時中に聞いた男性のウッドベースの音だけを覚えていたのです。
素晴らしい歌唱力を持つ主人公を、ジャズバンドの活躍や戦後日本の情景とともに描く1作。テーマはシリアスですが、明るく元気をもらえると評判です。時代を感じられる音楽漫画が好きな方におすすめです。
ラプソディ・イン・レッド
白泉社 著者:あみだむく 既刊4巻
感情を音でぶつける青春の音楽漫画。主人公は、正義感の強さから喧嘩に明け暮れる不器用な少年です。
カツアゲを止めるなかで相手に追わせてしまった怪我。高校生の寅雄は相手が悪くても怒られることに不満を感じ、行き場のない感情を表現する方法がわからずにいました。しかし、天才ピアニストである治郎の教えをきっかけに、ピアノで想いを伝え人と繋がる喜びに目覚めていきます。
不器用でありながら性根は真っ直ぐな主人公が、ピアニストとして成長し幸せになっていく姿を応援したくなると話題です。演奏から気持ちが伝わる音楽漫画に、興味がある方におすすめです。
音楽漫画のおすすめ|吹奏楽・和楽器
青空エール
集英社 著者:河原和音 全19巻完結
「別冊マーガレット」で連載されていた、吹奏楽部に所属する女子高生と男子野球部員の爽やかな青春を描いた人気作。2016年に実写映画化もされています。
吹奏楽と野球の名門校に入学した小野つばさは、甲子園で戦う野球部をブラスバンドとして応援することを夢見て、強豪の吹奏楽部へ入部。同級生の野球部員・山田大介の励ましを支えに、吹奏楽初心者ながら夢へと少しずつ踏み出していきます。
厳しい部活動でさまざまな壁に直面しながらも、互いにエールを送り合って前を向き続けるつばさと大介の関係性が胸を打つ本作品。心が洗われるような、爽やかな青春物語を読みたい方におすすめの音楽漫画です。
この音とまれ!
集英社 著者:アミュー 既刊27巻
2012年から「ジャンプSQ.」で連載されている、箏曲部を舞台にした音楽漫画。累計部数550万部を突破する和楽器漫画の名作です。2019年にアニメ化されたほか、舞台化もされています。
先輩が引退し、部長・倉田武蔵1人になってしまった時瀬高校箏曲部。廃部寸前の部を立て直すため、武蔵は勧誘に励みますが、部室は不良に占拠されてしまう事態に。そんななか、入学前から不良と噂される1年生・久遠愛が武蔵に入部を申し出てきます。
繊細な絵柄で描かれる王道スポ根ストーリーで、一気読みした読者も多いおすすめの1作。華やかでリアリティのある演奏描写もポイントです。”涙腺崩壊必死”とも評される音楽漫画をぜひ堪能してみてください。
ましろのおと
講談社 著者:羅川真里茂 全31巻完結
『しゃにむにGO』『赤ちゃんと僕』など少女漫画の名作を手掛けてきた羅川真里茂による、津軽三味線をテーマにした少年漫画です。2010〜2022年まで「月刊少年マガジン」で連載され、2021年にアニメ化もされました。
主人公は、青森から単身で上京してきた津軽三味線奏者・澤村雪。師匠でもあった祖父の死をきっかけに、三味線が弾けなくなっていました。そんな雪がさまざまな人々と出逢いながら、自らの音を探していく旅路を描きます。
津軽三味線と青年の青春を掛け合わせた、唯一無二の音楽漫画。三味線の多彩な音色が丁寧に描写されており、臨場感を味わえるおすすめの作品です。
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ
宝島社 作画:はみ 原作:武田綾乃 全3巻完結
武田綾乃の人気小説をコミカライズした1作。弱小吹奏楽部を舞台に、少女たちの心の成長と青春を描いた感動の音楽漫画です。テレビアニメや劇場アニメが公開され、話題を集めています。
“流されやすい自分をかえたい”という想いを抱えて、京都の北宇治高校へ入学した黄前久美子。しかし、友人に手を引かれるままに吹奏楽部へ入部してしまいます。さらに、元強豪校だったという弱小吹奏楽部は突如、全国大会を目指すことになり……。
コミックスシリーズの第1部にあたる本作品では、音楽の楽しさに目覚め、少しずつ気持ちが重なっていく部員たちの初々しい姿が見どころ。原作小説やアニメと違いを見比べながら楽しむのもおすすめの音楽漫画です。
たんさんすいぶ
講談社 著者:上条明峰 全5巻完結
音楽がかわいらしく見えると謳われる、吹奏楽をテーマにした音楽漫画。『SAMURAI DEEPER KYO』『CODE:BREAKER』など、バトル漫画を得意としてきた著者が挑戦した新境地に注目の作品です。
人相が悪くて誰も近寄ってこない高校生・滝進太郎は、いわくつきの吹奏楽部員と古びた星色のサックスに出会います。進太郎には、不思議とサックスが女の子に見えていて……。
変人ばかりの吹奏楽部の部員たちや星色のサックスと共に、少しずつ音楽へ打ち込みはじめる進太郎の姿が見どころ。個性的なキャラクターが多く登場する音楽漫画を読みたい方におすすめです。
なでしこドレミソラ
芳文社 著者:みやびあきの 全5巻完結

少女たちが組む和楽器バンドの、成長と活躍を描く音楽漫画です。2016年から2018年まで、「まんがタイムきららフォワード」にて連載されていました。物語は、金髪が目を引く少女が登校してくるシーンから幕を開けます。
中学生活を地味に過ごし卒業文集のランキングで不名誉な3冠を達成してしまった音古間美弥は、心機一転髪を金髪に染め高校からのイメチェンを図ります。かっこいいイメージがある軽音部に興味を示す彼女ですが、偶然耳にした尺八の演奏に心惹かれ……。
和楽器を演奏する楽しさが伝わってくる作品として話題で、独特な和楽器の音の表現も魅力的と評判。少女たちのかわいい和楽器バンドに、興味がある方におすすめです。
吹彩―SUISAI―
集英社 著者:雪丸もえ 全4巻完結

陸上に青春を捧げてきた少女が、高校から吹奏楽部に入部する音楽漫画です。主人公がフルートをはじめ奮闘する1作。「りぼん」にて連載されていた作品で、2017年に第4巻が発売され完結しました。
中学時代は陸上部のエースだったうららは、高校では新しいことをはじめたいと意気込んでいました。偶然出会った同級生の湊から勧められたのは吹奏楽部。そこで、フルートの音色に魅了された彼女は……。
前向きな主人公がひたむきに頑張る姿に、元気がもらえると評判の作品です。キラキラした青春ストーリーが好きな方におすすめ。新しいことに一生懸命取り組む姿を描いた作品に、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
今日も吹部は!
小学館 著者:宮脇ビリー 既刊2巻
吹奏楽部を舞台に、かわいい少女たちのドタバタを描く音楽漫画です。野球部の元エースが変わり者ばかりの吹奏楽部で奮闘する姿を、コメディ要素満載で描いています。
怪我の影響で野球ができなくなった元エースの汐見草太郎は、屋上から飛び降りようとしていたところで1人の少女に声をかけられます。誘われるがまま吹奏楽部に入学した彼ですが、なぜか部員は殴り合いの喧嘩をしていました。
吹奏楽に関係のないことでも、対立すれば常に喧嘩をしている部員たち。衝撃シーンの連続で、ギャグシーンが多く盛り込まれています。キャラクターが個性的な音楽漫画に、興味がある方におすすめの1作です。
和太鼓†ガールズ
双葉社 著者:すたひろ 全2巻完結

ミッション系女子高生たちが青春を突き進む、和太鼓がテーマの音楽漫画です。2013年から2014年まで「月刊アクション」で連載されていた本作品。2021年に『藍に響け』のタイトルで実写映画化されました。
孤独な優等生の環は、言葉を持たないシスター特待生のマリアが叩く和太鼓の音に心を惹かれます。和太鼓部に入部することを決意し、部員集めをはじめた2人。しかし、なぜか集まってくるのは、ギャルグループのリーダーやヤンキーなど変わり者ばかりで……。
シリアスな設定がありながらも、楽しく読めるコメディとして高く評価されています。少女たちが和太鼓に熱中する姿がかわいい、おすすめの音楽漫画です。
あめとうみ
集英社 著者:ヤマガタアツカ 既刊1巻
思春期らしい葛藤を抱えた少年少女が、吹奏楽に熱を向けながら成長していく音楽漫画です。2025年に第1巻が発売された今後注目の1作。「ジャンプスクエア」にて連載中です。
高校に入学して1週間が経過した頃、音坂逢芽は入学から無断欠席を続けていた同じ中学出身の空咲宇海が、廊下にいるのを目にします。登校しても愛想笑いばかりの宇海が気がかりな逢芽は、彼女に声をかけますが……。
子供から大人になる途中である高校時代の、儚くも活力にあふれた気持ちを思い出せると話題。不安を抱えながらも前に進む物語から、勇気を貰いたい方におすすめです。
音楽漫画のおすすめ|DJ・ラップ・オーケストラ
パリピ孔明
講談社 原作:四葉夕ト 作画:小川亮 既刊21巻
歴史に名を残す軍師が音楽シーンを変える音楽漫画です。現在も連載中で、累計発行部数が240万部を超えている人気作。アニメ化だけでなく実写ドラマ化もされています。ドラマでは本格的な音楽描写が話題になり、2025年には実写映画も公開されました。
五丈原の戦いで死亡した天才軍師・諸葛亮孔明は、若い肉体で現代日本に転生します。渋谷に舞い降りた彼が、若者に誘われやってきたのはあるクラブ。そこで、シンガーを目指す月見英子と出会った孔明は……。
智略戦略に優れた孔明が、現代に舞い降り音楽界で能力を発揮する設定が面白いと高評価を得ている1作。三国志に詳しくなくても楽しく読めると評判の、おすすめの音楽漫画です。
とんかつDJアゲ太郎
集英社 作画:小山ゆうじろう 原作:イーピャオ 全11巻完結
集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+」で連載され、実写映画化やアニメ化もされたDJギャグ漫画。“とんかつもフロアもアゲられる男になりたい!”という目標を掲げる少年の青春を描いた、異色の音楽漫画です。
主人公は、東京・渋谷の片隅にあるとんかつ屋の息子・勝又揚太郎。3代目としてなんとなく見習い修行を続ける日々のなか、偶然とんかつを配達したクラブの高揚感に揚太郎は衝撃を受けます。
さらに、伝説のDJとの出会いが揚太郎を本気にさせることに。とんかつ屋とDJを兼業する「とんかつDJ」への、波乱の道のりを描きました。
とんかつ屋とDJにさまざまな共通点を見出しながら成長していくという、巧みな構成が見どころ。DJに馴染みがない方も理解しやすい、おすすめの音楽漫画です。
ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Side B.B & M.T.C
講談社 作画:蟹江鉄史 原作:EVIL LINE RECORDS 全3巻完結
音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」のコミカライズ作品です。原作の楽曲やボイスドラマの内容を元に、世界観や各キャラクターを深く掘り下げたエピソードが展開されています。
舞台は武力による戦争が根絶され、言葉が力を持つことになった世界。区画によって生活圏を分けられた人々は、やがて各区画代表のMCグループによるラップバトルで領土争いをするようになります。その代表メンバーたちの生き様を描く音楽漫画です。
世界観は共有しつつも、MCグループごとにシリーズ別でコミカライズされており、好きなチームのシリーズから手に取るのもおすすめ。ブームを巻き起こした音楽漫画の話題作の世界にぜひ触れてみてください。
Change!
講談社 著者:曽田正人 全6巻完結

お嬢様がラップバトルに挑む音楽漫画です。著者は、『capeta』や『昴』など数々の人気作を描いてきた曽田正人。2017年から2019年まで、「月刊少年マガジン」にて連載されていました。
名門女子高に通う15歳の栞の人生は、同級生であるミキとの縁で渋谷のクラブに足を踏み入れたことで一変します。彼女が出会ったのは、言葉を武器に戦う”フリースタイルラップバトル”の世界で……。
おとなしい少女がラップの世界に足を踏み入れる、ドキドキする展開とギャップが楽しめる作品です。お嬢様がぶつける本音が熱いと話題。少女が主人公のアングラ世界を描いた音楽漫画に、興味がある方におすすめです。
ライミングマン
白泉社 著者:若杉公徳 全4巻完結
元人気ラッパーの父に育てられた少年が、ラップバトル界で奮闘する音楽漫画です。著者は、『デトロイト・メタル・シティ』で知られる若杉公徳。2019年に白泉社から単行本第4巻が発売され完結しました。
かつてシャカキングの名前で人気だったラッパーの父を持つ高校生の踏男。今ではただのニートラッパーである父を鬱陶しく思う彼は、ラップを嫌っていました。しかし、父の怪我をきっかけにラップバトルに参加することになり……。
熱く主人公が活躍する作品でありながら、ギャグ要素が多く盛り込まれているのが特徴です。ギャグシーンと熱いシーンのギャップが面白く、青春感も満載の人気作。言葉のセンスで戦う音楽漫画に、興味がある方におすすめです。
青のオーケストラ
小学館 著者:阿久井真 既刊10巻
2023年にアニメ化が予定されている注目の音楽漫画。高校のオーケストラ部を舞台に、音楽へ情熱を注ぐ少年少女のドラマを描いた青春群像劇です。小学館の漫画アプリ「マンガワン」など、Webで配信連載されています。
中学3年生の青野一は、とある理由からバイオリンを弾くのを辞めた元・天才少年。進路選択を迫られるなか、バイオリン初心者の同級生・秋音律子に出会います。律子にバイオリンを指導していくうちに、止まっていた一の時間が動き出し……。
ソロで演奏してきた天才少年の目線から、大勢で音を合わせるオーケストラの世界の難しさと魅力を描いています。思春期の等身大な少年少女たちが織りなす、ドラマチックな青春物語が好きな方におすすめの音楽漫画です。
マエストロ
双葉社 著者:さそうあきら 全3巻完結
第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞に輝いた、珠玉の音楽漫画。社会人オーケストラと指揮者の再生を描いた物語です。2015年に実写映画化もされています。
半世紀の歴史を持ちながら、不況によって解散してしまった中央交響楽団。音楽を愛しながらも先の人生に悩む楽団員たちを突如再結集させたのは、謎の老人指揮者・天道徹三郎でした。はじめは反発していたメンバーたちも、次第に彼の指揮に導かれていき……。
指揮者によって変化していくオーケストラの様子が、楽団員それぞれのエピソードを織り込みながら丁寧に描かれているのがポイント。プロの音楽家たちが向き合っている音楽の厳しさや素晴らしさを垣間見られる、おすすめの音楽漫画です。
かげきしょうじょ!! シーズンゼロ
白泉社 著者:斉木久美子 全2巻完結
歌劇団のスターを養成する音楽学校を舞台にした、大人気歌劇漫画です。集英社の「ジャンプ改」で連載されたのち、現在は白泉社の「MELODY」にて継続連載されています。本作品は集英社での連載話を再編集し、描き下ろしエピソードが追加収録されました。
100年を超える伝統を持つ、女性のみの歌劇団「紅華歌劇団」。憧れのオスカル様になりたいと夢見る天真爛漫な主人公・渡辺さらさをはじめ、紅華歌劇音楽学校に入学した少女たちの、歌劇に打ち込むひたむきな青春を描きます。
連載中の『かげきしょうじょ!!』の前日譚にあたる本作品。時系列や登場人物が繋がっているため、本作品から手に取るのがおすすめです。声楽や歌劇に興味がある方は、ぜひ歌劇団のリアルを描いた本作品を読んでみてください。
はしっこアンサンブル
講談社 著者:木尾士目 全8巻完結

工業高校を舞台に合唱部の活動を描く音楽漫画です。「月刊アフタヌーン」にて、2018年から2022年まで連載されていました。主人公は、低い声をコンプレックスに感じている青年です。
低い声をコンプレックスに感じる藤吉晃は、”声を使わない仕事に就けるかも”という理由もあり工業高校に進学します。しかし、そこで彼は合唱部を作ろうとする同級生・木村仁に、部活に誘われてしまい……。
発声の詳しい話など、しっかりと合唱を深く描いている作品です。また、工業高校で巻き起こる青春感満載の物語も魅力と話題。青春漫画としても楽しめる、おすすめの音楽漫画です。
天にひびき
少年画報社 著者:やまむらはじめ 全10巻完結

音楽大学で若き才能が切磋琢磨する音楽漫画です。少年が才能と出会い、葛藤を抱えながら努力する姿を描いています。2009年から2014年まで、「ヤングキングアワーズ」にて連載されていました。
バイオリンを習う少年・久住秋央は、幼馴染の父がコンサートマスターを務めるオーケストラの練習を見学しに来ていました。しかし、指揮者・曽成とオーケストラは息がまったく合わず、曽成は休憩中に失踪してしまいます。そこで、突然現れた少女が、”父の代わり”と指揮を振りはじめ……。
漫画から音楽の熱が伝わってくると評判の1作。輝く天才と周囲の人物に焦点を当てた物語が、好きな方におすすめの作品です。
みかづきマーチ
双葉社 著者:山田はまち 全6巻完結

高校のマーチングバンド部を舞台に青春を描く音楽漫画です。「漫画アクション」にて、2020年から2022年まで連載されていました。
勉強漬けの日々を送る高校1年生の美月は、春休みに家出をし秋田で喫茶店をしている叔母のもとを訪ねます。変わらず退屈な時間を過ごす彼女が、叔母の手伝いで訪れた地元の高校で出会ったのはマーチングバンド部で……。
マーチングバンドを通して、青春の輝きをリアルに描写している1作です。重圧のなかでやりたいこともない少女が、目標を見つけ奮闘する姿を応援したくなると評判。音楽を通して変わっていく青春を楽しめる、おすすめの音楽漫画です。
音楽を通して悩み、成長していく人々の姿を描く音楽漫画には、世代を超えて愛される魅力があります。青春からギャグ、恋愛まで物語のテイストはさまざま。選書に悩んだ際には、気になる音楽ジャンルのものから選ぶのがおすすめです。漫画から音が響いてくるような、音楽漫画の多彩な名作にぜひ触れてみてください。