青春漫画を得意とする漫画家の「あだち充」。野球をはじめとしたスポーツをテーマに取り上げることが多く、『タッチ』『H2』といった作品は日本を代表する青春漫画として語られることも少なくありません。
そこで今回は、あだち充のおすすめ漫画をご紹介します。王道のスポーツ系はもちろん、純粋なラブコメディやSF時代劇などの変化球の作品にも注目してみてください。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
あだち充作品の魅力
あだち充は、スポーツをテーマにした青春ドラマの作品を多く執筆しているのが特徴。『タッチ』『H2』などは、青春漫画を代表する作品といえます。
独特な間の取り方が持ち味で、少ないセリフやコマ割り・ストーリー展開の工夫によって行間を想像させる作風が魅力のひとつです。似たような物語のパターンを採用している作品が多いのも特徴。しかし、不思議と飽きることなく、それどころか新鮮さを感じるのもポイントです。
あだち充のおすすめ漫画
タッチ
小学館 原作:あだち充 全14巻
日本のスポーツ漫画史で、不動の名作とうたわれるあだち充の代表作です。テレビアニメが大ヒットし、空前のブームを巻き起こした作品でもあります。
双子の兄弟・達也と和也、隣の家の南は幼なじみです。文武両道で女子にもファンの多い弟・和也に比べ、兄・達也はうだつがあがりません。やがて、“甲子園、つれてって”という南の願い、さらには死んでしまった弟と自分のために、全力で甲子園を目指すことになりますが…。
連載中、和也が死んでしまう回には編集部に抗議の電話が殺到したといわれています。あだち充の作品を語るなら、まずは読んでおくのがおすすめの作品です。
・完全復刻版
H2
小学館 原作:あだち充 全20巻
あだち充作品らしい正統派スポーツとラブストーリーの要素をミックスした野球漫画です。ライバルであり、親友でもある国見比呂と橘英雄。甲子園を目指す2人が主軸のストーリーが展開されます。
中学でエースだった国見比呂は、ケガを負ってしまったために野球部のない千川高校に入学。サッカー部へ入部し、野球と離れた高校生活を送るつもりでいました。しかし、中学時代にバッテリーを組んでいた野田と一緒に野球同好会へ入ることになって…。
主人公の高校球児2人と、ヒロインであるひかり・春華との関係にも注目したい作品。あだち充の真骨頂である野球漫画を楽しみたい方におすすめです。
クロスゲーム
小学館 原作:あだち充 全17巻
さわやかだけれど、どこか少し切なさも味わえるあだち充の作品です。テーマはあだち充の十八番でもある野球。2009年にはアニメ化もされ、話題になりました。
スポーツ用品店の息子・樹多村光は、バッティングセンター&喫茶店「クローバー」の4姉妹と幼なじみ。次女・若葉は光が大好きで、若葉を慕う三女の青葉は姉に好かれている光を毛嫌いしています。そのような日常生活のなか、光は小学5年生で野球に目覚めて…。
4姉妹をヒロインに据えた、あだち充の新しい青春ストーリーに目が離せません。光が4姉妹や野球とどう向き合っていくのかが気になる方におすすめの漫画です。
MIX
小学館 原作:あだち充 既刊19巻
『タッチ』の舞台にもなった明星学園で繰り広げられる青春ストーリー。あだち充の野球漫画です。上杉兄弟の伝説から26年がたった学園で、新しい伝説が幕を開けます。
同年同月同日に生まれた同い年の兄弟と、1つ年下の妹。訳ありの兄弟である立花投馬と走一郎は、明星学園の野球部に所属しています。2人はバッテリーを組んで、上杉兄弟が残した伝説に迫れるのでしょうか。
あだち充を代表する作品の世界観を再び堪能できるのが魅力。『タッチ』を読んだあとに手に取りたいあだち充作品を探している方におすすめです。
みゆき
小学館 原作:あだち充 全12巻
2人の「みゆき」の間で揺れ動く少年の姿を追う、あだち充の青春漫画です。1983年にはテレビアニメ化。当時、恋愛をメインテーマに据えたアニメ作品は少なく、恋愛アニメのパイオニアともいわれています。
6年ぶりに再会した義妹のみゆきと、同級生のみゆきちゃん。若松真人は、2人のかわいいみゆきに魅了されてしまいます。どちらかを大切にすれば、もう一方が悲しい思いをする状況。はたして、真人はどちらのみゆきを選ぶのでしょうか。
スポーツを絡めた青春ストーリーを多く描いている著者には珍しく、純粋な恋愛劇に挑戦している点が特徴。あだち充の描くラブコメディを堪能したい方におすすめです。
ラフ
小学館 原作:あだち充 全7巻
「ラフ」という言葉のように、未完成な少年少女たちが織りなす青春ストーリーを描いたあだち充の作品。高校を舞台に繰り広げられる、現代版の『ロミオとジュリエット』とうたわれている漫画です。
大和圭介と二ノ宮亜美は、祖父の代から商売敵として憎み合う家に生まれた同級生。皮肉にも、同じ高校の水泳部に入部します。圭介は、初対面の亜美から「人殺し」と中傷されてしまい…。
圭介を嫌う亜美が、少しずつ圭介の魅力に気づいて2人の距離が縮まっていくのが見どころ。登場人物に感情移入しながら楽しめる物語を読みたい方におすすめです。
スローステップ
小学館 原作:あだち充 全7巻
ひとりの女の子をめぐって、3人の男性が争い合っていくあだち充の作品。同級生・先生・マンションの住人と、バラエティ豊かな男性がヒロインを取り合う設定が特徴です。
高校1年生・美夏は、学校へ登校するためにマンションのエレベーターに乗車。そこに、ひとり言をつぶやく奇妙な男・直人が乗り込んできました。教室では同級生・習がしつこくデートの誘いをしてきて、部活ではソフトボール部監督・山桜先生が、美夏の写真を使ってヌード写真を作っているのでした。
美夏をめぐる個性的な3人の恋のバトルが、どこへ向かうのか気になる作品。コメディ要素の強いあだち充の恋愛漫画を読みたい方におすすめです。
虹色とうがらし
小学館 原作:あだち充 全11巻
独特の世界観で展開されるあだち充のSF作品。地球と似た星にある江戸の町で生きる、7人の異母兄弟が織りなす愛と夢の物語を描いています。
母親が死んでしまった七味は、6人の異母兄弟が暮らすからくり長屋で暮らすことに。彼らは、将軍・秋光が若い頃に行く先々で出会った女性との間にできた子供たちでした。一緒に過ごし始めた7人は、やがてそれぞれの故郷をめぐる旅へ出発。さまざまな人と出会ったり、事件に巻き込まれたりしながらも旅は続いていき…。
恋愛要素やミステリー要素を絡めつつ、感動も巻き起こす時代劇調の作風が印象に残る作品。異色作として位置づけられる、あだち充の漫画を読みたい方におすすめです。
KATSU!
小学館 原作:あだち充 全16巻
ボクシングを題材にしたあだち充の作品。ボクシングを始めることになった里山活樹と、天才的なボクシングセンスを持つ水谷香月が織りなす青春漫画です。
香月との仲を深めるためにボクシングジムに入会した活樹と京太。お金がかかるうえに、実は、香月はボクシングが嫌いでした。活樹と京太はジムを退会しようとしますが、紆余曲折あってボクシングを続けることになって…。
活樹と香月の関係がどのように発展していくのかに注目したい作品。野球以外のスポーツを描いたあだち充作品に興味のある方におすすめです。
冒険少年
小学館 原作:あだち充
あだち充が描く短編集を楽しめる作品。少し不思議なストーリー展開で、心があたたまる短編を7編収録しています。漫画連載誌に掲載された人気シリーズでした。
夢のなかでは自由で無敵だった少年時代。大人になってからでも、あの頃に抱いていた気持ちは心のどこかに眠っています。中高年になって過去を振り返ったとき、見えてくるモノとは何なのでしょうか。
年を取ってから読むことで魅力が増していく1冊。少年時代にあだち充作品を夢中で読んでいた方が、大人になって再び作品に触れたくなった際に手に取るのがおすすめです。
あだち充は似たような設定や展開で物語を展開することが多い作家ですが、新しい作品でも新鮮に楽しめる不思議な魅力があります。初めてあだち充作品に挑戦する方は、定番の『タッチ』や『H2』を。定番作品を読んだ方は『冒険少年』や『虹色とうがらし』など、少しマニアックな作品にも手を伸ばすのがおすすめです。