ミュージシャンや作曲家が音を確認するために使用するのが「モニターイヤホン」。音を正確に拾えるため、プロの現場で活躍します。また、一般用として使えるモデルも幅広く展開されているのが特徴です。
そこで今回は、モニターイヤホンのおすすめモデルをご紹介。選び方や人気メーカーについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
モニターイヤホンとは?
モニターイヤホンは、主にステージミュージシャンやオーディオエンジニアなどが使用する、プロ向けの製品。自分が演奏している音を聴いたり、制作した楽曲の仕上がりを確認したりするために使います。
プロの現場では正確に音をチェックする必要があるので、モニターイヤホンは高音質かつ遮音性に優れているのが特徴。製品によっては一般ユーザーでも購入しやすいモデルも展開されているため、音質にこだわる音楽好きの方にもおすすめです。
モニターイヤホンの選び方
使用目的で選ぶ
作曲・DTM用
一般的なイヤホンやヘッドホンは「リスニング用」と呼ばれ、人が心地よいと感じる音に調節されているのが特徴。しかし、作曲やDTMで適切な編集作業を行うためには、音の定位や音量バランスなど、音楽において重要なポイントをフラットに聴ける要素が求められます。
作曲などでモニターイヤホンを使いたい方には、余計な色付けがされていない、素直で原音に近い音を再生できるモデルがおすすめです。
ステージ用
ステージやレコーディングで正確な演奏や歌唱を行うためには、音の「返し」を適した状態で聴くことが重要。音の返しとは、自分やほかの人が発している演奏音や歌声のことを指します。
ほかにも、正しい演奏をサポートする、クリック音やバックトラッキング(伴奏)といった音の確認も必要。そのため、周囲のさまざまな音に惑わされず聴き取りやすい、遮音性に優れたモニターイヤホンがおすすめです。
遮音性をチェック
遮音性が低いモノだと周囲の音が聴こえてしまい、正確に音をチェックできない場合があります。選ぶ際は本体やイヤーピースの形状・素材を工夫するなど、遮音性を向上させる設計が施されているモニターイヤホンを選びましょう。
また、イヤーピースは通常付属しているS〜Lなどのサイズ違いのモノに加え、硬さの異なるモノが同梱されたモデルも便利。より確実に耳にフィットするため、高い遮音性が期待できます。
装着感をチェック
プロ用途と、一般の方が音楽を楽しむ用途のどちらの場合でも、装着感のよさは重要なポイントです。音質がよく遮音性に優れたモデルでも、フィット感が悪かったり、耳が痛くなったりすると、作業や音楽に集中しにくい場合があります。
モニターイヤホンの購入を検討する際は、長時間のリスニングが快適にできるよう、軽量でフィット感のよい製品を選ぶのがおすすめです。
ドライバーの駆動方式をチェック
バランスド・アーマチュア型
「バランスド・アーマチュア型」は振動板に加えて「アーマチュア」という小型の鉄板を搭載しているドライバーです。アーマチュアに電流を流した際に生じる振動を利用し、音声を振動板に伝送。クリアなサウンド再生が得意で、中高音域の再現性に優れています。
ダイナミック型に比べると音のレンジが狭く、低音域の再生は苦手。解像度が高いため、繊細な音を求めている方におすすめです。
ダイナミック型
「ダイナミック型」はモニターイヤホンのなかでも、スタンダードなドライバーです。音声信号を振動板に伝える駆動方式で、再現できる音のレンジが広いのが特徴。低音域の出力に優れており、迫力のあるサウンド再生が得意です。
パワフルに楽曲を鳴らせますが、ひとつひとつの音表現は不得意。比較的リーズナブルなモデルが多い点もメリットです。
ハイブリッド型
「バランスド・アーマチュア型」と「ダイナミック型」の両方のドライバーを搭載したのが「ハイブリッド型」。バランスド・アーマチュア型ドライバーでクリアな中高音域再生を、ダイナミック型ドライバーで迫力ある低音域再生を楽しめます。
力強さと繊細さを兼ね備えたサウンドが魅力的ですが、価格はやや高め。モニターイヤホンのなかでも特に音質が高いので、予算に余裕がある方におすすめです。
モニターイヤホンのおすすめメーカー
ゼンハイザー(SENNHEISER)
「ゼンハイザー」は、ドイツに本社を構える音響機器メーカーです。設立は1945年。特にヘッドホンやマイクが有名で、プロ用途にも数多く採用されています。
ほかにも、イヤホン・航空用ヘッドセット・ゲーミングヘッドセット・ヘッドホンアンプなど、オーディオ関連の製品を幅広く手掛けているメーカーです。
シュア(SHURE)
1925年に創業した、マイクやイヤホンなど音響機器の製造・販売を手掛けるアメリカの老舗メーカーです。イヤホンブームの火付け役ともいえるモデルを開発したことでも有名。リスニングだけでなく、モニタリングにも使用可能な性能の高さが魅力です。
また、激しい動きにも安定してフィットする「シュア掛け」と呼ばれるイヤホンの装着方法を、世に広めたともいわれています。プロ・アマを問わず、人気のブランドです。
ソニー(SONY)
1946年に設立された、日本を代表する電気機器メーカーです。1979年にはヘッドホンで音楽を楽しむ、携帯型のカセットプレーヤー「ウォークマン」を発売したことでも有名。音楽のリスニングスタイルを一変させました。
ソニーのモニターイヤホンは高性能なモデルが多く、一般向けからプロユースまで用途に応じたモデルを幅広く展開しています。
オーディオテクニカ(audio-technica)
「オーディオテクニカ」は、東京に本社を置く1962年創業の老舗音響機器メーカーです。イヤホンに関しては、リーズナブルに購入できるモデルからプロ向けの高性能モデルまで幅広い製品をラインナップ。利用シーンや予算に合わせて選べるのが魅力です。
モニターイヤホンにおいては、ダイナミックドライバーを搭載したエントリーモデルや、バランスド・アーマチュア型ドライバーを搭載したハイエンドモデルをラインナップする「Eシリーズ」が人気。初心者でも扱いやすいおすすめメーカーです。
モニターイヤホンのおすすめモデル
ゼンハイザー(SENNHEISER) モニターイヤホン IE 100 PRO
ダイナミック型のドライバーを内蔵した人気モデルのモニターイヤホン。低音域から高音域までバランスよく再生でき、あたたかみがありながらも、詳細なデティールまでしっかりと再現します。大音量時でも歪みのないクリアなサウンドを再生できるのもメリットのひとつです。
再生周波数帯域は20Hz~18kHzで、インピーダンスは20Ω。本体は人間工学に基づいたコンパクトなデザインなので、耳にしっかりとフィットします。また、イヤーピースは3サイズ同梱し、遮音性も良好です。
ケーブルの長さは1.3mで、取り外しも可能。比較的安い価格で購入できるコスパのよいモデルなので、予算を抑えたい方や普段使いで使用したい方にもおすすめです。
シュア(SHURE) SE215 SPECIAL EDITION
幅広い用途で活躍する定番ともいえるモニターイヤホンです。ドライバーユニットには、ダイナミック型ドライバーを搭載。量感のある低音とクリアな高音域を感じられます。再生周波数帯域は21Hz~17.5kHzで、インピーダンスは17Ω。低域を強化するチューニングを行っており、低音の迫力を重視したい方におすすめです。
また、音楽リスニングやDTM用途に加え、ゲーミング用途でも快適に使用可能。敵の足音や銃声の鳴った方向もしっかりと聴きとれます。フィット感に優れ、高い遮音性を実現しているのも魅力のひとつです。ケーブルはMMCXコネクターによる着脱にも対応しています。
アコースチューン(Acoustune) RS THREE Translucido
厳しい環境でも安心して使用できる高耐久なモニターイヤホン。ハウジングにはポリカーボネートを採用しており、耐衝撃性や耐熱性に優れます。また、部品点数の少ないシンプルなデザインにより、破損のリスクが軽減されているのもポイントです。
ドライバーユニットには、モニタリング向けの正確なサウンドを再生できる「Myrinx EL-Sドライバー」を搭載しています。音の定位や空気感をしっかりと感じられるのも魅力。再生周波数帯域は20Hz~40kHzで、インピーダンスは32Ωです。
イヤホン本体とケーブルは「Pentaconn Ear」コネクターにより、着脱が可能。同コネクターは堅牢性に優れているほか、着脱しやすいように設計されています。
タゴスタジオタカサキ(TAGO STUDIO TAKASAKI) モニターイヤホン T3-02
さまざまな環境で音楽に没頭できるモニターイヤホンです。部屋の中にもう1つの部屋を浮かせた独自の浮遮音構造「BOX-IN-BOX構造」をイヤホンに応用して搭載しているのが特徴のひとつ。高い遮音性を実現するので、騒音の大きい環境でも音楽に集中しやすいのが魅力です。
無垢の楓木材から削り出したハウジングを採用しているのもポイントのひとつ。製品ごとに木目や色味が異なるおしゃれなデザインです。ドライバーユニットには口径10mmのダイナミック型ドライバーを搭載しており、ナチュラルなサウンドが楽しめます。
ケーブルはMMCX端子による着脱が可能で、付属ケーブルの長さは約1.2m。そのほか、単体販売もされており、イヤーピース「SpinFit」が3サイズ同梱しているのもメリットです。
シュア(SHURE) SE846 第2世代
シュアのハイエンドモデルの高級モニターイヤホン。3Way構成の4つのドライバーユニットを搭載しており、空間表現に優れたクリアなサウンドと自然な重低音サウンドを実現しています。音楽リスニングやDTMで音質のよさを重視したい方におすすめです。
さらに、ノズル部分を交換してサウンドの傾向を変えられるのも特徴のひとつ。エクステンド・バランス・ウォーム・ブライトの4つのノズルが同梱します。例えば、ブライトノズルは高音域を強調させたい方、ウォームノズルは低音域の存在感を高めたい方にぴったりです。
筐体は耳にフィットするデザインで、優れた遮音性も有しています。ケーブルはMMCXコネクターによるリケーブルにも対応。6.3mm変換アダプターやハードキャリングケースなども付属します。
ゼンハイザー(SENNHEISER) モニターイヤホン IE 600
モニター用途に加え、音楽リスニングにもぴったりな人気のモニターイヤホン。同社独自開発の「7mm TrueResponseトランスデューサー」を搭載したダイナミック型ドライバーを採用しており、バランスよく再生できるクリアなサウンドを実現しています。
ハウジングには、「AMLOY-ZR01」と呼ばれるアモルファスジルコニウムを採用。一般的な鉄よりも強度が高く、伸縮性に優れるのが特徴です。不要な共振もしっかりと軽減。また、腐食にも強いので、長く安心して使用できます。
再生周波数帯域は4~46500Hzで、インピーダンスは18Ω。ケーブルにはMMCXコネクターを採用しており、リケーブルも楽しめます。
アコースチューン(Acoustune) Monitor RS ONE
安心して使用できる丈夫なモニターイヤホンです。筐体の素材には、衝撃や熱に強いポリカーボネートを採用。さらに、部品点数の少ないシンプルな構造にすることで堅牢性の向上を実現しており、厳しい環境でも安心して使用可能です。
ドライバーユニットには、本モデルのために新たに開発した独自の「ミリンクスELドライバー」を採用しています。正確なモニタリングを可能にする高解像度なサウンドを再生可能です。また、ハウリングなどの大きな音が突然発生しても壊れにくい堅牢性も有しています。
ケーブルには、「ARM011」を採用。被膜にPU素材を採用しているので、取り回し性に優れます。加えて、「Pentaconn Ear」コネクターによる着脱にも対応。万が一断線しても、ケーブルを交換できます。また、比較的安い価格で購入できるコスパのよさも魅力のひとつです。
ソニー(SONY) ステレオヘッドホン IER-M7
合計4基のバランスド・アーマチュア型ドライバーを搭載した、モニターイヤホンです。各ドライバーがそれぞれの帯域を補完し合い、全音域をバランスよく再生可能。正確かつ高音質なサウンドを実現しています。
インナーハウジングにマグネシウム合金を採用することで、不要な振動もしっかりと抑制。さらに、音導管には、クリアで伸びのある中高域を再生できる真鍮を採用しています。
ケーブルは着脱式。3.5mmのステレオミニプラグを搭載したヘッドホンケーブルと、4.4mmバランス標準プラグ採用のヘッドホンケーブルが同梱。バランスケーブルを活用すれば、左右の分離感をより感じられます。
ソニー(SONY) ステレオヘッドホン IER-M9
音を正確に再生できるハイスペックな高級モニターイヤホン。ドライバーユニットには、合計5つのバランスド・アーマチュア型ドライバーを採用しており、楽器やボーカルの細かいニュアンスまで再現可能です。
再生周波数帯域は5~40000Hzで、インピーダンスは20Ω。3.5mmステレオミニプラグと4.4mmバランス標準プラグを搭載したヘッドホンケーブルが付属しているため、接続先のデバイスなどに合わせて使い分けられるのも便利なポイントです。また、断線しても簡単にリケーブルできます。
ハウジングにはマグネシウム合金を採用しており、軽量でありながらも優れた剛性を実現。また、遮音性を追求して設計されており、周囲の騒音を気にすることなく使用できます。ステージ上などでも快適に使用可能です。
オーディオテクニカ(audio-technica) ATH-E70
スタジオでの作業やステージでのモニタリングにぴったりなフラッグシップモデルのモニターイヤホン。ドライバーユニットにバランスド・アーマチュア型のドライバーを合計3基搭載しています。優れた分解能による音場により、全音域を正確に再生可能。また、耳にしっかりとフィットする遮音性の高さも魅力のひとつです。
ケーブルは自社設計のコネクターによる着脱に対応しています。付属するケーブルは、L字型の3.5mm金メッキステレオミニプラグを採用。6.3mm変換プラグアダプターも同梱するので、さまざまなデバイスと接続できます。
オーディオテクニカ(audio-technica) ATH-E50
フルレンジ仕様のバランスド・アーマチュア型ドライバーを搭載した人気のモニターイヤホンです。フラットで高音質なサウンドを再生できます。
筐体は安定したフィット感を実現するデザイン。優れた遮音性も実現しています。自社設計のコネクターを採用した着脱式のケーブルを用いているのもポイントのひとつ。万が一断線しても、ケーブルを交換するだけで使い続けられます。
コスパに優れているのも魅力。作曲・DTM用途はもちろん、ステージでの使用や普段使いにもぴったりのモデルです。
シュア(SHURE) AONIC 4
シュア初となるハイブリッドドライバー構成を採用したモニターイヤホンです。ダイナミック型ドライバーとバランスド・アーマチュア型ドライバーを搭載しており、あたたかみのある繊細な中音域サウンドを実現しています。
筐体は人間工学に基づいて設計されており、遮音性も良好。耳に快適にフィットするので、長時間音楽に集中できます。ケーブルにはMMCXコネクターを採用しており、着脱も可能。さらに、付属するケーブルにはマイク内蔵のリモコンも搭載しているので、普段使いにもぴったりです。
マッキー(MACKIE) プロフェッショナルインイヤーモニター MP-240
ダイナミック型ドライバーとバランスド・アーマチュア型ドライバーを組み合わせた、ハイブリッド型のモニターイヤホン。クリアな低音と伸びのあるきらびやかな中高域サウンドを楽しめます。
筐体は人間工学に基づいて設計されており、快適な着け心地を実現。最大で40dBのノイズを軽減できるという高い遮音性も有しています。また、素材の異なる3種類のイヤーピースが3サイズずつ付属。好みや自分の耳に合ったイヤーピースを選択できます。
そのほか、高耐久で音響特性にも優れる編組シールドケーブルを採用しているのもポイントです。MMCXコネクターによるリケーブルにも対応。持ち運びの際は、同梱するハードケースが役に立ちます。ステージでの使用にぴったりのモデルです。
ウエストン(Westone) Pro X50 WA-UM-PRO-X50
5基のバランスド・アーマチュア型ドライバーを搭載した高級なモニターイヤホンです。ドライバーの構成は、低域×1・中域×2・高域×2。明瞭でありながらも、臨場感も感じられるバランスのよいサウンドを再生できます。
再生周波数帯域は20~20000Hzで、インピーダンスは45Ω。人間工学に基づいて設計された軽量なボディにより、装着性も良好です。遮音性にも優れるので、さまざまな環境で音楽に没頭できます。ケーブルにはアラミド繊維を用いており、スリムながらも優れた耐久性を実現。軽量で取り回しやすく、タッチノイズも軽減されています。
また、フォームタイプのイヤピース「TRUE-FITフォームイヤーチップ」と、特許取得済みのイヤーピース「STARシリコンイヤーチップ」が同梱するのもメリットのひとつ。サイズは各5サイズずつ付属するので、自分に合ったサイズを見つけられます。
エティモティック・リサーチ(Etymotic Research) EVO ER-MULTI3
メタル合金加工によるハウジングを採用したモニターイヤホン。繊細なカーブにより、耳に快適にフィットします。ドライバーユニットには、バランスド・アーマチュア型ドライバーを3基搭載。中高域用に1基・低域用に2基の2Way構成で、開放感のある忠実なサウンドを再生できます。
エストロンのハイエンドケーブルである「Linum Bax T2」ケーブルを採用しているのも魅力のひとつ。電気抵抗が少なく、極細でありながらも耐久性に優れています。タッチノイズが気になりにくいのもうれしいポイントです。
モニターイヤホンは、アーティストやクリエイターが現場で使用する高額なモノから、高品質な音楽をお手頃価格で楽しめるモノまで、さまざまなモデルが展開されています。今回の記事を参考に、ぜひ用途に合ったモニターイヤホンを見つけてみてください。