「残飯」は世界規模の社会問題。

各都市で日々大量に発生する残飯を、どう処理するべきか? そのまま捨てるのは、環境面でも倫理面でも大きな問題があります。そこで残飯を集めて装置の中で発酵させ、調理用に転用できるバイオガスを生産しようという取り組みが注目されています。

残飯は今や、貴重な資源と言えるでしょう。

残飯をエネルギーに

ですが、それには問題があります。残飯からバイオガスを生産する技術はすでに確立されてはいますが、その装置は決して気軽には設置できないという点です。

常識的に考えて、大掛かりな装置を自宅の庭に置くのはとてもできることではありません。そこで、イスラエルのスタートアップは、「HomeBiogas 2.0」という製品を開発しました。これはヒトコトで言えば「いつでも設置できるバイオガス生成装置」です。

空気で膨らむ装置

HomeBIogas 2.0は、残飯などの生ゴミを微生物が処理し、その際に発生するガスを集めて調理に転用します。微生物が食べ尽くした残りカスは、肥料として畑に巻くなどといった使用が可能です。

大まかな仕組みは以上ですが、HomeBiogas 2.0はなんと空気で膨らませる装置。海や革のレジャーで使う浮き輪やゴムボートと一緒で、いつでも好きな時に空気を入れるだけ。不要になったら空気を抜いて畳めます。

発展途上国での試験運用も

また、こうした装置は発展途上国での活用が期待されます。

HomeBiogas 2.0の開発者は、この製品をケニアとプエルトリコで試験運用させると公言。ガスの供給がままならない地域では、代わりに薪を使うことも可能です。しかしそれは、広範囲に及ぶ森林の伐採を意味します。

自然破壊を食い止める手段としても、HomeBiogas 2.0は大いに評価されているのです!

本製品はKickstarterでクラウドファンディング中。支援できる金額は29ドル(約3300円)からです。