第12世代ソーラーカー誕生へ。
11世代ものソーラーカーを作り続けてきたカナダのウォータールー大学の学生だけのチーム「Midnight Sun」。チーム創立30周年を迎える2018年に第12世代目ソーラーカーが完成予定です。それでは、2900kmの距離を9日間かけて競う「アメリカン・ソーラー・チャレンジ」にも出場予定の「Midnight Sun XII」をさっそくご紹介しましょう!
今年もクルーザー・クラス
代々のMidnight Sunのソーラーカーたちの歴史を紐解いていくと、ほとんどが非常に狭い空間のコクピットである一人乗りのモデル。よく見るのっぺりとしたボディに透明の風防が飛び出たあの形です。
しかし、11世代目からより広いコクピットと実用性が求められる二人乗りの「クルーザー・クラス」として登場。最新の12世代目も同じクラスでの製作となったわけです。
“普通な”デザイン
ではMidnight Sun XIIの外観をチェックしてみましょう。まず目を引くのが公道を普通に走っていそうなクーペ型のボディ。ウォータールー大学の学生の英知が結集した期待の設計です。
2018年に完成予定であるとはいえ、おそらく緻密な計算のもと空気抵抗を低く抑え、美しさとともに高効率を狙ったデザインに未来のクルマの姿を垣間見ることができます。
スペックは?
Midnight Sun XIIのスペックはどのようなものでしょうか? ボディーの内側には剛性のあるスチール製のシャシー(フレーム)。そしてスポーツカーにも採用されることの多いダブルウィッシュボーンのサスペンションを搭載しています。
16kWhのバッテリーを支えるのは、ボディのボンネットをはじめとした天面すべてに326枚のソーラーセル(太陽電池)。チームの説明によると1枚当たり3.5ワットの出力とのことで、このパーツで2万5000ドルを要するようです! やはり重要な部分だけに費用がかさみますね!
KickstarterのプロジェクトでもあるMidnight Sun XIIは今回、ステッカーやキーホルダー、Tシャツなどの記念品と引き換えに10カナダドル(約882円)から出資を募っています。大学生ソーラーカーを応援するのも夢があるかもしれません!
掲載されている3Dモデリング図を見る限りでは、先代のMidnight Sunに比べて格段にスタイリッシュなデザインになりそうな予感が漂うMidnight Sun XII。今回スチール製のフレームを採用したのも製作のしやすさなど、実用性を考慮してのことのようです。彼ら学生の柔軟な発想にきっとメジャーな企業も熱い視線を送っていることでしょう!