死が身近に描かれるダークな世界観が特徴の「ダークファンタジー漫画」。次々と不条理な出来事が襲いかかる先の読めない展開や、生のあり方を問いかけるような重厚感のある人間ドラマが多くの読者を魅了してきた人気ジャンルのひとつです。
そこで今回は、ダークファンタジー漫画のおすすめをご紹介。社会現象を巻き起こした王道作品から、最近の注目作まで取り上げました。ぜひ、新たに感動できる名作を見つけてみてください。
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ダークファンタジー漫画のおすすめ|人気・王道
鋼の錬金術師
スクウェア・エニックス 著者:荒川弘 全27巻完結
錬金術が存在する世界で繰り広げられる、錬金術師の兄弟の壮大な旅路を描いたダークファンタジー漫画。第49回小学館漫画賞をはじめ、数々の著名な漫画賞に輝いた歴史的名作です。2000年代に連載され、完結後もさまざまなメディア展開が行われました。
幼い頃に最愛の母を亡くしたエルリック兄弟は、母に再び会うために禁忌とされる錬金術・人体錬成に挑みます。しかし、錬成は失敗。代価として失った体を取り戻すために、兄弟は錬金術師として旅に出たのでした。
錬金術と等価交換をテーマに、命のあり方と人間の尊厳を描いていく骨太なストーリーが魅力。ヘビーな展開とともに軽妙なコメディー要素が織り交ぜられており、読みやすさにも定評があります。世代を越えて愛され続けるおすすめの傑作です。
・スクウェア・エニックス 完全版 全18巻完結
ベルセルク
白泉社 著者:三浦建太郎 既刊42巻
過酷な運命に抗い続ける1人の男の壮絶な生き様を描き、”ダークファンタジーの金字塔”と評された傑作。第6回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞を受賞しました。2021年に著者・三浦建太郎が亡くなり、現在は同氏と親交があった漫画家やスタッフの手によって継続連載されています。
舞台は、剣・魔法・魔物が存在するファンタジー世界。「黒い剣士」と呼ばれる甲冑の男・ガッツは、身の丈を超えるほどの大剣とともに異形の怪物を狩る旅を続けています。謎に満ちたガッツの胸の奥には、ある男への強い復讐心が秘められていました。
魔物から命を狙われる狂戦士・ガッツの復讐の旅に、世界中の読者が魅了された名作。愛憎入り乱れる重厚な人間ドラマが、大迫力のバトル描写とともに巧みに描かれます。ダークでグロテスクな本格ダークファンタジー漫画を読みたい方におすすめの1作です。
亜人
講談社 著者:桜井画門 全17巻完結
アニメ化や実写映画化でも話題を呼んだ、サスペンスフルなダークファンタジー漫画。世界から命を狙われる不死の新人類「亜人」と認定された高校生の、壮絶な逃亡劇と戦いを描いた物語です。このマンガがすごい!2014のオトコ編第3位にもランクインしました。
主人公の男子高校生・永井圭は、ある日交通事故によって死亡するも、その直後に生き返ったことで亜人と認定されます。研究などに利用するため、亜人には多額の懸賞金がかけられており、捕縛しようとする人々から圭は追われる身になってしまうのです。
不死をテーマに、人間の残虐さと抗う亜人の生き様を描いたダークファンタジー漫画。絶対に死なない亜人の体質を活かした、スリリングな駆け引きやアクションにも定評があるおすすめの名作です。
メイドインアビス
竹書房 著者:つくしあきひと 既刊13巻
謎の大穴「アビス」の探索に挑む、少年少女の過酷な冒険模様を描いたダークファンタジー漫画。2012年より「WEBコミックガンマ」にて配信連載中で、2017年のアニメ化で大きな注目を集めました。アニメシリーズの続編も制作決定しています。
奇怪な生物や貴重な遺物が眠るとされる、巨大な縦穴の秘境・アビス。その謎の解明に挑む「探窟家」だったという亡き母に憧れ、少女・リコもまたアビスへの探検を夢見ていました。そんなある日、リコはアビスの浅層で記憶を失ったロボットの少年を拾います。
生きては帰れないというアビスの謎を解き明かそうとする人々の、生死と欲望が渦巻くシビアな人間ドラマが見どころ。キュートなキャラクター設定と、ダークファンタジー漫画ならではの残酷な展開のギャップが多くの読者に衝撃を与えた、おすすめの本格冒険譚です。
東京喰種 トーキョーグール
集英社 著者:石田スイ 全14巻完結
人間を食糧とする怪人「喰種(グール)」が潜む社会を描いたダークファンタジー漫画。2011年に「週刊ヤングジャンプ」で連載開始し、第2部まで展開された人気作です。アニメ化のほか、実写映画化や舞台化などでも話題を集めました。
舞台は、社会に紛れて生きているという人喰いの怪人・喰種の存在に、人々が恐れを抱きはじめていた現代の東京。平凡な大学生・金木研は、常連の喫茶店で自分と同じ愛読書を読む少女・リゼと出会います。しかし、この出会いが金木の運命を大きく変えることになるのです。
人肉がなければ生きられない喰種との、互いの正義と種の存続をかけた残酷な戦いを描いた本作品。マイノリティーな存在として生きる喰種の葛藤や孤独も、多くの読者の感情を揺さぶったおすすめのダークファンタジー漫画です。
約束のネバーランド
集英社 原作:白井カイウ 作画:出水ぽすか 全20巻完結
孤児院で生まれ育った少年少女が残酷な運命に立ち向かう様を描いた、「週刊少年ジャンプ」発のダークファンタジー漫画。第63回小学館漫画賞をはじめとする多数の漫画賞を受賞し、大きな話題を呼びました。海外での実写ドラマ化も予定されています。
主人公のエマ・ノーマン・レイの3人は、小さな孤児院で幸せな暮らしを営んでいました。引き取り先が決まった子供たちを見送りながら、孤児院の年長者になった3人。しかし、彼らの日常は施設にまつわる衝撃的な真実を知ったことで、突然終わりを告げます。
外の世界とは断絶された孤児院から、少しずつ世界観の全体像が見えてくる謎めいた物語構成が見どころ。仲間とともに困難を乗り越える王道の冒険模様だけでなく、息が詰まるような極限の心理戦も繰り広げられる、おすすめの少年漫画です。
進撃の巨人
講談社 著者:諫山創 全34巻完結
巨人が支配する不条理な世界を舞台に、自由を求めて苦闘する人々の生き様を描いたダークファンタジー漫画の国民的傑作。「別冊少年マガジン」で2009年から約11年半にわたって連載され、世界中で爆発的なヒットを記録しました。
人類を餌とする巨人の侵略を防ぐため、人々は街の周囲に三重の壁を築き、自由と引き換えに安全で平和な日常を過ごしていました。しかし、超大型巨人が壁を破壊したことで日常は一変。人類は巨人に蹂躙される絶望へと再び叩き落とされるのです。
巨人と人類の自由をめぐる絶望的な戦いを描くとともに、世界を覆う謎が少しずつ明らかになっていく様が見どころ。巧妙にちりばめられた伏線が、読者に数多くの衝撃を与えました。謎が謎を呼ぶ緻密な世界観のダークファンタジー漫画が読みたい方に、まずおすすめの名作です。
黒執事
スクウェア・エニックス 著者:枢やな 既刊34巻
19世紀末の英国の裏社会で、「悪の貴族」がさまざまな事件の解決に暗躍する様を追いかけるダークファンタジー漫画です。2006年に「月刊Gファンタジー」にて連載開始され、累計部数は3500万部を突破。2025年にはアニメの新シリーズの放送が予定されています。
名門貴族・ファントムハイヴ家の当主・シエルは、12歳にして女王からの密命で政府の汚れ仕事を引き受ける「女王の番犬」。裏社会を取り仕切る彼のそばには、常に完璧なサポートをこなす執事・セバスチャンが控えています。2人の間には、ある契約が交わされており……。
幼い貴族と完全無欠の執事のコンビが、社会の裏で起こるさまざまな怪事件に挑みます。美麗でコミカルなストーリーに隠された、ダークな真実の数々が見どころ。物語全体に伏線が緻密に張り巡らされたダークファンタジー漫画が好きな方にもおすすめの1作です。
ダークファンタジー漫画のおすすめ|完結済み
地獄楽
集英社 著者:賀来ゆうじ 全13巻完結
「不老不死の仙薬」をめぐって、罪人と打ち首執行人が生死をかけた戦いに挑む忍法浪漫活劇。「少年ジャンプ+」で2018〜2021年にかけて連載されていたダークファンタジー漫画です。アニメは2期の制作も決定しており、舞台化もされました。
最強の忍と畏れられながら、里を抜けようとしたことで死罪人として囚われた主人公・画眉丸。そんな彼に打ち首執行人・山田浅ェ門佐切が無罪放免の条件として突きつけたのは、極楽浄土と噂される島から「不老不死の仙薬」を持ち帰ることでした。
個性豊かな死罪人と打ち首執行人たちが仙薬を手に入れるため、謎に満ちた島の正体へと足を踏み入れていきます。死と隣り合わせの不条理な展開とともに描かれる、奥深い人間の愛と葛藤のドラマが見どころ。一気読みしたという読者も多い、おすすめの完結作品です。
ファイアパンチ
集英社 著者:藤本タツキ 全8巻完結
『チェンソーマン』『ルックバック』の著者・藤本タツキが手掛けた、壮絶な復讐心から始まる異色のダークファンタジー漫画。2016年に「少年ジャンプ+」で連載開始され、大きな反響を呼んだ衝撃作です。
生まれたときから特殊な力を宿した人々「祝福者」が存在する世界が本作品の舞台。「氷の魔女」と呼ばれる祝福者によって、人々は豪雪と飢えに悩まされていました。再生能力の祝福者であるアグニと妹のルナは、自分たちの能力で村を飢餓から救おうとします。
アグニの復讐の旅を描く本作品は、一般的な漫画ではタブーな要素も大胆に盛り込んだ挑戦的な内容が特徴。ダークファンタジー漫画を軸に、ジャンルの垣根すら次々と超えていく独創性あふれる世界観の作品を読んでみたい方におすすめです。
呪術廻戦
集英社 著者:芥見下々 全30巻完結
人間の負の感情から発生する「呪い」と、それらを祓う「呪術師」たちの生き様を描いた最近のダークファンタジー漫画の話題作です。2018年に「週刊少年ジャンプ」にて連載開始され、2024年に完結。アニメ化で世界的な注目を集め、累計部数は1億部を突破しました。
祖父の見舞いを日課に、平和な日常を過ごしていた高校生・虎杖悠仁。そんなある日、学校に封じられていた強力な「呪物」の封印が解かれ、恐ろしい化物が現れてしまいます。学校に取り残されていた先輩を助けるために、虎杖は校舎へと乗り込みますが……。
現代を舞台に、呪いをめぐる因果に巻き込まれた虎杖。呪術師と呪霊による、互いの生存をかけた不条理な戦いが描かれます。善悪の価値観に揺れる登場人物たちの奥深い心理描写や人間ドラマにも定評がある、おすすめのダークファンタジー漫画です。
CLAYMORE
集英社 著者:八木教広 全27巻完結
人間を喰らう「妖魔」と、妖魔を倒すために生み出された半人半妖の戦士「クレイモア」の戦いを描いた、ダークファンタジー漫画の名作です。「月刊少年ジャンプ」「ジャンプSQ.」で連載され、累計部数は800万部を突破しています。
人間を捕食する妖魔に対抗するため、「組織」の手によって生み出された半人半妖の存在・クレイモア。妖魔の血肉を取り込んだ彼女たちは大剣を背負い、戦士として妖魔の討伐をこなしています。そんなクレイモアの1人・クレアは、ある過酷な宿命を背負っていました。
美しき女戦士・クレアを主人公に、クレイモアたちの悲しい運命と生き様が魅力的に描かれます。クレイモアや組織にまつわる謎や伏線も物語にちりばめられているのがポイント。重厚な世界観のダークファンタジー漫画を読みたい方におすすめの人気作です。
宝石の国
講談社 著者:市川春子 全13巻完結
人類が滅亡した遠い未来で、宝石の身体を持つ者たちの儚く美しい戦いを描いたSFダークファンタジー漫画です。2012年に「アフタヌーン」で連載開始され、2017年にアニメ化。2024年の完結時には大きな話題を呼びました。
身体が砕けても死ぬことがない28人の宝石たちは、彼らを装飾品にするために空から襲ってくる「月人」と戦う日々を過ごしています。誰もがそれぞれの特性に適した仕事をこなすなか、脆い身体と不器用さを併せ持ったフォスフォフィライトは何も仕事を与えられておらず……。
独特の死生観を持つ宝石たちを軸に展開される、哲学的で宗教的な世界観が印象的なダークファンタジー漫画。平和だった日常や人間関係が少しずつ変化していく不穏なストーリーが展開されます。読後にも深い余韻を残す、おすすめの1作です。
HELLSING
少年画報社 著者:平野耕太 全10巻完結
20世紀末の英国を舞台に、吸血鬼同士の壮絶なバトルが繰り広げられるアクションダークファンタジー漫画。90年代から約10年間「ヤングキングアワーズ」で連載され、国内外でファンを獲得しました。
吸血鬼による暴虐な事件が多発していることを受けて、英国は教会に反する化け物を狩るための王立国教騎士団を結成。通称「HELLSING機関」と名付けられます。その一員である主人公・アーカードは吸血鬼討伐のエキスパートにして、本人も不死身の吸血鬼という異色の存在でした。
国家に敵対する化け物を前に、絶対無敵の吸血鬼・アーカードが最強の存在として立ちはだかる様をダークな筆致で描いているのがポイント。クールで印象的なセリフ回しの数々も多くの読者の心をくすぐった、おすすめのダークファンタジー漫画です。
人形の国
講談社 著者:弐瓶勉 全9巻完結

永遠の冬に覆われた人工天体で、侵略を続ける帝国を相手に戦いを挑むダークファンタジー漫画です。著者は『シドニアの騎士』で人気を集めた弐瓶勉。2017〜2021年まで「月刊少年シリウス」で連載されていました。
巨大な遺跡群に囲まれ、危険な「自動機械」や「人形病」に侵された人々がさまよう人工天体・アポシムズ。行軍訓練をしていたエスローたちの前に、リベドア帝国の兵士に追われる謎の少女が現れます。彼女から託されたのは、世界の運命を大きく変えるモノでした。
地底と地表に分かれた機械仕掛けの世界で、巨大な力を持つ帝国への復讐劇が繰り広げられます。謎の奇病や機械の生命体など、先の読めない斬新な世界観設定が魅力。SFテイストなダークファンタジー漫画が好きな方におすすめの1作です。
PandoraHearts
スクウェア・エニックス 著者:望月淳 全24巻完結

『不思議の国のアリス』の世界観をモチーフにした、ゴシックダークファンタジー漫画です。2006〜2015年に「月刊Gファンタジー」で連載され、アニメ化も果たすヒット作になりました。
15歳を迎えたべザリウス家の次期当主・オズは、成人の儀式の最中に突然、闇の監獄「アヴィス」に堕とされてしまいます。入ったら二度と出られないというアヴィスの暗闇の中で、オズはアヴィスの生命体「チェイン」の1人・黒うさぎと出会い……。
別次元の空間・アヴィスと過去の事件をめぐって、戦いに巻き込まれていくオズ。彼にまつわるという罪や黒うさぎの目的など、数々の謎が伏線とともに連なっていく複雑な物語が展開されます。読後には切ない余韻に包まれる、ミステリーテイストなおすすめ作品です。
ナイトメア・オブ・ドッグス
KADOKAWA 著者:月森吉音 全2巻完結
バイクで旅をする犬を主人公にした、異色のドッグダークファンタジー漫画。「月刊コミックビーム」で連載され、上下巻で刊行された短編作品です。
主人公の犬・カニスは、悩まされ続けている「悪夢」を治療する術を求めて、バイクに乗って孤独に世界を旅しています。そんな彼女が旅先で出会ったのが、家出した子供の犬・エルダー。彼もまた、繰り返し同じ悪夢を見ると語り……。
悪夢からの救いを求めるカニスが、旅先で出会う同じような犬たちの絶望を巡っていく物語。彼女たちの悪夢に隠された真実と闇とは、一体何なのでしょうか。犬の視点から社会問題に切り込んだディープなダークファンタジー漫画が気になる方におすすめです。
ダークファンタジー漫画のおすすめ|連載中
アフターゴッド
小学館 著者:江野朱美 既刊8巻
「神殺し」をテーマにしたおすすめのダークファンタジー漫画。次にくるマンガ大賞2023のWebマンガ部門で上位にノミネートも果たしました。「裏サンデー」「マンガワン」などで配信連載されています。
神々による「侵攻」が行われ、神がいる場所は「危険区域」として隔離されるようになった日本。そのひとつである東京で暮らす研究員・時永は、柵で厳重に閉鎖された危険区域を覗く少女・和花と出会います。2人の出会いは、やがて世界の運命を変えるきっかけになるのでした。
人間を死に至らしめる「神」と呼ばれる謎の巨大生命体と、それらの撲滅を目指す研究員たちの戦いを描くダークファンタジー漫画。禍々しくも美しい筆致で表現されるダークな神殺しの戦いをチェックしてみてください。
大ダーク
小学館 著者:林田球 既刊8巻
『ドロヘドロ』で注目を集めた著者・林田球がおくる、SFダークファンタジー漫画。2019年から「ゲッサン」で連載され、このマンガがすごい!2021のオトコ編上位にもランクインしたおすすめの話題作です。
血だらけの瀕死の姿で宇宙を漂っていた男を、マフィアの宇宙船が拾うところから物語はスタート。彼は特別な力を宿した「闇のニーモツ」「闇の皮」を持つ、14歳の少年・ザハ=サンコでした。サンコの「骨」を手に入れた者は、どんな望みでも叶うと言われていますが……。
全宇宙人からその身を狙われるサンコが、相棒である闇のニーモツ・アバキアンとともに宇宙を股にかけた大冒険を繰り広げます。キャラクターの設定や会話に軽妙で独特なユーモアがちりばめられており、コメディーとしても楽しめるのがおすすめポイントです。
ケントゥリア
集英社 著者:暗森透 既刊3巻
2024年から「少年ジャンプ+」で連載されている、新時代のダークファンタジー漫画です。奴隷の少年・ユリアンが、自由を求めて奴隷船に密航者として潜り込むところから物語は始まります。
幼い頃に母親に売られ、人としての思いやりも誇りも知らずに生きてきたユリアン。そんな彼に、同じ船に乗り合わせた妊婦・ミラをはじめとする100人の奴隷たちはあたたかな愛情を与えてくれます。しかし、呪われた海域で彼らに試練が待ち受けていたのです。
初めて人の優しさに触れたユリアンが直面する壮絶な悲劇が見どころ。自由を欲した奴隷の少年の冒険と戦いを描く本格ダークファンタジー漫画です。
シャドーハウス
集英社 著者:ソウマトウ 既刊19巻
顔のない一族と彼らが住む不思議な洋館にまつわる謎を明らかにしていく、ミステリーテイストのダークファンタジー漫画。2018年から「週刊ヤングジャンプ」で連載されており、アニメは2期まで放送されました。海外でも話題を呼んでいる人気作です。
訪問者のない洋館「シャドーハウス」で貴族の真似事をしながら暮らすシャドー一族は、顔を持たない不思議な存在。彼らに仕えるために作られた「生き人形」たちは、一族の人々の「顔」の代わりも務めています。
シャドー一族の少女・ケイトと、彼女の世話をする生き人形・エミリコの何気ない日常から始まる本作品。大きな秘密が隠された洋館で、2人がさまざまな試練を乗り越えていく様が描かれます。日常が少しずつ狂っていく不穏なストーリーが好きな方におすすめの1作です。
D.Gray-man
集英社 著者:星野桂 既刊28巻
世界の終焉を目論む一族とエクソシストたちの壮絶な戦いを描いたダークファンタジー漫画です。「週刊少年ジャンプ」での連載時から人気を集め、複数回にわたってアニメ化。現在は「ジャンプSQ.RISE」にて継続連載されています。
人間の魂と悲劇を元に生み出される悪性兵器「AKUMA」が人々に紛れ、さらなる悲劇を生み出している世界。主人公のアレン・ウォーカーはAKUMAを破壊できるエクソシストとして、AKUMAの製造者である「千年伯爵」を倒すことを目的としています。
千年伯爵やAKUMAとの凄惨な戦いとともに、過酷な運命に翻弄される少年・アレンの生き様が見どころ。人間の絶望からさらなる絶望を呼ぶダークファンタジー漫画らしい設定と、スタイリッシュな世界観が融合したおすすめの人気作です。
魔女と野獣
講談社 著者:佐竹幸典 既刊10巻
2024年にアニメ化されたダークファンタジー漫画の注目作です。魔女や魔術が存在する世界を舞台に、自らに呪いをかけた魔女を追い求める野獣の復讐の旅路が描かれます。
かつて世界には、「オリジン」と称される17人の「起源の魔女」が存在していました。その力を受け継いだ魔女を崇拝する街にやって来た、1人の魔術師の男と少女。獣のような目をした少女・ギドは、自らの呪いを解くために魔女を探しており……。
ギドと相棒のアシャフが各地で魔女にまつわる事件を追いながら、悪事を働く魔女たちを狩っていくピカレスク・ダークファンタジー。復讐を軸にした登場人物たちの人間ドラマや、魔女と野獣の苛烈な戦いなど、多数の見どころがあるおすすめの1作です。
ゴブリンスレイヤー
スクウェア・エニックス 原作:蝸牛くも 作画:黒瀬浩介 既刊15巻
下級モンスター・ゴブリンの討伐に心血を注ぐ「ゴブリンスレイヤー」の戦いを描いた異世界系ダークファンタジー漫画。Webで連載されていた人気小説のコミカライズ作品です。2016年に「月刊ビッグガンガン」で連載開始され、アニメ化も果たしました。
冒険者を志す女神官の少女は、あるパーティーからゴブリン退治の話を持ちかけられます。しかし、多数のゴブリンに囲まれてパーティーは全滅。危機的状況にあった彼女を助けたのは、序列3位の銀等級を持つ甲冑姿の冒険者・ゴブリンスレイヤーでした。
ゴブリン討伐だけで上位等級に上り詰めた冒険者による、ゴブリンを殲滅する旅路を追いかける斬新な設定が見どころ。群れで襲いかかってくるゴブリンとの凄惨な戦いが描かれます。RPGのような世界観のダークファンタジー漫画が読みたい方におすすめの作品です。
レ・セルバン
小学館 著者:濱田浩輔 既刊5巻
亡国の王と記憶を失った娘の旅路を描いた、ダークファンタジー漫画の巨編。『はねバド!』の著者・濱田浩輔が、2022年より「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載している1作です。
舞台は、魔物や妖術が存在する異世界。山裾の国・ヘレンタールの王であるセルバンは、友好関係にあった隣国の侵攻と国が封印してきた邪竜の目覚めによって、国も民も何もかもを失ってしまいます。
セルバンの娘・アルシノエの力で邪竜を抑えられたものの、アルシノエはその代償に父との一切の記憶を忘れてしまうのです。
国と記憶を失った親子による、全てを取り戻すための再生の旅路をテーマにしたダークファンタジー漫画。大迫力の作画で絶望的な展開が容赦なく襲いかかるファンタジー作品です。
漫画ならではの独創的な世界観や、予想を裏切るハラハラドキドキとした展開を楽しめるのがダークファンタジー漫画の魅力。悲劇を前にした極限状態の人間ドラマに加えて、奥深いテーマ性や謎を盛り込んだ作品が多いのもおすすめポイントです。感情を揺さぶられる読書体験をしたい方は、ぜひチェックしてみてください。