かわいらしく時にそっけない、猫との暮らしを描いた「猫漫画」。SNS発で話題になった作品も多く、猫を飼っている人は共感でき、飼っていない人は生活を想像できるのが魅力です。

実話をもとにペットとの絆を描いた作品から、クスッと笑える作品まで種類もさまざま。そこで、本記事ではおすすめの猫漫画を、4つのジャンルに分けてご紹介していきます。
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• 目次
• 猫漫画のおすすめ｜エッセイ作品
• 猫漫画のおすすめ｜癒される作品
• 猫漫画のおすすめ｜笑える・ギャグ作品
• 猫漫画のおすすめ｜泣けて感動する作品

猫漫画のおすすめ｜エッセイ作品

鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン！

KADOKAWA 著者：鴻池剛 既刊3巻

Twitterで話題になった、著者と自由な猫・ぽんたの日常を描いたコミックエッセイです。2015年にKADOKAWAから書籍化された猫漫画で、主人公は著者でもある鴻池剛。第1回「次にくるマンガ大賞」の本にして欲しいWebマンガ部門で2位も獲得している人気作です。

猫と一緒に暮らす剛ですが、飼い猫のぽんたは自由そのもの。猫じゃらしは咥えて走りまわり、吐くときはなぜか携帯電話の上。そんなぽんたとのドタバタな日々を描いています。

そっけなく思い通りにならなくても、やっぱりかわいい。そんな猫の魅力をギュッと詰めた1作です。SNSでは発表されていない書き下ろしストーリーもあるので、作品に触れたことがある方にもおすすめです。

伊藤潤二の猫日記 よん＆むー

講談社 著者：伊藤潤二 全1巻完結

ホラー漫画界を代表する作家が描く、実話をもとにしたギャグエッセイ漫画です。日本ホラー漫画界を長く牽引する伊藤潤二と猫の日常を描いています。

ホラー漫画家・Jは婚約者との新生活に想いを馳せていました。しかし婚約者のA子は、実家から猫を連れて来たい、新しい猫を飼いたいと言い始めます。犬派のJは猫を飼い始めますが、呪い顔のよんと子猫のむーはまったく彼に懐かず……。

著者がホラー漫画家である特徴を活かしている猫漫画です。絵や言い回しはホラー漫画ですが、内容は猫好きなら共感してしまうあるあるが多く、ギャップが面白いと評判。伊藤潤二の作品が好きな方にもおすすめの1作です。

犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい

講談社 著者：松本ひで吉 全7巻完結

犬派も猫派も楽しめる、多頭飼いの日常を描いた猫漫画です。Twitterで人気になった作品で、講談社から出版されています。2020年には、花澤香菜と杉田智和が犬と猫の声を担当するアニメが放送され、話題になりました。

天真爛漫で呼ばなくても元気にやってくる犬くんと、魔王のように君臨し気ままに生活する猫さま。落ち込めば犬くんは元気に慰めてくれ、猫さまは遠くから見守ってくれます。どちらもかわいい犬と猫に囲まれた、エッセイ作品です。

犬と猫のまったく違う魅力が描かれているのがポイント。猫さまのクールな振る舞いがオチになることも多く、コメディとしても高い評価を得ています。猫だけではなく、犬が出てくる作品を読みたい方におすすめです。

猫なんかよんでもこない。

実業之日本社 著者：杉作 全5巻完結

夢を絶たれたダメボクサーと黒猫の関わりを描いた、実録コミックです。2012年に、実業之日本社から出版されました。2015年にはアニメ化され、2016年には風間俊介主演で実写映画化もされています。

夢を絶たれたボクサーは、ある日突如黒猫と共に暮らすことになります。犬派であり、猫が嫌いだった彼。しかし、ボクシングをやめた彼を頼ってくれたのは、その黒猫だけでした。無愛想な黒猫と、男の物語です。

プロボクサーへの道を諦め、ニートのような生活を送っていた主人公。そんな生活の閉塞感と猫の愛らしさで、胸がいっぱいになる作品です。

うちの猫がまた変なことしてる。

KADOKAWA 著者：卵山玉子 既刊7巻

卵山玉子と2匹の猫、そしてロン毛の夫の日常を描いた、猫にツッコみたくなるコミックエッセイ。アメブロ猫ランキングで1位を獲得したブログ漫画です。

卵山玉子は2匹の猫、トンちゃんとシノさんと暮らしています。ある日、飼い主の目を盗んで、イタズラをしようとするトンちゃん。飼い主が覗くとそこには箱にギッチリと詰まったトンちゃんがおり、思わずツッコんでしまうのでした。

猫の不思議な生態を、ゆるいタッチで楽しめる猫漫画。オールカラーで、実際のトンちゃんとシノさんの写真も掲載されているので、普段あまり漫画を読まない方にもおすすめです。

ペン太のこと

講談社 著者：片倉真二 全10巻完結

1匹の愛らしい子猫を家族として迎える、感動の猫漫画。2014年に講談社から出版された作品で、著者は、ほかにも猫漫画を手がける片倉真二です。

物語が開始したとき、著者である漫画家とその妻は喧嘩を繰り返していました。そんななか、漫画家は癒しを求めてペットショップに立ち寄ります。そこには、ほかの猫に踏まれても気にしない、マイペースな子猫が。この子猫を連れ帰ったことをきっかけに、家族はあたたかさを取り戻していきます。

猫でも、一緒に暮らせば家族。かわいらしい猫・ペン太の行動に癒され、展開に涙を流す方も多い作品です。猫をテーマにした、泣けるコミックエッセイを探している方に、おすすめです。

鴨居家のマルちんは猫です

ホーム社 著者：鴨居まさね 全2巻完結

猫離れしたマルちんとの日常を描く、一風変わった猫漫画です。『君の天井は僕の床』などで知られる漫画家・鴨居まさねと愛猫の暮らしを、コメディテイストで描いています。

鴨居さんが飼っている猫・マルちんは、仰向けが大好きなスコティッシュフォールド。ごはんを催促するその姿は、誰が見ても猫。しかしマルちんは、よく直立する、人と会話が成立する、お迎え時から達観している人間のような猫だったのです。

人間のような猫の行動に、思わず見入ってしまう本作品。著者の猫愛が伝わります。少し変わった猫のありのままの姿に、癒されたい方にもおすすめです。

黒猫ナノとキジシロ猫きなこ

KADOKAWA 著者：ぱるぱーる 既刊1巻

猫目線で紡がれる、猫と猫の関係を描いたコミックエッセイです。イラストレーターのぱるぱーるが実際に飼っている2匹の猫を描写しており、2020年にKADOKAWAから出版されました。

猫にしては鈍臭い黒猫のナノは、のびのびと暮らしていました。そんな彼の家に、新入りのキジシロ猫・きなこがやってきたことで生活は少し変化。ナノがきなこをしっかりと指導し、2匹はいい距離感を保ちながら穏やかな日々を過ごします。

鈍臭いナノを見ていると、猫もさまざまなタイプがいると改めて感じられると評判の本作品。猫あるあるを、猫の心情を感じながら楽しめます。猫同士の関係に焦点を当てた猫漫画を探している方に、おすすめです。

猫漫画のおすすめ｜癒される作品

夜は猫といっしょ

KADOKAWA 著者：キュルZ 既刊5巻

猫と関わってこなかった青年が猫を知る、ほっこりできる猫漫画です。2022年にはアニメ化され、テレビとWebで公開されました。2020年に、KADOKAWAから出版された作品です。

妹との同居がきっかけで、突然猫と共に暮らすことになった青年・フータ。QRコードが読み取ったことからキュルガと名付けられた猫との暮らしは、彼にとって驚きの連続でした。

疲れて帰った夜も愛しい猫と過ごすことで幸せを感じられると、再認識できると評判です。猫のかわいらしさを捉えている絵柄が魅力。ゆったりと読める猫との日常ストーリーに興味がある方に、おすすめの1作です。

デキる猫は今日も憂鬱

講談社 著者：山田ヒツジ 既刊9巻

実は生活能力がないOLと、家事万能な猫が織りなす同居ストーリーです。「pixivコミック」にて連載されている作品で、「月刊少年シリウス」でも連載されています。「全国書店員が選んだおすすめコミック2020」や「次にくるマンガ大賞2020」のランクインが話題となり、2023年にはアニメも放送されました。

仕事では優秀でも、生活能力は壊滅的な28歳のOL・福澤幸来。彼女は子猫の頃に助けた猫・諭吉と共に暮らしていました。しかし、諭吉はなぜか家事万能な巨大猫になっており……。

お互いがお互いを想いながらも、猫らしくツンデレな諭吉に癒される本作品。とにかく有能な諭吉の仕事ぶりに、主人公が羨ましくなるという声もあります。普通ではない猫を描いた猫漫画に興味がある方に、おすすめです。

同居人はひざ、時々、頭のうえ。

フレックスコミックス 原作：みなつき 作画：二ツ家あす 既刊10巻

人嫌いの不器用男子と頼りになる元野良猫の絆を描く、ハートフル作品です。2015年から「COMIC ポラリス」にて連載中の作品で、「全国書店員が選んだおすすめコミック2017」で3位にランクインしました。2019年には、アニメも放送されています。

人嫌いのミステリー作家・朏素晴（みかづきすばる）は、自分の想像を邪魔する存在が苦手です。しかし、彼は両親の墓参りで出会った1匹の野良猫にネタを見出し、家で飼うことにします。こうして不器用男子×姉さん猫の共同生活は、幕を開けたのでした。

本作品は、素晴の視点から描く「素晴編」と、猫であるハルの視点から描く「ハル編」に分かれているのが特徴。一生懸命素晴を守ろうとするハルの考えが、答え合わせのような形でわかります。人間の視点からも猫の視点からも、猫の生活を楽しめる猫漫画を探している方に、おすすめです。

猫漫画のおすすめ｜笑える・ギャグ作品

ラーメン赤猫

集英社 著者：アンギャマン 既刊7巻

猫が切り盛りするラーメン屋を舞台にした、ハートフルコメディ作品です。2022年から「少年ジャンプ＋」にて連載されている作品で、「次にくるマンガ大賞2022」のWebマンガ部門で5位にランクインしました。2024年には、アニメも放送されます。

猫のみで営むラーメン屋に面接に来た人間の珠子は、店長から猫好きかと聞かれます。正直に犬派と答えた途端、即採用される彼女。そんな珠子の仕事は、ラーメンに関係ない猫の世話係で……。

コメディ漫画ではあるものの、しっかりと猫が営むラーメン屋を描いています。働く猫にも事情があり、客である人間との関係も秀逸。笑いながら感動もできる猫漫画を探している方に、おすすめです。

木曜日のフルット

秋田書店 著者：石黒正数 既刊10巻

半野良猫と半飼い主の関わりを描く、ショートギャグ漫画です。「週刊少年チャンピオン」にて、2009年から連載されています。主人公のフルットは、自分を野良だと思っている猫です。

マンションのゴミ捨て場に生ゴミが出たと聞きつけて、現場に急行する野良猫たち。しかし、1匹の猫を、人間の手が掴みます。その人間・鯨井先輩は、猫のフルットを洗い餌をあげました。綺麗になり餌を食べたフルットは野良猫の先輩に愚痴をこぼし、”まんざらでもないくせに”とツッコまれるのです。

半分野良猫のフルットはもちろん、ダメ人間の半分飼い主である鯨井先輩にも焦点を当てています。ショート作品なので、気軽に読める猫漫画を探している方におすすめです。

東伍郎とまろすけ

小学館 著者：長月キュー 既刊3巻

江戸時代を舞台に、剣の達人の猫溺愛ライフを描いたコメディ猫漫画です。物語は1人の男が圧倒的剣技を披露する場面から始まります。

誰も勝てず、圧倒的な強さで15人抜きを達成する浪人・夏目東伍郎。剣の達人である彼はほかと違い、酒も飲まずに真っ直ぐ家に帰宅します。そして彼は、飼い猫・まろすけに飛びつくのでした。

道場の門下生が憧れる渋い東伍郎と、猫を溺愛する東伍郎のギャップに思わず笑ってしまう作品です。猫を飼っている人ならわかるあるあるも満載。一風変わった猫漫画に興味がある方におすすめです。

ねこ、はじめました

小学館 著者：環方このみ 既刊12巻

猫と体が入れ替わった男子高校生と、飼い主女子高生の日常を描いたコメディ漫画です。2015年から「ちゃお」にて連載されている作品で、第65回小学館漫画賞では児童向け部門を受賞しています。また、内田雄馬と井上遥乃を声優に、ボイスコミックも制作されました。

男子高校生の和代尚は、ある日交通事故に遭ってしまいます。そこで、なぜか彼は近くにいた猫と体が入れ替わってしまいました。ピンチの尚は、助けてくれたかわいい女子高生・チカに飼われることになって……。

女子高生のチカと、猫として2人で暮らすことになった尚。ドキドキする展開になりそうですが、ギャグに振り切っているのが本作品の特徴です。明るい雰囲気のギャグ猫漫画を探している方に、おすすめです。

ねこむかしばなし

KADOKAWA 著者：ぱんだにあ 既刊3巻

誰もが知る昔話や童話が、猫の登場で違うストーリーになるほっこり4コマ漫画です。2020年に、KADOKAWAから出版されました。

赤ずきんを被った猫がベッドで寝てしまい癒される狼や、鏡から1番かわいいのは猫だと言われる白雪姫の魔女。ほかにも、桃太郎やシンデレラなどの話に猫が登場することで、まったく違う展開になっていきます。

誰もボケていない、猫が登場するからこそのシュールギャグ作品です。翻弄される昔話の登場人物たちの反応が面白いのがポイント。気軽に楽しめる猫漫画を探している方に、おすすめです。

猫漫画のおすすめ｜泣けて感動する作品

夜廻り猫

講談社 著者：深谷かほる 既刊10巻

泣いている心に寄り添う、不思議な猫が主人公の8コマ漫画です。Twitter発の作品で、現在は「コミックDAYS 編集ブログ」にて連載されています。第21回手塚治虫文化賞で短編賞を受賞し、2023年にはアニメ化も果たしました。

泣く子を探して夜に練り歩く、猫缶を頭に乗せた不思議な猫・遠藤平蔵。彼は涙は流していなくても心で泣いている人をみつけ、相談に乗ります。あまり的を射た解決はできない平蔵ですが、知らずのうちに人々の心を救っているのです。

8コマで1話が完結するので、次々とさまざまなストーリーを楽しみたい方におすすめ。悩みにも共感でき、心にくると評判の猫漫画です。

俺、つしま

小学館 著者：おぷうのきょうだい 既刊3巻

とにかくリアルな描写を追求した、おじいちゃんとつしまの猫漫画です。2021年にはアニメ化もされました。

外でゴミを漁っていたところを、おじいちゃんに保護されたキジトラのつしま。彼は実は女性のおじいちゃんや先におじいちゃんの家で暮らしていた先住猫であるずん姐さん、新入りの猫たちと共に日々を過ごすのです。

猫の仕草や行動の描き方がリアルで、画力も高いため本物のような猫のストーリーが楽しめる作品です。基本的には猫目線のドライなコメディですが、なかには泣ける感動エピソードも。漫画はもちろん、猫が好きな方におすすめの1作です。

おじさまと猫

スクウェア・エニックス 著者：桜井海 既刊12巻

売れ残った1匹の猫と、紳士で優しいおじさまの絆を育むあたたかい猫漫画です。「月刊少年ガンガン」にて連載中の作品で、「次にくるマンガ大賞2018」ではWebマンガ部門の2位にランクインしています。2021年には、草刈正雄主演でドラマ化もされました。

ペットショップで売れ残ってしまい、客からは見向きされない猫。すっかり卑屈になってしまったそんな彼を、突然1人の紳士が購入します。ネガティブな猫をそっと抱き、おじさまは自分が欲しくなったと語るのでした。

とにかくネガティブで後ろ向きな猫・ふくまるを、甘やかし優しくするおじさまが素敵との声が多い本作品。猫目線のストーリーも多く、感動できる作品を探している方におすすめです。

ゴジュッセンチの一生

KADOKAWA 著者：白川蟻ん 全3巻完結

常に死と隣り合わせである野良猫の一生を、リアルな視点で描いた猫漫画です。Webで泣けると話題になった作品で、2018年にKADOKAWAから出版されました。

5年生きられれば幸運といわれる、野良猫の世界。街の片隅で暮らす七生とマチは、多くの危険が潜む外で強く生きていました。そんななかで彼らは、猫を1度もかわいいと思ったことがないという、1人の人間と出会うのです。

一見のんびりしているように見える野良猫に、想いを馳せる作品。野良猫と人間のリアルな物語に興味がある方におすすめです。