子どもの想像力や感性を育む絵本。読み聞かせはもちろん、自分で読む楽しさを知るきっかけにもなります。しかし、種類が多いため、どれを選ぶべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、小学生向けの絵本のおすすめをご紹介します。選び方のポイントもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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小学生向けの絵本おすすめ|低学年
わゴムはどのくらいのびるかしら?
ほるぷ出版 文:マイク・サーラー 絵:ジェリー・ジョイナー 訳:きしだえりこ
輪ゴムの伸びる可能性を、壮大なスケールで体験できる絵本。1974年にアメリカで出版され、日本でも長く愛されるロングセラー作品です。
ある日、1人の男の子が輪ゴムがどのくらい伸びるのか試してみることにします。輪ゴムの端をベッドのわくにかけて、部屋の外へ。自転車に乗り、バスや汽車、飛行機で進むにつれて、輪ゴムはどんどん伸びていきます。海を超え、砂漠を越えて、ついにはロケット発射場にまで到達するのです。
シンプルな設定ながら、子どもの想像力を無限に広げる展開が魅力。横長の絵本で、枠いっぱいに描かれた絵と短い文章が見やすく構成されています。乗り物好きの小学生におすすめの1冊です。
大ピンチずかん
小学館 著者:鈴木のりたけ
日常で起こりがちな失敗を笑いに変えることができる絵本。誰もが経験する「あるある」な大ピンチを、ユーモアたっぷりに描いています。累計部数は270万部を突破し、シリーズ3巻まで刊行されている人気作品です。
ガムを飲んだ、シャンプーが目に入った、せんたくきのうしろにくつしたがおちたなど、子どもが遭遇するさまざまなピンチを掲載。それぞれに「大ピンチレベル」や5段階の「なりやすさ」の分類、対処法が紹介されています。
著者独特のユーモアとあたたかい観察眼で、ピンチをネガティブな出来事ではなく、面白おかしく前向きに捉えているのが特徴。子どもも大人も共感しながら笑えて、ピンチを笑い飛ばせるようになる1冊です。
しゅくだいがっしょう
PHP研究所 著者:福田岩緒
人前で歌うことの苦手さを、友達の支えによって乗り越えていく児童書。苦手なことを努力で克服する姿を描いた「しゅくだい」シリーズのひとつで、子どもたちが共感しやすいテーマを扱った1作です。
主人公のあゆみは人前で歌うことがはずかしくて、歌の練習のとき声を出さず、歌っているふりをしていました。そんなあゆみを、友達のゆりが温かく励まします。友達と練習を続けていくうちに、あゆみは少しずつ自信を取り戻していくのです。
子どもたちの悩みや葛藤に寄り添いながら、成長の過程を丁寧に描いています。苦手なことに向き合う勇気や、友達との関わりの大切さを感じられる、小学校低学年の子どもたちにおすすめの絵本です。
ともだちや
偕成社 作:内田麟太郎 絵:降矢なな
友だちの大切さについて楽しく学べる絵本。1998年に刊行され、「おれたち、ともだち!」シリーズの第1作目として、累計発行部数200万部を超える人気作品です。
寂しがり屋のキツネがある日、1時間100円で友だちになる〈ともだちや〉を始めることを思いつきます。のぼりを立てて森を歩くと、クマやオオカミが声をかけてきました。しかし、トランプの相手を頼んできたオオカミにお金を請求すると、「ともだちからお金をとるのか」と怒られてしまいます……。キツネは初めて本物の友だちとは何かに気づくのです。
友だちはお金で買えるものではないというメッセージを、押しつけがましくなく伝えているのが魅力。テンポのよい展開とかわいらしいキャラクターで、友だちづくりの大切さを考えるきっかけを与えてくれるおすすめの1冊です。
トットちゃんの 15つぶの だいず
講談社 原案:黒柳徹子 文:柏葉幸子 絵:松本春野
1日分の食べものが大豆15粒だけになってしまった、トットちゃんの戦争体験を描いた絵本。女優・黒柳徹子の実話をもとに、戦争の厳しさと平和の大切さを伝えます。
トットちゃんの小学校時代は、日本が戦争を始めた頃。大好きなパパやトモエ学園での楽しいお弁当の時間、甘いキャラメルなど、安心でうれしかった毎日からさまざまなモノがなくなっていきます。そしてある日、1日の食べものが炒った大豆15粒だけになり、いつ食べるか悩みに悩むのです。
トットちゃんの等身大の視点で語られる戦争の記憶が、子どもにもわかりやすく描かれています。いつも前向きで一生懸命なトットちゃんの姿も魅力です。
しゃっくりガイコツ
あすなろ書房 文:マージェリー・カイラー 絵:S.D.シンドラー 訳:椎名かおる
しゃっくりが止まらないガイコツの奮闘を描いた、ユーモア絵本のベストセラー。大きな絵本サイズと少なめの文字で読み聞かせにぴったりの1冊です。
朝目覚めたガイコツは、しゃっくりが止まりません。シャワーを浴びても、歯を磨いても、ぴゃっくりぴゃっくりと続きます。水を飲んだら骨の間から流れ落ち、人間向けの方法ではまったく効果がなく……。何をやっても止まらないしゃっくりに、ガイコツはさまざまな方法を試していきます。
怖いはずのガイコツがコミカルに描かれ、子どもも大人も笑える滑稽な展開が魅力。ハロウィンの要素も含まれており、季節のイベントに合わせて読むのにもおすすめの作品です。
小学生向けの絵本おすすめ|中学年
3びきのかわいいオオカミ
冨山房 文:ユージーン・トリビザス 絵:ヘレン・オクセンバリー 訳:こだまともこ
「3びきのこぶた」の物語を逆転させ、オオカミが主人公になったユニークな絵本です。オオカミとブタの立場を入れ替えた発想がポイント。小学校でも劇の題材に選ばれるなど人気の1冊です。
3匹のかわいいオオカミが母親から独立し、家作りを始めます。まず丈夫なレンガの家を作りますが、悪い大ブタに壊されてしまいます。コンクリートや鉄の家を作っても、ブタはダイナマイトやドリルで次々と破壊。諦めかけた3匹は、花で家を作ることに……。
暴力では解決できない問題を花の力で和解に導く展開が魅力。争いではなく思いやりで問題を解決する姿勢を学べる、小学生中学年におすすめの絵本です。
ウェン王子とトラ
徳間書店 著者:チェン・ジャンホン 訳:平岡敦
人間と獣の間に生まれた深い絆を描いた絵本。2005年にドイツ児童図書賞を受賞しています。中国の水墨画の手法を用いた迫力ある絵が魅力の作品です。
昔、猟師に子どもを殺された母トラが人間を憎み、村を襲うようになります。困り果てた王は、占い師の予言に従い、幼いウェン王子をトラに差し出すことに。母トラは人間を憎みながらも、小さく弱いものを愛する気持ちを忘れず、王子を育てます。やがて王子は強く心やさしい少年に成長し、人と獣の世界を結ぶ存在となるのです……。
母トラの複雑な感情や王子の成長を繊細に描いた、心ゆさぶるストーリーが見どころ。力強い絵と深いテーマで、命の大切さや共生の意味を考えさせられるのもポイントです。
としょかんライオン
岩崎書店 著者:ミシェル・ヌードセン、絵:ケビン・ホークス
図書館にやってきたライオンと、館長や利用者たちとの交流を描いた心あたたまる絵本。決まりを守ることと本当に大切なことについて考えさせられる、世界中で話題となった作品です。
ある日、静かな図書館に大きなライオンが現れ、スタッフは大慌て。しかし、お行儀のよいライオンは子どもたちの読み聞かせを楽しみ、尻尾で棚のほこりを払うなど図書館の人気者に。ところがある日、ライオンはある事件を起こしてしまって……。
やさしいライオンの姿を通して、ルールの大切さと同時に、ときにはそれ以上に重要なことがあると気づかせてくれます。深い感動を呼ぶストーリーと美しい絵が魅力。図書館が好きな子どもや、思いやりの心を育みたい方におすすめの1冊です。
てぶくろをかいに
金の星社 作:新美南吉 絵:いもとようこ
きつねの親子と人間の心温まる交流を描いた名作絵本。新美南吉の代表作を、いもとようこのやわらかなタッチで表現した1冊です。「大人になっても忘れたくない いもとようこ名作絵本」シリーズの1作として、親子で楽しめる物語になっています。
寒い冬の朝、雪遊びで手が冷たくなった子ぎつねを心配した母ぎつねは、手袋を買ってあげようと決心します。しかし、人間が怖い母ぎつねは町へ行けません。そこで、子ぎつねの片手を人間の手に変え、一人で町へ行かせることに……。
親を思う子の気持ち、子を思う親の愛情が丁寧に描かれています。帽子屋の優しさや人間への信頼など、読み聞かせを通して心の成長を促せるおすすめの絵本です。
地球をほる
BL出版 著者:川端誠
地面を掘り進めて地球の裏側へ冒険する夢を描いた絵本。夏休みに、つよしとけんたとけんたの姉さくらの3人が、日本からアメリカを目指します。子どもならではの壮大な発想を楽しめる作品です。
3人は地球の熱いマントルを避けるため、斜めに穴を掘って進みます。途中、化石や地底人などさまざまなモノに遭遇。掘って、掘って、掘り進んだ先に待ち受けるものとは……。
スケールの大きな冒険心をくすぐるユーモラスなストーリーで、子どもの想像力を刺激します。各ページの絵と文に角度がついており、少しずつ回転させながら読み進める仕掛けも特徴。壮大で楽しい旅を体験できる、小学校中学年におすすめの1冊です。
モチモチの木
岩崎書店 作:斎藤隆介 絵:滝平二郎
弱虫な男の子が大切な人のために勇気を出し成長する姿を描いた、心温まる絵本。子どもの心情を丁寧に描いた物語で、世代を超えて読み継がれています。教科書にも採用され、親子で楽しめるおすすめの1冊です。
5歳の豆太はじさまと2人暮らし。臆病で夜中にひとりで外のトイレに行けず、いつもじさまに付き添ってもらっていました。ある晩、じさまが苦しむ声で目を覚ました豆太は、恐怖を乗り越えて助けを呼びに走り出します。勇気のある者だけが見られるというモチモチの木の光を、豆太は見ることができるのでしょうか。
方言や古い言葉も使われ、民話のような語り口が物語に深みを与えています。読み聞かせを通じて勇気や家族の絆を学べる、小学校中学年の子どもにおすすめの作品です。
小学生向けの絵本おすすめ|高学年
綱渡りの男
小峰書店 著者:モーディカイ・ガースティン 訳:川本三郎
ツインタワーの間で綱渡りをした大道芸人フィリップの挑戦を描いた実話絵本。2004年にコールデコット賞を受賞し、いまはなきタワーの記憶と人々の驚嘆を伝える1冊です。
完成間近のニューヨーク世界貿易センタービルを見上げたフィリップは、「あそこで綱渡りをしたい」という大胆な夢を抱きます。許可が下りないなか、フィリップは仲間とともに夜中にビルへ忍び込み、2つのタワーの間にワイヤーを張ります。地上400mという高さで始まった綱渡りに、通勤客や警官たちは驚愕。綱の上にいる限り止められないフィリップは、自由に空中を行き来し……。
夢に向かって挑戦する勇気と、人間の持つ無限の可能性を感じられるのが魅力。絵の表現力も素晴らしく、高さや緊張感が伝わってきます。想像力や冒険心を大切にしたい高学年の子どもたちにおすすめの作品です。
ぼちぼちいこか
偕成社 作:マイク・セイラー 絵:ロバート・グロスマン 訳:今江祥智
失敗を繰り返してもめげずに頑張るかばくんの姿を描いた、ユーモアたっぷりの絵本。1980年の刊行以来、30年以上読み継がれているロングセラー作品です。関西弁の訳文が特徴で、大人も子どもも一緒に楽しめます。
やるきまんまんのかばくんは、消防士・船乗り・飛行士・ピアニスト・バレリーナなど、次々とさまざまな職業に挑戦。しかし、重量級の体が災いして、何をやっても失敗ばかり。それでもかばくんは「ぼちぼちいこか」と、のんびり前向きな気持ちで次の仕事に挑み続けます。
とぼけた表情のかばくんと、関西弁で語られるユーモラスな展開が魅力。失敗してもあきらめない姿勢や、無理せず自分のペースで進む大切さを伝えてくれます。笑って気楽になれる、小学校高学年の読み聞かせにもおすすめの1冊です。
ピカチュウとはじめてのともだち
小学館 著者:まつお りかこ
ポケモン公式ベビーブランド「モンポケ」から登場した、友だちとの出会いを描いた絵本です。小さな舟で旅をするピカチュウが〈もんぽけじま〉に辿り着き、さまざまなポケモンたちと交流を深めていくストーリーが魅力。2021年に刊行され、ポケモン好きの親子に人気の1冊です。
新しい島で暮らし始めたピカチュウは、島を探検するなかでたくさんのポケモンと出会います。夜の山登りに誘われて恐る恐る扉を開けると、そこには一人ぼっちのミミッキュが待っていました。満月に照らされた森や洞窟での冒険を通して、ピカチュウの仲間はどんどん増えていきます。
丸くてかわいいイラストが、ほんわかとした雰囲気を演出。背景に隠れたポケモンを探すのも楽しめます。
ポケット版チャレンジミッケ! 4 サンタクロース
小学館 作:ウォルター・ウィック 訳:糸井重里
美しい写真のなかから隠れたアイテムを探す絵本。シリーズ累計956万部を突破した大ベストセラー「チャレンジミッケ!」のポケット版で、クリスマスをテーマにした1冊です。
サンタクロースやトナカイ、プレゼントなど、クリスマスの世界観あふれるアイテムが写真いっぱいに散りばめられた絵本。ページごとに指定されたモノを探していくのが魅力です。
観察力や集中力を育みながら、クリスマス気分も味わえるのが魅力。小学生へのプレゼントにもおすすめの絵本です。
































小学生向けの絵本とひと口にいっても、対象年齢やジャンルはさまざまです。感動できる物語や、知的好奇心を満たす科学絵本など、種類が豊富にあります。子どもの興味や発達段階を考慮して選ぶのがポイントです。ぜひ本記事を参考に、お気に入りのアイテムを見つけてみてください。