全国各地で語り継がれてきたお話を、絵と文章でわかりやすく描いた日本昔話の絵本。『ももたろう』『おむすびころりん』『かさじぞう』など有名な作品が数多くあります。恐ろしい山姥が登場する怖いお話、動物が出てくるほっこりするお話など、バリエーションも豊かです。

そこで今回は、日本昔話絵本のおすすめをご紹介します。英語の初期学習に適した作品もピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてください。

日本昔話の絵本おすすめ

ももたろう 日本傑作絵本シリーズ

福音館書店 文:松居直 画:赤羽末吉

ももたろう 日本傑作絵本シリーズ

日本を代表する昔話絵本の決定版です。対象年齢は読み聞かせなら5.6歳から。桃太郎の原型を追求して創り上げた作品で、『日本傑作絵本』シリーズの1冊として長く読み継がれています。

むかしむかし、おばあさんが川で洗濯をしていると、「つんぶく かんぶく」と桃が流れてきました。家に持ち帰って切ろうとすると、中からかわいい男の子が飛び出してきたのです。「桃太郎」と名づけられた男の子は、やがて立派に成長。きびだんごを持って鬼ヶ島へ鬼退治に向かいます。

日本画を想起させる水彩画の力強さと、独特の擬態語が印象的。民話調のリズミカルな日本語表現が、声に出して読むことで物語に躍動感を与えます。昔話の本来の魅力を味わえる、読み聞かせにおすすめの絵本です。

いっすんぼうし

福音館書店 文:いしいももこ 絵:あきのふく

いっすんぼうし

努力や勇気の大切さを教えられる日本昔話の絵本です。長く親しまれている「一寸法師」の物語を美しいイラストと再話で楽しめます。文章はひらがなで表記されており、単語や文節ごとに空白で区切られているのが特徴。朗読や読み聞かせにおすすめの日本昔話絵本です。

子宝に恵まれず悲しんでいた老夫婦がようやく授かったのは、手の親指ほどの大きさしかない小さな赤ん坊「一寸法師」でした。老夫婦は大喜びして大切に育てますが、成長しても体は小さいまま。そこで一寸法師は一念発起し、都を目指して旅に出ます。

都にやってきた一寸法師が、小さい体をいかして活躍する姿が見どころ。勇気を出して一歩を踏み出す大切さを実感できる作品です。読み聞かせするなら4歳から、1人で読むなら小学校低学年が目安。傑作といわれる日本昔話絵本を探している方はチェックしてみてください。

The Rolling Rice Ball おむすびころりん

岩崎書店 文・絵:いもとようこ 英訳:Soshi Uchida

The Rolling Rice Ball おむすびころりん

英語で楽しめる日本昔話の絵本です。いもとようこの『はじめてのめいさくえほん おむすびころりん』を、簡単な英単語と文法で英訳した作品。英語での朗読をサポートするCDが付属しているため、英語学習の導入としてもおすすめです。

おじいさんが食べようとしたおむすびが、ころころ転がって穴の中へ……。おむすびの後を追いかけたおじいさんも穴の中に落ちてしまいました。

子供たちがよく知っている物語を、易しい英語で楽しめるのが魅力。あらすじを知っていれば、わからない単語が出てきても想像しながら読み進められます。小学校低学年から高学年の子供におすすめの日本昔話絵本です。

かちかちやま

福音館書店 再話・小澤俊夫 画・赤羽末吉

かちかちやま

うさぎとたぬきの対決をいきいきと描いた日本昔話絵本です。日本各地に伝わる「かちかち山」のストーリーから、昔話研究者として知られる小澤俊夫が選んで書き直した作品。『スーホの白い馬』『おおきなおおきな おいも』などで有名な赤羽末吉が描いた味わい深い絵も魅力です。

大切なおばさんをたぬきに殺されて悲しみに暮れるおじいさん。勇敢で賢いうさぎは、おばさんの仇を討つため、たぬきにさまざまな仕返しをします。うさぎとたぬきの対決はどう決着するのでしょうか。

昔話の残酷な一面を垣間見れる作品です。悪いことをすると最後には痛い目にあうという教訓を得られるのがポイント。読み聞かせるなら4歳頃、自分で読むなら小学校低学年頃からがおすすめです。

うらしまたろう

偕成社 文:松谷みよ子 絵:岩崎ちひろ

うらしまたろう

誰もが知る日本の昔話を、幻想的な絵で綴った絵本。『いわさきちひろの絵本』シリーズのひとつで、みずみずしい色調と透明感あふれる水彩画が物語の世界を美しく彩ります。

亀を助けた浦島太郎は、お礼にと竜宮城へ招かれました。乙姫様のもてなしを受け、鯛や平目の舞い踊る華やかな宴を楽しみますが、ふと地上のことが気になり帰ることになります。そして、別れ際に渡された玉手箱を開けると……。

いわさきちひろの淡く優しいタッチにより、竜宮城の幻想的な雰囲気と、物語が持つ切なさが見事に表現されています。昔話の魅力を絵から感じ取れる、読み聞かせにもおすすめの1冊です。

かぐやひめ

ポプラ社 文:中脇初枝 絵:柳田義明/門野真理子 解説:西本鶏介

かぐやひめ

平安時代の物語『竹取物語』をわかりやすく紹介した日本昔話絵本です。古くから語り継がれてきた有名な作品を、読みやすい文章と本格的なアニメーションイラストで楽しめるのが魅力。初めての読み聞かせにはもちろん、6歳頃からの1人読みにも適した日本昔話の絵本です。

昔、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。ある日、おじいさんが竹を取るために山へ行くと、1本の竹が光り輝いていて……。竹の中から出てきたのは、小さな女の子でした。

美しい姫へと成長した「かぐやひめ」は、結婚を申し込んできた5人の男性に難題を突きつけます。巻末には児童文学者による解説が掲載されており、昔話への理解を深められるのもポイント。長く楽しめる日本昔話絵本を探している方におすすめです。

かにむかし

岩波書店 文:木下順二 絵:清水崑

かにむかし

『さるかに合戦』を劇作家・木下順二が独自の解釈で再話した、名作の日本昔話絵本。佐渡の昔話をもとに方言を活かした名調子の文章と、清水崑によるのびやかな墨絵で描かれています。

むかしむかし、かにが浜辺で柿の種を見つけ、毎日せっせと水やこやしをかけて育てると、大きな木に成長してたくさんの実がなりました。木に登れないかにに、さるが声をかけて柿を取ってあげると言いますが……。

「かにどん かにどん、どこへゆく」といったリズミカルな繰り返しや、「ずぐずぐ、ずぐずぐ」という独特な擬音表現が印象的。とぼけた味わいの墨絵がユーモアあふれる物語を引き立て、黙読よりも声に出して読むことでより面白さが増します。日本語の響きを味わいながら昔話を楽しみたい方におすすめの1冊です。

かさじぞう

童心社 文:松谷みよ子 絵:黒井健

かさじぞう

思わずほろりと涙するような日本昔話絵本です。民話研究室を主宰し、精力的に民話採集を行っている松谷みよ子によって再話された作品。子育てが困難な時代を生きる老夫婦の姿を描いた、切なくも心あたたまるストーリーが魅力です。

昔、笠作りを生業とする老夫婦がひっそりと暮らしていました。年の暮れ、おじいさんは笠を売りに町へ出かけますが、思うように売れません。がっかりと肩を落としながら帰路につくおじいさんでしたが……。

地蔵さまに笠をかぶせるおじいさんの思いと優しさに胸を打たれます。3歳頃からの読み聞かせにぴったり。美しい絵と味わい深い文章で描かれた、おすすめの日本昔話絵本です。

よみきかせ日本昔話 つるのおんがえし

講談社 文:石崎洋司 絵:水口理恵子

よみきかせ日本昔話 つるのおんがえし

冬の読み聞かせにぴったりの日本昔話絵本です。読みやすく聞きやすい文章と、美しいイラストが魅力。5〜6歳頃から楽しめるおすすめの作品です。

昔、山奥で1人の若い男が暮らしていました。ある寒い朝、罠にかかって苦しんでいる1羽の鶴を見つけた男は、かわいそうにと思って逃がしてやります。その夜、男の家に美しい娘がやってきて「ひとばん、とめて くださいませんか」と言いました。

部屋を貸してあげると、「けっして のぞかないで ください」と言ってはたを織る娘でしたが……。のぞいてはならない理由についての解説も付いており、より深く物語を理解できるのが魅力です。また、短いお話として『ふるやのもり』も収録。読み聞かせやすい日本昔話を求める方に適しています。

したきりすずめ

福音館書店 再話:石井桃子 画:赤羽末吉

したきりすずめ

対象年齢は読み聞かせなら4歳から、自分で読むなら小学校低学年からとされている、日本の代表的な昔話絵本。丹緑本のような素朴で美しい絵と、情感あふれる文章で、世界観を創り出している1冊です。

じいさんは、1わのすずめを自分の子供のようにかわいがっています。ところがある日、ばあさんが作ったのりをすずめが食べてしまい、怒ったばあさんはすずめの舌をちょん切ってしまいました。

じいさんはすずめに謝ろうと、「すずめやすずめすずめのおやどはどこじゃいな……」とすずめのやどを探しに出かけます。

欲張りを戒める教訓が込められており、聞き手の子供が物語を通して大切な学びを得られるのが魅力。正直さや親切の重要性が分かる日本の伝統的な昔話を、親子で楽しみたい方におすすめです。

はじめてのめいさくえほん 4 きんたろう

岩崎書店 著者:いもとようこ

はじめてのめいさくえほん 4 きんたろう

日本の昔話を優しい絵柄で描いた、幼児向けの絵本です。いもとようこのやわかいタッチで描かれる『はじめてのめいさくえほん』シリーズのうちの1冊。ボードブック仕様で、小さな子供でも扱いやすいのが特徴です。

足がら山に住むきんたろうは、生まれつき力持ちで、どんな動物相手でも綱引きや相撲で負けません。毎日くまやうさぎ、たぬきなどさまざまな山の動物たちを集め、相撲をとって遊んでいます。そして……。

穏やかな絵柄と優しい文章で、落ち着いた気持ちで読み聞かせができると好評。親しみやすいイラストと平易な表現で幼児にも受け入れられやすくなっています。親子で楽しみたい方におすすめの1冊です。

よみきかせ日本昔話 はなさかじいさん

講談社 文:石崎洋司 絵:松成真理子

よみきかせ日本昔話 はなさかじいさん

北陸地方に伝わる昔話をもとにした、5・6歳からの読み聞かせ日本昔話絵本。『みるなのくら』も収録されていいます。

ある日、川で洗濯をしていたおばあさんが、黒塗りの立派な箱に入った白い子犬を拾いました。おじいさんとおばあさんは「シロ」と名づけて大切に育てます。

やがて、おじいさんは成長したシロに連れられ、山に行きました。すると、シロが「ここほれ、わんわん」したところから、大判小判がたくさん出てきます。それを見ていた隣のなまけ者のおじいさんは……。

文章と絵のバランスがよく、擬音を使ったリズミカルな語りが特徴的。絵から受ける印象が子供の心に残りやすく、優しさの大切さを自然に伝えられます。昔話独特のテンポのよさで、声に出して読んでも聞いても心地よい作品。日本の昔話を親子で楽しみたい方や、はじめての読み聞かせにおすすめの1冊です。

やまんばのにしき

ポプラ社 文:松谷みよ子 絵:瀬川康男

やまんばのにしき

秋田に古くから伝わる「山姥」をテーマにした日本昔話の絵本です。『ちいさいモモちゃん』シリーズなどで知られる松谷みよ子と、『いないいないばあ』『いいおかお』のイラストを担当している瀬川康男の作品。人間味あふれる山姥のお話を楽しみたい方におすすめです。

ある夜、「ちょうふくやまのやまんばが、こどもうんだで、もちもってこう」という声が響きわたりました。村じゅうで集まって大急ぎで餅をつくことになります。力に自信のある若者2人とおばあさんで餅を届けに行きますが、怖くなった若者たちは途中で逃げてしまい……。

おばあさんはたった1人で無事に餅を届けられたのでしょうか。豪快でユーモラスな山姥の物語を、豊かな色彩とダイナミックな絵で描いているのが特徴。民話をベースにした楽しい昔話を読んでみたい方にぴったりです。

さんまいのおふだ

小学館 文:千葉幹夫 絵:早川純子

さんまいのおふだ

日本全国で語り継がれている有名な日本昔話の絵本です。日本の妖怪研究にも力を注いでいる千葉幹夫と、インパクトのある絵で読者を圧倒する早川純子が手がけた作品。遠目がきくので、家庭での読み聞かせにはもちろん大人数向けの読み聞かせ会にもおすすめです。

山姥が出ると噂されている山へ栗を拾いに出かけた小僧さん。和尚さんが心配していたとおり、山姥に捕まってしまいます。小僧さんは和尚さんからもらった3枚のお札を使って逃げるのですが……。

小僧さんは山姥から逃げ切ることができるのでしょうか。ドキドキしながら読み進められる面白い日本昔話絵本です。漢字には全てふりがながふってあるため、ひらがなを読める子供なら1人読みも楽しめます。

へっこきあねさ

岩波書店 文:長谷川摂子 絵:荒井良二

へっこきあねさ

味わい深い文章とユーモラスなイラストで楽しめる日本昔話の絵本です。「てのひらむかしばなし」シリーズの1作。コンパクトサイズで膝の上で広げるのにちょうどよく、バッグに入れて持ち運ぶのにも適しています。お出かけのお供におすすめの日本昔話絵本です。

昔、あるところで大工のあんにゃがおばあさんと一緒に暮らしていました。隣村からいいあねさがお嫁に来て、大工のあんにゃは大喜びしますが……。あねさが屁をこくと、強い風が吹いて何もかも吹っ飛ばしてしまうのでした。

屁の威力に困り果て、里へ戻されるあねさ。道中でさまざまな出来事に巻き込まれ、大活躍する姿が見どころです。ユーモアたっぷりの面白いストーリーが魅力。セットで揃えられるシリーズ物の日本昔話絵本を探している方はチェックしてみてください。

龍の子太郎 新装版

講談社 著:松谷みよ子 絵:田代三善

龍の子太郎 新装版

国際アンデルセン賞優良賞を獲得した日本昔話絵本です。日本に古くから伝わる民話を再創造した松谷みよ子の傑作。田代三善によるイラストで生まれ変わった新装版です。名作と称される日本昔話絵本を読んでみたい方はチェックしてみてください。

龍になった母を訪ねて旅をする龍の子太郎。母が住むという北の湖を目指して、山を越え谷を越え、数々の冒険を繰り広げながら歩みを進めます。果たして、母との再会は叶うのでしょうか。

旅をしながらたくましく成長していく龍の子太郎の姿に胸を打たれる作品。鮮やかな色使いの絵柄なので、親子でじっくり楽しむ読み聞かせにはもちろん、大人数向けの読み聞かせ会にもおすすめです。

ききみみずきん

金の星社 文・絵:いもとようこ

ききみみずきん

あたたかいイラストと優しい言葉で綴られた日本昔話の絵本です。おじいさんときつねの心温まる交流を描いた、「いもとようこの日本むかしばなし」シリーズの1作。かわいい絵柄の日本昔話絵本が好きな方におすすめです。

罠にかかったこぎつねを助けてあげた心優しいおじいさんは、お礼に不思議な頭巾をもらいます。頭巾をかぶると木や動物の声が聞こえてきて……。

カラスやねずみの話に耳を傾け、お姫様やご隠居様の病気の原因を探るおじいさん。苦労をいとわず助けようとするおじいさんの優しさが心にしみわたります。読み聞かせや朗読に適した日本昔話を探している方にぴったりです。

くわずにょうぼう

福音館書店 再話:稲田和子 画:赤羽末吉

くわずにょうぼう

東北地方の昔話をベースに稲田和子が再話を行った絵本です。力強い語り口と、世界観を忠実に表した赤羽末吉の絵が魅力。スリリングな展開を楽しめる日本昔話の絵本としておすすめです。

欲張りな男のもとへお嫁に来たのは、よく働く美しい女。しかし、女房は一切ご飯を食べません。ある日、蔵の中の米が減っているのに気づいた男が隠れて様子を見ていると、女房は米を炊いて握り飯を作り……。

女房の正体を知った男はどのような結末を迎えるのでしょうか。日本画のような雰囲気を感じさせる味わい深い絵柄で、物語に引き込まれる作品。やや怖い日本昔話を探している方はチェックしてみてください。4歳頃からの読み聞かせに向いています。