木の回路基板を採用した腕時計。
電子回路は、合成樹脂の絶縁体に銅箔などを貼り付けた基板に、部品をハンダづけして構成するのが一般的。しかし、今回ご紹介する「Telhart Watch」は絶縁体に木を使った世界初の腕時計です。
基板の材料は米国産の硬材
回路基板の原材料は米国産の高級な硬材。これを厚さ1mmにカットし、その上に回路を構成しています。
目指したのは「信頼できるデザイン」
継ぎ目のないステンレスのケースは、裏側にも窓があって木製の回路基板が少しのぞいていますが、表側からはまったくわかりません。この最大の特色を控えめにしか見せないところに、ある種の奥ゆかしさを感じさせます。
針を合わせる竜頭も、ケースから飛び出さないすっきりしたデザイン。
開発にあたっては、「信頼できるデザイン」を掲げてものづくりを根本的に考え直したとのこと。高い精度が求められる14のステップを経て、手作りで組み立てています。
サイズは40x8mm、防水性能は50m、針を動かす歯車はスイス製の特注品で、時を刻むソフトウェアもカスタムメイド。電池は3年もつと謳っています。
木のケースにはめ込むと置き時計に!
面白いのは、本体を木のケースにはめ込むとデスクにぴったりの置き時計になること。ベルトを留める小さなピンは、特別な道具を使わなくても簡単にリリースでき、外したベルトはケース内に収納可能なので、行方不明になる心配がありません。
「Telhart Watch」はKickstarterで350ドル(約3万9000円)からの出資枠を公開しています。
木の基板を使ったからといって格段に性能が上がるとは思えませんが、普通のプリント基板ならわざわざ窓を作って中を見せようという気にならないでしょう。本体や文字盤のシンプルなデザインも好ましく、基板や木製ケースの優しい雰囲気とよく合っています。