コントローラーなど物理的なデバイスを使わず、体のジェスチャーをスキャンしてくれて、ゲームなどを楽しむことのできる、マイクロソフトの開発した画期的なデバイス Kinect(キネクト)。今回ご紹介するのは、このKinectにインスパイアされ、私たちの生活をもっと便利にしてくれる可能性を秘めた3Dカメラテクノロジーです。

Kinectにインスパイアされたテクノロジー

Kinectは、投影パターンを投影し、それを読み込んで対象物の形、大きさ、奥行などを測定し、3Dスキャンします。このテクノロジーは様々な分野で活用されはじめています。たとえば、Kinectを使ってスキャンした人の3Dデータを元に3Dプリンターで、あっという間にオリジナルフィギュアを作ってしまうことも!手術中の医師がジェスチャーだけで壁のディスプレイのCT画像をスワイプするという芸当も!

こんなすごいテクノロジー、屋外でもドンドン活用されたらいいですよね?でもダメなんです。太陽光などの強い環境光があるところでは使えないという決定的な弱点が。その弱点を克服すべく、Northwestern University の助教、Oliver Cossairt氏とそのチームが、様々な環境で、もっと高速に正確な画像をスキャンできるカメラを開発しました。

どんな仕組み?

Kinectは複数の投影パターンを投影することにより、速いスキャンができますが、屋外の強い光に弱く、しかも画像があまりきれいではありません。それと比較して、Cossairt氏のカメラは、ほとんどの環境光より明るいレーザー照射で、対象物全体をスキャン。発光している電球も正確に3DスキャンOK! Cossairt氏のカメラは、人間の目が物を認識するときの原理を取り入れ、動いている対象物の変化した部分だけをスキャンするので、高速化を実現。

屋外でも、対象物の形、大きさ、奥行きを高速で正確にデータとして取り込む、このテクノロジーは様々な分野での活用が期待できますね。たとえば、車の衝突回避システムが一般化してきてますが、もっと正確で確実なシステムが出てくる可能性も。研究開発ぜひ頑張ってほしいです。