想像すらできない世界。
土星の衛星タイタンの大きな湖として知られているKraken Mare。その湖底で人類の英知が結集した潜水艦が静かに潜航し、探査を。光速で80分のかなたの海で… 今回ご紹介するのは、NASAが明らかにした、タイタンのメタンの海にもぐり、探査データを収集するコンセプト潜水艦Titan Submarine Phase I Conceptual Designです。
幾多の障害を乗り越えなければならない
仮にこの潜水艦をTitan Submarineと呼ぶことにしましょう。タイタンの湖底探査には、どんな障害があるのでしょう?衛星タイタンの表面気圧は地球の1.5倍、大気の主成分は窒素とメタン、気温はおそらくマイナス179度に達するものと思われています。
潮流などに対処するために状況に合わせた制御が必要ですが、それを難しくする要素が。遠いので一つの指令を送ってレスポンスが帰って来るのに、160分は見込まれています。リアルタイム制御は厳しい。
Titan Submarineはどのようにやっていけるのか?
太陽光での電源確保が難しいため、1トンもあるTitan Submarineは原子力での動力が考えられています。水中速度はおよそ秒速1メートル。地球との交信のために、よく考えられた通信方法が取られ、1日16時間は浮上したままになるようです。
まだ、どうなるか分からない将来のミッションのための、初期コンセプトですが、なんだかワクワクしてきますね!
NASAによると、Titan Submarine Phase I Conceptual Designの意思を受け継がれていくなら、2040年には実現するかもしれないとのこと。そのための準備も膨大なのでしょうね。