夏の風物詩とも言える「扇子」。暑さ対策はもちろんのこと、日本の歴史と伝統を感じさせる粋なデザインと手軽に持ち運べるサイズ感が魅力のアイテムで、末広がりで縁起のよい形であることから、贈りモノにも最適です。

そこで今回はおすすめの扇子をピックアップ。選び方や注目すべきブランドについてもご紹介するので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

扇子の選び方

素材で選ぶ

紙製

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紙製は扇子の骨組みが少し短めに作られているため、その分しなりやすく、より多くの風を生み出すのが特徴です。

さらに、扇子の表面と裏面が合わせ紙になっており、扇子中央に位置する骨組み「中骨」が合わせ紙の間に差し込まれていることから、裏側から見ても中骨が見えず、見映えがよいのも魅力。ただし、耐久性が弱いのが懸念材料です。濡れて素材が痛むほか、月日が経つと色褪せる可能性もあるため、そうした点は留意しておきましょう。

布製

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布製は耐久性に優れており、長く使い続けられるのがポイントです。また、種類やデザインが豊富なので好みに合わせたモノを選びやすいのも魅力。特にシルクや綿でできた扇子は高級感があります。

しかし、折り目が広がりやすく、汚れもつきやすい点は注意。さらに、片側にしか生地が貼られていないことが多く、裏側から中骨が見えてしまうのもあります。購入する際はしっかりと確認しておきましょう。

骨組みで選ぶ

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扇子の骨組みは、左右外側の太い骨の「親骨」と中央にある細い骨の「中骨」で構成させており、竹を用いて作られるのが定番です。この骨組みに、竹のどの部分を使用するかによっても扇子の使用感は異なります。

竹の「表皮」を使ったモノは耐久性に優れているほか、重量感があるのが特徴。一方で、竹の「中皮」を使ったモノは強度やしなり具合は落ちますが、軽量性に優れているため、気軽に持ち運べるのがポイントです。

また、中骨の本数も要チェック。中骨の本数は「間」で数えられ、この数が多いほど柔らかな風を送れる高級品とされています。プレゼント用に購入する際には、中骨の本数も確認しておきましょう。

大きさで選ぶ

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扇子の大きさは、大きく分けて女性用、男性用、男女兼用の3種類があり、それぞれサイズや特徴が異なります。

女性用は6寸5分(約20cm)という少し小さめのサイズで、花柄などの華やかで色鮮やかなデザインが多く用いられているのが特徴。一方で、男性用は7寸5分(約23cm)と手に持ったときに貫録のあるサイズで、黒や紺を基調としたシンプルなデザインを採用していることが多い傾向にあります。

なお、男女兼用タイプは7寸(約21cm)と女性用、男性用の中間サイズが目安。このほかにも6寸(約18cm)のポケットサイズや、祭りや踊り、記念品の飾り扇子として使用される9寸(約27cm)というかなり大きなサイズも発売されています。扇子をプレゼントとして贈る際はぜひ事前にサイズを確認しておきましょう。

扇子のおすすめブランド

白竹堂

「白竹堂」は1718年創業の老舗のブランドです。クオリティの高い京扇子や古典的な扇子をはじめ、アーティストとのコラボレーション品、モダンな扇子など、幅広いラインナップが取り揃っています。

なお、京都の本店では“扇子絵付け体験”などの扇子文化を肌で感じられるイベントを開催しているほか、オリジナルの写真や直筆メッセージを入れたオリジナル扇子、名入れ扇子の製作など、時代のニーズに合わせたさまざまなサービスを展開しているのも特徴です。

白竹堂 つむぎかすり 扇子セット

着物のような紬絣(つむぎかすり)調の生地と、ボリュームのある親骨が特徴の逸品。黒の染骨と同色の組紐が大人の落ち着いた印象を与えます。紺、緑、灰と3色のカラーバリエーションがあり、いずれも洗練された雰囲気に仕上がっているのが魅力です。

扇面と同じ生地の扇子袋もセットで上品な桐箱に入っており、レーザー彫刻で名入れもできるため、プレゼントにもおすすめ。大人の男性にぴったりの扇子です。

白竹堂 観世波(かんぜなみ)ぼかし扇子セット

波模様が美しい和紙の表裏両面に、淡いグラデーションを施したデザインが魅力の「観世波ぼかし」。扇面・扇骨・仕上げ加工までのすべての工程を、高い技術を誇る職人が手掛けた男性用の京扇子です。

カラーは紺、黒、緑の3色。ほのかな光沢を放つ優しい色合いが魅力です。太さのある親骨により、扇子がしっかりと閉じやすい仕様になっているのもポイント。ちりめん素材の扇子袋と本百檀の上品な香り袋がセットになっているため、贈りモノにもおすすめです。

白竹堂 トリガー 扇子セット

「トリガー」は、和装だけではなく、スーツスタイルなどのビジネスシーンにも適したクールなデザインが特徴の扇子。竹のみで作られており、黒染の扇面には繊細な彫加工が施されています。親骨にも半彫りで同じ模様が彫られているのもポイントです。

グレー、ブラウン、ネイビーというシックなカラー展開であるほか、竹ならではの高級感と艶を放つ親骨の塗り加工が魅力。スタイリッシュな扇子を求めている方におすすめです。

新京清堂

明治40年に「京清堂」を創業し、その後平成15年に「新京清堂」と改めて現在に至ります。東京都千代田区神田を本拠地とし、扇の伝統を大切にしながらも“今に生きる文化や考え方”を反映させた「東京扇子」を世の中に発信し続けているのが特徴です。

日本画家、陶芸家、書道家、カリグラファーなどさまざまな分野のクリエイターがデザインを手掛けており、幅広いラインナップを取り揃えているのも魅力。比較的シックなデザインが多いので、ビジネスシーンにもおすすめです。

新京清堂 墨絵蜻蛉セット

扇面には絹素材、中骨にはしなやかな竹、親骨には硬く光沢のある黒檀が使用されており、高級感漂う男性用扇子「墨絵蜻蛉」。扇子を開くと墨で描かれた繊細なトンボが浮かび上がる、風情溢れるデザインが魅力です。

カラーは鉄紺と茄子紺の2色。重厚感を感じさせる佇まいでありながら、竹素材の中骨が叶える軽い使い心地もポイント。デザインと使いやすさの両方を兼ね備えたおすすめのアイテムです。

新京清堂 清流鮎すかしセット

清らかな川の流れを、美しく泳ぐ鮎が描かれている「清流鮎すかし」。扇面は絹と阿波和紙素材、親骨と中骨は竹で作られています。古来より鮎は「吉兆」を呼ぶ魚として知られており、縁起のよい鮎の絵柄は特別な贈りモノにもおすすめです。

カラーは白、紺、黒の3色。それぞれ深みのある色合い特徴です。なお、扇子袋にも鮎が描かれており、清涼感溢れる雰囲気も魅力的なアイテムです。

新京清堂 60間無地色セット

透けて見えるほど薄い絹素材の扇面と60本の中骨を使って仕上げた「60間無地色セット」。竹ならではのしなやかさと力強さを兼ね備えた逸品です。カラーは紺とグレーの2色で、涼しげな雰囲気と高級感に溢れたデザインに仕上がっています。

シンプルな佇まいで普段使いからビジネスシーンまで幅広く使えるのもポイント。高いデザイン性と使い勝手のよさを兼ね備えた扇子を求めている方におすすめです。

舞扇堂

舞扇堂は、京扇子をはじめ、和雑貨やお菓子などの製作販売も手掛けている有名ブランド。伝統的な手法をもとに、時代の感性を取り入れた新感覚の京扇子を生み出し続けています。

雅やかな美を追求した「ものづくり」精神を大切にしており、自社専属の職人、絵師などの匠の技が叶える繊細で華やかなデザインが特徴。布扇子、紙扇子、飾り扇子など幅広いラインナップで、熱い支持を集めている人気ブランドです。

舞扇堂 みやびいろ扇子袋セット

「みやびいろ」は淡いグラデーションに美しい春の情景が刺繍で施された扇子。種類としては「柳」と「山吹」が男性用、「桜」や「柳(蝶)」、「風船かずら」が女性です。

綿麻の扇面に施された絵画のようなデザインと華やかな色使いもポイント。記念品として贈るのはもちろん、日本を訪れる外国人観光客へのお土産にもおすすめです。

舞扇堂 大短地吉祥紋

「大短地吉祥紋」は、崩した卍を繋げた”紗綾形”と、竹を編んだ際の模様を表現した”綱代”の2つを組み合わせた吉祥柄が特徴。吉祥柄はめでたく縁起のよい柄であることから、昔から人気を博しているデザインとして知られています。

職人の手作業により扇骨に施された段掘り加工が、粋な雰囲気を演出。柔らかな手触りが心地よい、綿生地の扇子袋がセットになっているのも魅力です。落ち着いた黒と紺のカラー展開と、薄絹の扇面が叶える繊細な美しさは、フォーマルなシーンにもぴったり。匠の技とこだわりが光る逸品です。

舞扇堂 巧美・吉小紋 扇子袋セット

舞扇堂の扇面絵師である”大成睦穂”による繊細な手描き絵と、シックな小紋、涼しげな透かし柄が魅力の「巧美・吉小紋」。カラーは白、紺、黒の3色で、シンプルながらも京扇子のこだわりが詰まったアイテムです。

風情ある佇まいは贈答用にもおすすめ。手描き絵による見事な筆さばきと絶妙な色使いのほか、和モダンな雰囲気溢れる組み紐のストラップが付いているのもポイントです。

山二

1713年に、扇子製造卸問屋として京都で創業した「山二」。300年間受け継がれてきた伝統を守りながらも、現代のライフスタイルに合わせたものモノづくりに取り組んでいます。

扇子袋やチャームなどの細部までこだわっているほか、どんなシーンでもマッチするデザインが特徴。企画から出荷に至るまで心を込めて、確かな品質のアイテムを世に送り出しているブランドです。

山二 富士芒

「富士芒」は、気軽に持ち運べる伸縮式ポケット紙扇子。通常使用時は21cmですが、扇子を閉じて骨部分をスライドさせると14cmに縮むため、スーツの内ポケットにもしっかりと収まるのが魅力です。

扇面の絵柄は、富士山や流水鮎、風神雷神など6種類。シックで落ち着いた色味の扇面に、趣のある絵柄が大胆に描かれています。粋なデザインと使い勝手のよさで、ビジネスシーンにもおすすめのアイテムです。

山二 紙扇子-Kamisensu-

「紙扇子-Kamisensu-」シリーズは、和紙の涼やかで上品な風合いに仕上がっているのが特徴。扇子の開閉がスムーズで使いやすい仕様になっているのも魅力です。

カラーは「青海波」と「麻の葉」の2色。伝統的な紋様をぼんやりと浮かび上がらせた粋なデザインと落ち着いた色合いは、大人の男性にぴったりです。また、お香の香りが付いているのもポイント。扇ぐたびにほのかな包まれるおすすめの扇子です。

山二 ドット

「ドット」は、その名の通り扇面に繊細なドットが施されたカジュアルな扇子。中骨部分が長く、扇面が少ない“短地仕様”であるため、中骨に施された菱形柄の彫が強調された仕上がりとなっています。

カラーバリエーションは白、紺の2色。ラインナップのなかでは派手さはなく落ち着いた装いなので、シーンを問わず使える汎用性の高い扇子を探している方におすすめです。

宮脇賣扇庵

文政6年に創業し、江戸時代からほとんどの製品を自社で製造、販売してきた老舗ブランド「宮脇賣扇庵」。京都本店の店構えは近世の町屋そのままに、夏扇や舞扇、飾扇のほか、宮中で用いられていた木製の扇“桧扇”など、さまざまな扇子を取り揃えています。

長い歴史の中で培った技法と伝統をもとに用と美が一体化した名品を生み出し続けている扇子は贈答用にもおすすめ。歴史と情緒が感じられるおすすめのブランドです。

宮脇賣扇庵 男夏扇 ひょうたんにとんぼ

上質な和紙と竹で仕上げた「ひょうたんにとんぼ」。真っすぐ前に進み続けることで勝利を呼ぶ縁起物とされている「とんぼ」と、8の字で末広がりであることから縁起がよいとされている「ひょうたん」が描かれた男性用の京扇子です。

淡い色合いと柔らかな和紙の風合いが風情深いのもポイント。シンプルでありながら品のあるデザインが魅力で、特にシニア層におすすめの扇子です。

宮脇賣扇庵 龍馬扇 別注ぐじプリント

京都のメンズセレクトショップ「グジ」のために製作された扇子。穏やかな風合いの和紙の上に甘鯛(ぐじ)がプリントされており、カラフルでスタイリッシュなデザインに仕上がっているのが特徴です。

カラーはバーミリオン、グリーン、ネイビーの3色。竹で作られた中骨が扇ぐ際によくしなり、使い勝手は良好。やや派手さはありますが、しっかりとした扇子が欲しい方におすすめの1本です。

伊藤常

京都の扇子専門店「伊藤常」。普段使い用から飾り扇子、舞扇子、結婚式などに用いられる儀式扇子など、1000種類以上もの幅広いラインナップを取り揃えているブランドです。伝統に培われた高い技術をもとに、さまざまなシーンで活躍する扇子を生み出し続けています。

伊藤常 多幸扇 アルミエアー 紺×黒

紺と黒の2色使いで、とてもシンプルなデザインに仕上がっている扇子。親骨にはモヤがかかったようなアルミ骨が採用され、スタイリッシュなデザインに仕上がっています。

シックな雰囲気はビジネスシーンにもぴったり。扇面には耐久性に優れた布を使用しているため、長く愛用できる扇子を探している方におすすめです。

伊藤常 鷹 柿渋扇子

扇の紙に柿の実からとった渋を繰り返し塗ることで、独特の光沢感と味わい深さを出した「柿渋扇子」。扇面に優美な鷹が描かれた品のあるデザインも魅力のアイテムです。

柿渋扇子はひとつひとつ手塗りため、それぞれ光沢感や色味が異なるのもポイント。約25cmの大きめサイズで、貫録たっぷりの男性用扇子を探している方におすすめです。